腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ペーパーマリオ スーパーシール

2021年07月31日 23時53分28秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
【ハード】3DS
【メーカー】任天堂
【発売日】2012年12月6日
【定価】5028円円(税込み)
【購入価格】500円(中古)
【プレー時間】15時間


ゲーム……に限らんが、触れる作品を選ぶ際のやり方には、自薦と他薦がある。自分で決めるか、人の意見に耳を傾けるかだ。
そして俺はもちろん自薦派である。他人の意見になど耳を貸さず、我が道を征く者ナリ。これぞ男のあるべき姿。ンぬふふふ。
……アホか。そんなんじゃない。まぁ自薦中心派なのは事実だが、単に選択肢が多すぎて他薦を手に取る余裕がないだけだ。
本当ならもっと誰かの薦めるゲームもやってみたい。特定個人じゃなく、ネットで見た匿名の意見にも興味を引くものはある。
だがとにかく時間が、余裕がないのだ。3桁を超える罪ゲのある現実において、他薦ゲーは選び得ぬ贅沢なのである。はぁ。

で。話は変わるが、「ペーパーマリオ」シリーズである。既に20年以上の歴史を持つ、割と存在感のあるマリオ傍系シリーズだ。
尚、俺は一本もやったことがない。俺の日常である「知らぬ間に積み上がりにっちもさっちも化したシリーズ」の一つだった。
といっても興味はあるので、プレーするつもりだった。具体的にはWii「スーパーペーパーマリオ」をやりたいと思っていた。
シリーズでは中間の作品ではあるが、ペパマリは連作ではない(多分)から、中途開始もまぁよかろう。単純に面白そうだし。
つってもすぐに動くわけでもなく、いつも通り「いつかやる枠」に入れてチンタラ日々を過ごしていた。そんなある日のこと。
とある記事にコメントを頂いたのである。今から5年ほど前の話だ。特に問題はないと思われるので、そのまま引用する。

Unknown (Unknown)
2016-12-04 17:06:06
・ペーパーマリオ カラースプラッシュ
10月13日発売
開発 インテリジェントシステム
企画 任天堂
機種 WiiU

もしこの機会に他のペーパーマリオに触れたいと思ったら、
ペーパーマリオ スーパーシール
マリオストーリー
ペーパーマリオRPG
スーパーペーパーマリオ
の順でお願いします
ペーパーマリオRPGは現在のハードでは出来ません

ぬぅ。つまりペパマリシリーズのお勧めプレー順を教えて頂いたのだ。ちなみに記事は毎月の雑で、ペパマリに触れてはいない。
投稿者名は空欄。正直かなり謎なコメントだったが、情報は有用だったので、俺は「覚えておきます」と返信した。
つってもあくまで参考だ。この時点で俺はスパペパのプレーをほぼ決めていた。申し訳ないが、俺の事情を優先致します。
そう思った。実際、最新作(当時)である「ペーパーマリオ スーパーシール」を最初にプレーするってかなり変だと思うし。
並べられた作品を順不同でやれば、コメントを参考にしたことにもなる。それで問題ない。じゃあスパペパだ。ゲーム開始だ。
……この5年間で、何度もそう思った。しかしその度に上記のコメントが頭を過ぎり、「本当にいいのか?」と囁きかけた。
ぶっちゃけ、そこまで気にするほどの内容ではない。恐らく書いた本人さんもとうにこのことを忘れていると思う。多分だが。
なのに、本当に不思議なことに、俺はこのコメントが忘れられなかった。……なればもう、これは縁だ。従おうではないか。
既にスパペパは入手し、勢いでペパマリRPGも入手した。マリオストーリーはWii UのVCで買う予定。その状況で、まずスパシル。
おかしな形ではあるが、やるとなったらやればいい。3DSがまだ立体視を大切にしていた頃のゲーム。最早大昔だな……。

ぬぅ、てわけで「スーパーマリオ ペーパーシール」である。略称はスパシルでええんかな? ペパシル? まいいや。
今作はプレーはもちろん初めてだが、発売当時に噂は結構聞いた。正直、悪い方向ばかりで。相当な駄作との声もあった。
俺の知る情報は「社長が訊く」程度だが、その中だけでも、何だか製作者が窮屈そうに作ったという印象が受け取れた。
シャチョキクの中でも語られていた「宮本茂氏からの天の声」が今作に悪影響を与えたというネットの噂は今も覚えている。
氏は恐らく任天堂のマリオタイトル全てに目を通してるはずだから、今作に対して何らかの提言をすることは何もおかしくない。
だがそれによりスタッフのやり方が狭められ、ゲームがつまらなくなったとしたら、それは確かに「悪影響」「戦犯」であろう。
まぁ、取り敢えずはやってみよう。本当に駄作なのか? 宮本氏のせいなのか? やってみれば分かる。といいなぁ。はぁ。


