夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

葡萄図-6 天龍道人筆 その14

2013-06-11 05:03:08 | 掛け軸
日曜日には久しぶりに護国寺のお茶会に家内のお茶のお稽古仲間と一緒に出かけてまいりました。遠州流は楓の間、江戸千家は月窓軒、武者小路千家は牡丹の間、裏千家は不味軒で催され、遠州流はお家元、武者小路千家は若宗匠の正客にてお薄をいただきました。



梅雨時期には天気がよく、暑すぎるくらいでしたがいい気分転換になりました。



茶道も一つの転換期にかかってきてるように思われます。


さて本日はまたまた天龍道人です。「葡萄図」も六作品目となりました。

葡萄図-6 天龍道人筆
紙本水墨軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1830*横405 画サイズ:縦1320*横315




落款は「天龍道人八十四歳筆」と書され、印章は「王瑾」、「公瑜」の白文朱方印の累印が押印されています。押印部分が滲んでいることから水に濡れたものと推察されます。



84歳の天龍道人の作品に代表作品とも言うべき六曲屏風一双の葡萄図の作品があり、雄渾の筆力の逸品といえます。




この頃の天龍道人の葡萄図はみずみずしさの頂点ですが、この作品以降は枯淡の域の葡萄図と移行していきます。




特に90歳の時の作品である六曲屏風一双の「葡萄図」は最高傑作と言われています。天龍一代の傑作であるばかりでなく、千古の傑作とも言われています。フェノロサは雪舟をブラームスに比しましたが、ドイツの美術史専門であるゼッケル教授は天龍道人の葡萄図をモーツアルトに比したと言われています。




ところで葡萄、蒲桃もギリシャ語の「ポトリュス」の音訳だそうです。



天龍道人の展覧会がまたどこかで開催されることを願って止みません。



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