このレポートには色々な視点が抜けており、私からすれば70点(100点満点で)といった所だろうか?
先ず種子問題に関して言えば、日本の農林11号が世界の小麦のほぼ100%の親である事を抜かしては、日本が品種改良の世界でパイオニアだった事が分からないのである。またバイオの影響ばかり強調しているが、バイオの問題は、研究の割には商品化されていないとは見識の無さが光る。
総じて自分の興味のある点ばかりを並べただけである。
実は種子会社が色々出回ってとあるが、その一方で日本の農林水産省の品種改良は、相当なもので、その中に農林11号があるのである。また瀧井の種は100年以上の年季を持っており、相当なところである。しかし、池上ハゲ彰の吹聴する「傾斜生産方式」の為であろうか?日本の種子技術はあまり目を向けられなかった。その為、小さくなったのだが、アメリカ軍が真っ先に手にした鹵獲品である農林11号の実力をいまだに理解していないのだろうか?
当事の日本の種子ストックは世界有数なもので、その後京都大学の木原等教授の所に木原コレクションと言うものがあった。これが1990年代末(1998年だったか?)に木原教授が死んだら、糞馬鹿の下衆みたいな東大閥の糞馬鹿がぶっ潰したのである。と言うのは木原教授の足跡を嫉妬してたのかどうかは知らないが、とにかく潰したかったみたいである。その後木原コレクションを復活させようとしたが、散逸した種は消えてしまって、散逸前よりもラインナップが少なくなっていた。
NHK特集「日本の条件、1粒の種子が世界を変える」にもあったのだが、この頃の東京大学どの糞馬鹿やろうか知らないが、まるで今中国でやっているような嫌がらせをしていた。それは木原教授の名前を世に確実に刻んだ「樽穂小麦」の原種発見だが、その後木原教授は樽穂小麦を欲しいと言われた所には、送ったのである。全く世界に日本の名前を高める行為だが、これを日本の糞馬鹿農林省も、ゲスゲロ文部省も一切資金を与えなかった。その為自費で栽培したのだが、それは毎年毎年自分の所有する農園でやっていて毎年毎年資金の為に売り払っていたのである。
この時から食料=種子の戦略性が十分言われていたのだが、東京大学どの糞馬鹿かは知らないが、何とも慶応並みに安い面子とやらを優先したようである。この時種子業界10位と書かれているカーギル(穀物メジャーでNo.1企業)に3百万の種子ストックがあるといわれていた。また、この手の大手が単に企業だけで大きくなっているわけではない。「ウィーアーザーワールド」が歌われた頃、あの飢餓がアメリカとヨーロッパの農業補助金によって作られたとは知らない向きも多いだろう。
このアメリカとヨーロッパによるアフリカの農業文化破壊による農業生産をアメリカ・ヨーロッパからの輸入品を買わざるを得ない状況を作った事は、1970年代のアフリカへの欧米の武器輸出より悪質だと言えるだろう。WTOは、この後、補助金を使って生産した農産物の「自由貿易」を禁止する事項を盛り込んだのである。その農業製品を送り出すところとして日本が論われているだけで、これらのバックグラウンドを知っているのと知らないのとでは、雲泥の差がある。この事は「美味しんぼ」にものっていない。
色々知っていると腹の立つことが多いのだが、アメリカもヨーロッパも日本も糞馬鹿野郎だらけだ!
