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もんく [とある南端港街の住人になった人]

もう一人の自分が自分の隣にいて・・・

先の日曜日の朝、野菜を買いに出たところである高齢者の方を会って話をした。近所であっても通りが違うのであまり会う機会がない方だ。年齢は確か70代後半と言っていた。

そん人が運転免許を返納した時のことを教えてくれた。

それは72歳の時だった。ある場所へ行って用を済まそうと考えて車に乗ったのだった。運転を始めて10分程度行ったところに別々の方向へ行く交差点がある。そこを左に曲がって少し走って時にふっと思った。

「あれ、自分はどこへ行こうとして運転しているのだろう?」

考えても思い出せない。車はどんどんと前へ進んで行くのだが、目的地がわからない。おかしい。何かおかしい。もしかしたらさっきの交差点を右へ行くべきだったのではないか?わからない。

その後、その人は病院に駆け込んで検査してもらった。脳のCT他だ。結果はどこにも悪いところは無く、一時的な健忘だった。そしてその後にもそうしたことは起きていないが、その人はそろそろ運転は無理になってくるだろうと考えてすぐに免許を返納したのだった。


そこまでは免許返納の顛末なのだが、その人の自分自身を管理するやり方が注目に値する。その人は自分自身の横にもう一人の自分がいると考えていると言う。普通に生活している自分の思考を持った自分は身体中にいて、その外側に自分を冷静に見ている外側の自分がいる。外の自分は自分対して良いか悪いか、正しいか間違えているかを判断するそうだ。

時々自分もこのブログに書いているのだが、思考にレイヤーを設定するやり方と同じだと考える。偉そうに言わなくてもそうしている人は世の中に多くいると思うが、実際にこうして上手く機能させている話を聞いたのは初めてだ。

人間はマルチタスクができないが、切り替えはできる。視点を変えて自分自身の行いや思考を見てみる。冷静になって考えを整理できたり、やっている事の目的を再確認できるとか、意味のない部分を抑制したりもできる。また過度に感情的に反応するのも抑えられる。

こういうのは人間以外の動物にはできないだろうから、人間が野生と決別する一つの方法に違いない。
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