……して、実際にプレーし……「世間の声は正しかったな」と。他者の推奨を受けてプレーしたゲームに相応しい結果だった。
先に言っておくと、ダメゲーではない。任天堂、そしてマリオブランドらしいと言える品質を感じた。駄作ではない。多分。
だがゲーム全般がとにかくチグハグと言うか、非常に迷走している。本当に「こういうゲームにしたかった」のか?
シャチョキクから感じられた「窮屈そう」という印象がピタリ当たっていた。製作者が存分に力を発揮したとはとても思えない。
それでも任天堂の、マリオのタイトルとして一応は仕上げているんだからある意味感心した。ほんまこれよく形になったな、と。
でもそれは皮肉めいた感想であって、やっぱゲームとして面白かったとは言えない。不快要素も多く、イライラは終始あった。
製作者が我を通してこうなったならまだ分かるがそうではなく、ゲームのあちこちに鎖で縛られているような息苦しさを感じる。
「皆が不本意なゲーム」というところだろうか。誰にも悪意はないはずなのにね。世の中難しいですねゲーム。はぁ。

何から言うか……取り敢えずは今作の要であるシールシステムか。今作はタイトル通りシールがテーマのシールゲーである。
戦闘になればコマンドの実行にシールを使い、フィールドの謎解きにもこれまたシールで何らかの効果を起こすことで対応する。
それ自体は別に構わんのだが、モノはシールである。そう、消耗品なのだ。今作に登場するシールは全て1回限りの使い捨てだ。
これが大きく響くのが、戦闘である。今作は形態としてはRPGで、戦闘の占める割合は高い。ゲームの6割が戦闘だった。
その際の「戦う」が、全てシールを使い捨てる。例外はない。3回戦うコマンドを選ぶなら、3枚のシールが絶対に必要となる。
「ならその分シールは潤沢に取れるになってるんだろ?」、はい、確かにその通り。今作では武器シールが方方で手に入る。
けどシールはアルバムに1枚1枚保存するようになっていて、アルバムのページは、特に初期はかなり少ない。潤沢とは言い難い。
アルバムにはフィールド用のシールも保存するから、尚更スペースが足りなくなる。まぁページの増える後半は余裕が出来るが。
そもそもコマンド一つに常にシールを消費というシステム自体が馴染めない。「戦う=ノーコスト」はゲーム業界の常識だろう。
尚、防御コマンドはおろか様子見すら不可能で、ターンが来ればシールの使用を強要される。シール0なら? 逃げるしかない。
逃亡だけはノーコストで実行可能だが、古き良きRPGの伝統に則り、確率で失敗する。当然、そうなると一方的にボコを食らう。
シールが無き者生きる資格なしなゲームである。……ビックリマンブームを少し思い出した。けどあれはいい思い出だよな……。

シール消費は道中での補充で対応可能故にまぁいいとする。でも今作の戦闘はそれを踏まえてもつまらん。不快感ばかりが募る。
まず、タイミング要素。シール攻撃の際、靴なら敵を踏む時に、ハンマーなら振りかぶった瞬間にボタンを押すと、威力アップ。
単調な戦闘にメリハリを付与する良システム……ではない。どうも成功前提なバランスのようで、失敗すると目も当てられない。
靴シールなら敵を踏むタイミングでいいが、ハンマーだと「振りかぶりのベスト状態」で押す必要がある。これが、掴めない。
せめてタイミングの練習を出来る場所があればと思うが、今作にそんな殊勝なものはない。常に実戦でベストを要求される。
んで目押しに失敗するとカスダメージで終わる上、シールは当然泡となって消える。踏んだり蹴ったりで、気分は最悪である。
この目押し要素は戦闘で使う全シールにある(多分)が、ゲーム中それを教えてはくれなかった。自分で気づく必要がある。
押すべき時に画面が光ったりでまぁ「見れば分かる」こともあるが、不親切過ぎて呆れるしかない。宮本さん、ここに怒れよ。
上述のように戦闘バランスが目押し成功を前提に取ってあるので、成功で普通、失敗したらストレスMAX。喜びが全然ない。
ハンマーがカスダメージで終わる度に「この○○ゲーがぁ!」とお下品な言葉が口をついてしまった。間違いとは思わんが。

