~ヒトやモノ、コトとの関わりを豊かに~
私は大変な思い違いをしていました。
管理職の楽しみ方を伝えても、管理職を志望する人は増えません。思いを込めて「管理職は愉快です」を綴っても、管理職志望者不足は解消されません。最後の最後になって思い違いに気づくとは、私はなんと迂闊な人間でしょうか。
埼玉県の小中学校の2017年度教頭候補者選考では、志願者407人中、登載者が238 . . . 本文を読む
心得百二十一 人や組織、自分の変化を楽しむ
「今ここをきらめいて生きるためにはどうしたらよいか」と問われたら、どう答えますか。
「決心することから始めるとよい」と、私は答えたいと思います。主体的、自覚的に生きるには決心が必要です。「ダイエットや禁煙を何度も決心するだけの人がいる。実行しなければ、決心は意味がない」という人がいますが、そうでもありません。決心も数打てば当たりま . . . 本文を読む
極意十五 今ここを生きる
さだまさしさんが作詞した『防人の詩』にはたくさんの問いがあります。これだけ問われると答えてみたくなります。
海は死にます。山も、風も、空も死にます。春も、秋も、愛も、心も、大切な故郷もみんな逝ってしまいます。太陽系も消滅する運命です。ビッグバーンで始まった宇宙もいずれ消えてなくなります。すべてが無になります。このように先の先のずっと . . . 本文を読む
任期終了が近づくと大統領の影響力は大きく低下し、政策運営ができなくなるレームダック状態に陥ります。あらゆる決定が先送りされ、行政府全体に無気力感が漂い、政治が停滞すると言われています。教育長の場合は、任期終了間近になってもレームダック状態になりません。なぜでしょうか。問い続けてみたい問いです。
心得百十八 子供たちに必要なものは何かと問う
私の教育長としての . . . 本文を読む
山登りは、登るだけではなく、麓に戻るまでの行程全体を指します。山登りは、頂を極めることよりも、確実に下山することのほうが重要です。状況を判断し、登頂を断念して山を下りる決断ができることが何よりも求められます。
管理職としての仕事を山登りに例えるならば、「晩秋」は「下山」の季節と言えます。登るときの後ろ姿は勇ましく大きく見え、下山するときの後ろ姿は寂しく小さく見えるものです。どのような判断を下 . . . 本文を読む
心得百十一 与えられた裁量の中で最善を尽くす
3つ目の危機は、財政破綻という最悪の事態を想定して対応を考えていくことができるかという危機でした。この危機への対応として、東京大学・慶應義塾大学教授の鈴木寛氏は、大学生や高校生に「20~30年の間には間違いなく財政は破綻するから、安心しなさい」「その日のために今から備えられるんだから、安心しなさい」(みんなの介護ニュース特別インタビ . . . 本文を読む
心得百九 教わるのではなく、盗む
2つ目の危機は、教員の質が多様化しているなかで学校全体の教育力を上げることができるかという危機でした。この危機は、管理職を目指す教員が激減しているという危機や能力の高い人が教員を目指さなくなっているという危機にもつながります。学び合う学校文化づくりは、この危機への対策です。教員の質の多様化を逆手に取り、それぞれのよさを活かし合うことで、学校全体 . . . 本文を読む
極意十三 自立する
現在、学校教育は3つの大きな危機を抱えています。
1つ目の危機は、「教員が教える」だけの一斉指導型授業から「児童生徒が学ぶ」話し合いの授業へ授業観や教育観を転換することができるかという危機です。アクティブ・ラーニングはその端緒にすぎません。
2つ目の危機は、教員の質が多様化しているなかで学校全体の教育力を上げることができるかという危機です。教員が互い . . . 本文を読む
心得百四 自らの「学校経営の教科書」を作る
学校間ネットワーク会議推進委員から感想が届きました。「学力層の異なる学校の取り組みを知ることができたことは大変価値のあることで、ありがたく感じた」「学校ごとの学力向上に向けた情報を入手できたことが最大の収穫だった」「どの学校もやれることをやっている。これを継続させ発展させるための組織づくりや組織運営が課題と感じた」などの感想です。
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心得百一 学校のよさを磨き合う
2011年は神奈川県立湘南高校90周年の年でした。記念誌への寄稿依頼とともに、川井陽一校長から1都3県で校長の交流会を企画したいとの提案を受けました。どちらも快諾し、善は急げと、川井校長が日比谷高校の石坂康倫校長を、私が千葉高校の高岡正幸校長を誘い、4校で交流会を立ち上げました。初めての交流会は同年10月12日、日比谷高校で行ったのですが、その日 . . . 本文を読む
心得九十七 学びのネットワークを築く
2009年1月、東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)と埼玉県教委との協働を三宅なほみ副機構長(当時)に持ちかけたとき、高校教育指導課長であった私の念頭には年次研修の見直しがありました。異年次の教員同士の学び合いや大学の研究者との共同研究・共同実践を考えていました。成長し続ける学びのネットワークを教員に提供できたらと夢 . . . 本文を読む
心得九十三 学力を保障する
グローバル化が進み、一生日本から出ることのない人も世界中の人々と実力が比較され、賃金に反映されるようになってきました。一人一人すべての子供たちに「生きる力」をしっかりと身につけさせ、自分のよさを伸ばし、活かせるようにしてあげないと、憲法第25条のいう「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことが難しい人々が増えてしまう事態に直面しています。私たちは一人 . . . 本文を読む
心得九十 昨日の自分より一歩前に進む
人工知能やロボットは、私たちの想像をはるかに超え、凄まじい勢いで進化しています。子供たちが大人になる頃には、現在ある仕事の半分が人工知能やロボットに取って代わられると言われています。そうした時代を生きる子供たちにどんな学校教育を提供すればよいでしょうか。
私は「人と人との間に価値が生まれる」「関係性の中に自分の役割がある」と考えています . . . 本文を読む
「秋」は、自らに与えられた時機と使命に目覚め、自由自在に活躍する季節です。集大成の「実りの秋」であり、エネルギーに満ちた「天高く、馬肥ゆる秋」ですから、失敗やトラブルさえもプラスに作用し、さらなる飛躍につながります。
そうした「秋」を存分に楽しむための心得を伝授しましょう。
▼私家版「秋」を楽しむための心得1条 小さな困難から逃げない2条 「愉快」を口癖にする3条 自分のよ . . . 本文を読む
心得八十四 校長は物語の語り部である
大きな負荷をかけられ、全員で疾走する快感を味わって思わず限界に挑んでしまい、挫折を経験して自分を見つめ直し、自分のよさに気づいて伸ばすことを覚え、よさを活かす世界に出会う。こうした成長物語を彩る打ち手をどう見いだし、意味をどう付与していけばよいでしょうか。
授業や学校行事で教職員がやっていることに光を当て、物語の中でどんな意味や役割 . . . 本文を読む