バロックリュートでバッハ

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ガット弦と巻弦の減衰特性

2021年03月03日 | リュート
 日本リュート協会の会報第36号に「バロック・リュート低音弦の減衰・倍音成分を実測する」という記事が掲載された。
これに触発されて、昔から気になっていたことを簡易的に調べてみた。

「ガット弦と巻弦の減衰特性について」

図1 Swanneck ガット弦 減衰特性 (10コース、弦長96cm)

 図1は、スワンネック型バロックリュートの10コースにガット弦を張った時の減衰波形です。
よく言われる「ドスンと鳴ってすっと減衰していく」そのままです。約4秒で聞こえなくなります。
これが消音があまり必要がないと言われる所以ですね。

図2 Swanneck 巻弦 減衰特性 (10コース、弦長96cm)

 図2は、図1と同じ楽器、コースに巻弦を張った時の減衰波形です。
ガット弦に比べるとなだらかに落ちていく感じで中々減衰が進みません。10秒後でもしっかり鳴ってます。
従って、巻弦の場合は消音が必要ですね。
(私はリュート用の巻弦を現在所有していないため、便宜的に昔の演奏録音の中から音を拾いました。
 その為、5コースの音も混じっており、唸りが出ているのでしょう。)

図3 ClasicGuitar 巻弦 減衰特性 (6弦Re、弦長65cm)

 図3は、クラシックギターの6弦に巻弦を張った時の減衰波形です。
急峻に立上り、少し速く減衰した後は、ゆっくりと減衰しています。
10秒後にほぼ聞こえなくなりますが、消音は必要ですね。

上記の条件では同じ巻弦でも、クラシックギターよりもバロックリュートの方が減衰が遅いです。
前者の弦長が65cm、後者が96cmという事で、1.5倍も弦長の長いバロックリュートの方が減衰が遅いわけです。
バロックリュートのテンションが弱いことも多少は関係するでしょうが、ここでは調べていません。

以上、簡易的な検証を行ってみた纏めですが上記の見解を裏付けるこれ以外のケースについても測定しています。


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