腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ゼルダ無双

2022年04月21日 01時48分05秒 | Wii Uゲーム感想文
【ハード】Wii U
【メーカー】コーエーテクモゲームス
【発売日】2014年8月14日
【定価】8127円(現物版)
【購入価格】500円(中古)
【プレー時間】106時間


「ゼルダ無双」である。このゲームでまず思い出されるのは、発表時だ。それは比類なきニンテンドーダイレクトだった。
発売の前年、2013年。まだ元気だった(多分)岩田聡社長がにこやかに話している姿を覚えている。もう9年も前か。
まぁ当時はWii Uバリバリの暗黒期だったので、あんましいい印象はなかったが。そこんとこは今でも曲げる気はない。
で、ゼルダ無双。取り敢えず驚いた。恐らく誰もが驚いただろう。コラボ無双は数あれど、まさかゼルダがそうなるなんて。
元のゲームにそういった一対多数のイメージがあるならいいが、ゼルダにそれはなかろう。寧ろ一対一の印象の方が強い。
まして当時の最新作「スカイウォードソード」は、その一対一をより奥深くし、雑魚戦にさえある程度の思考を要求していた。
それが発表された今作のPVでは、リンクが振る剣の一撃でボコブリン数十体がブッ飛んでいた。いやいやいや。おかしいでしょ。
正直、このイメージの齟齬は未だに俺の中にある。ガンダムや北斗と違い、コラボ無双として無理があるのではないか、と。
何とも強引な企画である。Wii Uのタイトル不足対策で任天堂から持ちかけた気がする。想像、いや邪推かな。はぁ。

で。俺は例によって発売当時にプレーすることはなく、その後の完全版にも特に興味を示さなかった。
しかしその一方でシレッと中古で確保。腐れ外道である。Switch版にしろよ! やだよ。俺のゼルダ無双はWii U岩田版なんだ。
そして先日、「真三國無双5」をプレーした。本家シリーズながら無双全体でもかなり異色なシステムを採用した意欲作だった。
世間的評価はイマイチだったが、今更プレーした俺は大いに楽しめた。このゲームに関しては遅れプレーが功を奏したと言える。
実績コンプまでがっつりやり込み、無双5には満足した。……けど何か、食い足りない。もっと無双がしたい、と思ってしまった。
また無双5はもちろん無双ではあるが独自性が強い。その意味で「従来型の無双をやりたい」意欲が俺の中で膨らんでいった。
ならどうするか。順当に「真三國無双6」でもいいが、何か工夫がない。ここは別シリーズ……ガンダムかONE PIECEか……
おお! 丁度手元にゼルダ無双が!! なんか縁を感じたし、俺は相変わらず岩田ファンなので、決定。見てますか岩田さん。
……Switch版買って任天堂の利益に貢献しろ? ンな連れないこと言わんでくださいよ。俺にゃWii U版でなきゃ無意味なんですよ。
それに現任天堂アホほど儲かってるし、金落とす必要ないでしょ。ほんま思考が腐ってんな。ケッ。全部ジョイドリのせいだよ。
とにかく、ゼルダ無双開始である。Wii U起動も久々である。実は立ち上げは超速い。あとはスリープがあればなぁ……。


ゲーム起動。……と同時に怒涛のアップデートが始まった。どうも相当な数が成されてたようで、俺はそれを一気に受け取った。
もう項目が多すぎて全然分からん。でもまぁ、ゲームが良くなったのは確かだろう。無料DLCキャラもあったりして嬉しかった。
また今作はamiiboに対応しており、タイトル画面で読ませることで、1日に4回(4種必要)までアイテムや金を受け取れる。
しかしランダム要素が強く、酷いときには1ルピーだったりする。手間を取らせるんだから、もうちょい得させてほしかった。
たまに当たり武器が来るんだが、ゲーム進行状況に沿ったレベルなので、いきなり超強力武器入手でバランス崩壊とかはない。
嗚呼、アミーボ。「ゲームと連動するフィギュア」という触れ込みだったはずだが、効果的に使ってるゲームはあるんだろうか。
まいいや、開始。今作は大きく「レジェンド(ストーリー)モード」と「アドベンチャーモード」に分けられる。取り敢えずはストーリーだな。
今作の舞台は実はオリジナルであり、リンク、ゼルダ、インパ、ガノンドロフらは見た目は馴染みがあっても今作の新キャラだ。
じゃあルト姫やギラヒムらはと言うと、途中で「時オカやスカウォの世界と時空が繋がった」とかそういう理由で参戦してくる。
無茶ではあるが、複数の世界を繋げるためにはこれくらいしゃーない。無双は強引なものさ。ガンダムとかもっとスゲーしさ。

