腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

レイトン ミステリージャーニー ~カトリーエイルと大富豪の陰謀 DX~

2020年05月31日 04時00分36秒 | SWITCHゲーム感想文
【メーカー】レベルファイブ
【発売日】2018年8月9日
【定価】6578円
【購入価格】1000円(DL版)
【プレー時間】45時間


俺はテレビゲーム好きだが、もう少し一般的なゲーム、正確にはパズルゲームも好きである。ピクロスとか数独とか。
まぁそれらも結局テレビゲームとして遊んでいるのだが、なんと言うかそこで「使う脳」はやっぱちょっと違う気がする。
無論良し悪しの話ではない。ど直球の意味で皆違皆良(かいいかいりょう、新語)である。俺はどっちも大好きだ。
……で。3月のとある日、虚しきお金稼ぎの最中にふと「それらの真ん中のゲームで遊びたい気分だな」と思ったのだ。
テレビゲームでも一般パズルでもない、その中心辺りのゲーム。それには心当たりがあった。「レイトン教授」シリーズである。

レイトン教授。小学生向け(悪口じゃないぞ)パズルブックのような内容で、しかしテレビゲーム要素もあり、万人向け。
まさにドンピシャだ。これしかない。帰宅したら早速やろう。幸いシリーズは「奇跡の仮面」と「VS逆裁」を持っている。
最初から再プレーまではしないが、収録されてるパズルを好きなように遊ぼう。もちろん答えなんか覚えてるわけがないし。
こりゃあいい、久々に「望み」が綺麗に繋がったな~~と帰宅。すると、衝撃的(大袈裟)な発表が俺を待っていた。
「レベルファイブ、switch用4タイトルを1000円で販売」。コロナで在宅する人が増えた状況でのDL版太っ腹セールだった。
その中に含まれていたのが「レイトン ミステリージャーニー」であった。……これはもう、天啓と言っていいタイミング。
サクッと購入し、そのままプレーを開始したのだった。使用率が悩ましい我がswitchを動かす機会としても実に良かった。

……さて。まず最初に言っておきたいことがある。いや、今作とは直接関係のない、switch自体の大問題についてだが。
「ジョイコンドリフト」である。多分、知らん人は知らん言葉だろう。だが世界中に膨大な数の当事者、犠牲者がいる問題だ。
要はswitchジョイコンのアナログスティックが、操作せずとも勝手に動くという現象だ。不具合なので、当然修理が必要になる。
……故障、ならな。それなら俺も文句は言わん。細かい説明は省くが、俺にはこの現象、仕様の問題としか思えんのだ。
スティックが効かなくなるなら分かる。一方向にだけ勝手に入るならそれも分かる。でもジョイドリはそのどちらでもない。
何より、同様の現象報告がネット上にゴロゴロある。「ネットで真実w」と笑うか? マジで多いぞ。信じられんくらいに。
もちろんswitchの普及台数からすれば「ごく一部」だろう。でもこれはダメだ。当事者になってから言うのはちょっとアレだが。
2月に「ゴッドスレイヤー」をプレーした際にも、ちょくちょく勝手に入る現象は出た。でもその時は大して気に留めなかった。
それが今作をプレー中は、中に幽霊でも入ってるんじゃないかと思うほど四方八方好き放題にカーソルが動く。洒落にならん。
まぁ自分で操作すれば、それには従うのだ。だがスティックから手を離すと途端に旅に出る。幼児と散歩してるような感じ。
幸いというか今作にアクション性はないから、騙し騙し、かつ多大なストレスを我慢しつつ、最後までプレーすることはできた。
だがアクション系はもうまともにプレーできん。かと言ってプロコン購入は嫌だし、任天堂に有償修理させるのはもっと嫌だ。
この件はアメリカでは集団訴訟にまで騒ぎが発展し、その結果米任天堂は「購入日に拠らず無償対応」を発表したという。
ちゃんとした記事で読んだから間違いあるまい。アメリカでは無償対応、日本じゃ2000か3000円か。岩田さん、化けて出てぇや。
はぁ。俺は最近、switchが嫌いになってきている。このハード、ダメじゃね? ゲームに罪はないが。やりたいものも多いが。
一方で世間的には爆売れで、本体はプレミアで転売屋大活躍。誰も俺の気持ちを分かってくれない。そんな世の中だった。完。


