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もんく [とある南端港街の住人になった人]

スペインかポルトガルの港町に住みたい
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since Oct. 2004

ワヤンの世界 -最善の八つの態度

2008-02-29 16:24:49 | 日本脱出
レポートを書きながらラーマヤナの資料を探していたら「ジャワ影絵芝居 鑑賞記 (3)」と言うサイトを見つけました。実際に現地でワヤンを見るとセリフが全然わからないままに長時間なので途中で飽きてしまうんですが、こうやって解説していただけると助かります。素晴らしいサイトです。


インドのヒンドゥー文学の中の有名なお話「ラーマヤナ」は昔に読んだことがあるのですが、その趣旨はどんなものだったかを思い出したくて調べていたのです。

このリンクのページにはジャワで演じられている影絵芝居ワヤンクリの中のセリフが書かれています。(インドのオリジナルとは違うかもしれません。)


  優れた権力者たるものは
大地のようにあるべきもの。
~地上の全ての重みに耐える大地のように。
また、太陽のようにあるべきもの。
~何の見返りも求めず、全ての生き物にぬくもりと生命を与える太陽のように。
また、月のようにあるべきもの。
~全てのものを喜びと安堵で満たす月のように。
また、星のようにあるべきもの。
~人々に奉仕する高い理想を掲げ続ける、星のように。
また、大海のようにあるべきもの。
~広い視野を持ち、寛大な精神をたたえる大海のように。
また、火のようにあるべきもの。
~強い正義感を持ち、激しく悪を焼き尽くす火のように。
また、風のようにあるべきもの。
~人々の懇願をどこまでも知り尽くす風のように。
また、水のようにあるべきもの。
~人々が渇望する知識を惜しみなく与える水のように。

これはハスト・ブロト(最善の八つの態度)と言って、主人公ラーマが弟のバーラタ王に託した有名な言葉です。

なるほど深い言葉であります。
これは今でもそう言う立場にある者にとって肝に銘じるべき言葉かもしれません。



...と普通に感動していたわけでは無いからわざわざ書いているのであります。

この言葉が生まれた時代には王と言う絶対の支配者が政治を行っていたのでありまして、今とはちょっと違っていますが、これをそのまま今の政治屋さんたちに対して「肝に銘じなさい」と言うことにしてしまうのは正当なことでしょうか?

私はそうではないだろうと思います。
確かに今でも権力者と言われるような方々は半固定的であまりメンバーが変ることが無いようですから、ある意味王様一族みたいなもので、そこに自分が参加できるようにも感じられません。(その道がないわけではないのですが。)

でも、一応民主制となっていて、議会は代議制でありますから主権は直接そこに関わらないにしてもこちらにあるのが建前です。となれば、王様に相当するのは我々ってわけでありまして、すなわちこのラーマの言葉にグッときたならば、肝に銘じるべきは自分と言うことになりますね。


1億2千万分の1の権力者はハスト・ブロトを胸にいだいて生きてみるのも一考かと思われますが、いかがなもので?



参考(どちらもすばらしいページです。)
Inner Light Gallery
日本ワヤン協会

人生はインベーダーゲーム

2008-02-28 19:35:01 | 日本脱出
さっき近所のショッピングセンターのフードコートに寄った。
昼時でもない平日昼間は人もまばらで広いフロアの席は多くが空いたままでした。

そのフードコートでラーメン、今川焼きなどを売っているお店からなにやら声が聞こえてきました。そこのリーダーらしきおばさんが、もう一人のおばさんに対して怒って何かしきりに言っているようです。


それを5分か10分、見ていて思いました。
人はなぜ怒るんだろう、と。

いろいろ理由は考えられます。

パートのおばさんにちゃんと仕事を憶えさせたい。
リーダーのおばさんが自分の立場をハッキリさせたい。
もっと部下に効率よく仕事をさせて自分の負荷を軽減したい。
時々来る経営者に怒鳴られたくない。


などと考えていたら気付きました。
人はそんなに合理的、意図的に行動するものではないな、と。

単にパートのおばさんがちょっとミスしたことに腹を立てただけなのでしょう。怒ることでそこから何らかの結果を引き出そうなんて考えてはいないのではないでしょうか。

これは誰もがいつでも経験することで、人間と言うのは手帳に書いた長期計画よりも目の前にある危機を脱することや快楽の方が気になるものです。そう言う目の前のちょっとした事件に反射的に「対処」しながら生きているに過ぎないのではないでしょうか。


怒ったおばさんは、多分子供のころに親に対して何かのきっかけがあって「怒る」と言う方法を採ってみたのでしょう。そしてそれが何らかの効果を発揮したにちがいありません。それ以来、似たようなきっかけがあると「怒る」と言う方法を自動的に採用するようにプログラムしたのです。

その結果として「怒る」わけですが、そこから意図した結果を今でも引き出していると言うことはないでしょう。なぜならそれはもう意図して行っている行動ではなくなっていて、反射となってしまっているからです。その方法が適用できるか出来ないか、検討する前に採用しているに過ぎないのです。



