梅雨明け後,最初に向かったのは,やはり紀伊半島だった.三重県紀北町の三浦という所で,国道から海岸線を走る名もない村道へと寄り道してみた.傾斜の緩やかなストレート,そしてカーブの先に広がっていたのは,真っ青な夏色の海だった.
この予期せぬ景色のカーブを越えると,辺りは鬱蒼とした山中海岸へと一変する.そして,路肩にやや広い駐車スペースがあって,高塚山展望台へ遊歩道が続いている.
展望台までは5分ということだが,道は上り坂で,気温は30度を超えていた.元々,立ち寄る予定はなかったけれど,遊歩道が緑あふれる美しい道だったので,急遽,展望台へ向かうことにした.
滝のような汗を流しながら遊歩道を登りきると,とても立派な展望台が出迎えてくれた.展望台に上る前に,辺りを散策してみたが,広い公園のようになっているけれど,展望は望めなかった.
展望台の内部も立派で,らせん階段を上って,二階へ出るようになっている.階段を上がって,展望台の入り口を前にすると,ほんの少しだけ海が見えた.景色を早く見たいと思う者を,上手く焦らす設計となっているようだ.
展望台からの景色は,360°どれも素晴らしいものだった.特に東の方は,リアス式海岸と大小様々な島を一望できる絶景となっていた.この景色を見た瞬間だけは,暑さを忘れてしまっていたようだ.
北側の内陸部の方を見ると,三浦の町並みが広がっていた.町の海岸線をR42と紀勢本線が走っている.そして,この後,オートバイで町へと下って行く道も見えた.
景色に夢中になっていると,汗でびっしょりになってしまった.とは言え,長かった梅雨のことを思うと,夏本番を肌で感じた瞬間でもあり,爽快な気分だった.
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