腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ(Wii「ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」版)

2021年11月28日 00時13分55秒 | スーパーファミコンゲーム感想文
【ハード】スーパーファミコン(Wii「ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」版、Wii U互換プレー)
【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】1993年12月18日(オリジナル版)
【定価】4440円(Wii版)
【購入価格】3627円(新品)
【プレー時間】16時間(Ⅰ4時間半、Ⅱ11時間半)



まず最初に、すぎやまこういち氏の冥福をここで改めて祈ることとする。どうか安らかに。
俺は老衰死は寧ろ幸運なことという感覚なので、90歳だった氏の逝去をそこまで嘆く気はない。ただ、お疲れ様でした、と。
そしてすぎやま氏はいなくなっても、氏の生み出した数々の楽曲、中でもドラクエの曲は俺が死ぬまで俺の中で生き続ける。
これは俺が出来る唯一で最大のすぎやま氏への弔いだと思う。それを一切意識せずとも自然にやれるのだ。ドラクエだから。
何も悲しむことはない。氏は人として十分に生き、逝った。多くのものを残し、それは俺を含む多くの人にこれからも愛される。
精一杯「仕事」に生きた人間だけが迎えられる最期だな。俺には絶対ない。あーあ。この道わが旅、死ぬまでは続く。

で。すぎやま氏の件とはまるで関係なく、俺はドラクエ初期作の再プレーを検討していた。決めたわけじゃなく、悩んでいた。
その理由も特になく、強いて言えば「何となくドラクエやりたくなった」からだ。ファミ魂を持つ者なら分かる感覚であろう。
けど今の俺は大量の罪ゲに日々悩まされている身である。しかもゲームはバリバリやってるものの、タイトルは古いものばかり。
この上ドラクエ初期作の再プレーとか、現状を更に悪化、いや深化させる行為だ。ある意味物凄く贅沢なことである。
故に決めかねていた。取り敢えず「ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」を引っ張り出し、側に置いた。
うーむ、どうするか……うーむうーむ……すぎやま氏の訃報が耳に入ったのはそんな時だった。これはもう、選択の余地がない。
それに、丁度10年前にこのWii版を買って1~3をプレーしたが、それは全てファミコン版。SFC版の3本は手付かずであった。
なので厳密には再プレーではなく、放置再開と言えなくもない。つまり今やることは不自然ではない。うむ、もう悩まない。
てわけで、起動。……驚いた。このソフト、専用のアニメOPがある! 10年前に見たはずだが、忘れてたわ。
単純に1~3を纏めただけの安易なソフトと思いきや、いや実際そうでもあるのだが、一応少しは金をかけてくれている。
OPアニメだけでなく、各タイトルの資料閲覧モードもあり、なかなか楽しめる。例の堀井氏が描いたスライムのラフとかな。
ゲームを始める前にそういった周辺要素だけで1時間くらい楽しめた。同時に「ドラクエ分」が体に満ちた。体調万全、いざ。
……ちなみに、大きい声では言えないが、この1・2は昔エミュでやった。20年くらい前かな。なので厳密には再プレーだ。はい。


・ドラゴンクエスト

比類なく偉大な全ての始祖、のリメイク。オリジナルから7年後に上位機種で続編とセットにして堂々発売となった。
当時はまだファミコンも十分現役で、オリジナル1~3も普通に新品が流通していた。だが、いつまでもそうではない。
SFCだってやがて次世代ハードに取って代わられる。まだまだ若い家庭用ゲーム業界にもそういう感覚が芽生えつつあった。
しかしハードは変わってもソフトのシリーズは続く。その際、旧ハードの旧作はシリーズを想起させる重要な存在になる。
つまり「新作を出し続けるためには旧作を現役にし続ける必要がある」わけだ。エニックスは割と早くその事実に気付いた。
ドラクエの名前とブランドは既に上限にまで達していた。これを未来永劫維持することはエニックスの最優先事項であろう。
だから今、旧作をSFCでも遊べるように。オリジナル1から7年後、続編とカップリングしてのフルリメイク。
グラフィックや音楽は言うまでもなく大進化。また当時はリメイク自体がまだ珍しく、それだけでも目立つものがあった。
28年前の俺は、買わなかったものの「上手い商売だなぁ」と思ったよ。やってることもタイミングも実に見事だった。
オリジナルを既知の人には懐かしさを、未プレーの人には新鮮さを。リメイクに求められるものを今作はちゃんと満たしていた。
また、ドラクエは今も昔も本編の開発期間が長い。それを放置していると、幾ら人気シリーズとは言え忘れられる危険性がある。
今でこそホゲ等で隙間を埋める手法が定着しているが、当時それは難しかった。今作はその「ドラクエ埋め」の役割も果たした。
後にドラクエのリメイク商法が定着したことは語るまでもない。ある意味本編と同じくらい偉大な一本である。……うーむ。

