バロックリュートでバッハ

バロックリュート、ギター合奏、旅行などの趣味の記録

バロックリュートの壁

2012年12月26日 | リュート
ギターをやっていてリュートの世界へ足を踏み入れる、という人にとって何が難しいのか? 私の経験では・・・・

諸情報の入手:
リュートについては分からないことだらけだが、今はインターネットで大抵のことは調べることが出来るようになった。昔だったら、リュートと言うものの存在自体もなかなか知りえなかったことだろう。

楽器の選定、入手:
楽器店に行ってもなかなか店頭においてあるというものではないので、製作家に新品を作ってもらうか、中古品を探すというのが一般的。誰に頼んだら良いのか?頼んでも製作に少なくとも数年待たねばならない。新品にせよ、中古にせよ、試奏できないケースが一般的なので良い楽器に当たるかどうかは運が物を言う・・・・

楽器のメンテナンス:
フレットはガットなので消耗品、これを張り替えるのは結構面倒で器用さを要する。弦もギターほど頻繁ではないが張り替えねば成らない。弦の数がギターの4倍ほどあるし、張り方も少し要領が必要。張り方により弦高が変わってしまうから。

楽譜の入手:
大抵のTAB譜は外国から取り寄せる事になる。インターネット通販に慣れている人にとってはそう苦にならないだろうが、そうでないと困ってしまう。バッハなどは自分でファクシミリなどから作ることも出来るが、知識と時間が膨大。

弦の選定、入手:
弦はドイツやイタリアなどから自分で取り寄せるのが一般的。国内でも売っていないことはないが品種がわずかで価格も高い。一部の弦を特定の釣り糸で代用することもある。私もナイロン弦、カーボン弦用に20種類くらいのリールを持っている。
どのコースにどの社のどの弦を張るかは自分で決めねば成らない。これは結構な勉強と経験を要する。製作家の推奨はあるがそれで満足できないことも多いので。

TAB譜の理解:
五線譜しか知らない場合慣れるまで少し戸惑う。しかし慣れるのにそんなに時間は掛からなかったと思う。低音など音価が分からないので消音に迷う。

楽器の構え方:
バックが曲面なので滑りやすく安定しない。ストラップを使う人が多いと思うが私は苦手なので自作のリュートレストを作って使用している。バスライダー用とジャーマンテオルボ用の2種。

弦の多さ:
バロックリュート最大の難関が、左手の親指が低音の弦を間違える、ということ。なにしろ13コース(親指の守備範囲は約8コース)も有るのだから・・・・リュートは楽譜を見ながら弾くのが一般的なので指を見るのは難しいし、見てもどのコースかよく分からない。私は8、11コースの弦高を高くしてほぼクリア。

以上、思いついたことだが他にも色々あるだろう。苦労が多い楽器だがそれ以上に弾く楽しみは大きい。