梅雨が明けたのはいいけれど,今度は暑さとの戦いだ.京都では,人肌よりも高い気温が連日続いている.それならばと,夜明け前に自宅を出ることにして,三重県は南伊勢町を目指した.明け方の山の気温は,25℃くらいで実に快適だった.
リアス式海岸を形成している,南伊勢町の道行竈(みちゆくがま)という地域を走ることにした.この辺りは,漁港がたくさんあって,いわゆる漁師さんの町になっている.ビーチがないので,この時期に海を静かに堪能したい者にとっては,とても都合の良いところだ.
海岸線を目指して山道を走っていると,トトロにさつきとめいがペイントされた作業小屋に出くわした.蒸し暑い季節と重なって,小学生の頃を思い出して,少し切ないような心持がした.あの頃は,パソコンやスマホはなかったし,エアコンのある部屋も限られていた.格段に豊かになった今,はたしてそれが幸福かどうかは,分からない.
子供の頃の夢を思い出すような気持ちで,険しい山道を駆け抜けて,トンネルを出た先に,阿曽浦漁港の青い景色が広がっていた.時刻は9時を過ぎており,ものすごく暑い陽射しが照り付けていた.暑さよりも爽快感が勝って,夢中になって,たくさんの写真を撮ってしまった.
入り江沿いに漁村が続いており,漁船が頻繁に行き交っていた.入り江なので波の音もほとんどなくて,とても静かな時が流れていた.そして,熱心に写真を撮っていると,地元の方数人から話しかけられた.自分が怪しく思われたのか,珍しく思われたのか,さてどちらだろう.
暑くてたまらず走り出すと,贄湾から太平洋を一望できるところにやってきた.どこもかしこも停車するところは,日向であり暑くて仕方ないのだけれど,夏空の下に見る海の青さは,どれも素晴らしかった.まだまだ道行竈の道は続いていく.
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