ネットで探し当てていた。まさか馬場にあったとは。
「レトロゲーセン」は,21世紀になっても秋葉原には結構あった。記憶の中でも,トライアミューズメントタワー(いまはもうない)が大規模であり,須田町に会社があったときは昼休みにさえ行っていたほどである。毎週のように基盤が変わるのが楽しみだった。
単純にレトロなアーケードゲームをやるなら,当然PCでエミュレータを入れればよい。最近さっぱりやらなくなった「mame」などは非常に有名だし,実際僕もコントローラーを買ってまでやっていた。
21世紀も20年以上経過して,たしかにPCでゲームをやることも可能なのだが,「雰囲気」は自宅ではない。あとはなんといっても「コイン投入」という儀式に伴う緊張感がない。
そこで探し当てたのが,高田馬場・ミカドゲームセンターである。
見たことのないキャラが出迎えてくれる。ビデオゲームは2Fだ。
オオオ! これだよ,これ。
この筐体には見覚えがある。家の近くにゲーセンが多かった1980年代初頭,おもちゃ屋「グー」(という名前だと記憶している)に7台くらいあった。
場所を見つけたのが1983年。すでに近所の子供で盛り上がったおり,遅れてきた自分は「ドンキーコング」「ディグダグ」「ムーンパトロール」「ゼビウス」をやりまくった。1プレイ50円だったのはたしかな記憶だ
この筐体も奇跡のような稼働。CRTモニタにゼビウスの文字が焼けているのがいい。
これこそはPCで簡単に再現できないクレイジー・クライマー。小学生のときに大流行だった。
いまでこそ1000円など簡単に使い切ってしまう。そもそも完全にゲームの技など劣化しているので,「ゼビウス」の「ソル」「スペシャルフラッグ」の位置こそいまでも思い出せるが,体が反応しないので見事にゲーセンの術中にはまってしまう。
得意中の得意だった「ギャラガ」は最終面(256面)まで何度も行ったことがあるのに,5面も進まずにゲームオーバー。
ディグダグでなくパチモンの「ZIGZUG」があったのも奇跡だ。エミュレーターならともかく,当時の実機なのである。まさに殿堂である。
滞在時間は2時間もなかったが,池袋まで行ってロクなルアーを買わなかった(もう在庫で十分)ので,ちょうどよい暇つぶしができた。
ゲームセンター。ファミコンの流行と風営法の改訂で一気に廃れた業界。ブラックだった「不良のたまり場」が「明るい家族の楽しみ」に転換した珍しい例。いわゆる「駄菓子屋の店頭にあるゲーム」もいまはない。そう,子供が同じゲームをすることなどなくなった2022年なのだ。
それにしても,40年前の1982年は中学生だった自分。ゲームと釣りにうつつを抜かしていたが,まあ,楽しかったよね。