さて、開始。名前にカタカナが使えるようになり、復活の呪文は比類なきバッテリーバックアップに。技術の進歩は偉大なり。
と言ってもそれは当時のことで、今の目線だと寧ろ古い。当たり前だ。まぁ「古くて綺麗」だから、俺は素直に綺麗と思った。
少なくとも現行ハードで売られているクソホ基準リメイクと比べれば雲泥の差だ。あれは見てて鳥肌が立つくらい気持ち悪い。
だがもちろん内容はドラクエ1、大半を記憶してるくらいのゲームだ。そしてリメイクと言っても内容に肉付けは殆どされてない。
新たな町やイベントを一個くらい増やしても良かったのではと思うが、まだリメイク度合いの判断が未成熟だったのだろう。
3以降は良くも悪くも多くの要素が追加された。簡素な1と2はガワだけの豪華化で良かったんだよ。多分。何とも言えん。

では。座ってるだけで何もしない最強権力者の命により、ロトの末裔は竜王討伐の旅へ。まずは部屋の宝箱を開けるがよい!
……120Gと松明て、お前勇者舐めてんの? ほんまあり得ん。松明とか8Gやで? 宝箱自体の方が高く売れるだろう。
リメイクされようと、このふざけた対応は何も変わらんかった。ローラ姫を奪ってやったのはせめてもの復讐だったのか。
が、実はそんなクソ待遇は大して不満に思わなかった。何故かと言うと、難度が非常に低いからだ。正直ビックリした。
初期ドラクエと言えば、とにかくレベル上げである。強い敵に勝つためにレベルを上げるというRPGの基本をガッツリ厳守。
まして初代、それも開始直後ならラダトーム周辺で青とオレンジのマスコットをしばしボコり続けるのが世界の常識であった。
だがリメイク版たる今作は違う。レベル1でもマスコットには余裕で勝てるし、頑張ればドラキーやゴーストも倒せる。
敵が弱くなったのかこちらが強くなったのかは分からんが、バランスが大幅に楽になっている。現代的だ。28年前だけど。
最初の120Gをどう使うかは何気に初代の悩みどころだが、今作は正直どうでもいい。素手でもどうにかなるくらいだから。

更にレベルが4になるとギラを覚える。これがまた非常に強くてビックリした。調整間違ってない? 完全にぶっ壊れてる。
消費MPは僅か2で、威力は15~18くらい。おおさそりやメイジドラキー程度を確実に一発で仕留める。時期的に物凄い威力だ。
で、これらのキャラはマスコットらに比べて大幅に実入りが良く、レベルはガンガン上がり金もどんどん貯まる。
俺はまずこんぼうを買い、後で銅の剣に買い換えようと思っていたのだが、その必要はなかった。今作はその辺をすっ飛ばせる。
ギラさえ覚えればリムルダールまでのルートを確保出来るというくらい強い。いやぁ、これはさすがに強過ぎでしょ。
おかげで非常に快適に進められるのだが、オリジナルを知ってる身としてはどうかと思った。マイルド化はそら分かるけどさ。

今作の攻略には大きく東ルートと西ルートがある。まずは東ルート、リムルダールまでのイベントを色々こなしていく。
ギラのおかげでとにかく順調で、鋼の剣を買えればこの時点で最強、ますます快調に進める。カギを買えば各所で盗賊行為だ。
ちなみに俺は1も2もほぼ全容を「知っている」が、プレーするに当たって謎解き関係はちゃんと会話等を聞いてやるようにした。
知ってるからと言って速攻ロトの鎧を取りに行ったりするのはアレだからな。まぁ儀礼的なもんだけど、小さな拘りだ。
太陽の石と雨雲の杖をサクッと入手。ガライの墓が少々面倒だが、寧ろドラクエ1らしいダンジョンなのでそこを楽しんだ。
オリジナルと違うのは、比類なきローラ姫を守るドラゴン。FCでは汎用雑魚と同じだが、今作では専用パラメータを持っている。
なので「ラリホーが効けば勝てるだろ」と軽い気持ちで挑むと、桁違いのHPに跳ね返されて負ける。ある程度のレベルが必要だ。
その分貰える経験値も多く、中ボスとしてキッチリ機能していた。欲を言えばグラフィックも描き下ろしてほしかったが。
ローラ姫を抱えたら、もちろんお約束の宿屋へ。オッサンに言われるの嫌だから今回はおばさん店主の宿に入った。
ちなみにリメイク版では姫が監禁されてる部屋にベッドがある。しかも天蓋付きの立派なもの! どんな人質生活やねん。
見た目に反して肉食系な姫様だからこの場でお楽しんでもよかったんではと思った。いやぁ、男は強くあるべきですね。はぁ。