なのでゼルダ姫やインパはいいとして、物語開始時のリンクはハイラルの新人兵だったりする。いきなり緑の勇者じゃない。
でもそれじゃ漫画にならんから、冒頭いきなり発生する敵の大集団による襲撃をリンクは剣一本でメッタクソに駆逐する。
そんな新人兵がおるかボケと言いたくなる有様だが、これでゼルダ姫ら上役に認められ、此度の戦いに身を投じることになる。
一応雑魚兵らもいるから軍で戦ってるはずだが、一個人の力に九分九厘の責任が伸し掛かってるのが無双だ。今作も無論そう。
ゼルダ本編でも思うが、ハイラル国って心底情けない国だなぁ、と。軍も政務も一体何をやってんだ。無能揃いにも程がある。
はぁ。そういったゲームの裏側が見えるようになったのは俺が大人になった証拠か。アホか。どうでもええわそんなん。
今作はゼルダ無双と名乗っているが、ゼルダらしい謎解き要素はない。スイッチを入れる仕掛けが申し訳程度にあるくらいだ。
ガワがゼルダであることを除けば、普通の無双と捉えてほぼ問題ない。これが良いことなのか悪いことなのかは、分からんな。

普通の無双ということで、システムも普通だ。三国5のような尖ったものではなく、小攻撃と大攻撃、そして必殺技。
小小大や小小大といった組み合わせで技が変わるのもいつもの無双仕様であろう。それらはキャラの強化で身につけていく。
強化に必要なアイテムは敵の中ボス以上が落としていく。上位の強化にはレア物が必要だったりと、まぁ基本は抑えている。
そして敵との戦闘も……三国5では雑魚敵も積極的に攻撃してきたが、今作では無双らしく、雑魚はただ殺されるための的だ。
どいつもほぼ何もしないで突っ立っているだけ。その盾や剣は何のためにあるんだ。スカウォの気合はどこへ行ったんだ。
特に序盤は本当にアホほど簡単で、正に「並んでる野菜を切ってるだけ」な感じだった。無双の悪いとこ? まぁそう言うな。
ちなみに俺は今作の情報を聞いて、原作との齟齬の次に不安になったのが「ネタが少なすぎるんじゃないか?」だった。
まずキャラが足りない。リンクは当然として、ゼルダシリーズに他に戦闘キャラいたか? 思いつくか? インパ? ゼルダ姫?
それらのキャラを使えるとしても、今度は技だ。回転斬りやスカウォ溜め斬りはすぐに思いつくが、他にこれといった技、ある?
原作のネタを使ってゲームの幅を広げるのがコラボ無双であろうに、ゼルダシリーズにはそのネタがあまりにも少ない。
ほぼ全キャラ、1から無双的に派手な技を考えねばならない。それも「原作のイメージを壊さない範囲」で。無茶言うなと思う。
……で、今作、そこはかなり頑張っていた。まぁ無茶をやってるとは思う。強引だし、原作イメージの遵守は割とブッチッてる。
けどンなこと言ってたらそもそもこんなゲームは作れまい。ゼルダはタクトを使うし、ルト姫は謎に道で津波を呼び戦うのだ。
「そのキャラなんでそんなこと出来るの?」「なんでそれで敵が死ぬの?」、そらお前、無双だからよ。無双は全てを解決する。
無理のある発想力で作られた多彩な技で、無抵抗の雑魚どもを駆逐する……そんなのが面白いか? 答えよう、面白い、と。

