はがきのおくりもの

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転ぶ

2008年06月22日 | 柿の木高校物語 2001

 転んでもただでは起きない。七転び八起き。転んでは立ち上がる逞しさと、それを見守る温かさ。ただでは起きない転び方と、逞しくなる転ばせ方。学力以上に学ばせたい力である。
 教務主任が提案した最低限の到達度目標や学期毎の再考査制度に対して、細部での反対意見が続出した。全体像を示そうとした意図を斟酌しない反応。このまま転んだら二度と立ち上がれない大怪我になる。授業改善が後退すると思った。
 討議しやすいように論点をしぼる。大枠から順に教職員の合意を目指す。細部で否決されても大枠の合意で前に進むことができるようにする。転んでも藁をつかもうと、転び方を教務主任に工夫させた。
 検討は今も続いている。主任会や教科会、部会で意見を聞きながら、職員会議でじっくり審議してゆきたい。教職員全体が転び方を学ぶいい機会でもある。
 中退の季節がやってきた。友を見い出せず、勉学の意欲もなく、学校を去る生徒たち。悲しく、空しい。
 中退させない、転ばせないと学校も頑張っている。ところが、転びそうだとわかったときには手の打ちようのないことが多い。思い切って転ばせてみる方法はないか。転んで立ち上がる体験をさせられないか。
 勉学の意欲のない者を甘やかしても中退は減らない。基礎・基本の完全習得を厳しく迫れば、赤点を取る生徒が必ず出る。思い切り転ばせ、生徒に何かをつかませられないか。教師の腕の見せ所である。
 一つの案として提示したのが最低限の到達度目標や学期毎の再考査制度。「やればできる」を実感させ、自分に自信を持たせる。基礎・基本を明示し、身につくまで再試験を課す。一人一人の完全習得につき合う。最後までやり遂げることで生徒の中に生まれる何かに期待する。そんな制度を実現させたいと思った。
 「念ずれば花開く」「叶えようとすれば夢は必ず叶う」。言葉を理解するのは簡単だが、心から信じられるようになるのは困難。その困難に転びながら挑戦し続けるところに、教師の生きがいもあるのだろう。<2002.3.1>



 奥井は教頭時代からず~っとおんなじことを考えているようです。
 それをどう実現するか、楽しみに見守っていこうと思います。

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