東ルートはバッチリ完了。では西ルートへ。……つってもこちらは「メルキドに辿り着く」だけのことなのだが。
ここで、快適だったバランスに難が出始めた。勝てないのである。メルキドへの道のモンスターは非常に強く、何度も殺される。
ならレベル上げや装備の見直しをするのがドラクエだが、装備は既に現時点での最強状態で、やることはレベル上げしかない。
けどそれ向きなダンジョンや稼ぎ場があるわけでもなく、結果としてメルキド周辺の敵に殺されつつ挑むのを繰り返すことに。
金は、今作では預かり所があるから全滅はさほど問題ではない。だがこの辺りはハッキリ言ってゲーム的に面白くない。
東ルートが(もちろん当時のレベルで)充実していたのと対象的に、西は一気に退屈な展開になる。これはいかん。
何か一個イベントかダンジョンかがあればと思う。初代にそこまで求めるのは酷だが、かなりウンザリする箇所だった。
何とかメルキドに辿り着けば、装備を強化し情報を得(特にロトの鎧)、竜王討伐の準備を整える。最終決戦は近い。
何故か毒沼に落ちているロトのしるしを拾う。……姫はこの時代にGPSで俺の位置を把握している恐怖のハイテクストーカー。
三種のアイテムを祠に持っていき虹の雫を受け取れば、いざ竜王の城へ。長い旅も終わりが見えてきた。……いや数時間だけど。

竜王の城は、思ってたより楽だった。もっと難ダンジョンだと認識していたが、これは今作のダンジョン仕様変更が大きい。
オリジナルより通路が拡大され、松明やレミーラの効果も変わった。結果としてダンジョン難度は下がったと言えるだろう。
その分、俺がオリジナル初代が一番優れていると思ってる「ダンジョン深層の恐さ」が薄れてしまってもいる。
あの「乏しい光源で迷宮を進む」感は、今ではもう味わえない緊張感である。つっても現代的ではないのも分かる。仕方ない。
ロトの剣もあっさり発見し、ここに最強の勇者が誕生した。一旦戻ってセーブし、改めて竜王との最終決戦に挑む。
あ、書き忘れていたが、Wii版のどこでもセーブを使うインチキはもちろんしていない。そんなもん使ったら面白さが失せる。
だが竜王の例の問いかけに「はい」と答えたらどうなるかだけは見たかったんで、ここだけどこセーを使った。いいだろ畜生。
……「リムルダールで目覚める夢オチ」という結果だった。パスワードがない以上まぁこれくらいが妥当か。はい。
オリジナル版の「闇の世界をやろう→レベル1でやり直し」も正直意味不明なんだけどな。「馬鹿め!」展開でよかったのに。

