モンスターハンター3G HDver.

【ハード】Wii U
【メーカー】カプコン
【発売日】2012/12/8
【定価】4800円
【購入価格】3050円
【プレー時間】130時間


2012年12月8日、任天堂の比類なき次世代ハード「Wii U」が発売された。キャッチコピー（の一つ）は【スーパーなWii】。素敵。
……俺はWii Uについて語ろうとするとどうしてもアレになっちまうんで、ここは控えるようにする。直接は関係ない話だし。
んでそんなWii Uを、俺は発売日に購入した。当然だろ？　こんな国民の義務も果たせないGKって一体なんなの？？
ソフトは無論「NEWスーパーマリオブラザーズU」！　……何故か発売二日後に。あと「NINJA GAIDEN3 RE」もすぐ入手したかな。
それからはまぁテキトーにプレーした。マリオがどうにもナニで長期放置に入ったりもしたが、今更だ。もう忘れちまったね。
俺のWii Uロンチ期ってどうだったんだろう。まだ始まったばかりだし、不安もあったけど期待も大きかったんだろうな……。

で。上でマリオを発売二日後に買ったと書いたが……実は本体と共に購入したソフトもあった。そりゃそうだろう。買ったのだ。
「モンスターハンター3G HDver.」を。俺が手に入れた記念すべきWii U最初のゲームは、マリオではなくモンハン3Gなのである。
マリオも同発だったのにこんな選択をするとは、我ながら少々驚きである。……それだけマリオUにマンネリ臭が強かったからな。
尤もそれはモンハンも似たようなものかもしれんが、俺自身はモンハン歴が短く、まだまだプレー意欲が旺盛にあった。
初モンハンは「2ndG」。ややこしく不親切で面倒臭く、面白さがさっぱり分からなかったが、やがて「繰り返す楽しさ」に開眼。
その流れでプレーしたWii「3」でも良質の単調さを堪能した。ラギア＆レウス討伐クエを49分台で達成したことは今も覚えている。
両方とも深いところまでは全然行ってない。そもそもモンハンの真骨頂たるマルチをほぼやってないんだから。でも、それでいい。
俺はソロ中心の緩いモンハンファンでいいのだ。開眼しても尚面倒臭さの多いこのゲームには、これくらいの感覚で丁度良い。
その後3DSで「3G」が発売されたが、体験版をプレーしたところ3DSでの操作に馴染めず、スルーした。初期型3DSはなぁ……。
それから約1年後、新ハードWii Uにて3GのHD版が発表された。公開された画面写真が非常に綺麗で、「おお！」と思った。
しかも今作はネットプレー搭載は当然として、それが無料だという。単独ではモンハン初の快挙。これもう神ゲー確定じゃねぇか！
3を経験した上での3G、そのHD版、無料ゆえに手軽にやれそうなマルチ、新ハードロンチという購入意欲を煽るタイミング。
もうこれしかなかった。また狩り中毒な日々が始まる。そう期待させるに十分な「完璧な購入」だったね。……何語だよ。へ。
　
むぅ。結論から言うと、「初動」は60時間ほどプレーした。モンハンとしては大した事無いが、十分なプレー時間である。
基本は既知の3と同じだから、特に迷う要素は無い。武器は2ndGから変わらず大剣。取り敢えず従来を踏襲し慣れていこうと。
そうして順調にゲームを進めていった。ほぼソロで。マルチはゲームが馴染んでからでいい。モンハンなら過疎化はあり得んし。
目標はとにかく「ソロクエストを最後までやる」である。俺はモンハンはソロとマルチで全く別物と認識しているのだ。
マルチをやるにせよやらんにせよ、ソロをキッチリやり遂げる。これを念頭にモンスターをガンガン狩猟していった。
前作でのラスボス（一応）を倒しても、スタッフロールは流れずゲームが続いた。当然ながら物語も厚みを増していたのだ。
ふっふ、いいねいいね。上位クエストの後はタイトルにもなってる聞く「G級」が登場するはずだ。燃えるぜ。全部やってやる。
ちなみに上位途中までは、経験者なら殆ど苦労せず進められるだろう。3に続き、良バランスだと感じた。

