腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

NINJA GAIDEN3をもう一度

2012年10月20日 14時39分57秒 | PS3ゲーム感想文
そもそもNINJA GAIDENシリーズは、別に「世界で大人気」というほどではない。
2までは大ヒットしていたように言われることもあるが、大体世界総計でも100万から150万程度(らしい)だ。
成功の部類には入るが、世界的大ヒット作品には及ぶべくもない。そんなもんと言えばそんなもんだ。
アクションゲームとしては中堅のやや下の層に位置するくらいだと思う。メーカーの規模を考えてもそれくらいだろう。

だが売り上げはその程度でも、その中にいるファンの熱意は非常に強烈である。
他のゲームを圧倒する突き抜けたアクションの品質は触れた者を虜にし、一度信者になればもう抜け出せない。
常識や理性をぶっ飛ばす出鱈目な難度調整がプレーヤーの挑戦欲を掻き立て、ますますゲームにのめり込ませる。
ゲーム全体を見れば欠点や荒っぽい部分も多く、良くも悪くもとにかく尖がったゲームである。
それがまた他の「よく出来た」有名シリーズとは違う味を醸し、ファン心を擽ってくれる。ある意味非常にオタ臭いシリーズである。

……それだけに、多くないファンが少なくない熱意を抱くシリーズだけに、最新作「NINJA GAIDEN3」への評価は凄まじかった。
その圧倒的批判の嵐は、ここで並べるまでもない。グーグル先生のキャッシュにゴミの如く幾らでも溜まっていることだろう。
元々、製作の要だった板垣伴信氏がテクモを退社し、作り手が一新されたことで、出来が大いに不安視されている作品ではあった。
そして発売された3は、不安が現実のものとなるばかりか、それ以上の酷い出来栄えだった。ファンの誰もが愕然とした。
僅かに新規プレーヤーが褒めているのを見たことはあるが、シリーズファンの3への評価は「酷評」で一本化されてると言っていいだろう。
とあるクリエイターはツイッタで「どうしようもないクソゲー」とまで発言した。あれには見識を疑ったが。
そして俺自身も、発売から少し遅れたがプレーし、他のファンと大差ない感想を抱いた。それは以前じっくりと書いた。
別に今になってあれを撤回する気はない。あれはあれで変わらぬ俺のNINJA GAIDEN3感想文だ。
死ぬほどハマった初代。何だかんだで最高難度・超忍への道を踏破した無印2。3がそれらに大きく劣った作品であることは疑いない。
それでも2周プレーし、難度「ハード」まではやり遂げた。これを区切りとし、俺はNINJA GAIDEN3を終了した。
……そのつもりだったのである。


今作の難度は、「ヒーロー」「ノーマル」「ハード」「MASTER NINJA」の4段階が用意されている。
実はもう一つ「ULTIMATE NINJA」が存在するのだが、有料DLCなので省く。配信当初は無料だったらしいのだが……勿体ないことをした。
このうち「ヒーロー」は完全にゲーム初心者向けで、ガチャプレーでもクリア可能。俺の眼中にはない。
ノーマル、ハードと2周し、最初の感想を書くに至った。これだけでも十分今作をプレーしたと言える。
で、この2周で様々なマイナス方向の感想を抱いたが、難度面では「かなり難しい」という手応えを感じていた。
ノーマルの時点でもよく死ぬし、ハードになれば更に倍加。何度も何度も死んで、その度にしつこくコンティニュー。
ゲームの面白さは全然違っても、この形態は前作までと変わっていなかった。そこに「継承」を感じていた。

