
古伊万里という分野はともかく種々様々な作品がありますね。下記の作品は初期伊万里と陽刻のある伊万里の作品を並べて展示したものです。

古伊万里は出来でいうと盛期を過ぎるとそうそういいものはありません。その後は図柄が面白いとかという観点からの蒐集になりますので、品の良い作品を蒐集しようと思うと江戸期の盛期の古伊万里まででしょうね。

古伊万里 稜花型繋文染付扇文陽刻七寸皿
江戸後期(享保~宝暦年間 1716年~1764年) 合箱
口径213*高台外径*高さ30

江戸後期なるこの頃の古伊万里は品格の高い作品を選ぶのがいいでしょう。

陽刻の出来がいいですが、型によるものでしょうか?

まだこの頃は技巧的にもかなり高度ですね。この後はどんどん量産化され、品が落ちていきます。

染付のアクセントのいいですが、この後は色使いが多くなります。

口縁に茶色に発色する釉薬が塗られているのは中国陶磁器の影響と思われますが、これは古九谷にもよく見れらます。

上等な古伊万里は兜状の形状を成しています。これも古九谷と同じです。

高台内近くの輪線が高台に極度に近いものは中国で量産されている模倣品に多いとされています。本作品のように少し離れているのが通常とされています。

高台内にはイッチン跡が規則的に配置されているのが古伊万里の原則ですね。

高台内の銘はいろんなものがあり、不規則なものです。銘の有無はあまり評価には関係ないでしょう。