八重谷湧水や阿曽の風穴の前を流れる奥河内川を走り抜けて,一路,峠を越えた先にある朝日滝不動尊を見に行くことにした.川の水量も多いので,迫力のある滝を拝めるに違いない.
朝日滝不動尊へは,舗装林道の大紀南島線で行く.峠を目指して,勾配の急な道を進んでいくと,大宮紀勢トンネルが真っ黒な口を開けて待っている.舗装林道とは言え,とても立派なトンネルだ.この後,連続して紀勢南島トンネルが現れる.
連続するトンネルを通過すると,峠はもう近い.油断していると,小規模な土砂崩れの跡に出くわす.道路の半分以上に土砂が崩れ落ちていた.オートバイなら余裕で通行できるが,自動車になるとちょっと厳しいかもしれない.
峠はおそらく,大紀南島線の竣工記念碑のあるところだと思われるが,トンネルの手前で全く視界が開けない.そして,峠からしばらく平坦な道のりが続き,唯一視界が開ける場所がある.とは言っても,熊野灘は見えず,展望はあまりよろしくない.
峠の下りになると,今度は一気に道に荒れ始める.前日に降った大雨のせいで,道路はヘビーウェットだ.さらに大小様々な石や岩が,路面上に散乱していた.時には,路面が石や岩で埋め尽くされているところもあって,オートバイから降りて石や岩をどけて,進路を作ってから通り抜ける必要があった.
悪路に神経を使いながら走り,疲れがしんどくなってきたところで,ようやく朝日滝不動尊の入口にたどり着く.薄暗い山の中に,鮮やかな朱色の鳥居が立っている.すでにこの場所から,滝の豪快な水しぶきの音が聞こえてきた.
朝日滝の手前には,不動尊が祀られている.滝は,南伊勢町の村山にあるので,別名,村山の不動乃滝とも呼ばれているそうだ.滝の轟音が辺りに響き渡っていて,滝は祠の背後にあるとすぐ分かった.
祠の背後に回ると,滝の正面まで下りて行くことができる.朝日滝は,落差30メートルだという.伊勢志摩エリアでは,一,二を争う規模だそうだ.それにしても,ものすごい水量だ.滝を前にしているだけで,危機迫るようなものを感じた.
滝を見た後は,大紀南島線を走り抜けて海を目指すが,海に抜けるまでも悪路は続くのだった.
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