そしてハードクリア後、俺は一応MNにも挑戦してみたのである。しかし、無理だと思った。割とあっさり諦めた。
俺は難度の高いゲームは望む所だが、何でもかんでも受け入れるわけではない。求めているのは「納得のいく難しさ」だ。
前作まででも高難度モードの理不尽さは凄かったが、一方で主人公リュウ・ハヤブサには高い性能が与えられていたから、
その強い部分を駆使すれば、難所を突破する光明はあった。進む為の「軸」がちゃんと存在していた。
3ではそれを感じられないのが大きな不満だった。当然難度に納得できず、結局MNは最初のセーブポイントにすら辿り着けなかった。
ここで終了。個人的美学には反してないし、まぁ仕方ない。今更今作の出来に文句言ってもしゃーない。じゃあね、NINJA GAIDEN3。
これで終わったはずだった。実際2ヶ月以上プレーしなかったのである。


ある日、ネット某所で今作の話題を見た。流れが相変わらず批判全開だったのは言うまでもない。
そこで俺は、何気なく質問をしてみたのである。それはある雑魚キャラの倒し方にコツはないか? というものだった。
MNではこの雑魚が初登場する場面で頓挫し、諦めていたのである。もし攻略法があるなら、話は随分変わってくるなぁ、と。
……で、実際、コイツには確固たる攻略法が存在したのである。それを使えば、かなり楽に、そいつを捌けるようになる。
また同時期に「Xbox C4」という攻略サイト様を読み耽り、再び今作への興味が湧いたというのも大きかった。
このサイトはXBOX・XBOX360ゲームを精力的に攻略しており、当然NINJA GAIDENも初代や2、Σまでしっかりフォローしている。
それでいて3も妥協なく、極めて丁寧にプレーし、攻略をしている。あくまで誠実にゲームをプレーする姿勢に多大な敬意を表する。
俺の今回の再プレーにはこのサイトの攻略は必要不可欠だった。この場を借りてお礼申し上げます。直接? 恥ずかしいし……(最低)。

この攻略サイトでも、とある非常にガードの固い、厄介な雑魚キャラへの効果的な攻撃を知った。俺自身では間違いなく気付けなかった。
……この辺りで、既に終わったものだった3への意識がビンビン盛り返してきていた。だって俺はブサさんが大好きだから。
前述のように、俺が3に失望し、MNを諦めた大きな理由は「軸になる技がない」ことだった。要するにブサさんが弱いのである。
だが他人様の攻略法により、軸とはいかないまでも効果的な手段が存在する事を知った。これなら、やれるのではないか……?
久方ぶりにディスクをPS3に突っ込み、MNのプレーを再開。そしたら後はもう、止められなかった。


実際、攻略は通じたのである。難関だった強敵雑魚(矛盾)を、攻略によりどんどん倒せる。もちろん順調とはいかないが、進める。
以前は辿り着けなかった最初のセーブポイントまで行けた時、俺の意識は完全に変わっていた。「これは、やれる、やらなきゃ」と。
そこからは、もうハッキリ言おう、面白かったよ。俺はNINJA GAIDEN3にハマったよ。怖いけど断言しておく。

最初のプレーでも感じたことだが、今作はゲームの出来はさておき、難しい。それが難度MNとなれば? 無茶苦茶難しい。
敵の攻撃は苛烈を極め、攻撃力は異常なレベル。一瞬で死に、やり直し。やり直しに次ぐやり直し。理不尽なゲームデザイン。
……だがこれは、初代でも無印2でも、高難度モードにはあったことだ。別に3が際立って難しく理不尽なわけではない。
NINJA GAIDENはそういうゲームなのだ。そして俺はそれが好きだったのだ。3は難度においては、シリーズ最新作に相応しいものだったのである。
そこに攻略法により、ゲームを進められる光明が見えた。理不尽な死を死ぬほど繰り返し、同じ回数やり直し、やがて突破する。
やってる事は、かつて旧作の超忍モードに挑んだ時とまるで変わらなかった。俺はマゾ気質ではない。だがNINJA GAIDENは別腹なのだ。
完全に調教されていた俺は、この理不尽なモードにすっかりやられていた。本当に亀のようにのろい進行が、しかし心地良い。
どんな理不尽な難所も、トライ回数を重ねれば抜けられる。最早腕前ではなく根気の勝負だが、それもNINJA GAIDENの特色だ。
ああ、面白い、最高だよ。怖いけど書いておく。毎日能動的に、やる気を満たして電源を入れたよ。まさか3でこんな日が来るとはなぁ。