そんなこんなで苦労して敵を倒した。じゃあ実入りだ! こちとらボランティアじゃねぇんだ、貰うもん貰わんとな!!!
……ない。いや確かにコインとシール(必ず貰えるわけじゃない)は手に入るが、それだけだ。ゲーム的な経験値は一切ない。
そう、今作は成長要素がないのだ。HPだけはアイテムで増えていくが、攻撃や守備やスキル等のお約束的成長が存在しない。
故に、頑張って敵と戦って倒しても、実入りがない。コインもシールも他の手段で手に入れた方が早いから喜びには繋がらない。
今作の戦闘は徹底的に障害でしかない。PRGの戦闘は大なり小なりそういうもんだが、今作は際立ってる。実入りがないから。
コマンド一つでもシールを消費する。シール行動一つに常に目押しを要求される。身構えなければ勝てないゲームバランスだ。
なのに、シールも心もそれなりに消費してやっと勝っても、与えられるものがない。成長がない。ゲームなんか時間の無駄。か?
今作はシンボルエンカウント制、こうなりゃ戦闘は避けるのがベストと言うしかない。クリボーは踏むんじゃない、避けるもの。
……けどそうして避けられるとゲームにならんから、敵の追尾性能は高く設定されている。道の狭さ等でぶつかることも多い。
敵シンボルは踏んで接すると開幕ダメージを与えられるのだが、接触では不可。避けようとすると事態が悪化することが多い。
戦闘は実入りがないから嫌だ→頑張って敵を避ける→でも触れてしまう→踏んで触れるより不利な状況で開始→気分最悪メガMAX
もちろん戦闘はゲームの最後まで続く。戦闘からは逃げられない。……上手いこと言った!! そうでもない。はぁ。

そして、防御面。こちらが殴れば相手も殴り返してくるのは世の常。こちらの攻撃が不発に終わっても敵は容赦してくれない。
防御にシールは不要だが、攻撃と同様目押し要素がある。ボタンを押すとマリオがガードするので、これを敵の攻撃に合わせる。
ガード時間は1秒くらいだろうか。上手くその間に敵の攻撃を受けられれば、ダメージは半減(くらい?)、状態異常は無効。
……受けられなければ? 序盤はいいが、中盤から敵は嫌らしく攻撃タイミングをずらして来やがる。受けるのは容易じゃない。
その場合ガッツリダメージを食らい、敵が状態異常攻撃持ちの場合確率でそれも食らう。そして今作の状態異常は非常に凶悪だ。
なんせ、マリオは一人なのだ。ちなみに今作は一人旅であることやこちらが常に先制攻撃する等、ドラクエ1の匂いが結構する。
だがドラクエ1と決定的に違うのは、「敵が複数出てくる」ことだ。シンボルは一体でも、戦闘が始まると当然のように増える。
露骨な一体多数、多勢に無勢な極悪ゲーム。んで、状態異常には「数ターン防御力減」「行動不可能」等が平然と存在する。
行動不能を食らったら数ターン一切合切何も出来ず、ただ敵にボコられるのみ。令和のゲームがこれでいいのか。平成だったか。
単純なダメージ値はもちろん、ストレスも半端ない。装備やアクセサリの概念もないから状態異常耐性を上げることも不可能。
攻撃も防御も目押し結果で天と地の差、そしてバランスは成功前提で取られている(はず)。……しんどいよこのゲーム。はぁ。

そう、今作、実は難度が高い。少なくとも見た目には全く沿ってない。正直軽く見てたからビックリした。
戦闘前にはシールをキッチリと準備し、戦闘中は目押しをキッチリ成功させないと、マジでにっちもさっちも行かない。
加えて目押しは練習する場がなく、それどころかどこで押すべきか自分で調べなければならない。平成どころか昭和臭い。
前述のように状態異常も異常に(洒落)厳しい。一人旅戦闘で数ターン行動不能とか、どう考えてもやり過ぎとしか思えん。
そもそも、なんで一人なのか。マリオはゲームの最後まで一人で戦う。一応連れはいるが、口ばっかのメスで戦闘は一切しない。
何もかもをたった一人で、1ターン1回の行動で済ませるのは、ゲームバランス云々以上に強いストレスと孤独感がある。
一応コインを使えば複数回行動が可能になるシステムもあるのだが、大量に必要なので雑魚戦でホイホイ使うわけにはいかない。
複数回行動は実質ボス戦用だと思う。尚スロット目押しが得意なら雑魚戦でもガンガン使える。……製作者はパチ好きだろうな。
難度の高い戦闘を一人で延々こなすぼっちゲー、それがスパシルである。マジで惨めなくらい孤独な戦いを強いられるからな。

