オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

和束町の日の出

2021年10月03日 | 和束町~茶源郷~


 緊急事態宣言解除後の10月最初の休日は,すばらしい好天に恵まれた.どこか知らない土地を気ままに走ってみたいけれど,二回目のワクチン接種を目前に控えている.なので,今週末は朝駆けまでにしておこう.



 これまで何度か朝駆けしたが,空模様や時間の関係で,中々にきれいな日の出を見ることができないでいた.10月に入り,京都の日の出の時刻は,6時前とかなり遅くなってきた.それに加えて,早朝から雲ひとつない好天だ.



 腰越峠から少し下ったところに和束町を一望できるタイトコーナーがあって,この場所から真東の方向に安積親王陵墓(あさかしんのうりょうぼ)を望むことができる.山の背後の空が,茜色に染まりつつあった.今日は最高のコンディションで,日の出を見ることができそうだ.



 和束町は盆地になっているので,東側にある山の背後から太陽が昇ってくる.太陽の位置は,ちょうど安積親王陵墓の上だ.京都に越してきて3年が過ぎたが,和束町で初めてきれいな日の出を見ることができた.



 そして,群青色の暗かった空が,どんどん明るくなっていく.日の出の瞬間というのは,無心でいられる唯一の時間だ.この幻想的な瞬間はあっという間のうちに終わってしまうのが,実に惜しいけれど.



 太陽は,東側の山の上へ昇り切ってしまった.あの山一帯は地形図で見ると,標高620メートルほどの三ヶ岳と言うらしい.日の出の時刻は5時52分だが,三ヶ岳から太陽が顔出したのは6時20分頃だったので,太陽が三ヶ岳を越えるのに約30分要したわけだ.



 水平線や地平線から昇ってくる太陽を日の出と言うので,三ヶ岳から昇ってくる太陽を日の出とは言えない.けれど,自分の好きな町の山から昇ってくる太陽は,水平線から昇ってくる太陽とおなじ感動をもたらしてくれる.そう意味では,わたしの中では,やはり日の出である.



 太陽は燦々と輝き,和束町に朝日を降りそそぐ.今日も一日,いい天気になりそうだ.

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