しかし……なーんか、手に返ってくる感触が弱い。完全に想像通りの内容で文句も無いのだが、「こんなもんか」と不満を抱く。
ぶっちゃけ面白さもそこそこ。それでもゲームが進むうちはプレーを続けられたが、やがて上位クエ中盤に入り……行き詰る。
単純に難度が上がり、クエスト失敗が増えた。となると「前準備」を頑張るべきなのだが、ここでモンハン永遠の欠点が顔を出す。
面倒臭いのである。クエストで有用なアイテムの多くは、普通に店売りされていない。素材を集め、「調合」で作る必要がある。
装備も同様で、店売り品はカス性能ばかり。そこから「モンスター素材」で強化していくのがこのゲームの慣わしである。
しかしモンスター素材もまた店売りされていない。入手にはそのモンスターを倒す必要がある。クエストに出て、数十分かけて。
つまりクエストの準備の為にもまたクエストをこなす必要がある。1回では済まず、何度も繰り返す。前準備の為に。
手間の嵐が俺の精神を襲い、面白さが単なる面倒臭さに化け、プレー意欲が急激に落ちていった。……非常にまずい状態である。

「ゲームの手間」というものは微妙な存在で、必ずしも悪じゃない。というかそもそもゲームは無意味な手間を楽しむものだ。
「その穴を飛び越えて意味あるの？」なんて問いは「何で生きてるの？」に等しい愚問である。「そこにゲームがあるから」だ。
人間は面倒臭がりである一方、「達成感」という比類なき喜びを得られる生物だ。故に「進んで面倒なことをする」のである。
しかしもちろん、程度と限度がある。どんな・どれほどの手間にも達成感を餌に頑張れるわけじゃない。そこは人それぞれになる。
生々しいことを言えば「才能」でもある。苦が苦にならないなら、他人より優れた結果を示せるはず。……まぁ俺には分からんが。

モンハンというゲームは、ハッキリ言って面倒臭さの塊である。俺は2ndGに最初に触れた時、このゲームおかしいと思ったよ。
だがそれはユーザーが達成感を得る為の優れた手間だということも、プレーしているうちに分かってきた。全て計算ずくなのだ。
「手間」を「楽しさ」に。ある意味ゲームデザインの基本だ（多分）。モンハンはそれを極端なレベルで実現し、大ヒットした。
……ただしそれは、モンハンのゲームデザインが機能すればの話。そうでなければ「手間だらけで只管面倒臭いゲーム」になる。
モンハンは「回転」のゲームである。同じことを繰り返すが、それが面白い。「円環の理」とでも言おうか。もう古いな。
モンハンを回転させるには強い力が必要だが、それだけに一度回りだせば簡単に止まらず、楽しく回り続けられる。
俺の場合、今作を始めるまでに回転が大分衰えていて、プレー中に遂に止まってしまったようだ。こうなると、悲惨である。
もちろん再度回転させるため、色々やった。勝てるレベルの相手を倒して達成感を復習したり。でも上手く行かなかった。
やがて、放置。つってもこの時点では割と楽観していた。俺にとって放置ゲーは珍しくない。そこから復帰し「化ける」ことも。
しかし……一度止まったモンハンはとにかく「重かった」。再度回そうとしてもビクともせず、徒労が溜まっていくばかり。
いつしか再挑戦の間隔がどんどん広がり……遂には、完全停止。我がWii U歴に消せない傷が残ってしまったのだった。はぁ。

