through

私は他所へも飲みに行く。
家では飲まないんだ。

行く店のスタッフは、大抵私の好みを知っていて、多くを語らずとも好みのものを黙って出してくれる。
何処に行っても誰かに声かけられ、話して仲良くなって、バレないようにしても素性がバレる。

飲食店をやっていると分かると、皆さん必ずおっしゃるのが…

「何処ですか？今度行きますよ！」

開店当初は嬉しかったなぁ～
その方の顔がいつそのドアから現れるんだろうか。本当に指折り数えて毎日楽しみにしていた。

しかし、その喜びはいつしか絶望に変わっていく。
おっしゃる方の、大袈裟ではなく9割は来ないのだ。

それからは同じことを言われても
“どーせ口だけだ”
私の反応も冷たくなっていった。
喜んでいた昔とは正反対。
“またか…どうせ来ないくせにうっとうしい”
何のためにそんな意味のない台詞を吐くのだろうか？
そう思うようになった。

それからまた何年か経って、この度七周年を迎えた。

昨夜帰りに寄ったいつもの居酒屋。顔は知ってるけどそうも仲良くない人達が多数いて、口々に「康子さん、康子ちゃん」と呼んでくれるわけだ。
フワッと温かい空気を感じながら
その中の一人がふと…

「今度康子さんの店行っていいですか？」

と言ってきた。
私は笑顔で…

「お待ちしてマース！」

反射的に答えていた。

正直、来ても来なくてもどーでもいーわけ。
こんな感じでいいのよね！(^o^)v
水商売長いってのは次第にこうなっていくことなのね~

何でも一生懸命対応するのも良し悪し。

笑顔でスルーする能力も大切だと感じる今日この頃。