バロックリュートでバッハ

バロックリュート、ギター合奏、旅行などの趣味の記録

リュートの弦高調整

2020年05月25日 | リュート
 スワンネックのバロックリュートは購入して9年になる。
製作者は低音弦に巻弦を張ってそれ用にセットアップしてあった。当時とすれば普通の考えであろう。
 その後、弦の開発も進み、私の音の好みも変わってきて、ナイロン弦+フロロカーボン弦+巻弦から、ナイルガット弦+CD弦を経て、ガット弦に変わってきた。
 ガット弦は巻弦に比べ径が大きいので、ブリッジの穴径UPしたり、ナットの溝幅を広くしたり深くして弦高を下げる必要が出てきた。
弦高が高くて弾きにくい、というくらいは大したことはないのだが、音程がくるってしまうのは非常に困るわけだ。
ナットと第一フレットが高いと強く押弦すると当然ピッチが上がってしまう。特に6~8コースの低音弦で半音前後上がることがある。
Gumutのガット弦は柔らかいのでその傾向が強いのかも。私は392Hzで使用しているのでテンション弱めなのも影響しているのだろう。
 いずれにせよ、ブリッジ側では、弦高を低めに締める事。ナット側は溝を弦の径を考慮した幅、深さに切り直すことにした。


 まずは、ナット部の写真の実物大コピーを作成し、切り直す位置を決定する。
ついでに、ナットのスペーシングを見直しするため、底で無く溝側を0.4mm削ることにする。
工具は、現在のナットの形状測定するためのノギス。平ヤスリ、精密棒ヤスリ、虫眼鏡など。


 弦を完全に外すと大変な作業になるので緩めるだけにしてナットを傷つかないようにこずいて外す。膠でわずかに固定してあったのか。


 平ヤスリで慎重に表面を削っていくと、真ん中あたりの溝は消えてしまった。
次に0.9㎜の棒ヤスリを主に溝を切っていく。太い所は1.2㎜や1.5㎜のものも併用。
まずは両端の2コース分だけを溝を切って本体に嵌め、弦を締めて試してみる。
調子良さそうなので全部の溝を切って元に戻す。


 ブリッジ側も弦高を下げ、ピッチ維持のため弦の縛り目がブリッジから出来るだけ出っ張らないようにした。

 以上の調整、少しずつ慎重に作業したので4日掛かったが相当改善されたようだ。
それでもやはり低音弦は軽めに押弦する、という事は訓練せねばならないようだ。
以上の記事について、先輩方のアドバイス等を頂ければ有難いです。


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2 コメント

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Unknown (michael)
2020-05-28 12:17:36
精密な作業だけに集中力が要りますね、
私も使用弦の変遷により、随分やりました;
ナットは骨棒や黒檀で何本か作り替えました、細いヤスリは必須で、ブリッジの穴の調整にも使います。
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コメント有難うございます。 (LUTE)
2020-05-29 17:01:17
リュートのナット調整は初だったので、michael)さんの記事も参考にさせて貰いながら慎重に作業しました。今のところうまく行った感じでホッとしてます。
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