完全停止とは言っても、本当にごく稀に再挑戦はしていた。半年に1回かそんなレベルで。無論、それで上手く行くはずがない。
気持ちが切れているのはもちろん、そんだけ間を開けると操作方法さえ忘れている。舐めすぎだ。……だって、重いねんもん。
気付けば、5年の歳月が過ぎていた。Wii Uは歴代最速（褒めてないぞ）で現役を退き、既に任天堂は「switch」済みである。
つっても俺自身は今もWii Uは常設で、終わらせてはいない。まだまだやるゲームはある。……そして、遣り残しも。
消化不良で放置した今作のことは、ここ数年ずっと俺を悩ませていた。と書くと大袈裟だが、長く引っ掛かっていたのは事実だ。
でも正直、もう無理そうだ。回すべきモンハン歯車は既に錆付き、5年前よりも遥かに強い力でないと再回転しそうにない。
ちなみにこの5年でモンハンは（3DSで）大量の続編が出たが、今作を放置している俺にやる資格などない。だから総スルーした。
旧作にも新作に触れられない。モンハン、ハマれば面白いのになぁ。それは知っているのになぁ。でも全部俺のせいなんだよなぁ。
誰の責任でもない俺の放置。故に誰にも押し付けられない。咎を背負う者。カッケー。はぁ。ま、そんな感じだった。

そんな時である。2018年1月26日、モンハン最新作が発売された。比類なき「モンスターハンターワールド（PS4）」である。
……機種はこう書くと叩かれるんかな？　まぁそういうのは専門家に任せる。任天堂ハードを経て、久々にPSへ復帰した作品だ。
周知のように、これが現在大ヒット中なのだ。それも日本はもちろん、海外で爆発中なのである。これは今までなかった現象だ。
モンハンは破壊的なヒットシリーズだが、それはあくまで日本国内の話で、海外で大きな実績は残せていなかった（多分）。
PSPで超ヒットしたのにシリーズの軸足を3DSに移したのは、海外展開を重視してのことではないかと思う。もちろん想像だが。
その間大成功はしなかったが、種蒔きは続けていた。それが今回遂に芽吹いたということだろう。現在750万本。凄い数字だ。
これはカプコン単一タイトルとしても史上最大のヒットであるらしい。いやはや、お見事、おめでとう。万雷の拍手を送る。
……けど、俺はプレーしない、出来ない。だって今作を放置してるから。そんな咎を背負ってのこのこと最新作を？　アホか。
まぁしゃーない。ツイッターで発売初日から楽しむ皆を横目に、あの時頑張ってたら俺にもこんな未来があったのかなと思った。
そこで俺は、ふとツイートした。深い考えなんてまるでない。勢いとノリで非常にテキトーに発言した。

otagame
@otagame
誰か俺と一緒にモンハン3Gか討鬼伝一緒にやろうぜ。うう。「共闘」とは一体……。
0:42 - 2018年1月26日

と。重ねて言うが、テキトーだ。本気で呼びかけているわけじゃない。「今更それ？ｗ」というツッコミ狙いと言ってもいい。
俺はウケもしないのによくこういうツイートをするのだ。うるさい。ごめんなさい。……が。この時は、様相が違っていた。
あるフォローさんから、返信があったのである。「モンハン3Gなら出来ますよ」と。ええええ……。
ハッキリ言って、戸惑った。繰り返すが、ネタ発言である。本気ではない。それにマジレスが返ってきた。どうすんねん。
その後少し話を進めて、お互いちゃんとWii U版の環境があり、現在でもマルチプレーが可能であることを確認した。むぅ。
俺は考えた。これは、チャンスかもしれない。俺一人では最早回せないであろうモンハン歯車も、誰かの力を借りればどうか？
それにこれは、「ソロをこなしてから」と考えていたマルチプレーを実行する絶好の機会でもある。……もう、乗るしかない。
そうして俺は、Wii Uの電源を入れた。もう何度目かも分からないモンハン3GHDへの再挑戦。ディスクはずっと入れっぱだった。
最新の挑戦からは、1年ぶりくらいか。操作もシステムも忘れまくり。「村クエ（一人用）を手伝ってもらおう」とか考えてた。
取り敢えずオンラインに繋ぎ、フォローさんと合流。ちなみに今作はゲパのみでボイチャ可能。何気に素晴らしい特長だ。
ツイッターではお馴染みだがボイチャは初めて。なかなか新鮮だった。

「どもー」
「どもー。取り敢えずギルドカード渡しますね」
「ぎ、ギルドカードって何でしたっけ？」
「プロフィールみたいなもんですね。プレー時間や討伐モンスターの記録が記載されているんです」
「あーそうでしたそうでした（知らんかった）。……届きました。あざまっす」

