三重r750で,石鏡漁港と太平洋の素晴らしい景色を堪能した後は,そのまま南下して,志摩半島最東端の国崎町にある鎧埼灯台へやってきた.鎧埼灯台は,オートバイでの進入をためらう程の狭い民家の路地裏を越えた先にあった.鎧埼灯台は,高さ9.6メートル,八角形コンクリート造りの白亜の灯台だ.
鎧埼灯台からは,ここまで走ってきた志摩半島の海岸線を一望することができた.灯台周辺には誰もおらず,辺りはしんと静まりかえっていた.そして,残暑のじりじりとした日差しが照り付けていた.
高台にある鎧埼灯台の下は,防波堤になっていて,海を目前にして歩いて回ることができる.暑くて仕方がないのだけれど,少しだけ歩いてみることにした.海の景色はすばらしく,沖合には,真っ白なボートが数台停泊していた.
ここ鎧崎は,親潮と黒潮が合流するため,昔から海の難所であったという.この日は,ほぼ無風で,波はとても穏やかだった.鎧崎という地名は,倭姫命(やまとひめのみこと)がここに立ち寄った際に,鎧を外したことに由来しているそうだ.
灯台のある高台まで登ってみると,海上安全を祈願した石碑があった.石碑には,「伊勢の神崎、国崎の鎧、波切大王がなけりゃよい」,と記されている.かつて海上の難所を恐れた漁師や船乗りたちの切な願いだったのかもしれない.
9月の青く晴れ渡った空に,白亜の灯台がとてもよく映えて見えた.
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