【ハード】PS5
【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】2023年6月22日
【定価】9,900円(現物版)
【購入価格】8415円(新品)
【プレー時間】40時間
ファイナルファンタジー。メーカーの枠を越えて、日本ゲーム業界の大事な大事な財産と言えるシリーズの一つである。それは、俺にとっても同じだ。
……なんか同じようなこと最近書いたような。まいいや、言ってることに何も間違いないし。俺と日本ゲーム業界にとって大黒柱の一つである、FFシリーズ。
ドラクエより1年遅れてファミコンに登場し、あちらと比較すると凝ったシステムやキャラがよく動く戦闘で人気を獲得、日本RPGの二番手として躍進した。
正直ファミコン時代はドラクエの一歩後を歩いていたが、ハード性能が進化したSFC・PS時代に入ると、ビジュアル面に強かったFFは真価を発揮する。
新作が発表される度にユーザーはその美麗なグラフィックに度肝を抜かれた。マジで次元が違うのである。それは当然絶大な支持を呼び、FFブランドは急騰。
俺はSFCで出たFF4~6の第一報をどれもファミ通で見たが、いずれも、とにかく画面写真の美しさに圧倒された。「こんなものが存在するの?」とまで思った。
実は一番印象に残ってるのは5だったりする。4の倍の容量を使ったゲーム画面はとにかく綺麗としか言い様がなかった。6? 実写取り込みかよと。おかしいよ。
PS時代はSFCの時ほど俺には響かなかったが、世間的にはここが絶頂期であろう。破壊的な売上を記録し、ドラクエを抜いてRPG界の頂点に立ったと言える。
この時期のFFは、品質はもちろん、何より「勢い」があった。「ハードを使いこなし、凄くて面白いRPGを作るぞ!」という気持ちが制作陣に満ち溢れていた。
実際に見たわけじゃないから想像だが、でなきゃあのペースであの品質のゲームは出せんだろう。迷いも悩みもブッ飛ばし前に進んでいく熱さがFFにはあった。
……しかしいい時代はいつまでも続かない。ハード性能向上により、FFの極上グラを実現するコストも上昇。それが2000年代以降は重くのしかかるようになる。
絵だけでなく内容も大作化が進み、なまじブランドが確立しているだけに、生半可な出来では出せない。かつてのペースを維持するのはとても無理だった。
またゲーム業界全体のレベルが上がり、FFの絵だけが突出して美しいというわけでもなくなった。洋ゲーが身近になったこともその流れを加速させていく。
ネトゲである11と14を除けば、ここ20年で発売されたFF本編は12、13、15のたった3本である。ネトゲが眼中にない俺には必然的にこれしか本編をやっていない。
その3本はどれもFFブランドに相応しい出来だったとは思うが……ここに至って「もうしんどいです」という声が聞こえるようになってきた気がする。妄想?
かつてのような抜きん出たゲームは、もうどれだけ金と才能を注ぎ込もうと作れない。実現したいアイデア等も、ゲーム文化が成熟しすぎてもう見当たらない。
昔は幾らでもあった未踏の地・フロンティアがもう見当たらない。だから現在地を耕すしかないが、それでは新規性の幅が狭い。何より売りである絵の。
かつてはFFを手掛けることがスクエニ社員の誉れだったことだろう。社内のエリートが集結し全力で作り上げる会社の大黒柱、それがFFというものだった。
だが、今はどうだろう。「FF(無論本編)作りたいです!」という声がスクエニ内にどれだけあることか。あるならそれだけ本数が出てると思うのだが。
ハッキリ言って、FF本編はもうスクエニの重荷になっていると思う。俺はそう感じる。嗚呼、かつての情熱は何処へ。それは俺らプレーヤーにとっても……?
そんな状況でシリーズ最新作制作に手を挙げたのは、かの吉田直樹氏。今やスクエニの屋台骨であるFF14も手掛ける、スクエニ1の大クリエイターである。
尤も氏が手を挙げたのか、「頼むからやってくれ」と上から圧を食らったのかは知らんが。普通に考えて、14やってる人に16もやらせるのはおかしいもんなぁ。
ともあれ氏はこの超大作にして超難題作の制作を引き受けた。「ファイナルファンタジー16」、それは名が体を表す、FFシリーズの紛うことなき最新作。
加えてPS5専用である。未だに「PS4でも作れる」新作ばかりが溢れる中、男の上位機種一択。もちろん「PS4では作れない」品質だ。次世代のゲームである。
後日steam版も配信されたが、1年以上PS5専売だったことから、SIEからの支援も入ってると思われる。PS5持ちのゲーオタがこれを買わずに死ねるかってものだ。
ぶっちゃけ俺にとって期待作ではない。ファミコン時代からの義務と、この「FFがしんどい状況」でどんな最新作を見せてくれるのかという興味が動機だ。
またそもそも最新ゲームを買うことが少ない俺は、最新にして最先端たる今作をやることで「俺も最新のゲーオタだからフフン」と言える証明書が欲しかった。
これは冗談のようで結構大きい理由である。ゲーム業界としても「最新作は旧作より面白い」ものでないと困るはずだ。俺もそうであってほしいと思っている。
最新ハードで発売されるファイナルファンタジー最新作……これほどの最先端ゲームはない。この条件なら絶対に面白い!! ……でなきゃ困るんだよ君ぃ!!
溢れる期待を胸に、俺はプレーを開始した。……尚この「最新作への熱い期待」は、今作の少し前に「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」にて……
はぁ。
まず、俺は今作に関しての予備知識はほぼなかった。発売直前に読んだ吉田氏へのインタビュー記事から「OWではない」と知っていたくらいだ。
またそのインタビューで「ジェットコースターのようにイベントが起きる」と書かれていた(記憶がある……多分)ので、かなりの勢いゲーを想像していた。
超大作であっても世間の流れとは逆行し、本編は十数時間で終わる、だがその分ゲーム体験は超濃密……そんなゲームを想像していたのだ。テキトーにだが。
そして始めたFF16、その実態とは!!!! ……全然想像と違いました。まぁ元々俺の勝手な思い込みだったのだが。これ、アクションRPGですね、単純に。
主人公を動かしフィールドを移動し、敵がいたらアクション戦闘が始まる。イベントが起きれば眺めて、それ次第で新たなフィールドへ。うーん、普通。
世界全体マップからポイントを選ぶとフィールドへ移動。嫌になったら全体マップへ戻ることも可能。フィールドにはファストトラベル地点が幾つか。普通だ。
今作、実に普通なアクションRPGである。何となく「今のFFって難しそう」と思ってる人がいたら、そんなことはないと断言しておこう。普通のゲームである。
……が、これは正直俺にとっては落胆ポイントであった。最初の、な。本当に普通なのだ。あのFFの、最新作、最新ハードの、最先端技術で作られたゲームが。
全く予想外の部分がない、普通のアクションRPGだったのである。何の凄みもない。もちろんグラフィックは超絶に綺麗だが、それは最早響く要素ではない。
少なくともこの時点で、プレー前に抱いていた「最新作への期待」は大きく裏切られた。最新なのに何も新しくない、有り触れた、想像内の、普通のゲーム。
俺は近年「テレビゲームの限界」を強く感じている。「モニターとコントローラー」という形態のゲームに、最早新たなアイデア・開拓地はないのではないか?
インディーズ的なものはともかくとして、新たなジャンルになり得るほどのネタはもう枯渇しているのでは??? テレビゲームに未来はあるのか????
ここで大事なのは、「新しさ=面白さ」ではないということだ。ネタが古くてもゲームが面白ければいい、というのは一理ある。そして現状はまさにそれだ。
今毎日にように発売されているゲームに、本当に「新しい」ものはまずない。しかしそれでいて、つまらないゲームもまずない。どれも遊べば面白い。
新しさはないが面白いから別にこれでいいや……ゲーム業界は制作者もユーザーもこの空気にドップリ浸かっているように思う。ええんか。危機感はないのか!
新しさに敏感なはずの任天堂も、危機感があるのかは知らんが、新しいことはやれてないように見える。それでいて販売は冗談のように好調なのがまた。
ちなみに俺自身も、変化の無さを自覚しつつも日々面白いゲームを楽しんでいる。だから「もうそれでいいんじゃね?」と思わないでもない。現実として。
だが勝手なことを言わせてもらうが、ユーザーの俺はともかく作り手はそれじゃダメだろう。狂うまで頭を捻り「新しいもの」を目指さず何がクリエイターか。
もちろん成否はあるし、商売的に安牌を目指すこともあるだろう。大体常時新しいものばかりじゃユーザーも疲れてしまう。「ある程度」の心がけでいいのだ。
……でもさー。「あのFF」の最新作だよ? PS5専売、最先端オブ最先端で作る、現状最強最高を目指した超大作RPG、ファイナルファンタジー16だよ!?!?
それがこんな……何の驚きもない普通オブ普通のゲームだった。やはりゲームは、ゲーム文化はもう限界を迎えているのか? 答えをくれる神はいない……。
気を取り直して……といっても既にかなり萎えているが、戦闘システム。アクションRPGである今作は、ここに非常に力を入れて作られたらしい。多分そうだ。
尚、今作のアクション部分を担当した人物は「鈴木良太」氏という。元カプコンで、かの「デビルメイクライ5」制作後に退社、その後FF16に参加したという。
実は俺、この人を個人的に知っている。あ、向こうは知らんよ。こちらが一方的に。この人、かつて「ヴァンパイアセイヴァー」のプレーヤーだったのだ。
1997年のセイヴァー発売年に強豪として君臨し、あのゲーメスト杯にも出場したらしい。俺はその当時にはプレーしていなかったので伝聞になるのだが。
21世紀に入って俺がセイヴァーにドハマリした頃はほぼ引退していたが、時々フラッとフリプイベント等に顔を出していた。対戦したこともある。負けたが!
要は俺の好きな格ゲーであるセイヴァーのレジェンドプレーヤーであり、ゲーム業界人なのだ。敬意を抱いて当然である。……デビメイに関しては、アレだが。
今作発売直前のインタビューで鈴木氏(尚セイヴァーでは「ONI-S」と名乗っていた)の参加を知り、期待は大きく高まった。だってレジェンドの人だし!!