【累計プレー時間:854時間　討伐記録:イビルジョー290回ほか】
……ええぇええ……。

「す、すごいプレー時間ですね……」
「ちなみにこのキャラ、2体目なんですけどねｗ」

……ええぇえええええ……。
まぁとにかく、二人で幾つかクエストをこなした。形としては俺のクエストに付き合ってもらうことに。
しかしプレー時間的に当然というかキャラ性能に差があり過ぎ、ほぼ「先生、お願いします」討伐になってしまっていた。

「うーん、正直これじゃ差があり過ぎて共闘の意味がないですね」
「ああ、そしたら次は新キャラ作って来ますよ」
「えぇええええ……気合入ってますね……で、では今日はこの辺で」
「はい、そんじゃまた～」

―――　一週間後　―――
「どもー、新キャラ作ってきましたー。これギルドカードですー」
「あざます。どれどれ……」

【累計プレー時間:31時間】
……ええぇええ……い、一週間でこれ……？


もう何というか、ガチモンハナー（普通にハンターでええやろ）の姿を見せ付けられ、驚きまくりだった。スゲーなぁ。
彼のモンハン愛は、考えるまでもなく本物。強い力をビンビン感じる。これなら俺ももう一度狩猟魂を取り戻せるかもしれない。
何度か彼と共に狩りへ。モンハンはマルチとなるとゲーム性が一変する。ハッキリ言うと簡単になる。が、マルチはこれでいい。
そもそもこれこそが本来のモンハンなんだと思う。多人数でワイワイ、ドタバタ狩猟劇。一人孤独に地味狩りなんて邪道だ。
無論一人用はちゃんと用意されているし、マルチでも先に行けば難度はどんどん上がる。でも本来は、皆でガヤガヤ楽しく、だ。
そしてモンハンはソロでもマルチでも取得出来る素材や金は共通だ。つまり「マルチで稼ぎ、強化し、ソロをやる」ことも可能だ。
……本当は、こうすべきだったのだ。ゲームに慣れるまではソロをやり、ある程度のところでマルチに行き、人とプレーする。
そうすりゃ他力本願だろうと何だろうと、自然に素材や金が集まり、強い武具を作れる。それをソロに持ち帰るべきだったのだ。
延々ソロをやる俺が間違っていたのだ。そんなことをすればどっかで行き詰まり、嫌になるのも仕方ないというものだ。
無論ソロ一択も可能ではある。そうしてるプレーヤーは幾らでもいるだろう。けど、それはやっぱどこか邪道なのだ。
うーむ。まさかここに来てモンハンの心得を学ぶことになるとは。ちっと大袈裟だが、精神的に楽になったのは事実だ。
もちろんマルチプレー自体も楽しい。普段より気楽だし短時間で終わり、それでいて報酬もソロと変わらず貰える。
「想定されてるバランス」は明らかにこちらだ。断固ソロ一択を通すなら、それだけの覚悟が必要。……間違ったなぁ。はぁ。

プレー中は常時ボイチャが可能だから、狩りについて打ち合わせをする。が、もちろんそれだけじゃなく、雑談も多い。
その中で色々とこのゲームについて訊ねた。知らないことばかりではないが、改めてモンハンについて把握したかったのだ。
俺は旧作でもソロだったし、ネットで他のプレーヤーのモンハン話を読んだことも殆どない。「他人の普通」が知りたかった。
そこでマルチ中にフォローさんに色々話を聞き、ネットでプレーヤーの逸話を読んでみたりした。
……そしたら、割と「皆似たようなもの」であることが分かってきた。例えばクエ前の準備は皆面倒臭い。そういうものなのだ。
ドリンクや砥石の携帯を忘れてあちゃーとなるのも「よくあること」らしい。俺しかしないミスだと思ってたわ。　
俺の考える「モンハンの重さ」がそう的外れではないことを知り、気持ちも楽になった。一方で「面白さの真髄」は不明のまま。
彼等が何故このシリーズに魅了されるのかは今もよう分からん。俺と同様、「（歯車が回った時の）繰り返しの面白さ」なのか？
まぁそれはともかく、こうして他人の力を借りることで……やりましたよ。錆びてガチガチだった歯車が、回り始めました。
俺の狙いはズバリと当たった。しんどいながらも体を動かしていけば、いつしかそれが楽しくなる。よくある人間の性質だ。
あれだけ重荷だった今作が、あれよあれよと毎日電源を入れるゲームに。オッケーだ。今こそ、積年の呪縛を解き放つのだ！！

