はがきのおくりもの

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正しいこと

2008年06月21日 | 柿の木高校物語 2001

 毎朝七時前から教室を掃除し机を整頓する担任がいる。登校する生徒のため教室の電灯をつけておく。登校しても生徒が点灯しないからだという。
 節電を理由に消灯をお願いした。快諾してくれたのでホッとした。黙々と生徒のために働く先生の意欲を削いではならない。日頃から節電を生徒に教えていた彼には要らぬ気遣いであったが。正しいことを言うのには気を使う。
 頭髪や服装について生徒を指導する前に、教師自ら身なりをきちんとしてくれ。遅刻する生徒を指導する前に、職員会議の遅刻や出勤簿の押印を何とかしてくれ。提出期限の厳守を生徒に求める前に、復命書を速やかに提出してくれ。教師である前に、人間としての基本をきちんと身につけてくれ。なかなか口に出して言えない言葉である。
 河合隼雄氏の「100%正しい忠告はまず役に立たない」「うそは常備薬、真実は劇薬」を読んだ。「己を賭けることもなく、責任を取る気もなく、100%正しいことを言うだけで、人の役に立とうとするのは虫がよすぎる」「真実を言うのはいいことだと単純に確信している人が居る」
 教頭は正しいことを言う責任がある。効果がないと知りつつ、100%正しいことを言うときもある。先生方もわかっていて、自分を変える気はない。さて、どう切り込むか。
 あるヨーガの道場では、きりりとした場を作るのに20年かかった。苦労したという。己を賭けて空気を作ったのであろう。道場に一歩入ると空気が全然違い、身が引き締まるという。
 「己を賭ける」がキーワード。少しずつ空気は変わる。生徒を使った先生方の指導で、駐輪場は見違えるほど整頓されている。上着を置いて帰る生徒はほとんどいない。学習合宿も再開する。4月からは第1学年27人学級が始まる。己を賭けて管理職は何をどう行うか。切り込む一太刀は管理職の後姿にある。
 空気を変えるには20年かかる。河合氏の「マジメは休み休み言え」を呪文に、正しいことを後姿で根気よく語る人でありたい。<2002.2.15>



 河合隼雄氏の言葉は、どれもすごい言葉です。

「100%正しい忠告はまず役に立たない」

「うそは常備薬、真実は劇薬」

「己を賭けることもなく、責任を取る気もなく、100%正しいことを言うだけで、人の役に立とうとするのは虫がよすぎる」

「真実を言うのはいいことだと単純に確信している人が居る」

「マジメは休み休み言え」

 心に留めておきたい言葉ばかりです。
 これらの言葉を知ってから、正しいことや真面目なことを言うときは、少し恥ずかしいなあ、控えめにしようと思うようになりました。

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