![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/ff/6c0aa9096d7553669fd029eb7e91b596.jpg)
ササは見る間に岩肌を登っていく。煙の出ている穴にするりと身を滑り込ませていった。鬼吉は祈るような視線を残して入り口に向かう。
ササは頭を下にして慎重に煙り穴を下りる。目をしばしばさせながら、室内をそっとのぞき込む。いろりには鍋がさげられて、湯がわいているようだった。ぱちぱちと燃えている木がはぜる音が室内に響いている。
二つ鬼は室内にいた。
だが、不思議なことに壁に背をぴたりとつけて廊下から身を隠している。
(いつも何かに警戒している暮らしが普通なのかしら。恐ろしい奴だ) ササはそう思った。
ササは頭を下にして慎重に煙り穴を下りる。目をしばしばさせながら、室内をそっとのぞき込む。いろりには鍋がさげられて、湯がわいているようだった。ぱちぱちと燃えている木がはぜる音が室内に響いている。
二つ鬼は室内にいた。
だが、不思議なことに壁に背をぴたりとつけて廊下から身を隠している。
(いつも何かに警戒している暮らしが普通なのかしら。恐ろしい奴だ) ササはそう思った。
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