そんなこんなで雑魚戦を潜り抜けて辿り着くは、ボス戦。今作は本編マリオっぽいワールド制で、ボスもその数だけいる。
そんでこのボス達が―――強い。シンプルにそう言うしかない。非常に強い。ある意味では今作らしい調整がされている。
ボスの攻撃面は、まぁ普通だ。ボスだからってあまりに苛烈な攻撃をされれば、孤独ゲーたる今作じゃ対処も何もないからな。
しかし防御面というかHPは、マジ圧倒的。本当に圧倒される。多すぎ。今作のボス、HP多すぎ。ボスの風格ありすぎ。
こちらの攻撃でダメージ5とかなのに、相手HPは300だったりする。今作の一人旅孤独ゲー絶望感が極まるのはボス戦である。
「ならじっくり戦えばいい」と思うかもしれないが、忘れるな、攻撃には常にシールが必要で、かつそれは消耗品なのだ。
ダラダラ戦っていればいずれ攻撃シールが尽きてしまう。そしたら詰みだ。一応今作では詰み防止でボスからも逃げは可能だが。
しかし仮にシールが潤沢にあっても、被ダメが嵩めば結局負ける。ちなみに回復キノコもシールで、故に手持ちは限られる。
本当に、何と厳しいゲームか。今作はCERO全年齢だが、小学生辺りだと無理じゃね? せめてキャラ強化が出来れば。嗚呼。

ボスと正面から戦ってもまず勝てない。ならどうするか。そこで登場するのが一般シールより効果が高い特殊シール(仮称)だ。
特殊シールは「扇風機」「はさみ」等、現代社会に存在する道具が多い。……世界設定は普通にマリオなのに、ええんかこれ?
また入手にも一手間が必要で、かなり面倒臭い。入手自体は何度も可能だが、持てるのは1枚だけで、使えば再度手間が必要。
持ち運ぶには一般シールと同様アルバムに貼る必要があり、特殊シールの多くはサイズがデカく、スペースを圧迫する。
てわけで持っていくだけでも大変だが、これがないとボスを倒せない。ボス戦の前には入念な準備を。甘えてんなよ。はい。
特殊シールは「形態から想像できる効果」が大事になっている。例えば扇風機なら、言うまでもなく「風を起こす」だ。
そういった効果がボスの弱点を突き、数ターン守備力減や行動不能を起こす。ようやくチャンス到来、畳み掛けるというわけだ。
コインを大量に消費する複数回行動システムもここで使用し、一気に大ダメージを狙う。そうしないとまず勝てない。
今作のボス戦は完全に特殊シール使用前提のバランスになっている。敵に嫌がらせをしろ。僕らはマリオにそれを教えられた。

……のはいいんだが……問題は特殊シールは1枚しか持てず、当然1度しか使えないことだ。無情非情の1回ゲー。
ボスは戦闘中に形態や立ち位置を変える。その「ここだ!」という時に特殊シールを使うことで初めて弱点を突くことが出来る。
しかしそれ以外の状態だと、シールはハラリと落ちて消える。まぁ少量のダメージはあるが、ボスのHPの前には焼け石に水だ。
ボスの「ここだ!」状態は、ゲーム的に教えてはもらえない。表示が出たり相棒(役立たず)が声をかけてくれたりはしない。
チャンスは自分で発見するしかない。序盤こそ分かりやすいが、それ以降はシール使用場面を推理・洞察しなければならない。
そして何度も言うが、特殊シールは1枚しか持ち歩けない。……つまり間違えたらそこまで。諦めて試合終了ですよ。
いやー。色々とおかしい今作だが、この点は最も「いやいやいやいや」とツッコミが絶えない部分だった。あり得ないですよ。
ボスが強いこと、倒し方に試行錯誤が必要なことは良しとしよう。ボス戦なんだからそれくらいあって当然とも言えるし。
けど「試行」も何も、1回使ったら終わりのアイテムでどう試行しろってんだ。間違ってたらリセットしてやり直せってか。
実際そうしろと言ってるとしか思えん。これは「難しい」ではない。ゲームとして破綻している。無茶苦茶である。
ラスボス(いつもの悪亀)戦は形態を変えながら5戦ほどある。その都度「正解シール」を「正解場面」で使わないと、負け。
正解場面以前に、正解シールを持たずに戦闘突入すれば? 詰みです。逃げるかリセットしてやり直して下さい。
何が正解なのか? 何を準備すれば? 戦闘中に洞察しなさい。初見時? 勘を働かせなさい。マジでこれ。ピーねと叫びたい。
今作のラスボスに初見で勝てた人は地球上にいないと思う。その強さに燃えず萎えるばかりのボス戦が虚しいゲームである。