さて、ラスボス竜王。ここまでのゲームバランスが格段にヌルくなってたから楽勝だろう。……と思ってたら……めっちゃ強い。
実はこのリメイク版、オリジナルと違って「必ず勇者が先制する」わけじゃない。素早さ次第で敵の攻撃が先になることもある。
大きな仕様変更だが、雑魚戦ならそんな騒ぐほどのことではなかった。だが、ラスボス竜王ではこれが物凄く大きく響く。
やった人なら分かるが、竜王戦の肝はベホイミである。奴の凄まじい炎はこちらのHPをあっという間に枯らす。回復せねば。
だが今作のベホイミは消費MP8とかなり重い。使えるのは大体10回くらいか? だから的確なタイミングで使う必要がある。
的確なタイミングとは、「次の攻撃を受けたら死ぬ」状態だ。じゃあその状態でベホイミを選択。ターン開始!
……お分かりだろうか。そう、先に動いてベホイミが発動すればいいが、竜王が先だったら? 最強権力者の元へルーラである。
素早さにハッキリ差があるなら後攻前提行動でいいが、厄介なことに竜王を倒せるレベルの勇者だと、先行後攻はまちまちだ。
つまりこのリメイク版の竜王戦はオリジナルと比較して非常にベホイミを打ち難いのだ。ぶっちゃけ博打が必要と言っていい。
解決法も、単純にレベルを上げて鍛える以外はない。いやぁ、道中のヌルさがラスボス戦で利子付いて帰ってきた感じだ。
けど俺の場合概ね狙い通りのベホイミが出て、更に最後は会心が出て仕留めた。かなり運が良かったと思う。良かった良かった。
もう1回やれと言われてもしんどいが、運も実力のうちということでオッケーとする。かくしてアレフガルドに平和が戻った。

竜王を倒せば次は最強権力者も倒して王座奪還……とはならず、「お前の国なんか要らん、自分の国を作る」と旅に出るEDへ。
オリジナルから何も変わってない感動的EDだが……うーん。「国を作ると未開の地へ」て、相当無理がない? おかしくない?
やるならまずは調査して開拓して開拓を広げて人を募って……と多くの段階が、そしてそのための人手が必要だろう。
お姫様抱えて一人で旅立って、何が出来るってんだよ。あんまし突っ込んじゃダメなのは分かるが、非常に違和感があるEDだ。
まぁそこはゲーム、彼が建国に成功し、更にその子の時代にはアレフガルドの外に3つもの国を作ることになるのは周知の事実。
1~3で最も偉大な存在は言うまでもなく伝説の勇者ロトだが、俺はこの初代主人公も負けてないか上じゃないかと思ってる。
2の時代なら、偉大さを語られるべきはロトより初代王じゃないか? 勇者と国王両方で大成功って英雄オブ英雄だよ。
まいいか。子孫の時代へ飛ぶ前に、すぎやま氏の作ったED曲に浸る。……いいねぇ。あまりにもいい。嗚呼。


・ドラゴンクエストⅡ ~悪霊の神々~

順当に2である。せっかくセットなんだから、1と2を綺麗に繋いでくれればと思うが、そういうのはない。つまんない。
オリジナル版の2は、初代からあらゆる面で大幅にパワーアップしている理想的な続編だった。まぁ俺にその感覚はないのだが。
グラフィク、音楽、システム、ボリューム……初代の舞台さえ内に含んだもう完全無欠の続編。出した時点で「勝ち」だった。
一方、製作期間は推定で僅か8ヶ月。無茶苦茶である。故にバランス調整をする時間がなく、誰も通しプレーをしなかった。
そのためロンダルキアへの洞窟を中心に無茶なバランスがあちこちに発生したゲームでもある。まともではない。
謎解き面でも、ラゴスはともかくハーゴン神殿の邪神の像はシリーズ35年の全作品の中でも唯一無二の理不尽案件である。
様々な面で大進化をしているが、その肥大化した体を支える関節が整備されていない。歪な大作、そんなイメージである。
俺は正直、2は過大評価されてると思ってる。本来なら批判されるべき部分すら「それも2の味!」と寧ろ好評に繋がっている。
かく言う俺自身2が好きなんだから困る。テキトーでも運が良けりゃ歴史に名を残す。意外と名作とはこういうものなのかもな。
心血注いだ仕事が必ずしも注目されるとは限らない。逆も然り。ただ一つの真実として、ドラクエ2は歴史的名作なのである。

では開始。リメイクにはムーンブルク城がハーゴン教団に襲われ崩壊するOPデモが導入された。なかなか見応えがある。
オリジナルではいきなり「ムーンブルクが襲われまして!」と言われてピンと来なかったからな。知らんよそんなとこ。
んで話を聞いた王様、息子に「話は聞いていたな? 付いてまいれ!」と促す。了解です父上、すぐ軍を率いて出陣します!
「よいか、この銅の剣と50円と皮の鎧で一人で旅立て。サマルトリアに行き後は自分で考えろ。わし? ここで悠々自適じゃ!」
……父は遠い先祖であるラダトーム王の気質を強く継承しているようだ。クソが。俺が王位継いだらどうなるか覚悟しとけよ?
「ロトの子孫を自称する正体不明の若者」だった前作勇者と違い、今回は王子であり息子だ。もうちょい何か渡すもんあるやろ。
「ゲームだから」である。うむ、それが結局一番ストレートで納得も行く。OK、一人で旅立ってやんよ。死んでも復活できるし!

