はがきのおくりもの

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苦情

2008年06月20日 | 柿の木高校物語 2001

 苦情処理は教頭の仕事である場合が多い。
 放置自転車に迷惑している。登下校時に喫煙している生徒がいる。横列走行を注意したら、食ってかかられた。頭髪指導がうちの子だけに厳しい。部活動で帰りが毎日遅い。
 どんな指導をしているのかと怒り心頭の様子。電話だけでなく、直接訪ねてくる人もいる。まれに市長や知事へ手紙を出す人もいる。
 事務長のところへも、校庭の砂ぼこりや銀杏の落ち葉などの苦情が度々ある。
 相手の立場に立てば、苦情の多くはもっともな話である。学校での指導の限界を感じつつ、言い訳はせず、誠実に話を聞く。「誠実対応、汗を惜しまず」、昔、先輩から教えてもらったおまじないを心の中でつぶやきながら。腰を落ち着けて対応すれば、多くの人は穏やかに話を終えてくれる。
 事後処理も誠実対応でなければ意味はない。生徒指導を先生方にお願いし、再発防止に備える。具体的に先生方に指示することもある。苦情を前面で受けとめていれば、先生方も協力してくれる。
 誠実は正直とともに日本人の美徳であった。苦情や困難に処するとき、かつての美徳ほど助けになるものはない。合理、功利はあまり役に立たない。
 教頭は声にならない苦情にも耳を傾けなければならない。情報が集まりやすいことも教頭の資質の一つ。資質の足りない私には努力と工夫が必要である。
 わかりやすく教えてくれない。授業に遅れてくる。すぐに自習にする。やる気のない授業。ビデオを見せっぱなしの授業。
 放課後、教室にいた生徒から授業が難しくて全くわからないと相談されたことがある。早速、教科担任に事情を聞き、わかりやすい授業をお願いした。一時改善されたが、元に戻ってしまっているらしい。
 苦情の後始末は難しい。ときとして、学校の風土全体や個人の生き方そのものの変更を迫られる。
 怠けていた授業の見回りを再開しよう。身についた垢を落とすのは困難。習慣を身につけ直す辛さを共感できずに、解決はない。<2002.2.1>



 最近、特に苦情が増え、モンスター・ペアレンツも繁殖しているようです。
 「苦情は宝の山」という経営者もいるようですが、毎日、苦情窓口として怒りを受け止めている担当者のストレスを和らげる方策をとっているのでしょうか。後方支援のない担当は、結構辛いものです。教育の場では、宝になる苦情は非常に少なく、大半は他人任せ、責任転嫁の甘えでしかない苦情ばかりのようすから。

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