今作に成長要素はないが、HPだけはアイテム入手により増えていく。最初はHP20で、アイテムで5アップ、最終的には100かな。
ゲームが進むほど敵の攻撃は苛烈になっていくので、ちゃんと増やしていかねばならない。初期HPクリアは無理だろう、多分。
……で、ここでも厳しいことに、このHP増加は隠しアイテム扱いなんよね。普通に道端に落ちているのもあるけど、少ない。
大抵は割と嫌らしい場所に、それもそのコースをクリア後に再度訪れたら出現しているというタイプだった。
これくらい、ボス戦に勝てば自動増加でいいだろうに、何故ケチるのか。唯一の貴重なパラメータアップ要素すらケチケチ仕様。
俺は(特殊シールのために)割と既出コースを歩き回ったことで75くらいまで増やせたが、でなきゃ50も行かなかったと思う。
かと言って「既出のコースにHP増加があるよ」と教えてもらえるわけでもない。嗚呼厳しい、厳しい。虚しくなるほどに。
恐らくHP100まで行けば、ラスボスも楽しく燃えられるレベルの難度になるのだろう。それ実現した人が何人いるかは知らんが。


戦闘に関してはとにかく踏んだり蹴ったりである。面白くない上にストレス要素だらけ、仕様が破綻してるともう散々だ。
では移動方面はどうか。……こっちは戦闘よりはマシだったが、それでも残念ながら戦闘をカバーするほど良いわけでもない。
基本的にマリオ本編のようにジャンプしたりブロックを壊して進み、進めなくなったら謎解きをこなすという内容である。
ここでの謎解きは当然シールで、戦闘で使う特殊シールはここにも出番がある。……一つしか持てないのに。ああ面倒臭い。
例えば「強風で先に進めない」場面では、その原因である扇風機を取り除け(ついでに入手)ばオッケーという感じだ。
「シールを使って謎を解く」場面も当然多くあり、何を使うかのヒントはない。戦闘同様、場面を見て自分で考えねばならない。
そしてこの謎解き関連が、ハッキリ言って難しい。戦闘と同レベルで謎解き・進行が難しく、驚かされた。
いやこれ、マリオでしょ? 任天堂の、年末商戦に出す看板タイトルでしょ? それをこんなガチでええの? とマジで思う。

その場で何をすべきか、どのシールが必要かといった判断が、少なくとも漫然と進めているだけでは絶対に出来ない。
必要シールはその時点までで入手可能だが、例えば2-3で1-4にあるシールが必須だったりする。今作は攻略上メモが必須だ。
そのシールも、大半はフィールドにこれみよがしに落ちているが、一部分かり難いものもある。俺は「電球」発見に苦労した。
もちろん解けない謎ではない。そういう意味では理不尽ではない。けど、「これ、手引必要じゃね?」とは何度も思った。
どう考えても「任天堂の年末マリオ」としてラインを越えていると感じる。単純な難度云々より、突き放した製作者の態度が。
うまく言えないが、現代ゲーム(9年前だけど)のフラグ立てとはとても思えんのよな。これ、意図したバランスなのだろうか?
製作者の意志が入ってるならまぁ仕方ないが、なんかヤケクソ調整な気もしないでもない。何に自棄を起こしたのかは知らんが。
何にせよ、軽い気持ちで触れるとまず間違いなくブッ飛ばされるゲームである。……うーん。難しいのは結構なことだが……。

フィールド謎解きで重要なシステムが「ペパライズ」である。今作の売りの一つだと思われる。……これが? いや俺知らん。
要はフィールドでシールを切ったり貼ったりするシステムだ。フィールドで、いきなり。何とも強引で出鱈目な話である。
今作の世界は一応3Dなのに、そこに平面的なシールを貼るのはおかしい。なのでペパライズにて世界を2D化するわけだ。
ペパライズを起動(と言っていいのか)すると扱えるオブジェクトや空白が浮かび上がるので、そこにシールを切り貼りする。
それが正解ならフィールドに変化が起きて先に進める。まぁ今作らしい謎解きネタだと思う。新鮮味があった。
ペパライズ起動だけならノーコストだし、今作には他にネタらしいネタもないので、詰まったら取り敢えずペパライズが基本。
画面が3D→2Dへウニョ~変化するのは独特の味があって面白い。そこにシール貼るってのは非常に強引だが、まぁ言うまい。
ただ延々こればかりが続くとさすがに飽きる。そして実際延々こればかりが続く。終盤でもシール貼ることに何も変化はない。
貼り方に頭を捻るパズルを入れる等、もうひと押しが欲しかった。今作の中では楽しめたネタなので、あまり言いたくはないが。

