3年前、震災が起こった時間、私は犬たちと訓練所にいました。
最初の揺れを感じた時、「大きいな」って感じたけど、屋外だったので危機感は無かった記憶があります。
数分後2度目の揺れまでの間に遠くに見えるクレーンが釣り竿のようにへなへなと動いているのを見てはじめて「怖い」と感じた。
そして2度目の揺れ。。。
みんなグランドの真ん中に自然と集まった。
揺れは身体で支えきれないほどではなかったけど、お互いに手をつないだ。
人はそこはかとない恐怖を感じた時、誰が何を言う訳でもなく、一緒に手を取り合うものだと知った。
その後、「絆」という言葉がいろんなところで聞かれた。
その度にお互いに何も考えず輪になって手をつないだ事を思い出す。
被災した人たちももっと強烈に手をつなぎ合うような経験をしたのだと思う。
私は具体的な支援活動はしなかった。
仙台の私のフェルトの先生から、被災者は生活用品とは違ういわゆる身を飾る贅沢品も全て失ってしまったという話しを聞いた。
女性はささやかでも何か生活から離れた品を持ち身につけることで潤いや幸せを感じる。
私の作った贅沢品とは言えないようなフェルトのバッグを送った。
手で擦って転がして作っている間、ずっとあの時手をつなぎ合った瞬間を思い出していた。
忘れる事ができない手の感触をたくさん残してくれた日だった。