実際、俺に合わなかったとはいえ、氏のデビメイ他アクションゲーム制作の履歴は申し分ない。吉田直樹氏も太鼓判を押していた。鈴木氏あってのFF16なのだ。
そうして期待を込めてゲームを開始し、戦闘を体験して……まぁ順当に、無難に、ガッカリしたのであった。これが最新、これが最先端のFF。なのか。はぁ。
まぁ何と言うかさぁ~~……これも「普通」なのよ。小と大攻撃、コンボ、ガード、回避、そして「ジャストガード」や「ジャスト回避」で有利を取れる。
どの要素も普通。「最近の3Dアクションゲーム」以上でも以下でもない。何の新鮮味もない。ジャスガジャス避なんてもう飽きたよ。馬鹿の一つ覚えかよ。
また通常攻撃に対し必殺技に当たる要素として「召喚獣(を宿らせる)」があり、フェニックスやタイタン等のお馴染みの能力を使った技を繰り出せる。
しかしこれらも「何度でも使えるが1回使うとクールタイム」という、極めてよくある調整でガッカリ。いやーほんま、ゲームのネタの枯渇って深刻じゃない?
主人公の強化によって技は増えるし必殺技も強化出来るが、それでさえ在り来りだし、強化幅が小さいので「強くなった!」との実感はあまり得られない。
何もかも普通で予想の範囲内。大胆なジャンル変更の意義がない。強いて言えばグラフィックが綺麗だが、それでいいのか最新最強ファイナルファンタジー。
ただもちろんキャラがきびきび動くといったアクションの基本は抑えられている。ジャスト行動の快感演出も、さすがこなれていると思った。質は高いのだ。
けど面白くはない。何度も言うが新鮮味がない上に……「敵が硬い」んだ、全体的に! この点はデビメイの血を強く感じた。今作はあのゲームの従兄弟だな。
今作の敵はブレイクゲージを持ち、殴り続けゲージを満杯にすれば敵はスタン、しばらく防御力が低下した上で殴り放題の状態になる。……これもまた、普通。
んでブレイク時間が、短いのよね。せっかくのチャンスタイムがあっさり終わる。非常にシミッタレている。これ、俺がデビメイに強く感じた不満と同じ。
全然減らない状態からやっと「そこそこ減る」状態に出来たのに、あっという間にその時間が終わる。操作ミスでもすれば何もできずに終わり虚しさ炸裂。
これが、雑魚はともかくボス戦では常にそうだから、非常に萎える。俺のプレーが捗らなかった大きな理由の一つである。硬いんだよ、硬すぎるんだよ!!
なんでこうケチくさいのか。あまりにもケチくさい。ちなみに難度は3段階から選べるが、俺はいつも通り真ん中でやった。イージーの方が良かったかもしれん。
主人公は当然強化が可能で、戦闘で得る経験値を使うことで新たな技を会得したり、召喚獣攻撃を強化したりも出来る。……いやぁ実に、在り来りである。
それとこの手の強化は、ハッキリ言って面倒くさい。たまにならともかく、数回の戦闘でいちいちメニュー開いて強化をしたいか? それワクワクするか?
いつも思うが「自動割り振り」を用意してほしい。強化を忘れてポイントもっさり溜まってたとかアホらしいよ。古き良き自動成長の方が優れてるよこれじゃ。
先述のように強化幅は小さく、やってもあまり強くなった実感が湧かんし。今作に取り巻く「ワクワク感不足」がここにも強く出ている。燃えないんスよ。
ゲームを進めると様々な召喚獣を利用可能になり、うち3種を常備出来る。これらの技を組み合わせれば多彩なコンボが可能!! ……なんだろう、多分。
色々用意したから色々試してコンボを楽しめ!! ……「ああ、デビメイ作った人の思想だな」と思わされる。そして俺はそんなもん面倒でやってられん質だ。
幸いにも今作はデビメイと違ってややこいことをせずとも十分クリア可能だ。そこは良心が働いていた。……それもまたつまらんかった、というのは贅沢か。
正直全く面白くなかった戦闘だが、イベントに近い特殊戦闘「召喚獣戦」はそこそこ楽しめた。何と言ってもスケールが違う。怪獣大決戦そのものである。
この時は主人公も敵も召喚獣化し、レールに乗ったような戦闘をすることになる。まぁそら、この大きさで自由に動かしたら画面がワヤクチャになっちまうな。
なにせガタイが人間の数百倍はあるから、ただのパンチでもダメージ値が数万あったりして、笑える。人間形態でちまちま戦うのがアホらしくなるほどだ。
そして召喚獣戦は映像的にも大迫力。「これぞPS5!!」と叫びたくなる怒涛の映像がバトルを盛り上げてくれる。……PS4じゃ無理だよねこれ? ね!?!?
半分くらいイベントだから難度もそう高くなく、映像を楽しみつつ怪獣体験に浸れる。特に怪獣の中の怪獣だったタイタン戦はアホ度高くて楽しかったな。
ただ繰り返すが召喚獣戦はほぼイベント戦であり、何度もプレーして攻略するようなアクションの楽しみはない。1回ゲーだ。旧FFのムービー鑑賞に近い。
それが「戦闘の楽しかった部分」となるのは……な。あの勢いで怪獣どもが暴れ回ってあの星をブッ壊してくれたらハッピーエンドだったのによ。はぁ。
戦闘が面白くない今作だが、「楽にする」方向でそれを加速させていたのが「簡単ジャスト回避の指輪(仮)」だ。効果はそのまま、説明するまでもない。
ジャスト回避は当然ながら「敵の攻撃が当たる寸前で回避」をする必要がある。ジャスガと違って失敗リスクが少ないので、パン人は専らこちらを使うだろう。
そんなジャス避だが、この指輪を装備すると「敵の攻撃が当たる瞬間にスロー演出が入る」ようになるのだ。そのスロー中に回避をすれば、見事ジャス避成功。
指輪があれば、ジャス避の成功率はほぼ100%、敵の攻撃が当たらなくなる。もちろんこちらの硬直中には攻撃を食らうので、一切ノーダメってわけじゃないが。
じゃあ、みんなで考えよう。こんな便利な指輪が序盤でノーリスクで手に入る。装備し続けても壊れることはない。この効果を無効にする敵もいない。では?
言うまでもなく、戦闘バランスは崩壊する。崩壊していた。いやー。何なんですかこれ吉田さん鈴木さん。制作者自らゲームを壊してるとしか。理解に苦しむ。
これにより戦闘はほぼ確定ジャス避→攻撃を繰り返す極めて単調な作業になった。こんなの面白いわけがない。と言っても自ら封印する気にもなれない。
それでいて先述のように今作の敵、特にボスは固く、倒すのに時間がかかる。つまり作業時間がダラダラと続く。繰り返すが、こんなの面白いわけがない。
恐らく初心者向けとして投入されたアイテムなのだろうが、それにしても便利すぎる。しかも無制限て。せめて回数制限を課すべきではなかったのか。
こんなものが序盤で手に入るのだから、当然ながら戦闘法の研磨も行われない。その後も色々な指輪が手に入るが、それを試す気になれない。今で勝てるから。
後々手に入るアイテムや技を駆使すれば、もっと戦闘が楽に&面白くなったかもしれない。だがジャス避の指輪は俺からその未来を奪った。他責だ他責だぁ!!
俺は今作を発売に買い、すぐプレーを開始した。それを今頃こんな感想を書いてるんだから、とにかく「乗れなかった」のは説明するまでもない。
その理由の大部分が、単調かつ冗長(敵が硬いから)な戦闘である。一番の売りである要素が足を引っ張ってたら、そりゃゲームにハマれるわけがない。
もうハッキリ言ってしまうが(言わなくても分かるだろうが)、俺はFF16が全く面白くなかった。吉田氏と鈴木氏を強く恨みたいほどに。はぁ。
物語。ハマれなかった理由の第一が戦闘なら、第二はこれである。FFは伝統的に物語を重視していシリーズだ。その最新作、質に期待するのは当然だろう。
けど、ね。まず何よりも……最初から最後まで一貫して「暗い」んだよ。話が。実に陰鬱としていて、スカッとするような展開など一個もない。と言っていい。
主人公クライヴは「公子」というまぁ王子だが、求められる召喚獣の才能は弟であるジョシュアに宿り、自身はジョシュアを守る騎士。引き立て役である。
そんな状態からいきなり国にクーデターが起こり、父は殺され弟は自分が殺し(と思い込む)幼馴染美少女は行方知れず、そして首謀者は何と自分の母親。
凄まじく陰鬱な展開から時間は十数年流れ、始まった本編ではクライヴは28歳、立場は奴隷。クーデターを呼び込んだ敵国に捉えられ、扱き使われていた。
……あまりにも暗く、重い。これが若者の反逆物語ならまだ分かるが、本編開始時にクライヴは28歳。良くも悪くも落ち着いていて、悪く言えば、覇気がない。
今までのFF主人公で最年長はクラウドとライトさんの21歳だろうか? それ以外は基本皆10代で、ピチピチ若者の物語だった。FFに限らず、ゲーム全般が、な。
だがクライヴは28歳で、更に劇中で5年の歳月が流れ、33歳になる。とある組織のリーダーになり、ますます落ち着いたイケオジである。……悪く言えば、暗い。
このクライヴの(年相応の)落ち着きは、当然FFのメインターゲットがそれだけ高齢化しているという証左だろう。最早10代のガキじゃ感情移入が出来んのだ。
しかしそれにしても、暗いよクライヴ(洒落)。いやシャレになってねーんだって!! クライヴを囲む環境が陰鬱な上にキャラもそっちって。重いよもう。
また今作、世界……いや星全般の事情も非常に暗い。「エーテル」というエネルギーに依存した社会なのにエーテルが環境を汚染させ、星は病んでいる。
ゲーム中は色々な町や村が登場するが、そのどれもが絵的にも雰囲気的にも実に陰鬱で、魅力的な場所が全く無い。これ本当に娯楽作品かと問い詰めたい。
世界設定の表現か空の色も非常に暗く、ここまで空気の悪い大作RPGは珍しいと思う。なまじ絵は綺麗なだけに、こっちまで悪い空気を吸い込んでしまうようだ。
ところで上に書いたように、今作の世界ではエーテルという不思議パワーを触媒に魔法を使う。この世界には必須の存在として描写される。エーテル万歳。
しかしエーテルは毒でもあり、それで汚染された「黒の一帯」は植物が育たない。それが年々広がっており、クライヴ達は脱エーテル社会を目指している。
……ここまで読んで、思わないだろうか。「これFF7のコピペやないか!!」と。俺は思ったよ。まぁコピペは言い過ぎだが、既視感はバリバリに感じさせた。
魔晄とエーテルの関係性が両作で非常に似ている。星を汚す元凶と理解していても「便利」ゆえに使ってしまう人間の愚かさ、とか。まぁ地球も同じだわな。
シナリオが進むと黒の一帯はどんどん広がり、クライヴらは脱エーテル社会を目指すが、未だ賛同者は少ない感じ。そらそうだろう。そんだけ根付いてるのだ。
今作のシナリオは大まかに言えば「アルテマ」なる神的存在との戦いだが、俺は「便利生活と環境汚染の折り合いをどうするか?」突き詰めてほしかった。
神とクライヴの因縁や掛け合いは、特に何も残らない「よくある」テーマで響かなかった。もうそういうのはいいよ。大人のRPGとして何かを学びたかった。
結局あの世界どーすんねやろ。EDでもその辺が語られることはなかった。已む無く生活レベルを落として人類を続けたのかね。続いてはいたようだから。
世界設定でもう一つ違和感があったのだ、奴隷、今作では「ベアラー」と呼ばれる存在だ。姿形は完全に人間と同じで、ただ「魔法を使える」特徴がある。
そう、今作では人間は魔法を使えない(魔石を使っての発動は可能)。魔法の発動はベアラー、そしてクライヴらごく一部の選ばれし存在にのみ可能なのだ。
……なのに、ベアラー側が奴隷。ええぇえ!? 魔法を使えるんだよ? ファイアなりブリザドなりを。そんな力を持った存在が奴隷って、えぇぇえ!?