気を取り直してレイトンミスジャー。初出は3DSで3年前に発売、その1年後に「DX」が付いてswitch版が発売となった。
その際二画面から一画面向きに多数のナゾが変更され、また3DS版のDLCも最初から全収録。故にデラックス、とのこと。
つってもナゾは変更であって追加じゃないし、DLCもカトリーの衣装等で、ゲーム性には無関係。3DS版と変わらんと思っていい。
内容としては寧ろ3DSの方が向いてるしな。ちなみにswitchでも携帯モードであればタッチパネルを使ってプレー可能。
今作は携帯モード向けだろう。無論テレビモードにスティックでも構わんが、その場合ジョイドリには気をつけてね!!!!
電源を入れて、プレー開始。高品質なタイトルデモが心地良い。レベルファイブはこの点に強い信頼がある。この点には。

……ぬぅ。しばらくプレーして思ったのは、「全然変わっとらんなぁ」だった。心機一転のレイトン新作は、レイトンだった。
基本は古のアドベンチャーのような、画面全体をカーソルで探索するゲームだ。が、反応するオブジェクトはごく限られている。
そこでボタンを押せば、キャラの会話が流れたりひらめきコインが手に入ったり、そして「ナゾ」を発見したりする。
ナゾを見付ければパズル画面に移行し、正解すれば「ナゾ解明!」となる。ゲーム進行に絡むナゾ、絡まないナゾ様々だ。
うーん。俺はレイトンを2作しかやってないが、それでも「同じやんけ」と思った。これ、シリーズファンは怒らないのか?
従来の延長線上ならともかく、主役と雰囲気をガラッと変えた続編で、だけどゲーム部分は今までと殆ど同じ、と?
……うーぬ。思えば同じレベルファイブの「妖怪ウォッチ2」でも、前作からのあまりの流用っぷりに呆れたもんだ。
この会社は多数のシリーズを抱えているが、続編は似たような内容で大量に出す方針なのかな。カプコンを彷彿とさせる。
それが一概に悪いとは言わんが、心機一転の一本でこれはなぁ。正直ガッカリだった。日野さんの復活、まだ遠し、か。

けどまぁ以前と殆ど変わらんということは、従来通り面白いとも言える。この点も妖怪ウォッチ2と同じだな。
(ジョイドリにムカつきつつ)カーソルを動かし、ナゾを発見し、解く。小さな快感と共に話が進み、以下繰り返し。
そもそも俺はこういったレイトン的なナゾを、緩く淡々と解きたいと思ったから今作を購入したのだ。望みは叶っている。
だから「なんだかなぁ」と思いつつもゲームは楽しめた。安定した面白さ、結構なことではないか。……手抜き? 黙ぁれ。
レイトンシリーズは、ゲーム性の殆どをナゾに頼っている。そしてナゾとは、要は小学生がやるようなパズルだ。
「小学生」は別に悪口ではない。万人向けということだ。誰でも遊べるし、「閃き」を重視しているから、難度も平均化される。
解ける奴はあっさり解けるが、そうでない者はそうでない。だがどん詰まりまでなる可能性は低く、いつかは誰もが解ける。
アクション性や「テレビゲーム的な」パズルだと、腕前や慣れが大きく物を言う。だがレイトンにおいてはそれは関係ない。
やってしまえばコロンブスの卵だが、レイトン以前にこういうゲームは無かっただろう。さすが日野さん、実に慧眼ナリ。
脳トレと逆裁を参考に、当時の市場を観察し、練り上げた万人向けゲーム。見事だ。やっぱ、ヒット作には理由があるよなぁ。

