今年に入ってから中国、韓国の小泉首相の靖国神社参拝に対する反発が高まっている。
両国が今年に入ってこの問題をことさら強調する背景には、日本政府が積極的に推し進めている国連常任理事国入りに対する牽制があるのかもしれないし、北朝鮮の拉致問題、核問題が引き金となった日本のナショナリズムの高揚を警戒しているのかもしれない。
他国には他国のいろいろな思惑はあるのだろうが、日本は過去に朝鮮を統合し、彼らから自決権を取り上げたり、中国大陸から東南アジアに兵隊を送り何年も戦争を続けたことは事実である。
あれから60年以上を経過し、それぞれの当事国における記憶の歴史は大きな隔たりを見せている。日本と韓国では政府レベル、学者レベルでこの隔たりを埋めるための試みを始めたが、成果は一朝一夕に得られるものではないだろう。先日行われた日韓首脳会談でも歴史認識に関するわだかまりの大きさを改めて感じさせられるものとなった。
このようにデッドロックに乗り上げたと思われる歴史認識だが、興味深い取り組みが見られた。韓国のテレビ局がA級戦犯の代表的存在といえる東条英機元首相の孫である東條由布子さんを取材したのだ。東條由布子さんは右派の知識人としても知られ、小泉首相に対して靖国神社参拝を呼びかけている。対中国への妥協策として浮上しているA級戦犯の分祀に対しては当然反対している。
テレビカメラは、靖国神社を参拝する東條由布子さんを捉える。そして放送局のインタビューに答える形だったが、興味深いのは以下のやり取りだ。
東條さん「靖国参拝の何が嫌なのですか?戦後60年たったのですから未来志向で行くべきです。」
ディレクター「そのこと全部が嫌なのです。未来志向というなら、何故過去の過ちを認めないのですか?」
そういえば小泉首相も先日の会談後「韓国国民の過去をめぐる心情を重く受け止めており、過去の問題への姿勢を実践で示すとともに、一時の意見の違いはあっても元の軌道に戻して未来志向で前に進めたい」と「未来志向」という言葉を使っていた。
ニュース番組の断片的な画像だったが、インタビューはかみ合っていないようすだった。しかし東條さんという靖国参拝を象徴する立場の方が韓国メディアで自分の考えを述べることそのものが意義があったといえよう。韓国のTVディレクターも似たようなことを言っていた。
丁度、歴史問題を解決するために遺族同士が一堂に会して意見をぶつけ合うというのはどうだろうか、一時は修羅場になるかもしれないが、その方が解決は早いのではと考えていたところだけに余計興味深かった。
この番組は韓国で8月15日に放映されるそうである。
日韓首脳、靖国問題で溝埋まらず 歴史研究は継続へ (朝日新聞) - goo ニュース
両国が今年に入ってこの問題をことさら強調する背景には、日本政府が積極的に推し進めている国連常任理事国入りに対する牽制があるのかもしれないし、北朝鮮の拉致問題、核問題が引き金となった日本のナショナリズムの高揚を警戒しているのかもしれない。
他国には他国のいろいろな思惑はあるのだろうが、日本は過去に朝鮮を統合し、彼らから自決権を取り上げたり、中国大陸から東南アジアに兵隊を送り何年も戦争を続けたことは事実である。
あれから60年以上を経過し、それぞれの当事国における記憶の歴史は大きな隔たりを見せている。日本と韓国では政府レベル、学者レベルでこの隔たりを埋めるための試みを始めたが、成果は一朝一夕に得られるものではないだろう。先日行われた日韓首脳会談でも歴史認識に関するわだかまりの大きさを改めて感じさせられるものとなった。
このようにデッドロックに乗り上げたと思われる歴史認識だが、興味深い取り組みが見られた。韓国のテレビ局がA級戦犯の代表的存在といえる東条英機元首相の孫である東條由布子さんを取材したのだ。東條由布子さんは右派の知識人としても知られ、小泉首相に対して靖国神社参拝を呼びかけている。対中国への妥協策として浮上しているA級戦犯の分祀に対しては当然反対している。
テレビカメラは、靖国神社を参拝する東條由布子さんを捉える。そして放送局のインタビューに答える形だったが、興味深いのは以下のやり取りだ。
東條さん「靖国参拝の何が嫌なのですか?戦後60年たったのですから未来志向で行くべきです。」
ディレクター「そのこと全部が嫌なのです。未来志向というなら、何故過去の過ちを認めないのですか?」
そういえば小泉首相も先日の会談後「韓国国民の過去をめぐる心情を重く受け止めており、過去の問題への姿勢を実践で示すとともに、一時の意見の違いはあっても元の軌道に戻して未来志向で前に進めたい」と「未来志向」という言葉を使っていた。
ニュース番組の断片的な画像だったが、インタビューはかみ合っていないようすだった。しかし東條さんという靖国参拝を象徴する立場の方が韓国メディアで自分の考えを述べることそのものが意義があったといえよう。韓国のTVディレクターも似たようなことを言っていた。
丁度、歴史問題を解決するために遺族同士が一堂に会して意見をぶつけ合うというのはどうだろうか、一時は修羅場になるかもしれないが、その方が解決は早いのではと考えていたところだけに余計興味深かった。
この番組は韓国で8月15日に放映されるそうである。
日韓首脳、靖国問題で溝埋まらず 歴史研究は継続へ (朝日新聞) - goo ニュース