ちなみにベアラーは人間から誕生し、ベアラー同士、ベアラーと人間で子を作ることも可能。誕生に法則性はなく、生まれた時に発覚するシステムなようだ。
何故これでベアラー側の立場が弱くなるのか分からない。並の人間を圧倒する力がある奴隷? 隷属の腕輪とかそんなのも使わず? どういう思考回路だよ。
何よりこの制度、人間も、ベアラーでさえも「当然のこと」として受け止めていて、根付いてるんよね。ベアラーは消耗品、そんな価値観がごく普通なのだ。
クライヴでさえも、シナリオ序盤はそれを当然と思っていた。虐待的扱いはしないが、ベアラーが奴隷扱いするのを平然と見ているのだ。正直引いたよ。
ベアラー自身もそれを当然と思っているので、シナリオ終盤で奴隷から解放されると、逆に戸惑ったりする。……解放したのが悪いことみてーじゃんかよ。
これが「かつて人間とベアラーが争って数に勝る人間が勝利した」てな歴史があるなら分かるが、そうではなく「そうなっている」というだけみたいなんよね。
そうして劣悪な扱いを受けるベアラーは劇中で何人も死ぬが、「死ぬとサラサラと粒状になって消える」という創作マインド溢れる仕様なので、エグくない。
その辺にベアラーの死体がいっぱい転がっていれば、よりこの世界の異常さが際立ったのにな。なんか「逃げてる」ことが感じられて嫌になった。はぁ。
さっき書いたが、今作の全ての元凶と言えるのは、クライヴの母親である。母親が夫も子供も国も全て売ったことで予期せぬクーデターが起こり、国は滅んだ。
実の母親にここまでされる創作も珍しいと思う。その意味では掴みはバッチリだった。溺愛しているジョシュアも平然と巻き込んでるのは理解不能だったが。
その後母ちゃんは情報を売った先の国で重用され、何とそこの皇帝の後妻となる。えぇええ? 既に15歳の子がいるんだから30は越えてるだろうに……。
確かに美女ではあるが、こんなロクでもない女を後妻にするバハムート国(仮)皇帝の気持ちが分からん。何か弱みでも握られてるのか? にしてもなぁ。
そして十数年後、皇帝の妻となった実母は皇帝の子、つまりクライヴの異父弟を生み、今度はその子を溺愛していた。……まぁそうなるか。ジョシュアぁ……。
で、こっからだよ。その異父弟はまだ少年ながら得体の知れない雰囲気で、並の人間ではない。まず間違いなく、後々クライヴと戦うことになるだろう。
そう予想した。当然だろう。因縁あり過ぎるし。もちろんその背後には実母もいて、今も彼女をどこか憎みきれないクライヴの葛藤とか、ドラマ性も抜群……!
……なのに、結局バトルも因縁のぶつけ合いも何もなし。異父弟は当然死ぬが、なんか光る粒子的によう分からんまま退場した。お前一体何しに出てきたの??
それを見た実母は当然狂乱するが、自分の行いを悔いるわけもなく、刃物で自害してしまった。クライヴもジョシュアもただただ後味が悪いだけ。何なのこれ。
復讐を果たしたとも、母の事情を汲めたとも、母への未練を吹っ切れたとも言えない、何も残らない結末。このシナリオを書いたのは誰だぁ!! はぁ。
どれだけゲーム機の性能が上がっても、シナリオだけは未だ担当者の能力次第だ。だからグラフィックと違い幾ら金を掛けても質が上がるとは限らない。
しかしそれでも、FF最新作という超大作のシナリオである。最高品質を期待するのは当然だろう。……で、なんというかまぁ。暗いし重いし快感ないし。
シドと一緒に行動してた頃はまだ楽しめたのだが……クライヴはトップよりあの立ち位置の方が向いてた気がするね。それじゃゲーム主人公ならん? そか。
娯楽創作なんだから、主人公が男なら当然ヒロインの女がいる。そらそうだ。ではFF16のヒロインは!? ジルたん!! ……御年26歳、最終的には31歳?
登場時はクライヴ15歳の2歳下(多分)の美少女だったが、13年後と更にその5年後は当然彼女も相応に年を取るわけで。いやもちろんバチクソ美人なんだがな。
元々はクライヴの公国とは別の国のお嬢様で、人質のような立場で引き取られたが、子供たちはそんなこと気にせず、ジョシュア含め3人仲良くしていたらしい。
が、狂った実母の裏切りにより全ては崩壊。クライヴは奴隷に、ジョシュアは死亡(と思い込み)、そしてジルも行方不明に。……が、13年後、二人は再会。
ジルはあの後、シヴァを召喚する能力を開花させ、その力を奴隷として酷使されていた。ちなみに魔封じの腕輪的なアイテムにより反抗は不可能だった模様。
まぁなんつーか、悲惨である。若い女性の一番いい時期(アカン表現か?)を奴隷兵器として扱われた。望まぬ殺生を何万何千とやらされたことだろう。
ジル自身は慰みものにされることはなかった(本当か……?)が、彼女と一緒にいた女性達は生臭聖職者に好き放題されたらしい。そいつへの復讐話があった。
あまりにも、重い。明るい要素が一個もない。クライヴと再会してからは奴隷を脱却し、しんどいながらも前向きに生きていたと思うが……しんどすぎる。
再会後のクライヴとは最初ぎこちないものの行動を共にすることで絆を深め、終盤では自他共に認める(多分)恋人同士となっていた。ええことである。
ちなみにスクエニタイトルでは「ゼノギアス」以来(多分)となるベッヅシーンもある。無論大事なとこは見せてくれないが、濃厚なキスはガッツリ。うおお。
「ここまで描くか、さすが大人のゲーム」と思ったが、一方で「大人のゲームでも規制規制で悲しいなぁ」とも思った。そんなに乳首が駄目なのか。駄目です。
恋人はジルだが、もう一人のヒロインとしてシドの娘・ミドがいる。FF15でもシドの孫・シドニーがサブヒロインだったな。シドの血強しはFFの伝統か。
ミドは若く、格好も現代日本の女子大生のようで、ファンタジー女子……いや女性らしいジルとは対照的だ。性格も明るく、意図してそう描いてるのだろう。
まぁクライヴにとっては大恩あるシドの娘であり姪っ子みたいな存在だから浮気の気配はないが。ゲーム的には色々お使いさせられて、おじさんは大変である。
ただシドの血筋らしく天才で、機械制作方面でクライヴ一派を大いに助けてくれる。異様なほど文明的でないこの世界では召喚獣よりカッコいい人かもしれん。
俺はこの世界じゃ文明の発展が何より急務だと思うので、ED後の彼女の存在は非常に重要なものになっているだろう。クライヴが救った世界を立て直してくれ。
他にもジョシュアの部下の子や敵側にもお色気お姉さんがいたが、今作のどこまでも重く暗い世界設定のため、とても萌え~なんて言える空気じゃない。
FF15もヒロインが極端に目立たないタイトルだったが、あれは男4人の物語だからと納得出来なくもなかった。けど今作では、最強絵の美女に萌えたかったです。
物語は、全ては「アルテマ」なる上位生物の企みであり、クライヴはアルテマの依代として育てられた……というものだった。召喚獣吸収能力も無論それ。
当然クライヴはそんな企てを受け入れることはせず、アルテマとその一味に反抗し、やがて想定以上の成長を遂げてアルテマと直接対決に至る……ことになる。
まぁ正直、安い。この重すぎる世界設定に対し敵は言ってしまえば「身勝手な神」だ。手垢塗れで、少なくとも大人のエンターテインメンツとは思えない。
アルテマを倒した迎えるEDも、例によって「匂わせ」的で、ハッキリとしたその後を描かない。「大人は質問に答えたりはしない」てか。大人ってズルいよな。
ゲームのシナリオは、システムやグラフィックよりずっと早く頭打ちの悩みに晒されていたと思う。そもそも創作物語自体が地球的に頭打ちしまくっている。
「それでもプロなら、プロなら優れた新作を作ってくれる……っ!」と毎回期待して、毎回ガックシ来る。はは。しゃーない。もうないんだよネタが。
またもそんな現実を思い知ってしまった。プレー前の予想通り、ジェットコースターで一気に体験してたら感じ方も違っていたかな? さぁ。無意味な仮定だ。
グラフィックは、文句なく美しい。特に遠景を眺める時は「これはPS5ならではだな」と思えた。……実際そうであってほしい。細かいこた素人には分からん。
ただ何度も言うように、暗く重い世界の描写が徹底してるので、絵に浸れるゲームではないと思う。人間、気持ちが前向きでないと風景なんて楽しめないのね。
まぁ超絶グラの凝った建物を作ろうと、プレーヤーはそこをダッシュで通り抜けて行くだけなんだから、「ちゃんと見てもらえる」ことがそもそもない。
正直グラフィッカーの人達はやってて虚しくならないのか? と余計な心配をしてしまう。これはFF15の時も感じたな。たまたま列車の連結部を凝視してて。
「これ描いた人の労力はどれくらいだったんかなぁ。俺以外にこれじっくり見る人どれくらいいるんかなぁ」と。……あんま考えちゃいけないことかもね。
背景だけでなく人物の描写もPS5の性能を活かして最早実写と同レベル!! ……と言いたいとこだが、ここは意外と「まだ作り物を感じるなぁ」だった
特に髪の毛が、バラバラじゃなく束で動く感じで。さすがにPS5の性能でも一本一本を自然に動かすのは無理か? 無理なのだろう。まだ上がある。喜ぼう。
ジルがアップになったりするとそれが結構気になったりした。もちろん顔の造形や動きには問題ない。口パクは英語準拠で、まぁそんなもんだろうなと思った。
音楽は……現代的に控えめで、あまり耳に残らず。頻繁に耳にする雑魚戦の曲を何となく気に入ったくらいだ。「シアトリズムFB」でプレーしていこうと思う。
ドラクエが今も旧作音楽の恩恵を受けまくっているのに対し、FFは作風故にそれを許されず、厳しい立場を強いられているなと思う。こんな未来予想不可能だ。