5年前、俺が今作の放置に入った直接の原因は、「ギギネブラ+ギギネブラ亜種討伐」クエをクリアー出来ないことだった。
クエ自体は上位中盤くらいで、そんなに難しいものじゃない。だが2体同時であることや準備の多さが、とにかく重かった。
まず、こいつ等だ。このクエストを達成すれば、そのまま回っていける。マルチで再稼動し始めた俺モンハンに、勢いを。
……め、面倒臭ぇ。毒攻撃があるから毒消しがいるし、2体同時だからダメージもかさむ。回復アイテムが足りない。あーもう。
それから武具の見直しだ。俺はぶっちゃけこれをかなりテキトーにしていた。そういう意味では苦戦して当然だ。ごめんなさい。
モンハンは「要素」が多いので、個々を見て考えるのは激しく面倒臭いのである。こういう人は俺以外にも多いのではなかろうか。
しかしもう逃げてはいけない。キッチリ装備を見直す。ギギネブラに有効なのは火属性。手間がかかってもその武器を作る。
毒は薬で対応。それと並んで厄介な「咆哮」対策に「高級耳栓」を導入。……これが本当に面倒だった。手間かかりすぎ。
それでも何とか高級耳栓スキル発動装備を用意。そして武器は、今まで大剣一択だったが、心機一転「太刀」に変更。
武器変更が戦力アップになるとは限らないが、今までとは違うことをしたかった。……ちなみにスラアクにも挑戦したが、断念。
そんなこんなで、今度はちゃんと準備をした。今なら、必ず倒せる。これでダメならそれこそモンハン止めてもオッケーだ。
そして。2度か3度かは失敗したが、遂に、5年越しの念願を達成。やっと、やっと、俺のモンハンが勢いよく回り始めたのだった。

こっから先は、まぁ楽だった。歯車が重ければ、回った時の勢いもその分ある。俺はすっかりモンハン脳を取り戻していた。
今作の看板モンスターである「ブラキディオス」にも、5年越しでとうとう対面。爆破攻撃をゲラゲラ楽しく避けつつ戦った。
ブラキを（マルチ含）何度か倒すと、こいつの名を冠する武器を作れた。で、それには「爆破属性」が備わっていた。
後で知ったのだが、今作の爆破属性は非常に強力で、取り敢えずこれ作っておけばオッケーらしい。図らずもその武器を手にした。
するとますます狩りが進む。攻撃を繰り返すと爆破値が蓄積されていき、やがてモンスターがドカン。気持ちいい。威力もある。
ブラキ太刀を「改」にすれば、上位レベルで最強の武器が完成した。後は突っ走るのみ。ガンガンとクエストをこなしていった。
つっても面倒臭さは残っていたし、「モンハン理不尽」にムカつくことも多かった。モンハンは欠点も多いゲームだと今も思う。
特に「モンスターの生態」がなぁ。同じ場にいても狙うのはハンターだけ。それでいて同士討ちは発生し、ダメージが通る。
大型モンスターが暴れ回る修羅場でも弱い小型モンスターは逃げず、ハンターの邪魔をする。もう徹底的に「おかしい」生態。
結局ゲーム的に「（良くも悪くも）ハンターのために」しか動いていない。故に「自然」として見ると、凄まじく不自然なのだ。
今作時点でモンハンも初代から8年が経過している。それで尚このザマでええんかと強く思う。もうちょい頑張れよ。はぁ。