そうして飛び出した外の世界は魔物でいっぱい。鬼バランスで知られるドラクエ2の世界、ローレは震えながら一歩を踏み出した。
……そして拍子抜け。明らかにオリジナルより楽だ。例えばレベル1でおおなめくじ3匹と戦って、普通に勝てるくらい。分かる?
奇しくも偉大なる初代王と同じ経験をしたのであった。良し悪しはさておき、2もまたマイルド調整になった。それも序盤から。
レベル1でいきなりサマルトリアを目指し、3くらいで勇者の泉に向かっても特に苦戦なく進めた。薬草なんてドロップ品で十分。
サマルが加入すれば(もちろん知識に頼らず無駄足を踏んだ)より楽になる。敵をガンガン倒せるから金も自然に貯まっていく。
うーむ、最近のガキはええなぁ、こんなバランスでやれて。と28年前のゲームに思う。つってもこれくらいが適正かもしれんが。
序盤はローレとサマルで武器防具をほぼ使い回せるのもありがたい。俺はドラクエでこういう節約プレーをするのが大好きだ。
ちなみに序盤の難敵マンドリルの同時出現が3体までになってた(FC版は4体)。何気にこれで死亡回数が10回は減ったと思う。
男二人、時には笑い時には喧嘩し(多分)、楽しい旅を続けていた。……そこに女が加わり、絆にヒビが入ることも知らず……。

ムーン加入も、即座にラーの鏡を取りに行ったりせず、ムーン城で情報を得た。今回はOPがあっただけに、気持ちが籠もる。
冷静に考えりゃ教団に襲われて速攻滅ぶって国家として情けなすぎるし、呪いで犬にするってのも意味不明だが。殺せよ。
もっと意味不明なのは毒沼に落ちてるラーの鏡だが。あれはロトのしるしリスペクトなのかな。匂いがキツいんだろうな。
ムーンペタに戻って犬に鏡を翳せば、そこに裸のムーンが。裸だよな? 犬はマッパなんだから。その辺キッチリしてほしい。
ちなみに犬時代にも持ち上げて股間をガッツリ見てるから。「メスかぁ」と言ったら思い切り暴れられた。ごめんなムーン。
てわけで遂に揃ったロトの末裔3人、気持ちも新たにハーゴン打倒を誓う。カップリング? それはプレーヤーの心の中に。
フィールド曲も「果てしなき世界」に変わり、盛り上がる。さぁ行くぜ! ……あ、ムーンがマンドリルにワンパンで殺された!
少しレベル上げをしないと。ムーンがバギを覚えれば準備は万端、ここからドラクエ2の中盤が始まると言っていいだろう。

オリジナルではこの辺からムーンはバギ娘に、サマルは役立たず小僧に、ローレは筋肉馬鹿一直線になるのが常だった。
しかしこのリメイクではバランス変更もさることながら、サマルが非常にパワーアップしており、印象が激変している。
まず、装備品が増えた。オリジナルでは最強武器が鉄の槍という、ここも明らかにテストプレーしてないだろな糞仕様だった。
だが今作ではロトの剣が装備可能になり、更に最強は光の剣。これだけで「準・打撃役」として十分役立つことが分かるだろう。
どう考えてもオリジナルがおかしいのであまり褒める気はしないが、明確に改良されていた。サマルはかけがえのない仲間だ。
そして呪文。ムーンに比べてヘッポコとされるベギラマが大幅に強化され、消費MP4で威力はバギの2倍近く、対象は敵全部。
覚える時期が遅めなのでこれで無双は出来ないが、非常に使える攻撃呪文だ。ますます戦闘におけるサマルの価値が上がった。
更にザオリクは完全回復・戦闘中にも使用可能に。尚ムーンも覚えるようになり、誰かが死んでも立て直しが十分可能になった。
今作にてやっと筋肉ローレ、バランスサマル、魔力ムーンという本来想定されたであろうパーティが出来上がったと思う。
中盤から徐々に戦闘バランスは(ごく一般的なレベルで)キツくなってくるが、プレーは楽しい。RPGはこうでなくっちゃな。