まるで昔むかしに流行ったインベーダーゲームのような人生です。
敵が攻めてきたと思った瞬間に打つのです。


「人はなぜ怒るんだろう」、「なぜ」と反射的に考えてしまった自分が間違っていたことに気付いたお話でした。



追加
こんなことを考える時間を与えてくれる愛妻には感謝しています。

カラーxxxと言えば

2008-02-28 18:39:54 | 日本脱出
「カラーxxx」って言えば、その昔縁日で売られていた「ひよこ」です。今時はそんなの知らんて言う人も多いご時世かと思われますが、インドネシアのプランバナン市場で見つけました。

あーなんて可愛いんでしょう。
と思っているとインドネシアでもやっぱり子供は欲しがるらしくて親にしきりにせがんでいます。親も仕方なしに5カラーそろえて買ってあげていました。

仕方なしってのも日本と同じようです。内心「こんなもの!」と絶対思っているんです。だって、ひよこ入りの籠を吊るして子供が笑顔で帰ろうとする瞬間にその母親は「どうせ買うときだけですぐ死んじゃうのよ」って言って帰りました。

カラーひよこよりもその現実的な言葉の方が印象に残ってしまいました。そう言うところは本当に日本もインドネシアも同じってことですね。

見た目はアレだけど、ジャワの美味しいもの。

2008-02-27 23:26:18 | 美食満腹
これって、見た目はアレなんだよね。
でもかなり美味いってのは本当。

写真見ても何だかわからないでしょうけれど、右の方で横たわっているのは「ナマズ」です。料理の名前はPECEL LELE(プチュルレレー)と言います。LELE(レレー)がナマズです。

ナマズはハラワタを抜かれて素揚げにされています。本当はちょっとだけ身に味を付けられていたりしますが、ほぼ素揚げです。

素揚げにされたナマズの下には石でできたお皿にべったりサンバルと言う辛味味噌のようなものが塗られていて、手でむしったナマズの身にそれをちょっと付けて食べるのです。味噌って表現しましたけど、正確には味噌じゃありません。唐辛子、塩、ニンニクなどいくつかの物をよく摺り合わせたもので、ジョグジャでは砂糖も入れるらしくて味はまろやかでした。他所ではもっとトマトが効いたドレッシングっぽいのもあります。

さてナマズ本体の味ですが、これは白身でクセのない口にいれるとふっくらした身で美味しいものです。日本で言えば、そうですね、強いて言えばワカサギの身に似ているでしょうか。もっとふんわりしているかもしれません。

写真にはこれに白いご飯と太いキュウリ、生キャベツなどが写っています。それに欠かせないのがクマンギ(kemangi)と言うバジルの仲間のハーブでこれはけっこうキツイ味と香りのものです。

初めて食べると、日本人的にはハーブみたいなものは余計と思うかも知れません。しかしこれらがセットになっていないとこの料理は成立しないのです。


センスとしたらこれはJawaのお寿司のようなもので、ご飯とネタ、それに辛味(寿司ならワサビ)と醤油にガリです。これらは別々にあるもので決して混ざり合うことなく存在しますが、絶対に離れてしまうことはありませんね。調理法は簡単なのに握り方、ワサビのつけ方、醤油などちょっとしたことで店の味は全く変ります。

PECEL LELEも同じです。このセットは誰でも簡単に作れる簡単な料理なのにサンバルによってお店の味が全く個性的に変るのです。

説明がクドくなってしまいましたが、こればかりは食べてみないとわからないんですよね。残念です。

注目されないのは何故? バクピア!

2008-02-27 09:10:33 | 美食満腹
ジョグジャカルタで日本人観光客に全く注目されない名物ってのがあります。

どうして注目されないんだか、それはとっても不思議です。地元では名物として有名だし、お店はとっても目立つし、そして食べたらとっても美味しいものなのに、どうしてなんでしょう。

多分、それは「ガイドブックに載っていない」と言う理由に尽きるんじゃないかと想像します。そんなものですよね。


さて、その注目されない名物とは「BAKPIA PATHOK」と言うお饅頭です。バクピアパッポーのように発音して、略してバクピアと言います。このお饅頭はパイ生地っぽい薄皮の中に基本は緑豆のアンコが入っています。緑豆のアンコと言っても緑色ではなくて薄黄色っぽい、どっちかと言うと白餡です。それは緑豆の皮をむいた状態でアンコにするからです。緑豆の餡にチーズやチョコやドリアンを混ぜたバリエーションもあります。

餡を皮に包んだ後に鉄板で上下両面焼きますから形は写真のように太鼓型で、食べると皮は少しぱりっとしていて中身はホクホクです。焼たては一番美味しいものです。

これが15個入りとか20個入りとかの箱詰めで1万ルピア、1万5千ルピア(200円程度)と言った値段です。


どこで売られているかと言うと、Jl.Aipada Ks.Tubun と言う通りがメインです。これはマリオボロ通りのRamai Mallと言うショッピングモールの横を入ってしばらく西に歩いて行くと分かり易いです。ちょっと距離はありますが歩けないほどでは無いです。