うむ、面白い。三国5の難度が高いシステムも楽しめたが、この「いつもの」無双も俺は好きだ。どちらも好き。素敵な話である。
戦場システムもいつもの無双で、壁に囲まれたエリアで雑魚を一定数倒せば砦ボスが登場し、そいつを倒せばそこを制圧できる。
制圧した自領が増えると戦いが有利になり、シナリオが動く。そうしてゲームを進めていく。うむ、実家のような無双である。
難度選択は易普難の3段階で可能で、上げると難しい代わりにドロップアイテムの質が上がる。俺はほぼ普で、たまに難も遊んだ。
クリア後に超難が追加されるが、敵が硬いばかりで楽しいとは思えなかった。今作はレベル上限が超高いので、敵も相応に硬い。
とまぁ「誰でも無双」なので、誰でも楽しめると思う。もちろん俺にも楽しめた。「今のゲーム」は7年前程度では古びない。
ストーリーモードは基本リンクで進めるが、他キャラが選択可能になることもある。色んなキャラを使うのもまた楽しい。
驚いたことに「ガノンドロフ編」もあり、そこではガノンドロフを使ってゼルダ軍と戦う。強制なのでクリアには避けられない。
原作からの戦闘ネタが少ないことを心配していたが、逆に割と自由にキャラを作れるということでもあったようだ。多彩である。
リンク自身も複数の武器を使用可能で、炎のロッドやグローブ等を使えば剣とはまた違うプレー感覚を楽しめる。
ちなみに武器がどんどん変わる作りで「マスターソード」がどうなるかだが、これは独立した武器種として扱われていた。
他の片手剣と違い換えがないので性能は非常に高い……が、武器スキルの開放が非常に大変というデメリットもある。
今作の武器にはスキルが付与されており、戦闘を重ねそれを開放していくのも楽しみの一つなのだ。まぁマスソーは緊急用だな。
そんな感じで、ストーリーことレジェンドモードは気楽に楽しめると思う。ボリュームもそれなりにあり、満足できた。

……ただ一つ、レジェンドモードには大問題があって……ボイスなんだよ。ボイスというか、それを絡めた演出と言うべきか。
今作は当然と言うかキャラボイスがあり、戦闘中を迫力ある掛け声で盛り上げてくれる。では、イベント時についてはどうか?
周知の通り、リンクは由緒ある「喋らない主人公」である。いかに外伝作とは言え初代からのこの伝統を覆していいわけがない。
なのでリンクは今作でも無言だ。代わりに時オカのナビィ的(ほぼ同じ)な妖精が登場し、彼女が台詞回し役を引き受けている。
で、リンクは喋らないが、イベントでは「っ!」等の掛け声や悲鳴、うめき声は口にする。ここまでは良い。ゼルダらしい。
……問題は、「全キャラそうなっている」ことだ。今作ではリンクだけでなく、他のキャラも「一言も喋らない」んだよ。