とは言え、ゲーム性が変化するわけではない。以前抱いたゲームへの不満は当然残り、「所詮3は3」でもあった。
とにかくブサさんの動きが重く、思い通りに動かせないのが最大のストレスだ。NINJA GAIDENの美徳を思い切り殺している。
中でも風駆(ホーミングジャンプ)を自在に出せないのは本当にもう……。最終的には「これも仕様、難度の一環」と諦めたよ。
悶えるような理不尽難度の山を少しずつ崩していき、それに喜びを見出す。ただしあくまでNINJA GAIDEN3であることを念頭に。




MNの攻略は、ずばり「飯綱落としと飛燕」である。徹底的にこれである。
どちらも旧作でも要の技として活躍してきたが、今作では別格の存在感を誇る。非常に頼りになる。
と言うより、他の技が使えないのだ。MNの敵は非常に強く、攻撃力が高く、プレーに「遊び」を入れる余裕がない。
従って雑魚の処理には飯綱か飛燕を延々繰り返すことになる。そして登場する雑魚の数は膨大だ。うんざりするほどだ。
これは完全に「作業ゲーム」だった。同じ事を延々繰り返す。この傾向は低難度でも存在し、今作が批判を買った点の一つだと思う。

……けど、正直、これも結構楽しめたんだよな。いやホント怖いな、3を肯定するってのは。肯定ってほどじゃないんだけど。
作業は作業だが、MNでの雑魚処理作業は、決して気を抜けない。いい加減にやってミスをすれば、あっという間に投げられて死ぬ。
こういう「一瞬の油断から来る死」は旧作でも散々苦しめられた、NINJA GAIDENの厳しい所だ。それは今作にも受け継がれている。
作業プレーも緊張感を持ってやっていれば、案外苦にならない。何だかんだで飯綱コンボには爽快感あるし。
そして飛燕は、今作では雑魚敵に限り「一撃必殺」技にパワーアップしている。あくまで当たればの話だが。
飛燕がヒットすると相手を刀で刺し、仕留める。これは今作の新たな仕様であり、数少ない改良点だと思う。
MNでは飛燕に頼りきるほかないので、この一撃必殺を存分に楽しむことができる。ここは間違いなく3の面白い所だった。
手裏剣を一発当てて飛燕、風路で相手の頭を踏んで即飛燕、どちらも正に必殺。ブサリと刀を刺し、殺す。気持ち良い。
頼らざるを得ないことで、結果的に今作の飛燕快感(?)を存分に楽しむことができた。これは怪我の功名というやつなのだろうか。


低難度では感じなかったが、MNだと今作のボリュームは大きい。非常に長い戦いの旅路を歩むことになる。
戦闘一区切り毎に自動でチェックポイントが入るが、セーブポイントまで辿り着かないとデータセーブはできない。
またチェックポイントではHPの状態も保存されるので、体力の減った状態だと、次の戦闘で延々大苦戦することになりかねない。
今作には回復アイテムの概念がなく、基本的に「目の前の戦闘に集中すればいい」のだが、MNだとその限りではない。これまた厳しい。
毎日プレーしたが、進行はほんとうにゆっくりだった。当然死んだ回数も尋常ではない。無印2の超忍への道より多かったかもしれん。
敵とブサさん、双方の数え切れない屍を重ねた結果、とうとう、MASTER NINJA モードをクリアー。
我、超忍の域に達したり。よくやったぞ俺。本当によくやったぞ俺……。

実際、ゲームの評判の悪さもあり、今作のMNをクリアーした人は少ないと思う。
糞高い難度はそのままにゲームの質が落ちていれば、そりゃプレーする意欲も失せるだろう。以前の自分がそうだったからよく分かる。
それだけに、今回の達成は誇らしい。誰にでもできるこっちゃねーよ。うへははは。俺、超忍。お前、下忍。うへははははは!!
……ま、今は言わせてやってくれや。NINJA GAIDEN3を褒めたんだぜ? これくらいの役得はあってもさ。はぁ。