桜井政博氏も動画で語っていたが、リアル極まる現代ゲームに旧作風の音楽をそのまま流すと、非常にうるさい。ゲームの雰囲気を壊すことは間違いない。
だがそれにビビって誰の印象にも残らない曲ばかりってのも寂しすぎるだろう。そろそろ「現代ゲームに合う、耳に残る良曲」が生まれてもいいのではないか。
……今作がそれをやってくれれば「さすがFF、最先端ゲーム!!!」と拍手喝采だったんだけどな。無茶言うな。今作は普通のゲームだ。ちょっと凄いけどね。
ボイスはもちろん日本語吹き替えされていて、演技も良好。クライヴさんにはもうちょい熱さが欲しかった気がするが。落ち着きすぎなんよなぁ……。
さてクリア後はトロフィータイム!!! ……と言いたいとこだが、今回かなり久々に「やれる範囲のトロ活」をやらずに終えた。一周目でそのまま終了。
理由は言うまでもなく、ゲームを楽しめなかったからだ。トロコンには少なくとも更にもう一周のプレーが必要らしく、そんなんやってられんと断念した。
今の俺が、難度や極端な必要時間とった理由もなくトロを諦めるとは、自分でも驚いた。……ただ、自分を責める気はない。それだけ今作は合わなかった。
ちなみに一周の範囲では、やれるクエストや討伐依頼ボス等は全てこなした。討伐ボスは居場所の不明な奴は倒せなかったけど、それはまぁええやろ。
メイン部分が極めて普通なゲームだが、サブ要素もまた本当に普通で、特筆すべき最先端など皆無だった。ゲームの未来に暗雲漂う。大丈夫なのかこの娯楽。
クエストは割と凝ってるのが多くてまぁ良かったけど、この電話も何も無い世界で「現地集合」の案件ばかりで、そこはありえねーだろと呆れるばかりだった。
どうやって待ち合わせすんねんっていう。もちろんゲーム的にはクライヴがそこに辿り着けばイベントが始まるのだが。ゲームだからね。超・最新最先端の。
まぁ10年後くらいに再プレーの機会があったりら、その際はトロコンを狙ってみよう。ないと思うけどね。それくらいは未来に希望を抱いてもいいだろ……。
ふぅ。2023年の個人的大イベントだったファイナルファンタジー16のプレー、残念ながら大失敗に終わりました。……って今更何言ってんの? 今更だけど。
そう今は2025年4月、もう発売から2年近く経っている。いや発売日に買って開始はしたよ? けどとにかく全然乗れなくて、クリアはずっと後になっちって。
更にプライベーツ的な事情や慢性的な生命力不足という世紀末的理由によりこんなに遅くなっちまったのだった。はぁ。もう終わりです終わり、何もかも。
何度も書いてるが、俺は昨今テレビゲームに限界を感じていて、それ故にティアキンや今作に「最新」の、俺の懸念をブッ飛ばす凄さと面白さを期待していた。
だが結果として両作とも、その意味では全くの期待外れだった。ティアキンは前作とそっくりの1.5だし、FF16は極めてフツーなアクションRPGだった。
無論、俺の懸念は消えるどころか膨らむ一方だ。テレビゲームはもう終わった娯楽ではない。今後もまだまだ新作が発売される。ゼルダもドラクエもFFも。
先日新ハードSwitch2が発表されたが、これもまた俺の懸念を全面的に強化してくれるような仕様だった。先代と何も変わらん、ただ性能上げただけのハード。
開発者の言葉を読むに敢えて発展拡大路線を選んだというのは分かるが、あの任天堂が、変革を何より重視する任天堂でさえ、新ハードがこれだなんて!!!
もう、本当に、ネタ切れじゃない? マリカがOWで新しい? 新ドンキーは破壊度が新しい? ああそっすか。「その程度」でしかないんですよね。
不思議なのは、このテレビゲーム頭打ち論を語る人が俺以外に殆どいないことだ。皆無かもしれない。え、つまり俺が異常? マジで!? マジそうかも……。
なら世間はFF16が全く新しいゲームだと認識し、まだまだテレビゲームに新しいネタはあると信じ、Switch2でどんな新作が遊べるかワクワクしている、のか?
うーん。まぁそれならそれで俺はいいんだけどさ。当たり前だが、別にゲームの滅亡を望んでるわけじゃない。俺はゲーム愛強いよ。40年やってっからね。
取り敢えずSwitch2が出て、ゲーム機はまた一個世に増える。進むにしろ停滞が顕になるにしろ、事態は一歩進むだろう。それを見届けるとしましょうかね。
そしてファイナルファンタジーの未来はどうなるのか? 先日「鉄拳8」にクライヴが電撃参戦したが、FF15のノックと違って「誰!?」感が強かった。
PS5専売ということもあり、FF16の認知度は、少なくとも日本では史上最低だったのではなかろうか。Steam版が出た今ではどうなのかな……?
これで更に次作を出せるだろうか。なんかFF9のリメイクが出るっぽいし、FF7リメイクの続きもあるし、ナンバリング新作はずっと先の話になるだろう。
恐らくスクエニもユーザーも、それでホッとしている。誰もFFの新作を望んではいない。これはもう断言してもいいのではなかろうか。……いいわけないか。
ドラクエと違って属人性が低いFFは続けるのが容易だと思っていたが、ことはそう簡単ではなかった。ドラクエはドラクエで続けるのが大変だけどね。
ま、ともあれ。比類なきファイナルファンタジーがこれからも続けばいい、とは言い辛いので、これからも注視していきますと宣言して終わり。
遂に俺のFF観もここまで来たかと思わされるが、仕方ない。しばらくリメイクでやり繰りし、10年後くらいに新作があれば。その頃ならAIがネタ考えてくれてるかも。
……願わくば、そんな未来を見ずに済まんことを。10年後に地球が滅んでいれば何の問題もない。誰もが幸せ。少なくとも俺は幸せ。もう頭打ちなんですよ。
はぁ。
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【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】2023年6月22日
【定価】9,900円(現物版)
【購入価格】8415円(新品)
【プレー時間】40時間
ファイナルファンタジー。メーカーの枠を越えて、日本ゲーム業界の大事な大事な財産と言えるシリーズの一つである。それは、俺にとっても同じだ。
……なんか同じようなこと最近書いたような。まいいや、言ってることに何も間違いないし。俺と日本ゲーム業界にとって大黒柱の一つである、FFシリーズ。
ドラクエより1年遅れてファミコンに登場し、あちらと比較すると凝ったシステムやキャラがよく動く戦闘で人気を獲得、日本RPGの二番手として躍進した。
正直ファミコン時代はドラクエの一歩後を歩いていたが、ハード性能が進化したSFC・PS時代に入ると、ビジュアル面に強かったFFは真価を発揮する。
新作が発表される度にユーザーはその美麗なグラフィックに度肝を抜かれた。マジで次元が違うのである。それは当然絶大な支持を呼び、FFブランドは急騰。
俺はSFCで出たFF4~6の第一報をどれもファミ通で見たが、いずれも、とにかく画面写真の美しさに圧倒された。「こんなものが存在するの?」とまで思った。
実は一番印象に残ってるのは5だったりする。4の倍の容量を使ったゲーム画面はとにかく綺麗としか言い様がなかった。6? 実写取り込みかよと。おかしいよ。
PS時代はSFCの時ほど俺には響かなかったが、世間的にはここが絶頂期であろう。破壊的な売上を記録し、ドラクエを抜いてRPG界の頂点に立ったと言える。
この時期のFFは、品質はもちろん、何より「勢い」があった。「ハードを使いこなし、凄くて面白いRPGを作るぞ!」という気持ちが制作陣に満ち溢れていた。
実際に見たわけじゃないから想像だが、でなきゃあのペースであの品質のゲームは出せんだろう。迷いも悩みもブッ飛ばし前に進んでいく熱さがFFにはあった。
……しかしいい時代はいつまでも続かない。ハード性能向上により、FFの極上グラを実現するコストも上昇。それが2000年代以降は重くのしかかるようになる。
絵だけでなく内容も大作化が進み、なまじブランドが確立しているだけに、生半可な出来では出せない。かつてのペースを維持するのはとても無理だった。
またゲーム業界全体のレベルが上がり、FFの絵だけが突出して美しいというわけでもなくなった。洋ゲーが身近になったこともその流れを加速させていく。
ネトゲである11と14を除けば、ここ20年で発売されたFF本編は12、13、15のたった3本である。ネトゲが眼中にない俺には必然的にこれしか本編をやっていない。
その3本はどれもFFブランドに相応しい出来だったとは思うが……ここに至って「もうしんどいです」という声が聞こえるようになってきた気がする。妄想?
かつてのような抜きん出たゲームは、もうどれだけ金と才能を注ぎ込もうと作れない。実現したいアイデア等も、ゲーム文化が成熟しすぎてもう見当たらない。
昔は幾らでもあった未踏の地・フロンティアがもう見当たらない。だから現在地を耕すしかないが、それでは新規性の幅が狭い。何より売りである絵の。
かつてはFFを手掛けることがスクエニ社員の誉れだったことだろう。社内のエリートが集結し全力で作り上げる会社の大黒柱、それがFFというものだった。
だが、今はどうだろう。「FF(無論本編)作りたいです!」という声がスクエニ内にどれだけあることか。あるならそれだけ本数が出てると思うのだが。
ハッキリ言って、FF本編はもうスクエニの重荷になっていると思う。俺はそう感じる。嗚呼、かつての情熱は何処へ。それは俺らプレーヤーにとっても……?