いや、台詞自体はあるよ? イベント時にはゼルダ姫やルナ(今作のオリジナルヒロイン)会話で物を語ってくれる。
だがそこに、ボイスはない。あるのは「えっ!」「っ!?」「……っ!!」てな掛け声ばかり。一切の例外なくそうだった。
想像してみてほしい。例えば「ガノンドロフを倒すにはマスターソードが必要なんです」て台詞があるとする。
それが文章で表示されるが、声は「……っ!」「ンっ!」だけで済まされる。全編、全キャラでそうなのだ。あり得んやろ。
ハッキリ言って、非常に気味が悪い。お前らは何なんだが、生きてるのか。サイレスでもかかってるのか。気持ち悪い。
容量が足りないなら分からんでもないが、Wii Uでそれはあり得ない。また戦闘中ボイスはもう少し「喋って」いるのだ。
要はリンクに、そしてゼルダ本編に合わせてこの仕様にしたのだろう。幾らでも喋らせることは出来るのに、敢えて抑えた。
クソ判断としか言い様がない。いやホント、めっちゃ気持ち悪いんだよ。イベントの度に顔を顰めるあの感覚、忘れ難い。
声優さんも大変だったと思うよ。「全ての台詞をうめき声だけで表現してください」てなもんだからな。頭抱えたと思う。
俺はこの仕様、大大大失敗だったと思う。果てしなく気持ち悪い上に「馬鹿にしてるのか?」とさえ思ったもん。
本編を尊重することの意味を履き違えてるとしか思えない。そこまで変な縛りを入れるなら、最初からコラボ無双なんか出すな!

てわけでレジェンドモードのイベント描写はクソックソなのだが、物語自体は、意外と頑張ってたなという印象だ。
今作のオリジナルキャラであるルナは、元は敵側のオリキャラ「シア」と一体の女神か何かだったらしい。
その真ルナが、何と空間観測していたリンクに恋をした。しかしリンクの隣にはどの時空でもゼルダ姫の姿が。ムキー!!
その嫉妬心をガノン的なやつに利用され、ルナとシアに分割、シアはハイラルをブッ壊すため、ルナはそれを阻止するため動く。
やがてシアの野望は阻止できたが、その頃にはガノンドロフは復活のための悪の気(適当)をシア経由で充填させていた……!!

て感じ。オリキャラを上手いこと話に絡めていると思う。んでシアを追う途中で別時空から時オカキャラらを呼んでくるんだな。
途中でマスターソードを手にしたリンクが剣の強さに溺れ、その驕りがダークリンクを生み出すという流れも面白かった。
先述のように「ガノンドロフ編」もあり、リンク側一辺倒ではない。使用キャラとしては平等である無双の思想が感じられる。
物語は良かったんだよ。ダンマリ仕様が只管にクソだっただけで。あれを採用したのは誰だ。早矢仕か!? ほんま許しがたい。
岩田氏の体調が万全だったらストップがかかったと思いたいよ。……そらないか。少なくとも青沼チェックは通ってるはずだし。
これだけキャラの描写がリアルになったのに、いつまでもダンマリが通用するわけないやろ。いつまで放置してる。決断しろや。
つっても今作後のブレワイでも継続してたし、ブレワイ2でも同じかなぁ。リンクとゼルダのうめき声会話をたっぷり収録!!
「ゼルダの当たり前を見直す」の前に、「ゲームの常識」を見習え。他ゲーじゃうめき声で会話はしねーよ!! はぁ。

レジェンドモードの難度は総じて低めだが、今作には「黄金のスタルチュラ狩り」という遊びがあり、これは楽ではない。
ステージで条件を満たせば出現する収集アイテムのような存在で、出現自体は問題なくさせられるんだが……討伐が大変。
出現位置は大まかな情報しか教えてもらえず、しかもコイツ、時間経過で去っていくのだ。そうなるとやり直し以外に手はなし。
またシナリオとは全く無関係に出現するので、例えば防衛任務の最中に登場されると、そっちの仕事との兼ね合いがまた大変。
黄金のスタルチュラを入れたこと自体はいいとして、バランスがちょっと厳しいというか納得いかないと思った。
まぁ集めても一枚絵が見られる程度で大した得するものじゃないんだが、それでもゼルダファンなら倒したいと思うだろう。
武器スキルで制限時間がなくなるとか、そういうのを用意してほしかったな。俺は頑張って集めたけど、全部は無理だった。
場合によっちゃ戦場の真反対に出てきたりもするからな。それでも制限時間は据え置き。うーむ。不可能とは言わんけどさ。