で、最初に書いたように、実はまだ上の難度が存在するのだが、それは現状有料DLCなのだ。
さすがに金を払って更なる高難度に挑戦する気にはなれないので、少々心残りではあるがここまでにする。
それにMNをクリアーできたら、多分UNもやれると思う。敵への対処はほぼ固まってるし、構成が変わっても大した問題ではない。
もし何かの弾みで再び無料開放されたら、プレーしてみる……かな? 断言はできんな。非常に大変なのは確実だからな。
NINJA GAIDENの高難度、それは決して娯楽一辺倒ではない。男とは何か、意地とは何か、根気とは何か。そんな世界だ。
ちなみに今作MNの煽り文句はこれだ。
【折れぬ刃、挫けぬ心を持つ者。超忍のアクションを極めたい人へ。プレイスタイルの変更不可。】
前作のような味はないが、「折れぬ刃、挫けぬ心」という文句はなかなかいい。俺なんかまさにそれだな。ふひひ。ひ。



してもうすぐ、比類なき新ハードWii Uにて、全面改訂版「NINJA GAIDEN 3: Razor’s Edge」が発売される。
これは無印3を大幅に改善し、ほぼ別ゲームになっているようだ。多くの面で2寄りに戻し、旧ファンの声に応えていることが分かる。
これはハッキリ言って俺ら無印3プレーヤーを舐めきった行為であり、到底納得できるものではない。釈明でもしろや早矢仕!!
せめて値段を4800円、高くても5800円に抑えれば誠意を感じたが、何の躊躇いもなくフルプライスである。
無印版所持者に対する感謝と謝罪の気持ちなど微塵もないのだろう。まぁこの図太さがなけりゃ、3を発売なんて出来んのかもな。
俺はWii U本体の購入にはかなり前向きだし、REももしかしたら入手するかもしれない。あやねはどうでもいいんだけどな。あやねは。多分。
今回は任天堂の目も入ってるし、紹介記事読むだけでも少なくとも無印3よりマシになってることは確実だろう。
しっかし、3の発売は今年3月22日やで? たった9ヶ月でここまで露骨な完全版商法ってなぁ。
PS3とXBOX360でもDLCで対応するなら分かるけど、一切フォローなし。いや来年2機種版のREを出すのか? 早矢仕ならやりかねんな。
何にせよ、REに旧ファンが戻ってきてくれるのか、それとも3で既にそんな人はいなくなっているのか。
その動向に注目したい。基本的には売れて、次なる作品への糧になってくれることを願うけどね……。


ファンはとっくに3を見限り、少ない興味は既にREに移っている。
そんな時に俺は3の高難度モードにハマり、堪能した。これは板垣NINJA GAIDEN派からすれば完全に裏切り行為である。多分。
いや違うんだ、もちろん1と2も好きだぜ? それらの方が好きだぜ? だがかと言って、3を全否定する必要もないだろうってことだ。
「どうしようもないクソゲー」なんてそうはない。やり方次第で、こちらの感性次第で、また違った面白さを見出すこともできる。
今回その事を改めて強く学んだ。


別に無理してつまらんゲームに付き合う必要はない。でも、もしかしたら、そのゲームは化けるかもしれんぜ?
数多あるゲームソフト、いや創作物は、見方を変えれば全く別の姿が隠されているかもしれない。
もちろん確証はない。あるかもしれんし、ないかもしれん。どっから見てもどうしようもない作品だってあるかもしれない。
だが運良く違った姿を発見できて、それを楽しむことができれば……こんなに嬉しいことはない、ね。
我がゲー道はまだまだ険しく、長い。たまには少し道を戻ってみたら、逆方向からの風景は新鮮に感じられる、かもな。
……戻りすぎて回顧一辺倒にならんようにな。俺そればっかしやからなぁ。寧ろさっさと先に進め、と。
はぁ……。










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