しかしこの作り、改めて見ると歪だとも思う。とにかくナゾ、ナゾ、ナゾであり、中には紙でもやれるようなネタも多い。
となれば大事なのはナゾのアイデアで、それを考えるのは個人。つまりゲーム性の大部分をナゾ考案者に頼ることになる。
そのナゾ考案者は、たった一人。まぁ実際にはテレビゲーム化においてスタッフと相談もするのかな? してるよな多分。
ちなみに以前のレイトンでは、この手のパズルで有名な「多湖輝」氏がナゾを担当していたが、残念ながら既に亡くなられた。
そこで今作では「岩波邦明」氏がナゾ担当を引き継いでいる。……名前は知らんが、もちろん実力と実績ある人物なのだろう。
つまり今作のゲーム性、面白さの大半が、この人に掛かっている。他者の出る幕はない。そう考えると何とも歪だなぁと。
ちゃんとゲームになってるから別に文句はないのだが、「これでええんか?」とちょっと思う。文句ないんちゃうんか!
シナリオ以外でここまで個人の力が重要な現代ゲームも珍しいんじゃなかろうか。それだけっちゃそれだけの話だが。はぁ。

では肝心のナゾの質、面白さは? ……これはまぁ、「普通に面白かった」という、面白味のない感想に落ち着いた。
ナゾの方向性や難度に変化はなく、実に「いつもの」だ。もし旧作の流用があっても気付かないだろう。少なくとも俺は。
もちろんSwitchならではのネタもなく、ハード性能進化の恩恵も受けていない。良くも悪くもそういうもんじゃないからな。
肝心なのは面白さであり、それが大丈夫だから問題ないのだ。頭捻ってナゾを解き、正解と表示されれば、今作でも嬉しい。
そんなナゾが軽く200ほど用意されている。一つ一つ解きながら物語を進めれば、「つまらない」ことはまずあるまい。
進歩も進化もない代わり映えのしない作風だが、面白い。ならこれでいいだろう。俺の望みもキッチリ叶えてくれているし。
……これでいい、のかな? これなら旧作の再プレーで良かったのでは? ンなこと言ってはいけない。複雑やのう。

ナゾの面白さは今作でも健在だが、担当者が変わったからか、「あれ?」と思うこともちょくちょくあった。
特に気になったのが、「問題文に悪文が多い」ことだ。担当交代のせいかは分からんが、旧作より明らかにこれが多かった。
ナゾが始まると、まずポンと問題文が提示される。状況説明、目的、ルール等だ。これが無くちゃナゾなど解けるわけがない。
故に非常に重要な文章になるのだが……まぁこれは読解力も絡むのだが、どうにも伝わり難いものがあるのだ。
読んでもよう分からず、再読してもまだ分からず、取り敢えず問題に触れてみてやっと分かる。でもそれはまだいい方だ。
酷いものだと問題に取り組んでもまだ分からず、「どうすりゃええねんこれ?」と悩む。難度以前の問題だ。上手いこと言った。
繰り返すが、俺の読解力のせいでもあると思うので、明確にゲームが悪いとは言い難い。でも「良い文」ではないと思う。
問題文は一画面に表示できるよう努めてると思うのだが、それが仇になっているのではないか。素直にページ増やせばいいのに。
あと、ナゾ開始後は問題文がポップアップで表示されるのだが、背景にも同じ文が書かれてるのは何とも間抜けだと思った。
プレーすれば分かるが、あれじゃポップアップの意味がないよ。これは画面レイアウトが間違ってるんじゃないかと思う。
数多くのシリーズを重ねた最新作にしては、熟れてないなぁと思った。Switchで1画面化した影響もあるのだろうけどね。

全体的に、難度的に分からんナゾは殆どないと思う。でも問題の意味を掴めず、詰まってしまうことは何度かあった。
そんな時はレイトンのお約束、「お助けコイン」の出番だ。アドベンチャーモードでこれを溜めておけば、ヒントを閲覧出来る。
コインの入手数は限られているが、よほどナゾが苦手でない限り、何百枚と余るだろう。使用量については気にしなくていい。
あとはプライドの問題だが……俺は「問題が掴めん」と判断したら、もうサクッと見ることにした。ゲームに付いてる機能だし。
結果的にはそれでよかったと思う。それはそれ、これはこれというやつで。言い訳? うるさいな。そんなに多くはないよ。
ヒントは4段階あり、その都度コインを求められる。1つ目で「あ、そか」と分かるものもあれば、4つ目まで行くのもあった。
「納得が出来ない」問題もあったが、こういうのは感性に依るところが大きいから、あまり言うまい。俺が悪いんよ。はぁ。