さて、レジェンドモードは楽しく遊べた。ここまでは「緩い無双」だった。しかし、無双はそう甘くない。甘く見ちゃいけない。
今作のもう一つの柱、アドベンチャーモードの開始である。ちなみにレジェンドの途中から選べるから、平行してやってもいい。
キャラレベルや武器は統一されているので、アドベンチャーで鍛えればレジェンドがますます楽になる。まぁプレーヤー次第だ。
このモードは他ゲーで言うミッションモードで、各ステージにクリアのためのお題が振られている。もちろん内容は多種多様。
最初は一部の案件しかやれないが、それをこなしていくとどんどん増えていく。当然ながら難度も相応に上がっていく。
ちなみにその案件が初代ゼルダのマップを模して配置されていて、初代ゼルダよろしく画面移動的に次の案件に繋がる。
更に案件で手に入る隠しアイテムを出現させるために「ろうそく」「爆弾」等が必要で、それらは別案件で調達する必要がある。
演出的な域ではあるが、初代ゼルダをオマージュとして上手く消化していると思う。ある意味ここが一番ゼルダらしいかもな。
またこのモードは設定も糞もなく、例えばリンクを使ってボスのゼルダを倒す案件等は珍しくもない。非常にカオスだ。
敵味方の設定はその案件のみの話で、非常に刹那的。求められるは課題の達成、ただ一つ。ハイラルどうこうはどうでもいい。
ヒロイックな空気に満ちたレジェンドモードから一転、非常に泥臭い。だがそれがいい。……良すぎるほどに。超ハマったし。

いやほんま。俺の総プレー時間中、レジェンドモードは20時間もないと思う。残り90時間近くはどっぷりアドベンチャーよ。
このゲーム、「素材」に関してはレジェンドモードでほぼ全部出ている。キャラも技もマップも、レジェンドをやれば出揃う。
なのでアドベンチャーモードはその使い回しだ。実際、プレーしていてもその場その場の光景や感触は何も変わらない。
……なのに、面白い。止められない止まらない。なんてこったい。完全に「無双魔力」に取り憑かれてプレーを続けてしまった。
このモードにハマってる際、今作の「巧みさ」にはつくづく舌を巻いた。上手いよ、これ。面白い以上に、作り手が上手い。
素材はある。それを動かすプログラムもある。その状況で新しい楽しさを提供するには? 素材の配置、そしてバランス調整だ。
逆に言えばそれを多く用意すれば、幾らでも楽しさを上乗せ出来るのである。アドベンチャーモードはまさにそれをやっている。
どんな場面も既知なのに、やれば熱くなれて面白い。敵の配置や勝利条件の設定がいちいち巧みで、上手く煽られてしまう。
「飽きさせない工夫」とはこういうのを言うのだろう。いやほんと、上手い。見事だ。実際ハマったから、手放しで絶賛する。
ゲームの規模がとてつもなく大きくなった昨今、当然ながら制作は大変だ。今作も、素材だけでも十分大きなゲームだと思う。
だから作り手の工夫によりボリューム増を実現する。決して単なる水増しじゃない。コストを抑えつつ、面白さは大幅増。
こういうやり方を目にすると、嬉しくなるねぇ。人間的というか、日本のゲーム制作における魂を感じるというか。褒め過ぎか。
「100時間ハマれる」って、冷静に考えたら本当に凄いことだ。これがあるからゲームは止められないね。だから褒めすぎよ。は。