ドラクエ2は謎解き面でも伝説的に難しいとされているが、「船を取った後の道標がない」ことが理由の一つだと思う。
まぁそれは面白さとも言えるし、今作でも特にヒントが増えたわけではないのだが、一つ大きな追加があった。地図である。
オリジナルでは世界地図がなく(説明書は別)、船旅での位置を掴むのが大変だった。しかし今作ではボタン一つで分かる。
現在位置、今まで行った場所、未踏破の場所が地図で分かるのだ。これで劇的に船旅がしやすくなった。改善? と思いたい。
個人的にはザハン(金の鍵がある町)の位置情報が一番ありがたかった。オリジナルでは探すのに海を虱潰ししたからな。
地図に地名は表示されないが、そこに土地があることは分かる。いや助かる。金の鍵が手に入ると宝漁りが超捗るんだよなぁ。
ちなみにここほれワンワンの犬はあまりに動きが露骨なので、ノーヒントであそこを調べた。あれは誰だってそーするだろう。
てわけで地図の追加で非常に楽になった船旅だが、一方でFC版から異様に難しくなったネタもある。「船の財宝」である。
紋章集めに有用な山彦の笛を入手するのに必要な交換アイテムである。FC版では一コマ浅瀬に沈んでいて、分かりやすかった。
それが今作では「海の光る場所に」というヒントはあるのだが、その光り方が異常に分かり難い。目を凝らしてやっと、レベル。
あれはハッキリ言って無理である。難度を上げるだけならともかく、なんであんな出鱈目にしたのか。この点は理解に苦しむ。
幸いなことに船の財宝は必須アイテムではないから、「知ってる」こと、あと各地の情報から判断という形で紋章は入手した。
だがガチの初回プレーでは詰まってしまったかもしれない。おかしいだろう。……まさか今回もテストプレーを怠ったのか……?
それとペルポイのアンナを何故消した!! 「LOVE SONG探して」がなくて何のドラクエ2か。すぎやまさんに怒ってほしかった。

「サマルがハーゴンの呪いで寝込む」は、1も含めて唯一の追加イベントだが、世界樹の葉さえ持っていればその場で終わる。
元々FC版に用意されてたネタなので簡素なのは仕方ないかもしれんが、せっかくのリメイクなんだしも少し肉付けがほしかった。
ハーゴンと鉢合わせて呪いをかけられるとかさ。……戦闘前の台詞から分かるけど、ハーゴン、3人の顔を知らないのよね。ぬぅ。
紋章が5つしかなく、在り処もなんかテキトーなのも不満だ。全部デルコンダルのようなイベント入手でよかったのではないか。
そのイベントを用意する時間と容量がなかったんだよ、多分。8ヶ月で作ったんだもんな。頭おかしいよ。昭和の不思議である。
船入手から終盤までは、虱潰し根性さえあればちゃんとやれる。若干不親切要素はあるけど、それは理不尽とは違うからな。
尚いかずちのつえ錬金術は当然不可能となったばかりか、何とあの囚人とは一度しか戦えなくなった。勝っても負けてもだ。
つまり負けると雷の杖が入手不可能になるのだ。恐ろしい。まぁ事前にセーブしておけばいいんだが、今作の大きな罠である。
水の羽衣も1枚しか手に入らない。サマルの装備関係が改良されたのは武器だけで、防具は相変わらず貧弱だから扱いに困る。
今作から装備品が4箇所になったが、兜なんて鉄兜、不思議な帽子、ロトの兜の3種しかない。用意した意味あったんか。
まぁここはバランス云々じゃなく、シリーズ初期作品故に物量が甘いという感じだな。3という最強作品まで、しばし待とう。

邪神の像を手に入れたら、皆大好きロンダルキアへの洞窟へ。いやー、帰ってきましたねぇ。身も心も震えるばかりですねぇ。
……でもなく、俺は別にビビっていなかった。10年前の感想にも書いたが、俺はこのダンジョンを「言うほどか?」と思ってる。
もちろん難関ダンジョンであることに異論はなく、何度も殺されるが、迷路自体はやってるうちに構造が掴める。十分やれる。
今作では一度落ちた落とし穴は開きっぱなしになり、これだけでも難度が下がった。改めて見ても、そんな開きまくりでもない。
ロンダルキアへの洞窟、恐るるに足らず。少なくとも過剰には。俺たちはやれる。心にファミ魂ある限り。ないなら灯せ!!
ただ、突破だけならともかく、稲妻の剣は無理である。あの広い部屋の「隅から1個離れた」場所にある落とし穴、気付くか?
このダンジョンに剣がある事自体は情報があるが、それだけだ。あれは申し訳ないが「知ってる」特典にて取らせてもらった。
オリジナル当時のファミコン戦士には、入手が容易な破壊の剣でシドーを倒した人も多かったのでは。寧ろそっちが多数では。
最強武器を入手困難にするのは自然なことかもしれんが、2はやりすぎである。バランス調整と並んで批判したいところだ。
まぁ今回の俺はシレッと入手。尚オリジナルと同様、この辺で買うものは買いきって金が無意味になる。全滅上等である。

