人気を博している『虎に翼』だが,司法試験を受けるまで・裁判所勤務になるまで辺りでは特段気にならなかった。
尾野真千子の語りが絶妙で,自身が尾野真千子を好きなので総じてよい印象だった。
だが,昭和30年頃から「説教臭い」と感じていた。
たとえば,現代に通じる話題でデリケートな「同性婚」「原爆訴訟」「痴呆」等について,なにかこう,一つの価値観を示しているのではあろうが,それが国営放送ゆえに一部の権力を感じるのであった。
自身,多様性を認めるべきだと思っているし,そうしないと仕事も家庭も回らないことなど痛感している。
ただ,これらの問題は「個々人」で置かれた環境が異なるので,一律に「正解」など出ないのではないかとも思う。
そう,重要なのは「正解を示すこと」でなく「いろいろな選択肢がある」ことを示すこと。
それでも,国営放送なので,どうしても背景にある「何か」を感じずに居られない。きっと自分の思い込み・バイアスがかかっているのだとも理解しているが...。
役者も台本も素晴らしいが,何かこう「テーマ」が先にあるような気がしてならない。しかもそのテーマに政治的圧力であったり,一部の人の権力を感じる,ということなのだ。
熱狂的フアンには申し訳ないが,こういう見方をする人間もいる,ということをご容赦頂きたい。