……が。人はゲームにハマってる時、その何割かはムカつきも感じているものだ。……俺だけ? いや普遍的よ。多分。知らん。
今作には大いにハマったが、やはり常時ウヤッヒーってわけではなかった。寧ろイラムカ状態が常だったかも? それはないか。
何って、無双と言えば、アレだろう。アレだよアレ。三国5でも非常に顕著だった、「味方へのイラムカ」だよ。ああああ!!!
レジェンドモードでは、そもそも難度が低く、また物語ラインが丁寧に作られているので、そういったことはほぼ感じなかった。
だがその装飾を排し、ただただ無骨に無双を据えたアドベンチャーモードは、面白さと同列でイラムカ度も大いに引き上げた。
まぁ~~ホント、お前ら仕事しろ!!! 仕事しろ、仕事しろ、女房~子供が泣いてるで、かめへん! って古いよ。はぁ。
なあ。案件には当然勝敗条件が設定されてるやん。その多くは、自身の死は当然として、味方重要キャラの死や拠点陥落やん。
で、自分の死は、ないこともないが殆どないのよ。慎重に立ち回れば被ダメは抑えられるし、回復手段も豊富にあるから。
けど味方はそうはいかない。奴らは弱い、それ以上に阿呆だから。Wii UのCPUはここまで阿呆なのか。いやWii U関係ないか。
じゃあそんな仲間に付きっきりで介護していたら、今度は攻め手が足りずジリ貧になる。攻めも守りも全部自分でやらなきゃ。
「一騎当千とは一人で千人分の仕事をすること」。無双の本質は今作にもキッチリと通っていた。ムカつくほどに誠実に。
敵の猛攻から拠点を守り、阿呆な姫様(に限らんが重要キャラ)を護衛し、その一方で敵拠点は順次攻め落としていくゲーム。
今作も無双らしくファストトラベルはなく、移動は全て歩きと走り。広大な戦場を攻めに守りに必死のパッチで走り抜ける
……それをボケーッと突っ立って見守る「仲間」達。「砦がヤバい」とかの泣き言はいちいち台詞で知らせてくるくせに……っ!

またADVモードではクリア評価の要素があり、評価Sでないとクリアアイテムを貰えないマップも多い。いやそればかりだ。
単にクリアするだけではダメなのだ。中には「使用キャラ指定・Sランク限定」な厳しいマップもある。……いや、そればかりだ。
評価基準は「クリアタイム」「敵を一定数倒す」……これらはまだいいとして、「被ダメージ一定以下」これが非常に大変だ。
あくまで被ダメが基準なので、食らった後に回復させても無意味。それでいて基準が厳しく、高難度マップだとあっさり達する。
今作は最大HP(ハード数)はかなり余裕があり、なかなか死なん。だがADVモードでS評価狙いだと、それが全くの無意味になる。
だって最大ハートが18個あっても、4個分食らったらS評価絶対不可能になったりするのだ。そしたらプレーを続ける意味がない。
この被ダメに対する厳しい設定のせいで、今作はやり込むほどに回復やハートの数が無意味になっていく。おかしいだろ。
実際、完全版ではこの設定が大幅に緩和されているらしい。……今作でもアプデでそうしてほしかったよ。はぁ。
しかしそんな厳しさを越えてS評価を取り、ご褒美武器をゲットするのが格別の喜びであることも事実なわけで……嗚呼。
ほんま、今作に関してはめっちゃ餌で釣られたわ。実トロもないのに、ただそれが欲しいからとやりまくったからなぁ。

リンクやガノンドロフ等の強くて使いやすいキャラならまだいいが、弱いキャラの使用を強いられるとマップは大変である。
特にアゲハ(スカウォに出てくる昆虫好き少女)は非常に弱く、俺は最終的にこのキャラの最高ランク武器獲得は諦めちった。
ただでさえマップの難度が高いのに、あんな隙のデカい技だらけのキャラじゃすぐ被ダメが上限を突破しちまうっての。
ただ、一応対策はある。レベルを上げればいいのだ。今作はレベル上限が250まであり、俺がプレーした限りでは、60か70ほど。
つまり鍛える余地は大いにあるのだ。他、武器スキルの開放も頑張れば、全マップS評価獲得も夢ではなかったと思う。
……が、ADVモードのラスボス(まぁガノンだが)を倒し、大半のマップでSを獲得したら、さすがに「もういいや」となった。
ここまで来たらコンプも狙いたかったが、「稼ぎ」に徹するのは正直楽しくない。三国5でもそこはしんどい作業だったしな。
十分やったし、これで可としよう。プレー前からは想像もできないくらいどっぷりだったなぁ。ええこっちゃで。
ちなみにDLCではADVモードと同規模の別マップが幾つもあるらしい。そして完全版ではそれが最初から収録されているという。
……この無印版をやって良かった、な。更に複数マップをやるって、一体何百時間を追加することになるんだか……。


