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もんく [とある南端港街の住人になった人]

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映画「ムルデカ」 -史実は真実なのか?

2006-02-08 00:32:35 | 映画って !
「ムルデカ」はインドネシア語で「独立」と言う意味。
インドネシア語の題名なのにこれは日本映画だ。

インドネシアと言えば最近はバリ島とかボルブドールなどの観光地としてしか認識されていない人がほとんどだと思う。それともバリ島をインドネシアの一部であるとも認識していない観光客すらいるだろう。

だとすればインドネシアの独立に日本が、もしくは日本人がどう関わったかなど想像すらできない時代になってしまったと言う事だ。歴史は忘れ去られ、死したる者の想いも土の中に埋められたままとなるだろう。そう言った意味で、地味ではあるがこの映画が公開され多くの日本人に見られる価値はあったと言える。


しかし、残念ながらそれ以上の価値があるかどうかは分からない。つまり、一つの作品として未来永劫鑑賞され続けられるものであるかどうかと言えば、多分「No」であろう。また、事実以上に史実をきちんとした形で映像に留めておくものであるかとの問いにも「No」かも知れない。単にそう言った事があった、と思い出させるきっかけに過ぎないと思われる出来だからだ。忘れられかけている歴史の一事実に光を当てた作品であるだけに残念である。


ここからは箇条書きで2点だけ書かせていただく。
(1)独立運動に参加する事に決めた2000名の日本兵の動機を本当に隊長が代弁していたと言えるのだろうか?敗戦を知った後の日本兵が2000名も参加し、その半数が亡くなっているのだが彼らが帰国して(多分捕虜になって)家族に合うよりインドネシアの独立のための闘争にどう言う気持ちで参加したのかがほとんどわからないのが消化不良なのだ。

アジアを欧米から解放する理想のために日本敗戦後も独立運動に可能性を求めたのか、連合軍の捕虜になる事への恐怖か、隊長への忠誠、またはインドネシア兵への思い入れなのか?

(2)余りにも日本側から描き過ぎていて実際の独立運動に参加したインドネシア人の当時の想いはどの様だったのかがあいまい過ぎる。「私が軍人である事自体が罪と言うのであれば、オランダが長くインドネシアにしてきた事は罪ではないのか!」日本が行った事を日本兵が正当化して考えるのは当然であるが突然現れた日本の軍人に本当に賛同できたものか。賛同した者がいたとしてもこの映画のように全面的な賛意であったのかが疑問だ。



(結果:知っておくべき日本の史実ではあるが....)


この作品が作られる数年前にBALIのテレビ局で同じ独立時の状況を描いた作品が作られている。日本では公開されていないが、今後入手したいと思っています。


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