雪景色(なのか?)のロンダルキアへ到達すれば、旅もあと少し。今回は拠点の祠で死者を含めて完全回復してくれる。
なので最後の稼ぎがかなりやりやすくなっている。相変わらずメガンテや痛恨で理不尽に死ぬが、まぁ2の味だよ。多分。
リメイクで改善されたのは武器方面で、防具はオリジナルとあまり変わらない。つまり、被ダメージに関しては概ね据え置き。
なので装備が最強になり改善の余地がないこの辺りではオリジナルと同様の殺され方が多発する。……2の味だよ。そう思え。
じっくりレベル上げするしかなかろう。無論はかぶさ技も不可能なので、何でもありなら寧ろFC版より難度は上がってるかも。
ではハーゴン神殿へ。幻のローレシアはオリジナルに比べてメッセージが大幅に増えており、「偽り」感が増していて面白い。
まぁハーゴンを称賛したりするから白々しくなったとも言えるが。本物の流用だったFC版の方が幻の表現としては上だったかも。
邪神の像理不尽については10年前に散々書いたから止めとく。リメイクではせめて十字架中央に祭壇等を用意してほしかったな。

ここで前座3体と戦うわけだが……俺が34年間突っ込み続けてる「悪霊の神々」というサブタイ、奴らこそそれだという説がある。
10年前の感想にもそうコメントされたことがあるし、ドラクエ大辞典にもそうある。……けどゲーム中にそんな描写は一切ない。
もちろん特別な存在であることに異議はないが、神々がハーゴンを守ってるってのもおかしくね? 神なら台詞くらい用意しね?
なので俺は今もこの説には否定的である。寧ろ勝手な解釈をするなと思ってる。描写が皆無である以上、俺の方が正論だろう。
まいい。アトラスバズズベリアルの最強兄弟戦である。オリジナルとの大きな違いとして、今回は一度倒せば3匹とも消滅する。
神殿から撤退しても、セーブして電源切っても、だ。なので全力を尽くして倒しさえすればいい。これまた随分難度が下がった。
……と言いたいとこなんだが、アトラスバズズはまぁ普通に倒せたんだが、ベリアルが強い強い。戦闘が一生終わらない。
何でって、コイツはベホマを使うからだ。それでいてHPが増えFC版では効いたルカナンが全く通らず、与ダメージがショボい。
相手のMPは無限ではないが非常に多いようで、幾ら頑張っても機嫌次第のベホマで全部パー。やってられるかこんなもん。
オリジナルではシドーを含めて終盤はベホマ使い(×ベホマラー)だらけだったが、ハーゴンとシド―はベホイミに弱体化した。
パズズはクソ弱いのでベホマでも大して意味無し。ベリアルだけが「ボスなのに完全回復使い」という反則性能を持っている。
まぁしつこく挑んで何とか倒せたが、これはおかしいだろう。1回倒すだけで良かったわ。リメイクの方が優れてるとは限らんな。
あと3ボスに攻撃を当てた時の「バシュッ!」という効果が削除されていたのも不満に思った。ここを担当した奴はセンスがない。