グラフィックは、十分に綺麗だった。HDハード・Wii Uの面目躍如である。……ンなこた当然で、褒めるこっちゃないっての。
コエテク、更にチームニンジャ制作ということで女性キャラの色気にも期待したが、これは綺麗ではあるがさほどではなかった。
特にオリジナルキャラのルナが元気少女系だったのがな。もっとむっちんプリン系を。シアは暗いから好きになれん。
時オカ等からの派遣キャラも、元のイメージを崩さない良質再現が出来ていたと思う。尚ルト姫の露出度は大幅ダウンしている。
人物は良好で、背景も汚くはない。無双でよく聞く処理落ちやゴースト化もなく、終始ストレスなく遊べた。偉いぞWii U。
音楽は、当然ながらゼルダシリーズ各曲のアレンジばかり。無双的にノリが良いものにされていて、こちらも好印象だった。
特に原曲が好きだった「時オカドドンゴ戦のテーマ」は、今作でロック調(多分)にアレンジされており、非常にカッコいい。
この曲をバックに戦場を走り回るのが一番浸れたな。無双の音楽って毎度よく出来てると思う。サントラがなくて残念ナリ。

そうだ、ドドンゴだ。今作にはドドンゴやゴーマ等の巨大ボスが登場し、これらは雑魚や中ボスとは一線を画す性能を持つ。
というのも、普段は攻撃が通じないのだ。ドドンゴには爆弾、ゴーマには矢を使って怯ませれば、初めて攻撃が通るようになる。
じゃあそうすればええやん、と? ……ドドンゴはそうそう口を開けてくれんし、ゴーマはなかなか目を赤くしないのよ。
つまり弱点アタックをするには敵が特定の動きをする必要があるのだが、それを誘う方法がないのだ。恐らく完全にランダム。
更に弱点アタックを繰り返して弱点ゲージを0にすれば、初めてHPダメージが入るという仕様だ。正直、これはしんどすぎる。
敵が弱点晒し攻撃をしてくれないと、こちらがやれることが何もない。時間制限もあるゲームでこれはおかしいだろう。
複数の巨大ボスと戦う案件はストレスが溜まるばかりで全然面白くなかった。能動的にやれることを用意しやがれっての。


ふぅ。面白さも十分あったが、とにかく巧みさに舌を巻いたゲームだった。素材を生かすも殺すも制作者次第、なんだなぁ。
そして素材が上手く生きれば、面白いステージが幾らでも作れる。センスと工夫でゲームが良くなる。素晴らしいことである。
無双シリーズの制作者は、常にマンネリと戦い続けているはず。だから必然的にこういったセンスが磨かれたんだろうな。
つっても無双がマンネリというのは厳然とした事実であり、その意味ではあんまし褒めるのも違うような気がするが……
いや、違わんな。面白かった。100時間以上も楽しめた。これに勝る事実はない。今作は面白いコラボ無双だったのだ。
ボリュームを考えれば無印をやったことも結果的に正解だった。岩田氏へも報いることが出来たと言える。言えねーよボケ。
あ、今更だけど、プレーは全部ゲパで行った。リモヌン操作もあるけどやりにくかったし、クラコンは非対応なんだよなぁ。
そしてゲパではマップ表示があり少々のタッチ操作も可能なので、意外と生きてたと思う。今作はWii Uならではのゲームだ。
任天堂も世間もSwitchばかりを見てWii Uなど誰も覚えてもいない現在、Wii Uのゲームにこんなにどっぷりハマれた。
これだけでも素敵じゃね? ねぇ岩田さん? だから違うっての。勝手に人物像を固められて、岩田氏も大変やのう……。