シール貼りと言えば、今作には「シール博物館」という施設がある。名前で分かるが、シールを展示する、まぁやり込み要素だ。
今作は本編以外の寄り道要素がこれくらいしかないから、自然これもやることになる。多分。シールを集めて博物館へGO。
博物館には空白の額縁が並んでいるので、ペパライズで集めたシールを貼る。すると詳しい解説が読めてお得だよ、というもの。
……うーむ。こういうの嫌いではないが……展示に貼ったシールは当然の如く消費する。手間を掛けて入手した特殊シールでも。
それでいて、見返りはない。さすがに全部埋めたら何かあると思うが、俺は半分以上達成しても一切何も貰えなかった。
普通こういうのは10枚でご褒美第一弾、30枚で第二弾~てな段階的見返りがあるもんだろう。今作の製作者はケチすぎる。
また博物館つってもいるのは館長のキノピオ一匹だけ。こいつは何もせずマリオに収集を乞うだけ。何か実入り用意せぇやボケ。
一人ぺちぺちシールを貼って博物館を充実させていくってのはなぁ。いっそマリオが自主的に収集を始めたって形が良かった。
白い額縁を埋めていく快感はあるけど、これまた孤独感が募る作業だった。今作はとにかく寂しい。心に隙間風が吹くゲーム也。


物語・世界設定はどうか。実はこれが一番問題があると言える。ペラッペラで寒気がするほど簡素。2012年末商戦にこれはない。
開始直後、マリオらは「シールフェスタ」とやらを開催していた。そこで取り敢えず、ピーチとクッパのいつものアレが起きる。
さぁどうするとキノピオどもが騒ぐ中、シール星からシール姫がやってきて、手を貸してくれることになる。テキトーだが本当。
シール姫は「ルーシー」といい、ダンマリ主人公の代わりに台詞回しを担当する。性格は口うるさいヒロイン系でまぁまぁか。
けど上に書いたがアドバイス方面ではまるで役立たずであり、そういう意味では仲間って感じしない。コバンザメ姫である。
ゼルダ時オカのナビィとそっくりだ。ヒント行為をケチりすぎてキャラの魅力を削いでいる。これでいいのか任天堂。知らん。
けど今作で何より問題なのは、キノピオである。いやキノピオが悪いわけじゃない。でもキノピオ「達」が悪い。意味不明。
というのも、サブキャラがキノピオしかいないのだ。イベントキャラ、店の店員、そこらのモブ、全部キノピオ。頭がおかしい。
口調や色で個性を出すよう頑張ってはいるようだが、そういう問題じゃなかろう。一体何なのかこれは。マジで頭がおかしい。

この点こそ、宮本茂氏の提言が理由らしい。何でも「オリキャラを出さず、マリオ本編キャラだけにしろ」と言われたとのこと。
さて困った。敵はまだいい。マリオ本編にそれなりにいる。けど味方は? マリオの味方って、攫われ姫とキノピオ以外、いる?
いない。まぁロゼッタとかいるかもしれんが、求められているのは軽いイベントキャラやモブだ。存在感大な大御所ではない。
その意味ではキノピオは適しているのだが、他にマジで一切いない。だから全部キノピオで賄いました、と。もうね、アホかと。
無理があるし、不気味でもある。どこ行ってもキノピオ尽くし。ピクミンだったらしっくり来たかもな。何故こうしたんだ。
宮本氏としては、マリオの世界を大事にしたいということなのかもしれない。でもそれなら特殊シールの扇風機等はOKなのか?
扇風機やジェットヒーターの効果が平然とゲームに絡む今作は、良し悪しはともかくマリオの世界どうこう言えるもんじゃない。
ほんま、わけの分からん「縛り」を入れたせいで、設定面でも非常に窮屈なゲームになってしまった。もうね、バカかと。
外部の人間に本当のことは分からんが、この方針を決めた人間は本当に罪深い。完全にこのゲームを殺したよ。あーあ。

そんな設定面で紡がれる物語は、タイトルに倣ってペラッペラ。というか。ない。何かあったか? 俺の記憶にはないや。
桃姫と亀大王がいつもの逢い引きしに行って、マリオが追いかけて、形だけ倒して完了。お約束と言えば聞こえはいいが。
この世界とシール星に関する謎等のネタがあるのかと思いきや、何もなし。ルーシー、せめて何かネタ持って仲間入りしろや。
一応各ワールドでイベントはあるが、本筋に絡むものではない。ハナチャンとのやり取りは面倒ばかりで腹立ったし。
この薄さも「マリオ本編に倣った」と言うなら確かにバッチリだが、だったら傍系としてのこのシリーズの立場って何なんよ。
「ルーシー以外のオリキャラを出せない」ことが決まった時点で、シナリオ担当の気力がプツンと切れちまったんかな。
本当はやりたいこと、描きたいことがあったんだろう。でも会社の方針で。上司の指示で。知らんけどさ。
内部事情がどうだろうと、世に出る作品は一つであり、プレーヤーにはそれが絶対の本物。これがペパシルなのである。
ああ、最後の最後、ルーシーがちょっといいとこ見せるシーンだけは5ミリだけ盛り上がったかな。本当に強いて言えばだが。
俺はそんな展開に燃えるより亀王のウンザリ多段形態変化に辟易していたけど。あんなつえークッパは初めてかもしれんな……。