そんな状況でシリーズ最新作制作に手を挙げたのは、かの吉田直樹氏。今やスクエニの屋台骨であるFF14も手掛ける、スクエニ1の大クリエイターである。
尤も氏が手を挙げたのか、「頼むからやってくれ」と上から圧を食らったのかは知らんが。普通に考えて、14やってる人に16もやらせるのはおかしいもんなぁ。
ともあれ氏はこの超大作にして超難題作の制作を引き受けた。「ファイナルファンタジー16」、それは名が体を表す、FFシリーズの紛うことなき最新作。
加えてPS5専用である。未だに「PS4でも作れる」新作ばかりが溢れる中、男の上位機種一択。もちろん「PS4では作れない」品質だ。次世代のゲームである。
後日steam版も配信されたが、1年以上PS5専売だったことから、SIEからの支援も入ってると思われる。PS5持ちのゲーオタがこれを買わずに死ねるかってものだ。
ぶっちゃけ俺にとって期待作ではない。ファミコン時代からの義務と、この「FFがしんどい状況」でどんな最新作を見せてくれるのかという興味が動機だ。
またそもそも最新ゲームを買うことが少ない俺は、最新にして最先端たる今作をやることで「俺も最新のゲーオタだからフフン」と言える証明書が欲しかった。
これは冗談のようで結構大きい理由である。ゲーム業界としても「最新作は旧作より面白い」ものでないと困るはずだ。俺もそうであってほしいと思っている。
最新ハードで発売されるファイナルファンタジー最新作……これほどの最先端ゲームはない。この条件なら絶対に面白い!! ……でなきゃ困るんだよ君ぃ!!
溢れる期待を胸に、俺はプレーを開始した。……尚この「最新作への熱い期待」は、今作の少し前に「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」にて……
はぁ。
まず、俺は今作に関しての予備知識はほぼなかった。発売直前に読んだ吉田氏へのインタビュー記事から「OWではない」と知っていたくらいだ。
またそのインタビューで「ジェットコースターのようにイベントが起きる」と書かれていた(記憶がある……多分)ので、かなりの勢いゲーを想像していた。
超大作であっても世間の流れとは逆行し、本編は十数時間で終わる、だがその分ゲーム体験は超濃密……そんなゲームを想像していたのだ。テキトーにだが。
そして始めたFF16、その実態とは!!!! ……全然想像と違いました。まぁ元々俺の勝手な思い込みだったのだが。これ、アクションRPGですね、単純に。
主人公を動かしフィールドを移動し、敵がいたらアクション戦闘が始まる。イベントが起きれば眺めて、それ次第で新たなフィールドへ。うーん、普通。
世界全体マップからポイントを選ぶとフィールドへ移動。嫌になったら全体マップへ戻ることも可能。フィールドにはファストトラベル地点が幾つか。普通だ。
今作、実に普通なアクションRPGである。何となく「今のFFって難しそう」と思ってる人がいたら、そんなことはないと断言しておこう。普通のゲームである。
……が、これは正直俺にとっては落胆ポイントであった。最初の、な。本当に普通なのだ。あのFFの、最新作、最新ハードの、最先端技術で作られたゲームが。
全く予想外の部分がない、普通のアクションRPGだったのである。何の凄みもない。もちろんグラフィックは超絶に綺麗だが、それは最早響く要素ではない。
少なくともこの時点で、プレー前に抱いていた「最新作への期待」は大きく裏切られた。最新なのに何も新しくない、有り触れた、想像内の、普通のゲーム。
俺は近年「テレビゲームの限界」を強く感じている。「モニターとコントローラー」という形態のゲームに、最早新たなアイデア・開拓地はないのではないか?
インディーズ的なものはともかくとして、新たなジャンルになり得るほどのネタはもう枯渇しているのでは??? テレビゲームに未来はあるのか????
ここで大事なのは、「新しさ=面白さ」ではないということだ。ネタが古くてもゲームが面白ければいい、というのは一理ある。そして現状はまさにそれだ。
今毎日にように発売されているゲームに、本当に「新しい」ものはまずない。しかしそれでいて、つまらないゲームもまずない。どれも遊べば面白い。
新しさはないが面白いから別にこれでいいや……ゲーム業界は制作者もユーザーもこの空気にドップリ浸かっているように思う。ええんか。危機感はないのか!
新しさに敏感なはずの任天堂も、危機感があるのかは知らんが、新しいことはやれてないように見える。それでいて販売は冗談のように好調なのがまた。
ちなみに俺自身も、変化の無さを自覚しつつも日々面白いゲームを楽しんでいる。だから「もうそれでいいんじゃね?」と思わないでもない。現実として。
だが勝手なことを言わせてもらうが、ユーザーの俺はともかく作り手はそれじゃダメだろう。狂うまで頭を捻り「新しいもの」を目指さず何がクリエイターか。
もちろん成否はあるし、商売的に安牌を目指すこともあるだろう。大体常時新しいものばかりじゃユーザーも疲れてしまう。「ある程度」の心がけでいいのだ。
……でもさー。「あのFF」の最新作だよ? PS5専売、最先端オブ最先端で作る、現状最強最高を目指した超大作RPG、ファイナルファンタジー16だよ!?!?
それがこんな……何の驚きもない普通オブ普通のゲームだった。やはりゲームは、ゲーム文化はもう限界を迎えているのか? 答えをくれる神はいない……。
気を取り直して……といっても既にかなり萎えているが、戦闘システム。アクションRPGである今作は、ここに非常に力を入れて作られたらしい。多分そうだ。
尚、今作のアクション部分を担当した人物は「鈴木良太」氏という。元カプコンで、かの「デビルメイクライ5」制作後に退社、その後FF16に参加したという。
実は俺、この人を個人的に知っている。あ、向こうは知らんよ。こちらが一方的に。この人、かつて「ヴァンパイアセイヴァー」のプレーヤーだったのだ。
1997年のセイヴァー発売年に強豪として君臨し、あのゲーメスト杯にも出場したらしい。俺はその当時にはプレーしていなかったので伝聞になるのだが。
21世紀に入って俺がセイヴァーにドハマリした頃はほぼ引退していたが、時々フラッとフリプイベント等に顔を出していた。対戦したこともある。負けたが!
要は俺の好きな格ゲーであるセイヴァーのレジェンドプレーヤーであり、ゲーム業界人なのだ。敬意を抱いて当然である。……デビメイに関しては、アレだが。
今作発売直前のインタビューで鈴木氏(尚セイヴァーでは「ONI-S」と名乗っていた)の参加を知り、期待は大きく高まった。だってレジェンドの人だし!!
実際、俺に合わなかったとはいえ、氏のデビメイ他アクションゲーム制作の履歴は申し分ない。吉田直樹氏も太鼓判を押していた。鈴木氏あってのFF16なのだ。
そうして期待を込めてゲームを開始し、戦闘を体験して……まぁ順当に、無難に、ガッカリしたのであった。これが最新、これが最先端のFF。なのか。はぁ。
まぁ何と言うかさぁ~~……これも「普通」なのよ。小と大攻撃、コンボ、ガード、回避、そして「ジャストガード」や「ジャスト回避」で有利を取れる。
どの要素も普通。「最近の3Dアクションゲーム」以上でも以下でもない。何の新鮮味もない。ジャスガジャス避なんてもう飽きたよ。馬鹿の一つ覚えかよ。
また通常攻撃に対し必殺技に当たる要素として「召喚獣(を宿らせる)」があり、フェニックスやタイタン等のお馴染みの能力を使った技を繰り出せる。
しかしこれらも「何度でも使えるが1回使うとクールタイム」という、極めてよくある調整でガッカリ。いやーほんま、ゲームのネタの枯渇って深刻じゃない?
主人公の強化によって技は増えるし必殺技も強化出来るが、それでさえ在り来りだし、強化幅が小さいので「強くなった!」との実感はあまり得られない。
何もかも普通で予想の範囲内。大胆なジャンル変更の意義がない。強いて言えばグラフィックが綺麗だが、それでいいのか最新最強ファイナルファンタジー。
ただもちろんキャラがきびきび動くといったアクションの基本は抑えられている。ジャスト行動の快感演出も、さすがこなれていると思った。質は高いのだ。
けど面白くはない。何度も言うが新鮮味がない上に……「敵が硬い」んだ、全体的に! この点はデビメイの血を強く感じた。今作はあのゲームの従兄弟だな。
今作の敵はブレイクゲージを持ち、殴り続けゲージを満杯にすれば敵はスタン、しばらく防御力が低下した上で殴り放題の状態になる。……これもまた、普通。
んでブレイク時間が、短いのよね。せっかくのチャンスタイムがあっさり終わる。非常にシミッタレている。これ、俺がデビメイに強く感じた不満と同じ。
全然減らない状態からやっと「そこそこ減る」状態に出来たのに、あっという間にその時間が終わる。操作ミスでもすれば何もできずに終わり虚しさ炸裂。
これが、雑魚はともかくボス戦では常にそうだから、非常に萎える。俺のプレーが捗らなかった大きな理由の一つである。硬いんだよ、硬すぎるんだよ!!
なんでこうケチくさいのか。あまりにもケチくさい。ちなみに難度は3段階から選べるが、俺はいつも通り真ん中でやった。イージーの方が良かったかもしれん。
主人公は当然強化が可能で、戦闘で得る経験値を使うことで新たな技を会得したり、召喚獣攻撃を強化したりも出来る。……いやぁ実に、在り来りである。
それとこの手の強化は、ハッキリ言って面倒くさい。たまにならともかく、数回の戦闘でいちいちメニュー開いて強化をしたいか? それワクワクするか?
いつも思うが「自動割り振り」を用意してほしい。強化を忘れてポイントもっさり溜まってたとかアホらしいよ。古き良き自動成長の方が優れてるよこれじゃ。
先述のように強化幅は小さく、やってもあまり強くなった実感が湧かんし。今作に取り巻く「ワクワク感不足」がここにも強く出ている。燃えないんスよ。
ゲームを進めると様々な召喚獣を利用可能になり、うち3種を常備出来る。これらの技を組み合わせれば多彩なコンボが可能!! ……なんだろう、多分。
色々用意したから色々試してコンボを楽しめ!! ……「ああ、デビメイ作った人の思想だな」と思わされる。そして俺はそんなもん面倒でやってられん質だ。
幸いにも今作はデビメイと違ってややこいことをせずとも十分クリア可能だ。そこは良心が働いていた。……それもまたつまらんかった、というのは贅沢か。
正直全く面白くなかった戦闘だが、イベントに近い特殊戦闘「召喚獣戦」はそこそこ楽しめた。何と言ってもスケールが違う。怪獣大決戦そのものである。
この時は主人公も敵も召喚獣化し、レールに乗ったような戦闘をすることになる。まぁそら、この大きさで自由に動かしたら画面がワヤクチャになっちまうな。
なにせガタイが人間の数百倍はあるから、ただのパンチでもダメージ値が数万あったりして、笑える。人間形態でちまちま戦うのがアホらしくなるほどだ。
そして召喚獣戦は映像的にも大迫力。「これぞPS5!!」と叫びたくなる怒涛の映像がバトルを盛り上げてくれる。……PS4じゃ無理だよねこれ? ね!?!?