この通りには右にも左にもバクピア屋がならなんでいてどれを選んで良いか迷ってしまうほどです。上に「目立つ」と書いたのはほとんどの店の名前が「数字」だからです。

写真では路地を入ったところにあるお気に入りの小さな店「694」ですが、メジャーなのは「25」か「75」でしょう。それらは店構えも大きいです。でも大きければ美味しいと言うものでもありませんし、「558」「55」「21」などいろいろな店がありますからいろいろ買って食べてみることをお勧めしたいものです。しかし1箱に入っている数が多いのでみんな買ったらきっと食べきれなくなってしまうでしょう。


私はこのバクピアが大好きなので、これを食べることがこの旅の第2の目的でした。他では食べられないものですから。

久しぶりのインドネシアは変った?

2008-02-26 23:09:02 | 日本脱出
今回の旅行はかなり久しぶりののインドネシアでした。
ジョグジャカルタの街並みもさぞ変ってしまっただろうと思っていましたが、全くそんなことはなく、逆にびっくりしてしまいました。


ただ、以下の2点だけは全く変っていました。

1.電灯には電球が全く使われていず、全て蛍光灯になっていました。これは注意して見ないと全然気付かないことなのですが、何だかちょっと光が白っぽいなあと思ってよく見るとほんの小さな屋台であっても電球は全く使われておらず全て電球型の蛍光灯でした。

以前に新聞か何かで読んだことがあったと思うのですがCO2削減のために国際的に蛍光灯に変えていく支援があったり、国としてもそれを推進していく活動があるのでしょう。でも蛍光灯は長持ちするとは言え電球よりちょっと高いものです。以前の為替レートと今とでは全然違いますから額面が全く違っていて比べようもないのですが、確か現在の電球型蛍光灯は14000ルピア(200円程度)だったようです。

ちなみに安い屋台での外食は5000ルピア~10000ルピア程度になります。日本人には安い100円です。


2.もう一つ変ったことは、BATIK(インドネシアの伝統ロウケツ染めの布)がかなり入手しにくくなってしまった事です。10年前は布製品を売る市場に行けば手描きBATIKはいくらでも目にすることができました。しかし今では有名なソロのBATIK市場でも扱っている店はかなり少なくなってしまい、代わりに普通のプリント布ばかりです。まして街場の洋服売り場やBATIK店ではもうほとんど見かけることができません。

これは悲しいことです。しかし生活のための布として考えれば確かにそれが手描きである必要は無いでしょうから仕方ないのかもしれません。これは日本の近代史の中にだってそう言う事は起こったのですからインドネシアに起こるのも当然です。

ところで、観光客向けにはBATIKショップは今もあります。但し観光バスが到着するような店だったり、絵としてのアートBATIKを売る店です。アートBATIK店も1軒だけ見ましたが以前に比べて絵の質がかなり落ちていて、きっと誰かがアルバイトでそれ風に描いているんだろうなあと思ったくらいのものでした。本当に人気がなくなっちゃったんでしょう。

帰国

2008-02-23 21:04:28 | 日本脱出
昨日ジャワより帰国しました。

写真は美人のY子さん(ジョグジャに留学中)よりお土産にもらった"ポチ"です。
ポチとはPociと書いて、ジャワで言うお茶を煎れるためのポットのこと。
ジャワの一部地域ではこのポチでお茶を楽しむ習慣があるそうですが、これはTONG TJIと言うお茶のブランドのメーカーが作ったポチです。

ジャワのポチは素焼きで多分レンガなどと同じ田んぼの土で作られていて、形はこのような梨型が一般的だと思います。この形はきっと中国の影響を受けたものだと考えられます。

実際、台湾でもこれに近い梨型の茶器はけっこうあります。台湾のものの方が形は洗練されていて土質も緻密です。それに注ぎ口の位置なども機能的です。

でも私はジャワの梨型ポチの方が好きです。同じ梨型でもジャワの方が直感的にぽっちゃり可愛い形に見えるのです。まさに"ポチ"と言う名に相応しい形に思えてならないのです。


ところで、ジャワのお茶(Teh=テ:インドネシア語)ですが、ジャワティーと言うとジャワで採れた紅茶を思い浮かべる人が大半ではないでしょうか。でも実際のジャワティーと言うのは紅茶じゃなくてウーロン茶系の緑茶にジャスミン(Melati=ムラティ)で香りを付けたジャスミン茶(テ・ムラティ)です。ジャスミン無しのお茶も飲まれますが、だいたいはジャスミンです。そして大量のお砂糖を入れて飲みます。(ミルクは入れません。)

このどよ~んとするほどの重いジャスミンの香りが何とも言えず熱帯の夜にぴったりなんですよね。このポチと買ってきたお茶でしばらく楽しめそうです。


飲んでみたい?