自宅から和束町に向かうには,二つの峠越えルートがある.北からの犬打峠と西からの腰越峠だ.冬場になると犬打峠は陽が当たらずウェットなので,最近は行きも帰りもドライな腰越峠を走っている.峠の斜面に広がる茶畑と農業用モノレールのある場所が,腰越峠のピークだ.
そんな腰越峠の中腹には神社がある.神社の入り口は,幅員が狭く,急勾配の斜面にあるため,誰しもが運転に夢中で,気にも留めずに通過してしまう.この年末,オートバイを入り口付近の路肩に停めて,神社へ参拝しに行くことにした.
入り口から,50メートルほど簡易舗装の道を下って行くと,鳥居と神社へと続く長い石段の道が現われる.今まで何度も走ってきた峠道の裏側が,このようになっているとは思いもしなかったし,とても立派なので,意表を突かれた感じで,とても驚かされた.
階段を登った先は,境内になっており,神社と社務所のような建屋があった.神社は,向かって左側が粟嶋神社,右側が八王子神社であり,祭神が左右に二つ分かれて存在している.
この神社の下側がちょうど峠道になっていて,チャリダーが峠を颯爽と下って行った.静かで雰囲気の良い神社が,走り慣れた峠の中腹にあるとは,予想外だった.いつも知らずに,この神社の下を往来していた訳である.
驚くことに神社はこれだけではなかった.八王子神社の右手側の方に,さらに鳥居と社が存在していた.本当にいい意味で期待を裏切ってくれる神社だ.
こちらは四つの小さな境内社が並んでいるような格好になっていた.そして,同じように一つずつの社に名前が付いていて,向かって左から,八坂神社,金毘羅神社,稲荷神社,大黒神社となっている.以上の六つすべての神社を総称して,八王子神社と呼んでいるようだ.
八王子神社は,峠の中腹にある素晴らしい神社だった.今年一年,いろいろあったけれど,無事に過ごせたことに感謝しつつ,来年が良い一年になるよう願って,しっかりと参拝を行うことができた.
そして,八王子神社のもうひとつ素晴らしいところは,境内からの和束町の眺めであり,白栖や撰原の茶畑を一望することができる.最後はこの素晴らしい和束町の風景,三つで今年を締めくくろうと思う.
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