半分くらいイベントだから難度もそう高くなく、映像を楽しみつつ怪獣体験に浸れる。特に怪獣の中の怪獣だったタイタン戦はアホ度高くて楽しかったな。
ただ繰り返すが召喚獣戦はほぼイベント戦であり、何度もプレーして攻略するようなアクションの楽しみはない。1回ゲーだ。旧FFのムービー鑑賞に近い。
それが「戦闘の楽しかった部分」となるのは……な。あの勢いで怪獣どもが暴れ回ってあの星をブッ壊してくれたらハッピーエンドだったのによ。はぁ。
戦闘が面白くない今作だが、「楽にする」方向でそれを加速させていたのが「簡単ジャスト回避の指輪(仮)」だ。効果はそのまま、説明するまでもない。
ジャスト回避は当然ながら「敵の攻撃が当たる寸前で回避」をする必要がある。ジャスガと違って失敗リスクが少ないので、パン人は専らこちらを使うだろう。
そんなジャス避だが、この指輪を装備すると「敵の攻撃が当たる瞬間にスロー演出が入る」ようになるのだ。そのスロー中に回避をすれば、見事ジャス避成功。
指輪があれば、ジャス避の成功率はほぼ100%、敵の攻撃が当たらなくなる。もちろんこちらの硬直中には攻撃を食らうので、一切ノーダメってわけじゃないが。
じゃあ、みんなで考えよう。こんな便利な指輪が序盤でノーリスクで手に入る。装備し続けても壊れることはない。この効果を無効にする敵もいない。では?
言うまでもなく、戦闘バランスは崩壊する。崩壊していた。いやー。何なんですかこれ吉田さん鈴木さん。制作者自らゲームを壊してるとしか。理解に苦しむ。
これにより戦闘はほぼ確定ジャス避→攻撃を繰り返す極めて単調な作業になった。こんなの面白いわけがない。と言っても自ら封印する気にもなれない。
それでいて先述のように今作の敵、特にボスは固く、倒すのに時間がかかる。つまり作業時間がダラダラと続く。繰り返すが、こんなの面白いわけがない。
恐らく初心者向けとして投入されたアイテムなのだろうが、それにしても便利すぎる。しかも無制限て。せめて回数制限を課すべきではなかったのか。
こんなものが序盤で手に入るのだから、当然ながら戦闘法の研磨も行われない。その後も色々な指輪が手に入るが、それを試す気になれない。今で勝てるから。
後々手に入るアイテムや技を駆使すれば、もっと戦闘が楽に&面白くなったかもしれない。だがジャス避の指輪は俺からその未来を奪った。他責だ他責だぁ!!
俺は今作を発売に買い、すぐプレーを開始した。それを今頃こんな感想を書いてるんだから、とにかく「乗れなかった」のは説明するまでもない。
その理由の大部分が、単調かつ冗長(敵が硬いから)な戦闘である。一番の売りである要素が足を引っ張ってたら、そりゃゲームにハマれるわけがない。
もうハッキリ言ってしまうが(言わなくても分かるだろうが)、俺はFF16が全く面白くなかった。吉田氏と鈴木氏を強く恨みたいほどに。はぁ。
物語。ハマれなかった理由の第一が戦闘なら、第二はこれである。FFは伝統的に物語を重視していシリーズだ。その最新作、質に期待するのは当然だろう。
けど、ね。まず何よりも……最初から最後まで一貫して「暗い」んだよ。話が。実に陰鬱としていて、スカッとするような展開など一個もない。と言っていい。
主人公クライヴは「公子」というまぁ王子だが、求められる召喚獣の才能は弟であるジョシュアに宿り、自身はジョシュアを守る騎士。引き立て役である。
そんな状態からいきなり国にクーデターが起こり、父は殺され弟は自分が殺し(と思い込む)幼馴染美少女は行方知れず、そして首謀者は何と自分の母親。
凄まじく陰鬱な展開から時間は十数年流れ、始まった本編ではクライヴは28歳、立場は奴隷。クーデターを呼び込んだ敵国に捉えられ、扱き使われていた。
……あまりにも暗く、重い。これが若者の反逆物語ならまだ分かるが、本編開始時にクライヴは28歳。良くも悪くも落ち着いていて、悪く言えば、覇気がない。
今までのFF主人公で最年長はクラウドとライトさんの21歳だろうか? それ以外は基本皆10代で、ピチピチ若者の物語だった。FFに限らず、ゲーム全般が、な。
だがクライヴは28歳で、更に劇中で5年の歳月が流れ、33歳になる。とある組織のリーダーになり、ますます落ち着いたイケオジである。……悪く言えば、暗い。
このクライヴの(年相応の)落ち着きは、当然FFのメインターゲットがそれだけ高齢化しているという証左だろう。最早10代のガキじゃ感情移入が出来んのだ。
しかしそれにしても、暗いよクライヴ(洒落)。いやシャレになってねーんだって!! クライヴを囲む環境が陰鬱な上にキャラもそっちって。重いよもう。
また今作、世界……いや星全般の事情も非常に暗い。「エーテル」というエネルギーに依存した社会なのにエーテルが環境を汚染させ、星は病んでいる。
ゲーム中は色々な町や村が登場するが、そのどれもが絵的にも雰囲気的にも実に陰鬱で、魅力的な場所が全く無い。これ本当に娯楽作品かと問い詰めたい。
世界設定の表現か空の色も非常に暗く、ここまで空気の悪い大作RPGは珍しいと思う。なまじ絵は綺麗なだけに、こっちまで悪い空気を吸い込んでしまうようだ。
ところで上に書いたように、今作の世界ではエーテルという不思議パワーを触媒に魔法を使う。この世界には必須の存在として描写される。エーテル万歳。
しかしエーテルは毒でもあり、それで汚染された「黒の一帯」は植物が育たない。それが年々広がっており、クライヴ達は脱エーテル社会を目指している。
……ここまで読んで、思わないだろうか。「これFF7のコピペやないか!!」と。俺は思ったよ。まぁコピペは言い過ぎだが、既視感はバリバリに感じさせた。
魔晄とエーテルの関係性が両作で非常に似ている。星を汚す元凶と理解していても「便利」ゆえに使ってしまう人間の愚かさ、とか。まぁ地球も同じだわな。
シナリオが進むと黒の一帯はどんどん広がり、クライヴらは脱エーテル社会を目指すが、未だ賛同者は少ない感じ。そらそうだろう。そんだけ根付いてるのだ。
今作のシナリオは大まかに言えば「アルテマ」なる神的存在との戦いだが、俺は「便利生活と環境汚染の折り合いをどうするか?」突き詰めてほしかった。
神とクライヴの因縁や掛け合いは、特に何も残らない「よくある」テーマで響かなかった。もうそういうのはいいよ。大人のRPGとして何かを学びたかった。
結局あの世界どーすんねやろ。EDでもその辺が語られることはなかった。已む無く生活レベルを落として人類を続けたのかね。続いてはいたようだから。
世界設定でもう一つ違和感があったのだ、奴隷、今作では「ベアラー」と呼ばれる存在だ。姿形は完全に人間と同じで、ただ「魔法を使える」特徴がある。
そう、今作では人間は魔法を使えない(魔石を使っての発動は可能)。魔法の発動はベアラー、そしてクライヴらごく一部の選ばれし存在にのみ可能なのだ。
……なのに、ベアラー側が奴隷。ええぇえ!? 魔法を使えるんだよ? ファイアなりブリザドなりを。そんな力を持った存在が奴隷って、えぇぇえ!?
ちなみにベアラーは人間から誕生し、ベアラー同士、ベアラーと人間で子を作ることも可能。誕生に法則性はなく、生まれた時に発覚するシステムなようだ。
何故これでベアラー側の立場が弱くなるのか分からない。並の人間を圧倒する力がある奴隷? 隷属の腕輪とかそんなのも使わず? どういう思考回路だよ。
何よりこの制度、人間も、ベアラーでさえも「当然のこと」として受け止めていて、根付いてるんよね。ベアラーは消耗品、そんな価値観がごく普通なのだ。
クライヴでさえも、シナリオ序盤はそれを当然と思っていた。虐待的扱いはしないが、ベアラーが奴隷扱いするのを平然と見ているのだ。正直引いたよ。
ベアラー自身もそれを当然と思っているので、シナリオ終盤で奴隷から解放されると、逆に戸惑ったりする。……解放したのが悪いことみてーじゃんかよ。
これが「かつて人間とベアラーが争って数に勝る人間が勝利した」てな歴史があるなら分かるが、そうではなく「そうなっている」というだけみたいなんよね。
そうして劣悪な扱いを受けるベアラーは劇中で何人も死ぬが、「死ぬとサラサラと粒状になって消える」という創作マインド溢れる仕様なので、エグくない。
その辺にベアラーの死体がいっぱい転がっていれば、よりこの世界の異常さが際立ったのにな。なんか「逃げてる」ことが感じられて嫌になった。はぁ。
さっき書いたが、今作の全ての元凶と言えるのは、クライヴの母親である。母親が夫も子供も国も全て売ったことで予期せぬクーデターが起こり、国は滅んだ。
実の母親にここまでされる創作も珍しいと思う。その意味では掴みはバッチリだった。溺愛しているジョシュアも平然と巻き込んでるのは理解不能だったが。
その後母ちゃんは情報を売った先の国で重用され、何とそこの皇帝の後妻となる。えぇええ? 既に15歳の子がいるんだから30は越えてるだろうに……。
確かに美女ではあるが、こんなロクでもない女を後妻にするバハムート国(仮)皇帝の気持ちが分からん。何か弱みでも握られてるのか? にしてもなぁ。
そして十数年後、皇帝の妻となった実母は皇帝の子、つまりクライヴの異父弟を生み、今度はその子を溺愛していた。……まぁそうなるか。ジョシュアぁ……。
で、こっからだよ。その異父弟はまだ少年ながら得体の知れない雰囲気で、並の人間ではない。まず間違いなく、後々クライヴと戦うことになるだろう。
そう予想した。当然だろう。因縁あり過ぎるし。もちろんその背後には実母もいて、今も彼女をどこか憎みきれないクライヴの葛藤とか、ドラマ性も抜群……!
……なのに、結局バトルも因縁のぶつけ合いも何もなし。異父弟は当然死ぬが、なんか光る粒子的によう分からんまま退場した。お前一体何しに出てきたの??