てわけでまたしても無双にハマってしまった。完全にファンである。凄いなぁ無双。もちろん、今後もやっていくよ。
現時点で既に抱えるくらい多く所持してるし。……例によって古いタイトルばかりで、現状にまるで金を落とさないが。はぁ。
けど、近年の無双は正直勢いが落ちている。俺がプレーしているのは、無双が輝いていた時代のタイトルだとも言える。
その意味では古い無双ばかりをやるのも間違いではない……ってのは言い訳が過ぎるか。金落とさずにごめんなコエテク。
ましかし、どう見てもマンネリなのに、やればそんなこと忘れて毎度楽しめてしまうんだから、凄いシリーズである。
多作であることは事実だが、マンネリってのは単なる思い込みなのかもな。だって本当にそうなら、飽きるだろ?
まぁ俺はまだまだ無双経験が足りない。今後も、それこそ飽きるまで無双をやろう。そうすりゃ何かが見えてくるさ。
比類あるが毎度比類なく楽しませてくれる神シリーズ・無双の魔力に改めて魅入られて終わり。誰が何と言おうと、無双はいい。
次に掃討するのはMSか海賊か武将か。またその時に。間に無双を挟めば、楽しいゲームライフが待っている。たまには前向きに。
はぁ。







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2 コメント

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Unknown (正月マニア)
2022-05-16 20:57:04
私もアドベンチャーモードの被ダメの項目には苦戦しました。
otagameさんの仰る通り、少ししかダメージを受けていなくてもすぐにAランクに落とされるんですよね。
ただ、他の項目がユルユルなので、「弓矢強化」みたいな武器スキルを付けて、強化した弓矢で敵を遠くからチュンチュン撃っていた記憶がありますw
多少時間がかかっても、弓矢→回避→弓矢って攻撃してた方が、私としては安全にクリアできたので。
ただ、シークだけ回避のモーションがスキップできないので、回避後にすぐに弓矢を撃つことができなかったんですよね。
懐かしいなあ、アレから8年か。
そういえば発売当初にこちらにゼルダ 無双についてのコメントを書かせていただいた記憶がありますw

それと無双繋がりで『厄災の黙示録』がありましたけど、「100年前の戦いがついに語られる」みたいな、あたかも『ブレワイ』本編の100年前を描いたような謳い文句なのに、シナリオはまさかのIFルートものであると聞いて一気に興味が無くなってしまいましたね……。
あと「未来から来たガーディアン」みたいなのとかも個人的にはあまり受け入れられませんでした。
プレイしてみたら今作もゼルダと無双が上手いこと融合していて面白いのかも知れませんが、今はいいやといった感じですw
返信する
Unknown (ota)
2022-05-18 22:17:29
おお、正月さん、発売時プレーヤーでしたか。かなりのゼルダファンっぷりですね。かっけー。

>少ししかダメージを受けていなくてもすぐにAランクに落とされるんですよね。
そうそう。「Sでないとダメ」なステージでは、その時点で全部パー。最大HPや回復手段は多くあるのに全然意味がない。
あれは心底納得できませんね。無双は拙速を尊ぶゲームであって、被弾はそれこそ生きてりゃ問題ないだろと思います。

>多少時間がかかっても、弓矢→回避→弓矢って攻撃してた方が、私としては安全にクリアできたので。
あー、時間の基準も相当に厳しく、安全策を取るとすぐS基準をオーバーしちまったんですが……やり方まずかったかな。
矢はかなり使えるんですね。道具の攻撃目的使用をあまり掘らなかったのは反省点です。

>シナリオはまさかのIFルートものであると聞いて一気に興味が無くなってしまいましたね……。
そうなんですかw 俺はあちらには興味ないんです。ただでさえ無双とイメージが噛み合わないのに、本編の関連作でやってええんかと。
グラフィック等に気合は凄く感じるんですけどね。元作の勢いに乗ってコラボ無双最大レベルで売れたのは良かったと思います。
返信する

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