さてGM種子に関して言えば、このレポートは何ゆえ商品化が遅れているか?が書かれていない。それは、このブログにも書いたが、プリオンの問題である。つまりある種の蛋白質が病原性があるのではないか?と言う疑問である。これは狂牛病が発生した所で、海綿状脳症が人間でも発生しており、因果関係が分かっていないのである。また狂牛病と羊のスクレイピーが肉骨粉を通じて感染した可能性と狂牛病が人間に感染した可能性を否定していない。
実は寺島実郎さんは御存じないだろうが、トキシン類(タンパク質・アミノ酸系毒)への人体の反応は、分子レベルで極めて少量で反応する。この反応が即効性であるか?遅効性であるか?分かっていない。今世界最高の計算力は酵素・蛋白質の反応性を検討するのに使われている。様々な問題を解決するまで全く信用していないのだ。
この食事によって形質が移るかもしれない事は狂牛病やスクレイピーだけでなく、食人の風習のあるパプアニューギニアの一部族の中でCJD病(クロイツフェルトヤコブ病)の様な、やはり海綿状農相に似たクーリー病が発生しており、これも食べる事によって発生していると思われている。
欧米のこの手の感染症を恐れる姿は、例えば宇宙飛行士が帰ってくると、隔離して宇宙の細菌に感染していないか?と言う所からも、三井物産戦略研究所では理解できない点だろう。実際、パンスペルミア説(生命を宇宙起源の蛋白質に求める学説)を裏付ける事実は存在しており、オパーリンの様に完全否定は出来ていない。原初の生物はウイルスの形態ではないかと言う学説もあるぐらいだ。
また欧米ではジャガイモの病気によって極端な食糧危機が発生した記憶も持っているし、エイズを蔓延させた、「遅効性の根深い感染症」を恐れる、頭の悪い馬鹿文科系大学出と「原発の為なら死んでも良いと吹聴する経団連」とは根底から違う「知能」を持っている。
実は、この手の食料の大量消滅はアメリカで1978年のトウモロコシのゴマ枯れ病で全米生産の70%が一発で失われた記憶を持っている。
寺島さん?分かって、このレポート書いているのよね?
日本の農水省が、この大豆の全体ではなく、大豆油と言う形での輸入は、蛋白質が無いからである。蛋白質が無いなら何でもOKだと喉まで出てくるだろうが、蛋白質にかんしては「チョット待った!」と出てくる。このあたりが出てこない当たりが、経団連も馬鹿ばっかりなのだろう。当然マスゴミは馬鹿ばっかりである。
日本は熊本の「辛子レンコン」でボツリヌス菌の毒素「ボツリヌストキシン」で、どのくらい少量で人間がアミノ酸で殺されるか知っているから尚更蛋白質・アミノ酸系毒素には敏感なのである。
また、この流れがあるから食べるわけではない綿のGM種子は簡単に広まった筈である。だが、このGM種子の中で最悪のモノが、実に「軽く」扱われている。それがトウモロコシである。このトウモロコシは毒トウモロコシとして欧米では有名であるが、日本では悪い連中=マスゴミ・馬鹿文科系大学出が流さない。
このトウモロコシはモンサントの農薬大好き種子以降の新手の問題として知られており、アメリカでは早々に「全面禁止」となっているだけではなく「かつて植えていた所にも耕作不可」と言う果断な処置をやっている所も言わないとアメリカの危機感が伝わらない。それをもう一度読んで欲しいが、いとも簡単に「サラッと」である。
実は、この問題EUでも無視し続けられるかどうか分からない。何でフランスとかが騒がないのだろうか?多分アメリカのカーギルよりも小ぶりな穀物メジャーはフランス・ベルギー・オランダが出所だからだろう。毒トウモロコシは、虫が嫌う物質を遺伝子的に作り出すもので、これ自身が虫が嫌う物質だけを作っているのか?悪い蛋白質を作っていないか?と前々から気にかけられていたのである。それがいざ人が食ってみると、アナフィラキシーなどのアレルギー症状が出る人間が続出した為に、お安い安全・合理性・経済的と言う慶応の糞馬鹿がほざきそうな事が取り下げられた。
