はがきのおくりもの

 思い出したくなったら、ここに帰っておいで!!!
 元気を補給したら、顔を上げて、歩いて行くんだよ!

人事

2008年06月24日 | 柿の木高校物語 2001

 校内人事に悪戦苦闘している。本校では配置委員会で、先生方の希望をもとに学年団や校務分掌、部活動顧問を検討している。最終的には校長が任命するのだが、合意を得るまでの道のりは険しい。
 新設の情報管理部を希望する人がいない。主要な主任候補選定にも頭を悩ましている。学校全体を考える配置委員と自分のことを中心に考える先生方とで折り合いがつかない。
 新任の頃、若手を育てる分掌配置をしてくれると信じて、一任と書いて提出した。希望の調整が困難らしく、育てる配置がされているようには思えなかった。積極的に意欲を示す大切さを学び、希望を記入するようになった。同時に、人を育てる配置を心がける年寄りになりたいとの思いを胸の奥にしまった。
 担任も委員会も部活動も一生懸命やってくれる先生がいる。当然仕事が集中する。来年は教師人生の分岐点の年となりそうな気配。彼の生き方を大事にした配置ができたらいいのだが。
 総合的な学習の時間を研究したい、情報教育の未来に惹かれるなどの思いを聞いた上で、敢えて困難をお願いする。思わぬ方へ人生が動くとき、背中を押すのも管理職の役目。将来を見据えて、強く押し出す厳しさが必要なときがある。
 「災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。是はこれ災難をのがれる妙法にて候」。困ったときは困り抜けばいい。簡単に割り切るのは逃げること。良寛の言葉に励まされて、もう少し頑張ろうと思う。
 理想とエゴの共生も人事の大きな課題。理想が正しく、エゴが悪いと単純に決めつけられない。理想はすべての人を苦しめることがあるし、エゴは周囲の人を傷つける。
 解答の見えない課題を前にして、できることは何か。全身で立ち向かうこと。理屈で人を屈服させることはできても、納得はさせられない。人の内にある生命力、混沌の共感を得なくては解決はない。人事の醍醐味は、混沌を相手にすることで、自分が鍛えられるところにあるのかもしれない。<2002.3.15>



 混沌がエネルギーの元だって思う奥井や私は、変わり者でしょうか。人間の奥底にある情念も混沌としています。割り切れないもの、簡単にわかることのできないもののなかに、生命のエネルギーがあるように思えてしまいます。
 自分の内にある混沌とつきあいながら、死ぬまで精一杯生き続けたいと思います。

 というところで、「柿の木高校物語」は終わります。

 次回からは、奥井が柿の木高校教頭1年目に行った「ぷらいど創造講座」をご紹介します。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。