もちろん「意味は分かるけど詰まる」問題もあった。そういうのは考える。じっくり考える。解けるまで只管に考える。
問題の中には、【正解を導く→自動クリアー】もあれば、【答えを入力→正否判断される】もある。厄介なのは後者だ。
自動クリアータイプは間違いながらやり直しを重ねればいいが、正否判断タイプはそうはいかない。間違ったらブッブーだ。
ちなみに各問題には閃きポイントなるものが設定されており、誤答をやってしまうとその度にポイントが減っていく。
本編クリア後、閃きポイントのそれの累計にてオマケ要素が開放される。つまりあまりに間違いまくると、罰則は大きい。
この仕様はちょっと厳しいと思ったが、ポイントには十分余裕があるので、「真面目に」やれば大丈夫なはず。多分。
ナゾに正解はあるが、ナゾへの取り組み方に正解はない。強いて言えば「じっくり考える」、これだ。ナゾ解きに王道なし。
また、本編のナゾの方向性は旧作と変わらんが、今作独自に更に3系統のナゾが追加されている。メニュー画面から遊べる。
好みの料理を予想するやつはつまらんかったが、宝石完売と犬仕掛け(やれば分かる)は面白く、みっちりパズルを楽しんだ。
これらはヒント機能がなく、自力でやるしかない。んで自力で頑張り、完遂。犬仕掛けは全てパーフェクトを取った。えらい。
なんだかんだで求めてるものを提供してくれている。これを1000円で買えたんだから、もうバリバリオッケーだろう。多分。

しかしレイトンのナゾは、考えてみると実にシュールだね。これを平然と受け入れていいのかと思わないでもない。
壁を調べる→「あら、壁からナゾが出てきたわ」→ナゾ開始。床を調べる→「床といえば、こんなナゾがあるのよ」→ナゾ開始。
始まるナゾがその時の状況を模しているなら分かるが、そんなことは全然なく、場面はいきなりナゾ世界に切り替わる。
ナゾが終われば再びレイトン世界へ。ほんま、冷静に考えると、基地外の妄想のようだ。整合性も脈絡もあったもんじゃない。
ナゾがレイトン世界と綺麗に絡んでいれば非常に素晴らしいゲームになるのだが、そんなの無理とちょっと考えれば分かる。
無理なんだから開き直ってキチ妄想一本で行く。……うーん。仕方ないとはとも、レベルが低いとも思うなぁ。難しい。
一方で、プログラム班は大変だと思う。一つひとつのナゾに殆ど専用のシステムや操作が必要になる。それが総数200とか。
言ってみればミニゲームが200あるようなもんだ。早けりゃ3分で終えられて、その後二度と登場しないミニゲームが。うあー。
「ゲーム性はナゾ製作者に頼り切ってる」と書いたが、だからってゲーム全体を楽に作れるもんじゃないよね。そらそうだ。

本編ナゾ以外には、旧作にもあった「日刊ナゾ通信」がある。文字通り、ネットから毎日新しいナゾが送られてくるのだ。
その提供期間は1年。……が、今作の発売は2年前で、既に「毎日」は終わっている。今起動すると、ドッと全部送られてくる。
情緒も何もないが、先行購入者の特権だから仕方ない。ちなみにDLではなくキー解除だと思う。一瞬で全部開放されたから。
んでこの日刊ナゾ、最初から用意されているものも含めて、20系統×20種類で約400のナゾが楽しめる。……楽しめる、よね?
ナゾは1~5で難度のランク付けがされている。1は鼻歌だが、5は相当に厄介。更に系統によっても難度にバラツキがあると思う。
そして日刊ナゾにはヒント機能が一切ない。その意味では本編よりずっと厳しい。ボリュームも物凄くあると言っていい。
ストーリーの途中で挟まれる本編のナゾと違い、こちらは剥き出しだ。「只管ナゾを解く」のに向いてるのはこのモードだな。
俺は本編も好きだが、こっちはこっちで大いに楽しんだ。解く。とにかく解く。只管に解く。でも解いても解いても終わらない。
なんせ総数400を、全て自力でだ。低難度は楽勝でも高難度だと詰まる。どん詰まりも多発し、時間がかかる。それでも解く。
特に厄介だったのは「マンホール裏表」「王様と騎士」「右折カー」かなぁ。たっぷりと苦戦を楽しませてもらったよ畜生。
それでも、もちろん面白かった。日刊ナゾは本編より簡素だから、より紙っぽさがあるというか、パズル純度が高いというか。
一日一問ではないが、あまり一気にはやらず、本編で疲れたら箸休めでプレーした。……より疲れることになるんだけどな。
全問踏破できた時の満足感はかなりのものだった。いやー、俺って天才? はっはっは。これがあるから謎解きは止められん。
ちなみに日刊ナゾを解いて専用のポイントを貯めれば、旧作のダイジェストを閲覧できるというオマケ要素がある。
未プレー作が多い俺は期待していたんだが、非常に簡素なもので見所はなかった。一個くらいムービー入れてよ日野さん……。