それを見た実母は当然狂乱するが、自分の行いを悔いるわけもなく、刃物で自害してしまった。クライヴもジョシュアもただただ後味が悪いだけ。何なのこれ。
復讐を果たしたとも、母の事情を汲めたとも、母への未練を吹っ切れたとも言えない、何も残らない結末。このシナリオを書いたのは誰だぁ!! はぁ。
どれだけゲーム機の性能が上がっても、シナリオだけは未だ担当者の能力次第だ。だからグラフィックと違い幾ら金を掛けても質が上がるとは限らない。
しかしそれでも、FF最新作という超大作のシナリオである。最高品質を期待するのは当然だろう。……で、なんというかまぁ。暗いし重いし快感ないし。
シドと一緒に行動してた頃はまだ楽しめたのだが……クライヴはトップよりあの立ち位置の方が向いてた気がするね。それじゃゲーム主人公ならん? そか。
娯楽創作なんだから、主人公が男なら当然ヒロインの女がいる。そらそうだ。ではFF16のヒロインは!? ジルたん!! ……御年26歳、最終的には31歳?
登場時はクライヴ15歳の2歳下(多分)の美少女だったが、13年後と更にその5年後は当然彼女も相応に年を取るわけで。いやもちろんバチクソ美人なんだがな。
元々はクライヴの公国とは別の国のお嬢様で、人質のような立場で引き取られたが、子供たちはそんなこと気にせず、ジョシュア含め3人仲良くしていたらしい。
が、狂った実母の裏切りにより全ては崩壊。クライヴは奴隷に、ジョシュアは死亡(と思い込み)、そしてジルも行方不明に。……が、13年後、二人は再会。
ジルはあの後、シヴァを召喚する能力を開花させ、その力を奴隷として酷使されていた。ちなみに魔封じの腕輪的なアイテムにより反抗は不可能だった模様。
まぁなんつーか、悲惨である。若い女性の一番いい時期(アカン表現か?)を奴隷兵器として扱われた。望まぬ殺生を何万何千とやらされたことだろう。
ジル自身は慰みものにされることはなかった(本当か……?)が、彼女と一緒にいた女性達は生臭聖職者に好き放題されたらしい。そいつへの復讐話があった。
あまりにも、重い。明るい要素が一個もない。クライヴと再会してからは奴隷を脱却し、しんどいながらも前向きに生きていたと思うが……しんどすぎる。
再会後のクライヴとは最初ぎこちないものの行動を共にすることで絆を深め、終盤では自他共に認める(多分)恋人同士となっていた。ええことである。
ちなみにスクエニタイトルでは「ゼノギアス」以来(多分)となるベッヅシーンもある。無論大事なとこは見せてくれないが、濃厚なキスはガッツリ。うおお。
「ここまで描くか、さすが大人のゲーム」と思ったが、一方で「大人のゲームでも規制規制で悲しいなぁ」とも思った。そんなに乳首が駄目なのか。駄目です。
恋人はジルだが、もう一人のヒロインとしてシドの娘・ミドがいる。FF15でもシドの孫・シドニーがサブヒロインだったな。シドの血強しはFFの伝統か。
ミドは若く、格好も現代日本の女子大生のようで、ファンタジー女子……いや女性らしいジルとは対照的だ。性格も明るく、意図してそう描いてるのだろう。
まぁクライヴにとっては大恩あるシドの娘であり姪っ子みたいな存在だから浮気の気配はないが。ゲーム的には色々お使いさせられて、おじさんは大変である。
ただシドの血筋らしく天才で、機械制作方面でクライヴ一派を大いに助けてくれる。異様なほど文明的でないこの世界では召喚獣よりカッコいい人かもしれん。
俺はこの世界じゃ文明の発展が何より急務だと思うので、ED後の彼女の存在は非常に重要なものになっているだろう。クライヴが救った世界を立て直してくれ。
他にもジョシュアの部下の子や敵側にもお色気お姉さんがいたが、今作のどこまでも重く暗い世界設定のため、とても萌え~なんて言える空気じゃない。
FF15もヒロインが極端に目立たないタイトルだったが、あれは男4人の物語だからと納得出来なくもなかった。けど今作では、最強絵の美女に萌えたかったです。
物語は、全ては「アルテマ」なる上位生物の企みであり、クライヴはアルテマの依代として育てられた……というものだった。召喚獣吸収能力も無論それ。
当然クライヴはそんな企てを受け入れることはせず、アルテマとその一味に反抗し、やがて想定以上の成長を遂げてアルテマと直接対決に至る……ことになる。
まぁ正直、安い。この重すぎる世界設定に対し敵は言ってしまえば「身勝手な神」だ。手垢塗れで、少なくとも大人のエンターテインメンツとは思えない。
アルテマを倒した迎えるEDも、例によって「匂わせ」的で、ハッキリとしたその後を描かない。「大人は質問に答えたりはしない」てか。大人ってズルいよな。
ゲームのシナリオは、システムやグラフィックよりずっと早く頭打ちの悩みに晒されていたと思う。そもそも創作物語自体が地球的に頭打ちしまくっている。
「それでもプロなら、プロなら優れた新作を作ってくれる……っ!」と毎回期待して、毎回ガックシ来る。はは。しゃーない。もうないんだよネタが。
またもそんな現実を思い知ってしまった。プレー前の予想通り、ジェットコースターで一気に体験してたら感じ方も違っていたかな? さぁ。無意味な仮定だ。
グラフィックは、文句なく美しい。特に遠景を眺める時は「これはPS5ならではだな」と思えた。……実際そうであってほしい。細かいこた素人には分からん。
ただ何度も言うように、暗く重い世界の描写が徹底してるので、絵に浸れるゲームではないと思う。人間、気持ちが前向きでないと風景なんて楽しめないのね。
まぁ超絶グラの凝った建物を作ろうと、プレーヤーはそこをダッシュで通り抜けて行くだけなんだから、「ちゃんと見てもらえる」ことがそもそもない。
正直グラフィッカーの人達はやってて虚しくならないのか? と余計な心配をしてしまう。これはFF15の時も感じたな。たまたま列車の連結部を凝視してて。
「これ描いた人の労力はどれくらいだったんかなぁ。俺以外にこれじっくり見る人どれくらいいるんかなぁ」と。……あんま考えちゃいけないことかもね。
背景だけでなく人物の描写もPS5の性能を活かして最早実写と同レベル!! ……と言いたいとこだが、ここは意外と「まだ作り物を感じるなぁ」だった
特に髪の毛が、バラバラじゃなく束で動く感じで。さすがにPS5の性能でも一本一本を自然に動かすのは無理か? 無理なのだろう。まだ上がある。喜ぼう。
ジルがアップになったりするとそれが結構気になったりした。もちろん顔の造形や動きには問題ない。口パクは英語準拠で、まぁそんなもんだろうなと思った。
音楽は……現代的に控えめで、あまり耳に残らず。頻繁に耳にする雑魚戦の曲を何となく気に入ったくらいだ。「シアトリズムFB」でプレーしていこうと思う。
ドラクエが今も旧作音楽の恩恵を受けまくっているのに対し、FFは作風故にそれを許されず、厳しい立場を強いられているなと思う。こんな未来予想不可能だ。
桜井政博氏も動画で語っていたが、リアル極まる現代ゲームに旧作風の音楽をそのまま流すと、非常にうるさい。ゲームの雰囲気を壊すことは間違いない。
だがそれにビビって誰の印象にも残らない曲ばかりってのも寂しすぎるだろう。そろそろ「現代ゲームに合う、耳に残る良曲」が生まれてもいいのではないか。
……今作がそれをやってくれれば「さすがFF、最先端ゲーム!!!」と拍手喝采だったんだけどな。無茶言うな。今作は普通のゲームだ。ちょっと凄いけどね。
ボイスはもちろん日本語吹き替えされていて、演技も良好。クライヴさんにはもうちょい熱さが欲しかった気がするが。落ち着きすぎなんよなぁ……。
さてクリア後はトロフィータイム!!! ……と言いたいとこだが、今回かなり久々に「やれる範囲のトロ活」をやらずに終えた。一周目でそのまま終了。
理由は言うまでもなく、ゲームを楽しめなかったからだ。トロコンには少なくとも更にもう一周のプレーが必要らしく、そんなんやってられんと断念した。
今の俺が、難度や極端な必要時間とった理由もなくトロを諦めるとは、自分でも驚いた。……ただ、自分を責める気はない。それだけ今作は合わなかった。
ちなみに一周の範囲では、やれるクエストや討伐依頼ボス等は全てこなした。討伐ボスは居場所の不明な奴は倒せなかったけど、それはまぁええやろ。
メイン部分が極めて普通なゲームだが、サブ要素もまた本当に普通で、特筆すべき最先端など皆無だった。ゲームの未来に暗雲漂う。大丈夫なのかこの娯楽。
クエストは割と凝ってるのが多くてまぁ良かったけど、この電話も何も無い世界で「現地集合」の案件ばかりで、そこはありえねーだろと呆れるばかりだった。
どうやって待ち合わせすんねんっていう。もちろんゲーム的にはクライヴがそこに辿り着けばイベントが始まるのだが。ゲームだからね。超・最新最先端の。
まぁ10年後くらいに再プレーの機会があったりら、その際はトロコンを狙ってみよう。ないと思うけどね。それくらいは未来に希望を抱いてもいいだろ……。
ふぅ。2023年の個人的大イベントだったファイナルファンタジー16のプレー、残念ながら大失敗に終わりました。……って今更何言ってんの? 今更だけど。
そう今は2025年4月、もう発売から2年近く経っている。いや発売日に買って開始はしたよ? けどとにかく全然乗れなくて、クリアはずっと後になっちって。
更にプライベーツ的な事情や慢性的な生命力不足という世紀末的理由によりこんなに遅くなっちまったのだった。はぁ。もう終わりです終わり、何もかも。
何度も書いてるが、俺は昨今テレビゲームに限界を感じていて、それ故にティアキンや今作に「最新」の、俺の懸念をブッ飛ばす凄さと面白さを期待していた。
だが結果として両作とも、その意味では全くの期待外れだった。ティアキンは前作とそっくりの1.5だし、FF16は極めてフツーなアクションRPGだった。
無論、俺の懸念は消えるどころか膨らむ一方だ。テレビゲームはもう終わった娯楽ではない。今後もまだまだ新作が発売される。ゼルダもドラクエもFFも。
先日新ハードSwitch2が発表されたが、これもまた俺の懸念を全面的に強化してくれるような仕様だった。先代と何も変わらん、ただ性能上げただけのハード。
開発者の言葉を読むに敢えて発展拡大路線を選んだというのは分かるが、あの任天堂が、変革を何より重視する任天堂でさえ、新ハードがこれだなんて!!!
