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三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

マウス <村田 沙耶香>

2011-03-28 12:19:10 | 

 なんだか不思議な話だったです。

 主人公の田中律っちゃんは大人しくて真面目だそうですが、名前が…(笑)

 律っちゃんつったら、元気印でしょー、みたいな。

 

 それはさて置き。

 

 こっちの律っちゃんは、大人しいというか臆病で真面目な、マウスな女の子なのです。

 しかしまぁ、オンナってのは小学校5年生でももう立派にオンナなんですな。

 既に階級があり、好意や悪意の使い方があざとい。

 人からどう見られるか、自分をどう見せるか、それによってどんなポジションに収まるか。

 そんな事に、とても敏感。

 そういう女子達の中で異質なのが、塚本瀬里奈。

 

 誰にどう見られるかを気にしてない、のではなくて、外の世界が怖すぎて、内の世界に閉じこもっている女の子。

 だから言動は、周りには理解されない。

 突然泣き出すし、突然いなくなるし。

 これって自閉のコなんじゃないのかな。。。。微妙過ぎて、断言できないけど。

 

 で、その瀬里奈は 『くるみ割り人形』 の物語と出会い、その中に入り込み、マリー(くるみ割りの主人公)になりきる事で、普通に(というか普通以上のステータスで)生活していける、と。

 

 ……こうやって書いてみると、これって結構、物議を醸しそうな物語だったのね。

 色々デリケートな問題を、大胆に扱っているような。。。デリケートすぎて、書けないけど。

 

 瀬里奈みたいなコが、ああいう方法で生きていけるのか分からないし、それが世間的にどうなのかとかもわからない。

 けど。

 物語として、私はイヤな感じは受けなかったんだよねぇ。

 

 瀬里奈も律っちゃんも内に向かってるし、暗くて粘っこい感触を受けてもイイのに。

 私には二人とも、キュートな女の子に思えましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マウス (講談社文庫)
村田 沙耶香
講談社

 

 

 


砂漠 <伊坂 幸太郎>

2011-03-24 10:11:15 | 

 タイトルから、もっと荒涼としたすさんだ感じの話かと思ってたんですが。

 どっちかっていうと、砂漠に突入する前のオアシスの話なんだね。 

 大きな事件もなく(いや、当人たちにとっては大きいだろうけど)、何て事ない大学生活のお話です。

 何てことないったって、そりゃーアレやコレや色々あるし、少なくとも私の学生時代よりは起伏が激しいんですけどね。

 読後感は…あっさり?すっきり?

 『そっかそっか、良かったね』 って感じです。

 

 小説としての仕掛けも少ないのかな。

 時系列のあっちこっちもないし。

 どんでん返しとかやられた感や、ドラマチック感は少ないかも。

 でも私は好きです、こういう話。 

 

 あ、麻雀やった事ないから、その辺のリアリティ感じられないのは悔しかったな。

 

 

 以下、ネタばれあり!!

 

 

 

 

 

 

 やはり鳥井君の左腕がなくなるというのは、結構ショックだったなぁ。

 いくらなんでも、そこまで酷い目に合わさなくてもイイんじゃないか、と。

 でも彼自が、それをちゃんと受け止めて受け入れて乗り越えちゃってるから、全然救いはあるのですが。

 空き巣グループが捕まったのは南ちゃんの力のお陰かもしれないけど、ホスト礼一とは鳥井君自身の力で決着をつけたんだものね。

 最初のころはボーリング場であんなに情けなかった鳥井君がねぇ。

 成長したんだねぇ。ホロリ

 

 西嶋は脳内で勝手にカッコ良くなってるけど、ちょっと太ってるし、可愛くないクマみたいなんだよね、確か。

 恰好悪いけど堂々としてる、臆さない、だったっけか。

 そっか、うちのシステム部の○○君みたいな感じか?!