物語。ゲーム性は変化に乏しいが、主役交代により作品の雰囲気は以前と全く違うものになった。ここは狙い通りになっている。
主人公にしてヒロインは、カトリーエイル・レイトン。説明するまでもない、レイトン教授の娘だ。……結婚してたの?
そのレイトン教授だが、今作では謎の失踪を遂げている。非常に漫画的だな。で、もちろんカトリーは彼を探している。
そこで、それだけが目的ではないが、彼女は「レイトン探偵事務所」を立ち上げる。メンバーは他に助手のメル(男)。
更に設立早々、「喋る犬」であるシャーロが来訪し、自分が何者なのか調べてくれと言い、それまでは仕事を手伝うことに。
かくしてカトリーと愉快な仲間二人の探偵生活が始まった。父の行方は? シャーロの正体は? ナゾは全て解けていない。

ぬぅ。まずカトリー女史、年齢は21歳である。本編では年齢話は一切出てこないが、クリア後の設定資料にて判明する。
正直10代だと思ってたので驚いた。ちなみに今作の主題歌は「Girl」である。ちょっと詐称である。まぁ細かくは言うまい。
冷静沈着だった父レイトンに対し、カトリー(エイルはほぼ略される)は快活・明るい・能天気っぽい、そんな子である。
もちろん相応に美女ではあるが、萌え~な空気はない。自立した、少々子供っぽい、カッコ可愛い女性像、そんなキャラだ。
そう、今作は明らかに女性ユーザーを意識している。カトリーの着せ替え要素(かなり気合入ってる)等からそれは顕著だ。
女児向けおもちゃとの連動要素もあるので、メイン対象年齢は小中学女子辺りなのかも。……俺、また何かやっちゃいました?
ナゾ部分は人類平等主義であって誰でもプレー可能だが、ゲーム全体の雰囲気的には「消えろよオッサン」を強く感じる。
同じレベルファイブの妖怪ウォッチには、寧ろ高年齢層向けと思えるネタも多く、入りやすかったのだが……今作はキツい。
だがもちろん、百戦錬磨の俺は今更そんなことで気後れしない。つーか別にカトリーハァハァでプレーしてないし。ふんだ。
尤もカトリー自身は嫌味のない子で、男に嫌われるような要素は全く無い。俺も普通に好感を持った。色気がも少し欲しいです。
これが旧レイトンの続編としてどうなのかは何とも言えんが、作り手の意図は分かった。……で、売れました? うーん。

カトリーは食べるのが大好きな能天気女子。が、ナゾが絡むと父譲りの閃き能力を発揮し、事件を解決に導いていく。
ゲームは章立てで、毎回様々な人物から事務所に依頼が入る。で、ナゾを解き話を進めると、事件の全貌が徐々に見えてくる。
要所要所で「閃きのかけら」という架空アイテムが手に入り、それを6つ集めるとカトリーの推理が完成、解決編に入る。
……のだが、ハッキリ言って大半の事件は「理解してるのはカトリーだけ」であり、他キャラもプレーヤーも概ね置き去り。
解決編で答えを語られても「そんなん分かるか!」「そんなアホなこと起きるか!」てなのばかり。でも真実はいつも一つ。
今作はナゾ解きゲームだが、謎解きゲームではない。事件を真面目に推理しても、多分馬鹿を見るだろう。
カトリーが天才すぎるせいで、感情移入度は低い。シナリオ上でも悩み苦しむ描写がほぼなく、羨ましい上級国民だった。
副題に入ってる「7人の富豪」は物語の中心になるが、別に敵対してるわけではなく、悪人でもない。ちょっと肩透かしだった。
ラストは今まで以上に唐突で無理がある真相を引き出して解決。もうなんつーか、ゲームの物語に突っ込むのも疲れてきたな。
ちなみに今作も「シナリオ・日野晃博」である。この人の多作っぷりは本当に凄いと思うが、さすがにもう品質は、な。
「最後は地球が爆発しました終わり」なら誰でもやれるわけで。荒れた地球を統治して終えられる人はどこかにいないのか……。