文句を言いつつもハマるある意味理想の状態を維持し、クエスト埋めは順調に進行していった。目指すはズバリ、G級。
今作のタイトルにも入ってるこの高難度クエストを、俺は未体験なのだ。2nGではやらなかったし、3には存在しなかった。
これをやらずに今作を終えられない。全クエスト制覇とは行かずとも、G級を体験せねば！　そんな思いが強くあった。
……しかし。結論から言うと、一人用村クエストにG級はなかった。あれはマルチ専用。知らんかった。愕然。なんてこったい。
別にモンスターのパラメータを調整すれば、一人用G級も用意出来ないわけがないと思うのだが……何故だ、何故なんだ畜生。
つまるところ、「モンハンはマルチがメイン」ということだな。しゃーないか。ガッカリしたが、どこか納得も出来た。
となればせめて、村クエは全部埋めるとしよう。一人用クエストを全制覇すれば、今作をやったと胸を張ってもいいだろう。
心機一転、村クエをクリアーしていった。……そして最終盤、「他の村クエを全てクリアー」が条件のクエストが解放された。
これが、エグい。というか出鱈目。出現モンスターの攻撃力が、「上位」クエストでありながら「G級」並なのだ。

モンハンのモンスターは姿形や動きは同じでも、下位・上位・G級のクエストランクにより、パラメータに歴然とした差がある。
ハンターがその差に対抗するには、装備だ。どんなにプレーが上手くても、下位の装備で上位クエストをこなすのは厳しい。
上位では上位の装備を固める。その為の素材は上位クエストでないと得られない。きちんとゲームがサイクルしていると思う。
だが村クエラストでは、掟破りの「上位なのにG級パワー」のモンスターが登場。破壊的な攻撃力は、マジで洒落にならん。
正直、白けた。さっき書いたが、これは掟破りに他ならない。製作者がこんなことしていいのかと。調整放棄に近い行為である。
もちろんマルチプレーでG級をこなし、G級装備を整えれば戦えるようにはなる。でも村上位でそれをやるのは気に食わない。
村上位は村上位装備で。製作者の出鱈目なのは承知の上で、ここは敢えて挑戦してやる。長年の放置に対するせめてもの誠意だ。
ちなみにこの頃にはもうネット情報はガン見している。そして「同士討ち誘発が有効」「ランプ大砲」といった戦法を知った。
けどモンハンは情報だけで何とかなるもんじゃなく、攻略には結局地道で丁寧なプレーが必要。「他人頼り」では立ち行かない。
だからなんちゅーか、他よりもネット情報可なゲームだと思う。ジエンラーモン戦とか、自力でやるのアホらしいもんな……。

そういうわけで、村クエラストを頑張る。具体的には「英雄の証明」「煌黒龍アルバトリオン」の2つだ。この順に登場する。
英雄の証明は大型を3体、煌黒龍は超巨大なのを一体。いずれもG級アホパワーで、殺される時はまさに一瞬。虚しくなるほど。
そんな化け物どもを相手するんだから、事前準備はこれまで以上に重要。手間を惜しまずケチらず、色々揃えてから挑んだ。
もちろん準備が万端でも、1回で上手く行くことはない。途中まで順調でもアホ事故で全部パーなんてザラ。それで数十分が飛ぶ。
モンハンはクエストに失敗すると賠償金（違うけど）を取られ、消費アイテムもキッチリ失う。踏んだり蹴ったりとはこのことだ。
貴重な消費アイテムもふんだんに注ぎ込むことになるから、失敗すると非常に痛い。だから本体電源を切ってリセットしたり。
そもそもが出鱈目な調整のクエストなので、燃えはしてるけどどこか中途半端だ。しかし俺にも意地と挟持がある。多分だけど。
諦めずにしつこく、慎重にモンハンを回し続け……何とかこれらのクエストをクリアー、全村クエ制覇に成功したのだった。
5年に渡り残り続けたしこりをようやく取り除けたのである。誰も知らない英雄の証。はっはっは。……疲れた……。