グラフィックは、内容に反して良好。比類なき立体視ももちろんあり、ペラペラしい絵が見ていて楽しい。……見るだけなら。
ただ、とにかく特殊シールがね。浮きに浮きまくってるアイテムがあちこちに平然と、重要アイテムとして存在している。
これを「絵的に面白い」と受け取るには相当頭を柔らかくしないと難しいだろう。硬い俺には無理だった。
後はキャラ絵はいいけど数が少なくて寂しい。キノピオ尽くしだからね。キノピオに欲情出来る人なら大満足かもしれんが。
音楽は歴代マリオのアレンジが多く、楽しく聴けた。永遠に忘れられない名曲揃い。名のあるシリーズはこの点が本当に強い。
シールを剥がしたり貼ったりの効果音も割と拘ったのだろう、良質だったと思う。細かい部分には任天堂品質がちゃんとある。
ゲーム全体はもう取り返しがつかんから、せめて細部には拘ろうと思ったのかな。あまりにも虚しい仮定、やめとこう。

ふぅ。一度EDを見たらもうやる気は皆無。まぁ隠しボスがいるわけでもないし、博物館埋めを頑張るくらいしかないが。
いやー、あかんゲームでしたね。でも終えた今では憤りより哀れみを感じてしまう。最初に書いたが、不本意なゲームである。
もし今作に多くある欠点について製作者の本音を聞けたら、多分「そういう事情か。お疲れさん」と同情してしまうと思う。
作ってて誰もが「これじゃダメだ」「こうすれば」と思ってたはず。それでも「色々あって」、現実はこうなってしまった。
大人の事情がそこかしこにビンビン感じられる、実に不本意で無念なゲーム。いや全部想像だけどさ。真実は外部にゃ伝わらん。
俺は今になって中古で買ってやったから不満を垂れる程度で済んだが、これに発売当時ファンが触れたら、そりゃ怒るだろう。
岩田さんもシャチョキクどころか発売延期を決めるべきだったよ。経営的に年末商戦は絶対外せないってことだったのかな。
それもまた大人の事情。幾らキレーごとを並べてもゲーム作りは仕事、質に拘っての延期は上が許さなきゃ不可能。
いっそ全てがクソクソだったら盛大なネタゲーになったろうに、なまじ任天堂の誇りで一応形にしているのがまたアレだ。
まぁ個人的には勉強になった。「製作チームの窮屈さ」を感じられるゲームなんてそうそうないよ。ンなの感じたくないけど。

つっても俺たち……たちじゃないか、俺のペパマリシリーズはこれからだ。今後どんどんやっていく。予定。だといいなぁ。
例の提言に従い、次は「マリオストーリー」だ。古さはあっても今作のような窮屈さや難しさはないだろう、多分。といいなぁ。
何気にマリオ本編に行き詰まりを感じるし、俺の任天堂への悪感情もあるから、傍系をやっていくにはいい時期だと思うし。
今作の後に出たWii UやSwitch版もいずれやれたらいいな。さすがに反省して質が上がっているはず。予想。だといいなぁ。
今作を楽しめたとはとてもじゃないが言えないが、新たなシリーズに足をかけられたという満足感はある。それでいいとしよう。
比類なきペーパーマリオシリーズが新たなマリオを俺に見せてくれることを期待して終わり。……また一つ、増えちまったな。
新たなシリーズに手を出せば、数本から十数本は「やらねばゲー」が増える。それらは旧作で、安く手に入るのはいいのだが。
延々過去ゲーをやってるからちっとも新作に手を出せない。過去ゲースパイラル、とでも言うのか? そんなのあるのか?
世間の声から判断して今作のようなタイトルをスパッと切り、最新作からやるくらいの割り切りをしたいもんだ。マジで。
でも俺、不器用なもんで。へへへ。いや誰も褒めてね―よ。実際もう深刻に新作やれてないからな。どうする? 知らん。
世間の声を上手に使うのもゲームの腕前の一部なのかもな。俺はそれが下手なだけ。自分の選択を信じろ? 無茶言うなよ。
はぁ。







