深夜の祈り

真夜中に救急車と消防車が走る。
情報センターに問い合わせると、先月行方不明になった「同級生のお姉さん」が最後に目撃された地区の救急支援、という。
反射的に車を出してから、はっとする。なにをやってるんだ。
マテマテ、落ち着け自分。野次馬でもあるまいに。
狭い道で、支援の邪魔にしかならんだろ。

うーーーーん、と考え直して、迂回する。
勝手知ったる我が町だもの、道端から、遠く赤色灯が点滅しているさまを眺めて、ため息をひとつ。
あのあたりの地形は、こうなってああなって、うーーーん、人家か畑、かな？
辺り一面漆黒の闇。
川でなくて、よかった。

とほとほとほ、猫の世話をして。
みるき、車に乗るの？
乗っけたら、ひとしきりかき回して、降りちゃった。
おーーーい、片付けてよ。。。って、無理だろな、と、一人ツッコミして苦笑い。
なんとかして、自分を奮い立たせたい一心なのだ。

コンビニでホットカフェラテを買って、エンジンかけずに車の中で飲む。
砂糖なし、でも、ホッとする味。

そうこうしてるうちに、ずいぶん時間がたってて、救急車が戻ってきた。
ゆっくり目に走ってる。・・・・ふむ。
そういうこと、か。
いや、違うかもしれん。
でも、
・・・・いや、あたしが考えたってどうにもできんのよ、落ち着きましょう、自分。

なんで焦るか、というと、20日の深夜に、入浴してたら風呂場の戸を誰か開けようとしたのよ。
なんだ？と開けたら、脱衣所には誰もいなかった。
確かに、扉に手をかけたんだよ、すりガラスに伸ばした手がうつったもの。

明日の新聞に出るのかな。
違ってたら、出ないよね。
違っててほしいような、早く発見してほしいような、もったもった混乱の深夜。

みんなの魂が、平安でありますように。