はー。ゲーム性等は今更語ることもあるまい。ただモンハンはとにかく「やってみないと分からない」と思う。本当に。
これだけ有名な大ヒットシリーズなのに、その魅力はどうにも正体不明だ。掴めたと思ってたけど、まだあやふやだった。
改めて、不思議なゲームである。こんなよう分からん大人気シリーズは他にあるまい。超マニアックなのに数百万本。意味不明。
大ヒットだけでなく、ハマる人のその度合も異常だ。ネット要素はあれど対戦じゃないのに、千時間プレーとかが普通にいる。
追加クエスト等もあるが、基本やることは延々同じ。ここまで「繰り返しを繰り返す」ユーザーが多数いるゲーム、他にあるか？
ちなみに今回オンラインに繋いでみたら、いつも100人程度はいた。続編が大量にあり、最新作が出た直後でも、これなのだ。
恐らく4以降の他作品も似たような状況だろう。ちょっと前には2ndGを時間カンストまでやってる人の画像をツイッターで見た。
プレー時間が千を越えれば、それはもう「無限」と解釈していい。モンハンは無限大に遊べるゲームである。凄すぎだ。
「繰り返すだけで楽しい」は、ゲームの究極である。一部ユーザーにとってそうあるだけでも、モンハンは本当に偉大だと思う。

俺は今作を十分やったと思うが、未知の部分も多々ある。クエストはともかく、多彩な武器をあまり触ってないのは心残りだ。
モンハンは武器種によって戦法がガラリと変わるから、当然ゲーム性も変化する。他武器ならまた違った感触があったはずだ。
しかしそれはシステムに問題があると思う。防具は共通なのに、武器は個々で作る必要がある。素材もその度必要。それどうよ。
前作の時も思ったが、一つ作ったら同ランクの別武器をレンタル可能とかに出来なかったのか。現状は一切配慮がない。
これだとどうしても一つの武器種を続けてしまう。誰も彼もが地道な素材集めを楽しめると思わないでほしい。はぁ。
また武器の扱いも慣れるまでは結構難しいから、訓練所を用意してほしい。2ndGにはあったはずだが、何故削除したんだ。
「適当なモンスターで試し斬り」しようにも、大型は強すぎて小型は弱すぎて上手くいかん。木偶人形どっかに置いてくれ。
多彩な装備を組み合わせてスキルを発動させるのもモンハンの面白さだが、その表示が洗練されていないにも程がある。
あんだけ装備パーツもスキル種も多いなら、分かり易いインターフェースが必須だ。なのに非常に鈍臭い。何作目だよ。
スキル管理についてはゲームだけじゃ無理……とは言わんが、無理がある。ネットでリストを見て考えるのがベストだろう。
組み込まれている手間や面倒臭さは良さの裏返しと捉えられるが、この辺は違う。もっと快適に手間を楽しませてくれ。嗚呼。

グラフィックは、十分綺麗だと思う。これは初動の頃から思っていた。無論「3GのHD版」という限りにおいては、だが。
骨格はWiiで作られたんだから、こんなもんだ。今見ると粗いのはもちろんだが、ゲーム性には関係ないしね。
音楽は前作を軸に新曲を追加という無難な作り。元々前作の曲が好きだったから特に不満はない。ラギアクルス戦曲が好き。
ちなみにamazonプライムミュージックで3のサントラが解放されているので、ガンガン聴いている。シリーズ他作品もあるよ。
モンハンの曲で一番「嬉しい」のは、何と言ってもクエスト成功時にながれる「成功!!!」だ。聴けばハンターに笑顔が零れる。
いやどちらかというと安堵か。「目的を達成しました」の表示と共に流れるこの曲のイントロで、何度ホッとしたことか。
モンハンはクエスト一つにえらく時間のかかるゲームだ。30分以上は当たり前、20分以下だと寧ろ短いくらいだ。
そんだけ狩りをしていると、身体も心も疲れてくる。しかしそれもいつか終わる。この曲と共に。……癒やされるねぇ。
モンハンのストレスを反転させる「勝利演出」は、物凄くゲームを救っている。ある意味プレーヤーはあれに魅せられているのだ。
たった1分の演出がゲームの魅力と寿命を飛躍的に伸ばすんだから、面白いもんだ。にしても、つくづく凄いゲームだよなぁ……。