残るはハーゴンシドーのみ。この旅はハーゴン討伐が目的だった。神官がこんなに強いってありなのか。クリフトは見習え。
結局ハーゴンの望みは世界の滅亡だったのかな。シドーが自分を避けて暴れてくれるわけないし、巻き込み系自殺願望だろう。
自殺願望はともかく、巻き込み系の気持ちは俺には分からん。道連れなんて欲しいか? 世に恨みがあるから? うーむ。
「主人公とは違う正義を持つ敵」との戦いもそろそろ定番化してきたから、次はこういった古い悪を再構築してほしいね。
ほんま、創作の発達で客が小賢しくなり、「単純な悪」が通用しなくなった。悪いことじゃないが、良いことばかりでもない。
「おのれハーゴン、死ねえ!」で済ませられれば楽なんだけどな。いやここは楽をしよう。死ねハーゴン、悪の魔王よ!!
……ぬぅ。先述のようにベホマがベホイミになり、その分HPが大幅増、割と普通のボスになった。もちろん普通に強いが。
だが所詮は神官、力こそパワー、とばかりに倒した。考えてみるとハーゴンシドーは初代の竜王変身前後とよく似てるよね。

ハーゴンを生贄に、遂に出現した邪神シドー。その悍ましい姿に知性は感じられず、ただただ滅びだけをもたらす破壊の神。
ベホマは使わなくなったが、HPが何と1700と四桁越えに。当然長期戦が必至となり、まぐれ臭い勝ちは狙えなくなった。
攻撃では炎がオリジナルより強化され、耐性なし(ほぼ水の羽衣のないサマル)だと100以上食らう。初見ではビックリした。
ザオリクの強化により誰かが死んでも立て直しは可能だが、オリジナルより明らかに強くなってると思う。さすがは邪神。
1もそうだったが、道中が楽になったツケをラスボス戦で請求されているように感じた。ある意味面白い調整である。
装備周りは最強だからもう改善の余地はない。やれることはレベル上げくらい。もう結構上げたし、このまま倒してやるよ。

まぁとにかく炎である。フバーハがないから、ヤバそうなら防御や予約力の盾(自己ベホイミ)で耐え、死なないようにする。
どうせ長期戦になるから生きてちびちびダメージを与える作戦である。MPに余裕はあるから大丈夫。最後に正義が勝つ。
邪神を滅びし、ハーゴン神殿は崩れ、3人の勇者はロンダルキアを後にする。何度復活しても倒してやんよ。俺が生きてる限り。
ローレシアに戻れば、悠々自適に慣れきって国政が面倒になった親父が王位を継げと言ってくる。お前まだ若いだろやれよ!
なんか場の空気的に無理矢理王位継承をさせられ、ドラゴンクエスト2は終わる。……まずやることは前王の幽閉だな。
「こうして世界に平和が戻ったのでした」でスタッフロールへ。EDは簡素過ぎたオリジナルの頃から変わっていない。
リメイクなんだから流れは同じにしてももっと豪華にするとか他二人のその後も描くとか、ちったぁ肉付けをしてくれよ。
……だが、流れるEDテーマ「この道わが旅」は……最早語るまでもなく、極上。そらオリジナルの方が好きだが、泣きましたよ。
嗚呼、全てが報われる、正に至高のED曲。すぎやまさん、残ってますよ。こんなのどうやって消せってんだ。魂に刻まれていた。


ふぅ。1も2もリメイクつってもクリア後要素はないから、サクッと終わる。プレー時間は短いが濃い再プレー体験だったよ。
やろうと思ってたことをやり、すぎやま氏への(勝手に定義する)追悼行為にもなった。ドラクエ分は再び俺に充填された。
……が、まだ終わりではない。そう、3である。リメイク3は俺にとって未知の作品。今ほどこれをやるに適した時はない。
96年の発売から丁度四半世紀というのも面白い(そうか?)。色んな事情で避けてきた一本だが、ここで決着をつけよう。
俺のロト伝説はまだ続く。いや始まるのか? 何度も始まっては終わりまた始まる永遠の三部作。ドラゴンクエストの原点。
時を越えハードを超えいつまでも愛される比類なきドラゴンクエストの始祖達への思い入れを更に強めて終わり。
新作の「12」、そしてオフライン「10」……今後もドラクエは続く。が、俺がそのドラクエにどう接するかはまだ分からない。
オフ10のキャラを見て、正直俺の中のドラクエ愛は揺らいでいる。まぁ無理に固執はせず、流れに任せていこうと思っている。
だが、ロト三部作への思いが薄れることはない。これは断言できる。あの頃の思い出と、それを強める再プレーがある限り。

……ってもホ版移植の現行リメイクは最低だけどな! あれはもう見たくない。見る度に俺の中のロト伝説が薄れていくようだ。
永遠を断言した端から揺らいでどうする。しゃーねーだろ俺は生きてるんだし。生きてたらそのままじゃいられんよ畜生。
はぁ。






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