国立国際美術館で今月1日から開かれている「モディリアーニ展 Modigliani et le Primitivisme」を観に行く。
この美術館に行くのは初めて。
その外観に驚く。
ウサギだろうか、それとも蝶の孵化する様子だろうかと思っていたら、「竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージし」ているのだそうだ。
展覧会のサブタイトルは‘Modigliani et le primitivisme’、次のような構成で展示されている。
Ⅰ章 プリミティヴィスムの発見:パリ到着、ポール・アレクサンドルとの出会い(1907~1908年頃)
Ⅱ章 実験的段階への移行:カリアティッドの人物像 ― 前衛画家への道(1910~1915年)
Ⅲ章 過渡期の時代:カリアティッドからの変遷 ― 不特定の人物像から実際の人物の肖像画へ(1914~1915年)
Ⅳ章 仮面からトーテム風の肖像画へ:プリミティヴな人物像と古典的肖像画との統合(1915~1919年)
これらはテーマ別に区切られているだけではなく、きちんと製作年代順に並んでいるところがこの展覧会の見所なのだと思う。
順路に沿って足を進めると、作風の変遷を自然なかたちで感じ、知ることができる。
サブタイトルはモディリアーニとプリミティヴィスムであるが、プリミティヴアートの影響を受けたカリアティッドがずらりと並んでいるのが良かった。
この頃のモディリアーニは彫刻家を目指し、彫刻で「逸楽の神殿」を創造したいと思っていたらしい。
モディリアーニの彫刻作品がどのくらい残っているのか知らないが、欲を言うならば、彫刻作品も見てみたかった。
1915年あたりから、健康上の理由により、また、資金を捻出するのが困難だという理由により、モディリアーニは彫刻家となることを断念し、おもに油絵で表現するようになる。
作品を追っていくと、モディリアーニ独自の、そう、誰が見ても「あぁ、モディリアーニだね」って分かるあの画風の根底には、プリミティヴィスムの追求があったということがよく分かる。
モディリアーニの色が好きだ。
帰りにポストカードを2枚買って帰る。