操作系はWii Uゲパを活かし、3DSスタイルをそのまま転用可能（多分）。……が、俺はこれが好きじゃない。旧来型がいい。
なのでWiiリモコン＋クラシックコントローラーという前作そのままの姿でプレーした。ゲパ重いし。電池すぐ切れるしね。
アイテム選択やオトモへの指示に手間がかかるというデメリットはあるが、指だけでやれる方が俺には合ってる。これでいい。
ちなみにこのスタイルだと電源投入からゲーム終了までゲパを触る必要がない。Wii Uゲームでこれが可能なのは初めてかも。
ネット周りは接続も維持も問題なく、無線ながら非常に快適だった。上に書いたが、ゲパのみでボイチャ可能なのも素晴らしい。
……実は今作、モンハンとしてはビックリするくらい売れなかったんだが、それが不思議でならない。この品質で何故なんだ？？
ま、まぁハードの勢いってやつなのかな。だがWii Uを買ったモンハンファンには鼻血モノのゲームであることは間違いない。
俺自身が当時はそれに当て嵌まっていた、はず。上手いこと今作に触れていれば、幸せなモンハンライフを送れたかもしれん。
そうしたら、Wii U自体への気持ちも150度くらい変化していたかもな。ま、今は昔の物語。5年も経ったんだ。5年も……。

物語は、バージョンアップ版故に、前作＋アルファ。前作ではナバルデウス撃退でEDに入ったが、今回はもう少し続く。
俺の前作の物語は非常に出来が良かったと思っている。スッキリ纏まり、世界設定にしっくり。素晴らしいシナリオだった。
今作ではその続きに何を見せてくれるのか？　と密かに期待していたのだが……ハッキリ言って、期待外れ。ガッカリ。
つーか続きなどほぼない。ナバルデウス後も普通にクエストを重ね、「ラギアクルス亜種」を倒せば何となくEDに入る。
一応ラギア亜種とモガの村長に因縁があり、そこは詳しく語られていたが、俺には別に関係ない。だから何だって話だ。
天変地異レベルの驚異だったナバルデウス戦で描かれたドラマとは比較にもならない。お前の因縁を勝手に背負わせるなよ。
あと看板モンスターであるブラキディオスが全く物語に関係ないのも呆れた。村長と絡めるにしてもブラキであるべきだろう。
村クエ制覇でも少しメッセージが入るだけで特にご褒美がないのは残念だった。あんな無茶ふっかけたんだからもっと褒めろよ糞。
モンハンにおいては物語なんかオマケもオマケなのは分かってるが、なまじ前作の出来が良かったからね。期待過剰だった。はぁ。


ふぅ。
取り敢えず目標としていた村クエは制覇した。後はマルチだが……まぁやれるならテキトーにやろう。もう気を張る必要はない。
根強いプレーヤーは今後も残るだろうが、Wii Uのネットサービスがいつまで続くかは未知数だ。多分今年一杯くらいだろうか。
それがある限りは幾らでも遊べるが、終われば一生遊べない。それがネットゲーム。……儚い。故に美しい？　分からん……。
そして、続編だ。今作をキッチリやった俺にもう枷はない。次をやりたければ好きにやれ。では、どうする？？？
取り敢えず3DSはパス。となればSWITCH「XX」、最新作「W」が候補となる。……やっぱWだろうか？　ううぅむ。
Wはハードを変えた最新作だからか、システムも相当変わっている。エリア分けがなくなったり、全クエマルチ対応になったり。
その意味じゃ旧来の最終作（？）であるXXにも興味がある。でも超絶グラフィックで快適にやれそうなWが最強なのは事実。
ま、すぐの話じゃないし、今は考えなくていいさ。もう俺は自由なんだから。5年をかけて、3Gをプレーしたのだから。
比類なき究極の永遠ゲー、モンスターハンターに乾杯して終わり。モンハンやってりゃいいんだよ。いつまでだってモンハンを。

……ホントにな。新しい刺激？　は。そんなもんがいつまでも続くと思う？　何でそう「変化を尊ぶのが偉い」と考えるのかね。
「永遠の繰り返し」で楽しめるなら、それが一番ではないか。サイクルよ。人間どこかで落ち着くのが一番よ。少なくとも俺は。
ま、それが可能ならね。なかなかね。次のゲームやらんと。モンハンは素晴らしい。けど人は、モンハンのみで生きるにあらず。
はぁ。





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