グラフィックは、レベルファイブ的に高品質だった。この辺のクオリティはさすがである。他と比べても抜けてるのではないか。
要所要所でアニメムービーを入れて「豪華さ」を演出することも忘れていない。旧レイトンからの良き伝統だなこれは。
平時のキャラや背景も違和感なく作られていて好感度高し。ガワに関しては文句のないレベルの作品である。いいね! である。
先述の通りカトリー(シャーロにも)には着せ替えの要素があり、数も膨大に用意されている。女性には嬉しいのだろう、多分。
ただしアニメムービーではデフォ衣装に戻る。当たり前だな。……僕は我儘なので、ちょっと寂しく思いました。ごめんなさい。
音楽も、主題歌からマップ曲、そして一番長く聞くことになる思考中の曲まで、統一されてて良かったと思う。適当言ってる。
特に思考中の曲は、な。別名ムカつきの曲でもあるが、別名俺って天才のテーマでもある。複雑な感情を抱く良い曲だった。

……が。曲は良いのだが、最低なのがキャラボイス。今作も旧レイトンと同様、キャラの声担当に俳優を起用している。
旧レイトンではそれが上手く行っていた。レイトン・ルークコンビは寧ろベストと言えるレベルだった。……昔は良かった。
今作の主役カトリー、の担当有村架純氏、クソ。音響担当者含めて、「ようこれを世に出す気になったな」と呆れたわ。
もうな、純粋無垢に下手糞、ヘッタクソなのよ。例えるならレイトン逆裁の成歩堂レベル。プレーした人間なら分かるだろう。
短い台詞ならまだマシだが、ゲーム的に長い解説シーンがちょくちょくあり、その際はもう耳を塞ぎたくなる。黙れ下手糞!!
他、部下のノアも下手だが、メインじゃないだけにあまり目立たない。シャーロはいい感じ。さすが役所広司と言うべきか。
かの大塚明夫氏は、著作で「俳優が声優をやるのを怒るのは一部のオタクだけ、そんな専門性などない」と書いていた。正論だ。
声がイメージに合っていて演技が上手けりゃ、俳優がやろうと気ままな兄さんがやろうと全然構わん。「上手けりゃ」な。
「俳優にやらせて下手糞」なんだから、これはもう救いようがない。営業上の理由? で、これ売れたんですか日野さん。
ちなみに今作のテレビアニメ版では、カトリーは花澤香菜氏が担当している。他のキャラも恐らく総入れ替えだろう。
だったら最初から花澤氏で一本化しとけやと思う。交代の理由がスケジュールの都合であっても同じだ。やるなら完遂しろ。
レイトン逆裁の成歩堂、二ノ国の母親、そして今作のカトリー。探せばまだあるだろう。レベルファイブゲーにクソ声優あり。
そんなに俳優起用が大事ですか日野さん。こんなことで憤るのは一部のオタクだけですか大塚さん。俺は虚しい。はぁ。

ゲームをクリアーすると、クリア後の要素として「超難問」が追加される。全部で20問くらいかな。
この展開は予想出来ていたが、同時に非常にビビってもいた。だって超難問だぞ? 俺に解けるのか? 解けなきゃ死ぬか!?
クリア前は(悪文問題以外は)概ね順調に解けただけに、このまま「いい気分」で終えたい。でもクリア後問題を無視もできん。
……と、なんか悲痛な想いと共にやってみたが、これが拍子抜けするほど簡単だった。いや、無論難しい問題ではあったけど。
「何をビビってたんだ俺は」と反省するくらいポンポン解けた。……俺って、もしかして天才? もう誰も俺を止められない?
ほどなくして、クリア後や日刊ナゾその他を含め、今作に収録されている全問を解き終えた。完全クリアーと言っていいだろう。
ぬっふっふっふ、はっはっはっは。いや、いいよこれ。俺はこれを求めていたんだ。こんなゲームを、こんな気分を。
色々あったが、気分よく終えられた。ボリュームも十分だし、いいゲームですよ、ええ。……ジョイドリさえなけりゃ、ね。