この毒トウモロコシは今、家畜に食べさせるから、その肉を食っても大丈夫と、最初サブプライムローンが「絶対に安全だから引当金を当てる必要が無い」と竹中平蔵がほざいていたが、その後「引当金を当てたからかの問題です」と態度を豹変させたに等しい。最後サブプライムローンは紙くずになったのだから、この安全がどんなものなのか?である。慶応印の安全完璧と書いて出したらどうだろうか?しかしアメリカの反応は政策が物語っている。
日本の種業界が、種生産の場所を海外に殆ど委ねていると言うのだが、それは無べからざるだろう。だがその生産先にメキシコがある。メキシコは自由貿易の為に自国の食糧生産がほぼゼロとなり、一般人が食に飢えたと言う歴史を持っている。アメリカの「穀物輸入しろ圧力」はメキシコでいかんなく発揮していたのである。その結果、餓死をする人間が続発した。1980年代である。この問題をTPPを吹聴する連中が何も言わない。
食物問題を扱う三井物産が知らないとは言わせない。ならしっかり書いておいて貰いたいものだ。そのメキシコがアメリカに囲い込まれるか?メキシコでは「小さな金融が世界を救う」(ETV特集)で活躍を報道された日本人の小口金融の関係者がいる。(この金融を決心させた事にメキシコの子供ホセのかわいそうな死がある。)メキシコはアメリカがやった事は忘れない。だから、そう簡単に転ぶのかな?と思わないではない。この辺のモノの味方も実感を込めたものではない。
またハイブリッドコーンの普及率を吹聴しているが、この辺は私の方が強いな。ハイブリッドコーンは、ハイブリッドが妙に強いのである。ハイブリッド化すれば何でも沢山取れるかと言うとそうではない。ハイブリッド化すればコーンの場合5倍は取れるのだが、小麦では1.5倍、米で1.2倍程度である。つまりハイブリッドは聞くところと効かない所がある。また5倍取れると言う事は、その分の養分を土から取るので、相当な施肥が必要となる。またハイブリッドコーンは収穫量が大きく増減する事でも知られており、その結果、穀物の総収量で一番安定していない。
世界の事ばかりを吹聴しているが、例えばJR九州で、福岡の農地を見た事があるだろうか?実は大豆を最近植えている所が多いのである。
最後に言うと、このブログでも前書いたのだが、この手の多収量品種を植える事は、食糧生産に伴う、土の劣化、流出を意味している。アメリカの新聞でも「穀物の輸出は、アメリカの土を輸出するようなもの」と言う記事が書かれた。
それは、この手の大量生産には、植物が凄まじい生長と共に土の養分を入れるのだが通常の作物の根と土中細菌と微生物による栄養生産では到底間に合わず、分解した物質を直接叩き込むのである。加えて除草剤・殺虫剤が投入され、土中が無生物状態となりやすく、その結果、土を保持する菌根菌が無くなり、雨水や風に乗って、流出する。これを表土流出(エロージョン)と言う。エロージョンの中でも顕著に見られるのが、黄河の色である。これは紀元前3世紀だったか?その頃から黄色になっていたというから、黄土高原は、この頃既に死んでいたのである。また黄砂は、風に飛ばされた結果である。
日本では1990年ごろ「死に米」が出てきて、農家の土の作り方が問題となったのだが、このレポートを書いている人は分かっているよね?
また色々言いたい事もある。例えば農薬と言うと殺虫剤・除草剤を挙げる向きが多いが、化学肥料と植物の病気の薬も農薬である。これらを一概に農薬農薬と言うのもどうか?とも思う。
更には、世界の所領生産をさせている欧米の土地が連作障害を起こしながらの生産であるという事。その結果エロージョンが増えている事。エロージョンよりも塩害が酷い後遺症を持つ事。
更には農地全体は若干増えているが高生産性を示す農地は収穫量は増えているが、農地面積は減る傾向にあること。更には経済性を要求する限り農産物の生産量はある点で止まり、それ以降は高品質ばかりを追う事になる宿命である事など、様々な事実がある。
戦略性を述べながら、この程度である事は、70点はつけすぎかもしれない。
って事で、修正を要する!