もう、本当に、ネタ切れじゃない? マリカがOWで新しい? 新ドンキーは破壊度が新しい? ああそっすか。「その程度」でしかないんですよね。
不思議なのは、このテレビゲーム頭打ち論を語る人が俺以外に殆どいないことだ。皆無かもしれない。え、つまり俺が異常? マジで!? マジそうかも……。
なら世間はFF16が全く新しいゲームだと認識し、まだまだテレビゲームに新しいネタはあると信じ、Switch2でどんな新作が遊べるかワクワクしている、のか?
うーん。まぁそれならそれで俺はいいんだけどさ。当たり前だが、別にゲームの滅亡を望んでるわけじゃない。俺はゲーム愛強いよ。40年やってっからね。
取り敢えずSwitch2が出て、ゲーム機はまた一個世に増える。進むにしろ停滞が顕になるにしろ、事態は一歩進むだろう。それを見届けるとしましょうかね。
そしてファイナルファンタジーの未来はどうなるのか? 先日「鉄拳8」にクライヴが電撃参戦したが、FF15のノックと違って「誰!?」感が強かった。
PS5専売ということもあり、FF16の認知度は、少なくとも日本では史上最低だったのではなかろうか。Steam版が出た今ではどうなのかな……?
これで更に次作を出せるだろうか。なんかFF9のリメイクが出るっぽいし、FF7リメイクの続きもあるし、ナンバリング新作はずっと先の話になるだろう。
恐らくスクエニもユーザーも、それでホッとしている。誰もFFの新作を望んではいない。これはもう断言してもいいのではなかろうか。……いいわけないか。
ドラクエと違って属人性が低いFFは続けるのが容易だと思っていたが、ことはそう簡単ではなかった。ドラクエはドラクエで続けるのが大変だけどね。
ま、ともあれ。比類なきファイナルファンタジーがこれからも続けばいい、とは言い辛いので、これからも注視していきますと宣言して終わり。
遂に俺のFF観もここまで来たかと思わされるが、仕方ない。しばらくリメイクでやり繰りし、10年後くらいに新作があれば。その頃ならAIがネタ考えてくれてるかも。
……願わくば、そんな未来を見ずに済まんことを。10年後に地球が滅んでいれば何の問題もない。誰もが幸せ。少なくとも俺は幸せ。もう頭打ちなんですよ。
はぁ。
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自分以外にもSwitch2に文句言ってる人がいて嬉しいです。
車椅子バスケ以外はSwitch2ならではの「遊び」が感じられなかったというか……順当な繰り返しという感じですよね。
今は車椅子バスケがめちゃくちゃ新しい遊び心地でめちゃくちゃ面白くて他にもそういうタイトルがめちゃくちゃ出るのを期待してます
FFのストーリーって、昔から暗さを持ち合わせながらも、お書きになったとおり主人公の明るさや皆の希望で乗り越えてましたよね。斬新さという名のもとなのか、単にダークファンタジー流行りに乗っかっただけなのか、どうしてこうなった…と思っていました。
ゲームの面白さの頭打ち感は、自分は見て見ぬふりをしています。スーファミのFFの頃の感動は味わえないと諦めて、目の前にあるものを「楽しいなー」と思い込む生活をしています。実際に楽しいですから、昔ほどの感動を求めなければいいだけですので…。
コメントありがとうございます。
>自分以外にもSwitch2に文句言ってる人がいて嬉しいです
少なくともツイッター上じゃ絶賛100%と感じました。仕様は殆どそのままで性能を上げただけの任天堂ハードが……と非常に驚かされましたね。
もう任天堂の良くも悪くも独創的なハードが受け入れられる時代じゃないということでしょうか。しかしそれで「全く新しいゲーム」を出せるのか……?
>今は車椅子バスケがめちゃくちゃ新しい遊び心地でめちゃくちゃ面白くて
あのゲーム明らかに車椅子バスケなのにそうとは言及してないんですよね。漫画「リアル」が好きなのでちょっと絡めてほしいと思ってたりw
マウス機能も正直「ジョイコンがコケて操作しにくくね?」と思います。対戦に熱中すればするほどそういった問題点が浮かび上がってきそうな気がします。
まぁこんな俺の捻くれた予想を吹っ飛ばす良作が溢れて欲しいですね。ゲームの未来には悲観的ですが、裏を返せば土下座して「俺が間違ってましたぁ!!」と言いたいんですよ……。
おお、こちらでは初めまして、でしょうか。コメントありがとうございます。
>単にダークファンタジー流行りに乗っかっただけなのか、どうしてこうなった…と思っていました。
今作は「世界に希望が持てない」のがとにかくプレーしててしんどかったですね。アルテマを倒せたとして、その先はあるんか? と。
あんな匂わせEDじゃなく、ガッツリ30分くらいかけて「その後の世界」を見せてくれたら、クリア後の感触は随分違ってたんじゃないかなぁと思います。
>目の前にあるものを「楽しいなー」と思い込む生活をしています。実際に楽しいですから、
はい、俺も同じようなもんです。ゲームは面白いんですよ、今でも。厄介なことに?w そして面白いゲームは過去現在未来に溢れている。嬉しすぎる。
そもそもクリエイターでも何でも無い俺がゲームの未来を憂えても何の意味もないんだから、素直にヨダレ垂らしてゲームを楽しんでいりゃいいのでは?
オタク気質と無駄に重ねた年齢のせいでなかなかそう簡単に割り切れはしませんが、それが「正しい」ということは常に念頭に置いておきたいですね。
goo blogがまさかのサービス終了ということで、どうされるのかと……。基本的に感想を残して別の場所へ、という感じでしょうか。
今でも昔の感想見たり、何らかの過去作やった時に「そういえばこれotaさんがやってた覚えあるな」みたいなことから見ることもあるので、残していただけると1ファンとして嬉しいです。
ビデオゲームの限界は自分もかなり感じています。
毎回ニンダイを見てもまず思うのが「移植リメイクシリーズ続編ばっかり…」だったりしてます。無論それらは面白いし、待ち望まれてる作品だったりするわけですけど、なんかこう無いのかと。
Switch2のドンキー新作は、あの規模で破壊アクションやった作品は無いだろうということで結構注目してるんですが、それ以外だと新たな遊びあるのはドラッグ&ドライブくらいじゃないかと思ってます。
インディ系はまだそういった新たな遊びが出ている気はします。自分が疎いVRとかでは発展してるのかもしれませんが。
例えがアレかもしれませんが、安藤ケンサクみたいに全く予想付かない訳分からん所からのアプローチのゲーム出てほしいですけどね。
往々にしてそういったゲームが面白くなるかはまた別問題というのが、非常に難しい所ですが。
FFと関係ないコメントですみません……
otaさんの率直な感想が好きでよく拝見させて頂いていたのですが、とても残念に思います。
これから新しいブログを開設したり、既存の記事を移すと言ったご予定はありますでしょうか?
ゲームと関係ないコメントで大変恐縮ですが、otaさんのブログが消失するのは大きな損失だと感じております…
おおう……俺が最も偉大なゲーオタかもしれないと思ってるグレイさんではないですか。お久しぶりです、コメントありがとうございます。
相変わらず新旧問わずあらゆるゲームを多数プレーし、文字残しにも精を出しているんでしょうね。いやすげー。それなんです、それなんですよ!!!
>基本的に感想を残して別の場所へ、という感じでしょうか。
まだ詳細が発表されてませんが、簡単に移行出来るシステムを用意してもらえるならそうしようかなと思ってます。
「ネット上のデジタルデータは勝手に残るもの」と昔は思ってましたが、アホでした。ガンガン消えていく。つまりそれは要らないからなんでしょうね。
>ビデオゲームの限界は自分もかなり感じています。
グレイさんもですか……やはり皆、どこか気付いていながら目を背けてるような状態なんでしょうかね。
どこかでフッと業界全体が限界を感じて冷めてしまうのか、それとも安定した面白さを理由にずっと続いていくのか。
世界中でこれだけ定着したゲームが今更消えてしまうとは思えませんが、続くにしても活気があってほしいですね。ワクワクさせてくれぇ……。
>往々にしてそういったゲームが面白くなるかはまた別問題というのが、非常に難しい所ですが。
そういやSwitch2では「1・2Switch」に該当するようなゲームをロンチで出してきませんでしたね。あれは少なくとも意義ある意欲作だったと思います。
売れる売れないじゃなく任天堂にはああいうゲームを出し続けてほしいんですが……もうネタがないのかな……。
初めまして、コメントありがとうございます。
>goo blogが終了するということで真っ先に思いついたのがこちらのブログのことでした。
おお、それは嬉しいです。ダラダラ続けてた甲斐がありましたw
>これから新しいブログを開設したり、既存の記事を移すと言ったご予定はありますでしょうか?
サービス終了までに他ブログへの移行システムを用意してくれるようなので、それを利用して引っ越そうかなと考えています。
一応俺も愛着はありますので。可能ならば頂いたコメントの数々も一緒に移せればいいんですが……。
Switch2。ついに発売されますね。otaさんはおそらくは買うのでしょうが、自分は全く興味がそそられませんでしたね・・・ハードが売れないとソフトが売れない。レトロゲーム好きの私にとってSwitchは本体の売上がすごかったので、今でも語られる程度のものは軒並み移植されたと思います。グランディア、風のクロノア、Toheart、悪魔城ドラキュラ、moon… Switch発表当時、VCが無くなると聞いて、相当凹んだ私ですが、今となってはこれ以上の無いぐらいソフトは充実しましたね。ありがとうSwitch。
あぁ、あぁ!時代が変わる!時代が変わりますよotaさん!私は時代について行くのを早々と諦めましたが、時は流れるんですよ!あぁ、哀しい・・・
小学生の時にここを見つけてくださったんでしたね。……まだ20代後半!? 若杉ぃ……。
>レトロゲーム好きの私にとってSwitchは本体の売上がすごかったので
それでいてレトロ好きなんですよね、ミッチェルさん。渋いw Switchは歴代最強のレトロゲームハードでもあったと思います。復活ものが集まりまくってました。
ただレトロゲームをやるにはSwitchで十分なので、今んとこSwitch2はミッチェルさんには響いてないんですね。やっぱレトロ系は今後もSwitchで展開するのかな……。
>私は時代について行くのを早々と諦めましたが、時は流れるんですよ!あぁ、哀しい・・・
流れますねぇ。こっちの都合なんて一切考えてくれずに。逆らうことは不可能。惨めに身を委ねるか、船を降りるか……?