ふぅ。物語上の「事件」は解決したかもしれんが、喋る犬というシャーロの謎は完全放置のままで、ゲームは終わった。
また、最後のムービーにて、カトリーが実はレイトンの本当の娘ではない? という衝撃の可能性が提示される。可能性な。
とまぁ、続編の匂いプンプンだった。実際今作は新シリーズ1作目の予定だったはず。……でも発売から3年、その気配はない。
やっぱ、受けんかったんかな。システム的には以前と殆ど変化がなく、少なくとも新鮮味はもうどこにもない。
ナゾを解く面白さはあるが、非常に地味なものでもある。DSの頃より遥かに「軽い」今の時代には合わんのかもしれん。
いや知らんけどな。まぁまだ3年とも言えるが、以前のレベルファイブならこの手のゲームは毎年のように出してたからなぁ。
そしてもし続編が出たとしても、俺は……うーん。少なくともゲーム性に魅力は感じないだろう。「いつもの」だろうから。
となれば、今作購入前に考えていた通り、旧作の再プレーで十分間に合うのだ。変化が殆ど無い以上、そういうことになる。
そこを貫く魅力を提示してくれるなら別だが、果たして。……その前に続編が決まらなきゃな。それは何とも言えん。
比類なき誰でも楽しめるナゾ解きゲーム・レイトンシリーズが続くことを願って終わり。親子共演はどうよ。注目度上がるよ?
……芸能人のギャラが高くなりすぎるから無理? かー。だよねぇ。ゲーム性は地味でも、ガワは派手なゲームなんだよねぇ。
はぁ。





拍手を送る
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソリティ馬(ば) | トップ | プレイステーション3 10周年 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (元外野)
2020-06-01 21:01:24
いつも楽しく読ませてもらってます

1000円セールやってましたね
自分は、「おっ、安い。買おうかな」→「悩んでたらセール終わってた」→翌月「おっ、またセールかラッキー」→1500円→「500円損するみたいで嫌だから諦めよ」の超貧乏人ムーブで結局買いませんでした(笑)

有村架純の棒読みを懸念して購入を悩んでたのですが、レイトン逆裁の成歩堂レベルとなるとかなりのモンですね

アニメ版は子ども達が観ているのをたまーに横目で観ていましたが、レイトン教授の実の娘では無いというのはアニメ内で明言されてて、レイトン教授に引き取られた経緯を知ったカトリーが現在のレイトン教授の足取りを追うみたいな展開でした
最後まで観ていないので結末は知りませんが、ゲームで語られなかった謎を解明する、みたいな触れ込みだったんですかね
返信する
Unknown (ota)
2020-06-02 01:21:05
初めまして、コメントありがとうございます。

>「悩んでたらセール終わってた」→翌月「おっ、またセールかラッキー」→1500円→「500円損するみたいで嫌だから諦めよ」の超貧乏人ムーブで結局買いませんでした(笑)
わはは。確かに2回目のセールで500円上がってたのを見た時は「ここは据え置きにしとこうや日野さん」と思いました。

>有村架純の棒読みを懸念して購入を悩んでたのですが、レイトン逆裁の成歩堂レベルとなるとかなりのモンですね
こういうのって、音響監督なり日野氏なりも平気なわけないと思います。つまりマーケティングを品質より優先している。
そこが許しがたく、それでええんかと思います。俺はなんだかんだでレベルファイブのゲーム好きですが、納得出来ません。

>レイトン教授の実の娘では無いというのはアニメ内で明言されてて、
マジですか! ゲームじゃ最後の最後にカトリーが匂わせ、仲間が驚き、END て流れだったんですが。そんなあっさりと。
アニメ版にも興味はあるんで、いつかネット配信で観てみたいと思います。少なくとも声に苛立つことはないでしょうしw
返信する

コメントを投稿

SWITCHゲーム感想文」カテゴリの最新記事