大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

昭和問わず語り14 ~ 怪獣ブーム②

2011-11-03 | 昭和
「ウルトラQ」の話の続きです。ちょっと“濃い”かもしれません。

ペギラ、ガラモン以外にも、その後の怪獣のキャラクター作りの基本になったものがいくつか登場しています。その第一がケムール人。怖かったです。技術の進歩で500歳を超えて生きながら、老化を防げない自己の肉体に代わる人間の“若い”肉体を求めて誘拐するという設定。いや、何よりそのグロテスクな風貌は、小学校低学年の子供には十分一人でトイレに行けなくなるほどの恐怖心を与えられたのでした(テリー伊藤氏をはじめてテレビで見た時、「あっケムール人!」と思いました)。宇宙人のフォルムとしては、バルタン星人と並ぶ大傑作であると思います。このケムール人のストーリーは、後の「ウルトラマン」さらには、宇宙人の侵略および共存をテーマとした「ウルトラセブン」に引き継がれていくことになります。
★ケムール人
http://www.youtube.com/watch?v=_sX-kk3lyWo&feature=player_embedded

余談ですが、東宝の怪獣シリーズ映画の“侵略モノ”でも当初の「海底軍艦」や「地球防衛軍」では、その姿こそ見せないものの、宇宙人の納得性の高い理由づけによる侵略が描かれていたのですが、ゴジラシリーズのキンギドラ登場に伴い出てきた宇宙人あたりから、明確な理由なく単に「地球を我がモノのしたい」という流れに変わってしまい、「なんだかなぁ~」と思わされたものです。その他題材に事欠かない怪獣ブームにおけるゴジラシリーズの“功罪”については、改めて書きたいと思いますので、一旦お預けにします。

「ウルトラQ」に戻って、さらに有名な怪獣としてカネごンがいます。この物語も良くできていて、貯金とお金勘定が大好きな少年がある朝起きるとカネごンになっていたというストーリー。子供たちに人の道を諭すかの如き展開は、当時小学校の「道徳」の時間に見たNHK教育テレビのドラマの世界みたいで、実に昭和の匂い満載なのです。しかもこの回の撮影地は今の聖蹟桜ヶ丘。一面切り開かれ土の荒野。そこをブルトーザーが行く様は、今や立錐の余地もないほど建て混んだ高級住宅地となった当地の開発期を、図らずも記録した形ともなり、それを見れるだけでも本当に貴重な映像であります。
★カネゴン
http://www.youtube.com/watch?v=87t2M6zwGnA

このような人間の味方、あるいは仲間的怪獣は、その後のシリーズでもいくつか登場します。代表格はピグモンや怪獣王ブースカ(1年間シリーズで放映されました)です。また円谷プロとは無関係ですが、マンガの「おらぁグズラだど」に登場する主人公のグズラも、同様のコンセプトであったと思います。これらが皆、人間とほぼ同じサイズであるという設定も含めて、この種のキャラクターのプロトタイプはカネゴンであったと言っていいでしょう。

その他記憶に残る「ウルトラQ」の傑作キャラと言えば、海底原人ラゴン。これも怖かった。キャラに対する恐怖心は梅図かずお「半魚人」から受けたモノと一部ダブっているかもしれません。ラゴンは無言で民家に入って来る怖さがあって、「うちに来たらどうしよう」みたいなこれまた一人でトイレに行けなくなる的恐怖に陥れられたのです。この感じ、元祖ホラー映画的と言ってもいいかもしれませんね。ヤツは音楽が好きで、ラジオから音楽が流れると聞き惚れておとなしくなるというのも何とも不気味。確か、漁船に釣り上げられた自身の卵を返して欲しくて陸に上がって来たと言うストーリーでした。風貌といいストーリーといい、後の日活の怪獣映画「ガッパ」の元ネタはこれじゃないですかね。ラゴンは「ウルトラマン」にも再登場します。核実験の放射能汚染の影響という設定で巨大化してしまっていて、「ウルトラQ」登場時の怖さはありませんでした。
★ラゴン
http://www.youtube.com/watch?v=ExQ3e2x2y44


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◆「日報」を使った営業管理がなぜかうまくいかないワケ◆
http://www.j-cast.com/kaisha/2011/11/02111950.html
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