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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-08-01 09:29:33
当時この頃の任天堂の末期感は凄かったなぁ
まあスイッチで立て直したんだけど
返信する
Unknown (ota)
2021-08-01 22:34:42
Wii Uは出たばかりながら空気がもう一つ(しばらく後に暗雲)、3DSは売れてるものの値下げ逆ザヤで苦しい時期でしたね。
やっぱ社内の空気や歯車もおかしな感じになってたのかなぁ。そんな内部事情は誰も語ってくれませんからね。
Switchでの復活は見事としか言い様がないですが、今はそれに驕らず次への備えをしておいてくれればと思います。
返信する
Unknown (エル)
2021-08-02 21:16:05
誰だこれ勧めたやつww
主さんはペパマリ初挑戦ということでそこまで怒りの感情は湧かなかったかもしれませんが、リアルタイムでシリーズをプレイしてきた私にとっては間違いなく駄作でしたw
やる意味のない戦闘、個性豊かな仲間キャラの削除、ストーリーの希薄さ等過去作の良さをほとんど削ったような酷い出来でした
シリーズの個人的な評価は
マリオストーリー 80点
ペーパーマリオRPG 90点
スーパーペーパーマリオ 70点
スーパーシール 30点
カラースプラッシュ 40点
オリガミキング 50点
という感じですね
ただ私は初期2作のRPG路線だった頃の熱心なファンということもあり、どうしても後期の作品の評価が低くなっています
過去作と比較しなければ近年の作品は良くやっているという声もあるので最終的には主さんの判断で選んで頂ければと思います
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Unknown (ota)
2021-08-04 01:12:57
>リアルタイムでシリーズをプレイしてきた私にとっては間違いなく駄作でしたw
あー、シリーズファンで発売当時にプレーしたら、まぁ怒るでしょうねw お察しします。
名作をもじった「迷作」という言葉がありますが、今作は完全にそれですな。それでも仕事として完成させなければならなかった悲哀を感じます。

>マリオストーリー 80点
>ペーパーマリオRPG 90点
>スーパーペーパーマリオ 70点
>スーパーシール 30点
>カラースプラッシュ 40点
>オリガミキング 50点

なるほど、あざます、参考になります。
スプラッシュ、オリガミが盛り返してることに安堵しましたw 実際スパシルを踏まえた続編にはかなり興味あります。
今後はマリオストーリーから順繰りにプレーすることに決めてます。数がそんなに多くないから触れやすいシリーズとも言えますね。
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Unknown (グレイ)
2021-08-04 22:50:23
大変にお久しぶりでございます。久しくコメントしていませんでしたが、いつも感想読んでいました。

スーパーシール、懐かしいです。初のペーパーマリオで、現時点では唯一プレイしたペーパーマリオです。
otaさんの感想同様ショックを受けたのを覚えています。
個人的に今作、バンプール(元ラブデリックスタッフ)が関わってるらしいという情報を見て購入を決めたのです。
物語・設定に期待できるかなと思いきや、それがまるで魅力を無くしたものになっていたのが残念でした。それでもって謎解きの面倒さなどが強まっていたのが……。
どうして得意分野であるキャラの濃さで勝負しない、こんな作品になってしまったのだろうとやりようのない怒りと悲しみを覚えたものです。

>過去ゲースパイラル
いやあ…分かります。延々昔のゲームばかりしてます。新作への腰が重いです。今年に限っては手を出したのが微妙なもので(帰魔界村やR・TYPE Final2などです)、より過去作へ比重が傾いています。一人暮らしを始めるようになってからはゲーム基板に手を出したり、道を踏み外したゲーオタとなってますw
オリガミキング、世間の声で個人的には合いそうなゲームなのでやりたいなとぼんやり思ってたのをotaさんの感想で思い出しました。たまにはスパッと手を出そうかなと、思ったりしました(これで結局何のかんの理由をつけてプレイしない可能性の方が高いのが自分でも嫌な感じですがw
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Unknown (ota)
2021-08-06 01:35:41
おおうグレイさん、お久しぶりです。お元気そうでなによりです。

>個人的に今作、バンプール(元ラブデリックスタッフ)が関わってるらしいという情報を見て購入を決めたのです。
そうなんですか。確かにそういった毒というか味は感じられませんでしたね。内容的には盛り込みやすそうなのに。

>いやあ…分かります。延々昔のゲームばかりしてます。新作への腰が重いです
昔は「新作メインにたまに旧作」て流れで上手くやれてたけど、時間が経つにつれ過去の資産が膨れ上がり、逆転してしまいました。
今後も雪だるまが転がり続ける以上、どこかで意識を変えないとどうしようもないですね。旧作を大事にするのが正義とは限らない。


>今年に限っては手を出したのが微妙なもので(帰魔界村やR・TYPE Final2などです)、より過去作へ比重が傾いています。
って、十分新作やってますやんw その上で基板ですか。日本ゲーム史30年くらいをカバーしてません? マジ凄いです。
グレイさんには以前から「この人、どうやってこんなに多くのゲームやってんだ?」と驚かされてます。
恐らく、テキパキとこなしてるんでしょうね。俺はどうしても性格上ダラダラやっちまうので、いちいち効率が悪い。
もちろんゲームがただの娯楽ならそんなの自由ですが、色々やりたいゲーオタとしては、ね。まぁ修正はもう無理そうです。
このまま新旧様々なゲームをやり続けていってください。相当レベル高いですよ、本当に。
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