東京電力福島第一原発の事故の影響で、不通となっている福島県内の常磐自動車道の除染が来年6月までに終わる見通しとなった。細野豪志環境相が31日の閣議後会見で明らかにした。政府と東日本高速道路は、高い放射線量のため工事が中断している区間も含め、2014年度にも開通させる方針だ。
事故前の計画では、常磐道は11年度中に相馬―常磐富岡インター間約46キロが開通する予定だった。しかし、福島第一原発から6キロしか離れていない区間もあり、事故で工事が中止になった。線量の低い相馬―南相馬インター間約14キロが今年4月に開通したが、以南の工事区間と常磐富岡―広野インター間の約17キロが不通になっている。
環境省は常磐道で除染のモデル事業を行った。舗装路の高圧洗浄や除草などを行った結果、1時間当たりの線量が43.1マイクロシーベルトから8.3マイクロシーベルトに下がった。年間の線量に換算して帰還困難区域の対象外となる50ミリシーベルト以下に抑えるめどがついたという。同省は今後、除染作業を本格化させ、来年6月に完了。東日本高速道路の建設工事を再開させ、完成を急ぐ方針だ。
常磐道は同県の沿岸部の交通の大動脈で、地元では復興に向けた早期開通を求める声が強く、環境省も優先的に除染を進めてきた。
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY201208310237.html