土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

原発は、封じ込めば良いのです。

2013-08-27 18:20:04 | エネルギー問題

土佐のくじらです。

拙ブログの記事では、戦争の歴史を扱うことが多いので、誤解なさっている方も多いかも知れませんが、私はこれでも平和主義者のつもりです。(笑)
世界から戦争をなくしたいがために、戦争の歴史を研究しているのです。

その平和主義者(笑)である私が、最近のニュースなどで、とても気になっていることがあります。
福島第一原発の、冷却水の水漏れ事故を、ことさら大げさに報道する風潮です。

数日前に記事にもしましたが、これを前回衆院選挙で破れた、脱原発への世論誘導にマスコミが利用しているとするならば、それは大変な問題です。
これは、戦前に朝日新聞を中心としたマスコミ勢力が、アメリカへの宣戦布告を世論誘導したのと同じ結論に至るからです。

現代の日本国民の多くの方の常識では、「原子力は制御不可能技術だから、もうやめた方が良い。」と、いうイメージでしょうね。
確かに、原子力エネルギーは膨大で、事故れば手が付けられないところがあります。

しかし私は、脱原発は反対です。
原発問題は、放射線の防御技術の問題だからです。
今の技術で、放射線をさえぎることは、完全にできるからなのです。

放射能は、何か汚染物質のようにお考えの方もおおいですが、要するに「光」です。
放射能は光ですから、遮蔽(しゃへい)することができます。
分厚いコンクリートや、重い金属は通れない性格があるのです。

病院のレントゲン室は、これで放射線を遮蔽し封じています。
つまり、原発施設の外側を、もっと強固な建築物にすれば良いだけです。
原発テロや他国の攻撃も怖いので、兵器に対応できるくらいの強さが必要です。

それに原発は、発電を止めても安全ではないです。
核燃料は、もう既に国内にあるからです。
核燃料がある限り、放射能汚染の危険はあるわけですから、厳重に管理された原子炉の中で、燃え尽きるまで発電させた方が安全です。

そして、安全基準をいくら上げても無意味です。
もう既に、十分すぎるほどの、高いレベルでの基準だということは、以前の記事でご紹介した通りです。

最も危険度の高い、半減期の短い放射性ヨウ素の場合、基準値を超える水を、最も身体への影響が大きいとされる妊婦が、一体どれだけ飲めば、影響が出ると思いますか?

1tです。

1tの水なんて、普通の人は飲めないです。
妊婦がそれだけの水を飲めば、絶対に妊娠中毒症になります。

放射性ヨウ素は、半減期が1週間と短いので、1tの水を飲むのに半年かければ、もう最初の放射能は消えています。
基準値とはそういうレベルなので、いちいち気にするのは無意味です。
また、基準値を上げても安全性は変わらないので、むしろ安全性をこそ上げるべきです。

福島第一原発は、M9の地震でシステムどおり自動停止しました。
その後の事故は、自家発電用ディーゼル発電機の故障のためです。
津波で、ディーゼル発電機が壊れたのです。

しかし大事なのは、大地震でも津波でも、40年前作の原子炉自体は壊れなかったのです。
これで世界では、日本の原子力産業の信用は、実は大幅アップしたのです。
今年の春に、ベトナムとウクライナが、日本の原子力発電を購入する契約をしましたが、あの東日本題震災を耐えた日本の原子炉技術を、世界が認めたのです。

チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故は、ウランの暴走を止められない事故でしたので、その後の死の灰による放射能汚染が深刻でした。

福島の原発事故は、それらとは違い、原発ゴミによる放射能汚染です。
ですから実は、あまり深刻ではないのです。
もう少し冷却が進めば最終的には、施設ごとコンクリートなどで封印すれば終わります。

ですから、福島の教訓を生かすなら、これから造る原発は、鉄壁な放射線遮蔽対策と、水素爆発でも耐える外壁で守れば良いということです。
また、地下水で冷やせるくらいの小型のものなら、都市の地下でも裏山でも造れます。

分厚い土の中なら、放射能は絶対に漏れないし、水素爆発でもびくともしません。
原子炉は原爆と違い爆発しませんが、万一爆発しても、山を崩すほどの爆発力を人類は造れません。

原発のコストのほとんどは、保障費用です。
地下や山中に小型の施設を大量に造れば、コストも安く、地上への影響もありませんから、いざとなれば捨てれば良いです。

原発を止めるなら、せめて代わりの大規模エネルギーを、政治は創出しないと無責任です。
エネルギー問題は国家根幹問題です。

太陽光など自然再生エネルギーは、費用がかかる上に発電量が小さく、不安定な性能しか得られません。
費用は100兆円かかるというじゃないですか。

人間は、自然をコントロールできないです。
不安定な電力状況だと、製造業も情報サービスも、医療もお手上げです。

100兆円使うなら、原発の放射能は完全に封じ込めます。
その方が、現実的です。

福島では大勢の方々が、今でも避難生活を続けています。
福島第1原発は、今も事故処理中です。

しかしエネルギー問題は、国家の根幹の、超重要課題です。
一地方の問題だけではありません。

少なくとも、次世代大規模エネルギーのめどが立つまでは、止めてはいけません。
脱原発は、大人として無責任な判断です。

先の戦争の原因は、エネルギー問題でした。

「石油一滴は、血の一滴」
という合言葉の元、あの苦しい戦争は始まったのです。

今の日本は、電気文明です。
電気をいかに作るか、どう利用するかが、日本の文明の質です。

次の大規模発電の見通しが立つまでは、原発を止めてはいけません。
石油輸入の如何では、先の大戦の二の舞になりかねません。

エネルギー問題とは、そういう問題なのです。

私は心から、平和を愛しています。
ですから、資源のない日本は原発は保持すべきだし、むしろ安全性を上げて、もっと推進できるように工夫するべきだと思います。






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