 

 南ちゃんは凄いな。

 何が凄いって、ホンモノノ超能力者って事じゃなくて、そういう力があるのに周りに変な人が集まらなくて、本人も普通に暮らしてるって事なんじゃないかな。

 そういえば西炯子の4コマ漫画か何かで、超能力を使える主婦が、お昼に一人でテレビ見ながら超能力で急須を浮かしてお茶を入れてて。

 「超能力使えるったって、こんなもんだよな」 みたいなのがあったけど、実際もしホントに超能力が使えても、現実ってそんなもんかもね。

 ですが、4年に1度のパワーは凄い。

 

 東堂、どんだけ美人なのだ。

 そして能面的無表情。

 好きだなー。

 

 しかし北村、主人公なのにキャラ薄いな。

 他が強烈過ぎるから、バランス的にああなるのか。

 

 そんな感じの、大学生活のお話です。

 

 

 

砂漠 (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社

 


ラッシュライフ <伊坂 幸太郎>

2011-03-18 14:18:16 | 

 ゴールデンスランバーで再びハマりそうな、伊坂さんです。

 再読です。

 細部はちっとも覚えてませんでしたが。

 オーモーローイーがなーーー!!!

 低温でテンポの良い伊坂ワールドは健在。

 読み終わった後、もう一度最初に戻って読みたくなる事、請け合いです。

 

 扉?中扉?(よく分からん)のエッシャーの絵が効いてくるんです。むふふ

 

 

 以下、ネタばれあり!!

 

 

 

 

 この本、何がオモロイってそりゃもう、構成の妙でしょう。 

 メインの登場人物によって、時系列がバラバラなんだよ。

 最初のうちはそうと気づかないから、混乱するんだよね。

 だから、未来を予言してる人がいるように思えたりするんだけど、実はそれは予言じゃなくて過去の出来事だったりするわけで…

 

 と、頭で考えてると本当にあのエッシャーのだまし絵のように、どこがスタートでゴールなのかグルグルしてくるので、一度時系列に沿って書き出してみたいなぁ。

 それって、野暮かしらん。

 でもマニアックで楽しそう。

 

 結局、青山夫妻は捕まり京子は頭オカシくなったのね。

 歩くバラバラ死体の都市伝説は、京子発信だったのか?!

 自分の欲望の為なら人も殺すという人は、ちゃんと罰を受ける辺り、後味イイですな。

 

 やっぱ黒澤イイですなぁ。

 泥棒なのに。

 人気あるの分かるわ。

 

 

 ラッシュライフは東京芸大生によって映画化されてるみたいですな。

 キャストも超豪華。

 黒澤@堺雅人はちょっとイメージと違うけど、映像化の方も気になりやす。むふふ

 

 

 

 

ラッシュライフ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社

ゴールデンスランバー <伊坂 幸太郎>

2011-03-07 09:53:47 | 

 いや~~~、すんげ~オモシロかった!

 通勤中も家に帰ってからも、ずっと読みふけってしまった。

 

 読んでる間ずっと青柳君逃げて、とそればかりを思っておりました。

 

 ハラハラドキドキ手に汗握る、というよりは淡々と進んでいくのは、やはり伊坂テイストなのでしょうか。

 時間軸の置き方も、私は好きです。

 あと、章(よりもっと小さい?)ごとのタイトルが青柳君と樋口さんの名前っていう。

 くそぅ、あちこち憎いぜコンチクショウ☆

 

 もうすぐテレビで映画が放送されますな。

 堺雅人さんは好きな俳優さんだし。

 超楽しみ。

 

 

 以下、ネタばれあり!!

 

 

 

 

 

 

 青柳君が逃げ切るのは、みんな分かってたのかな?

 私は考えずにどんどん読んじゃったんでアレですけど。

 結局、真犯人であるところの何か大きなものとしては、別に青柳君本人が捕まらなくても、ニセモノでも良かったってことかしらね。

 衆人環視が納得する(してないけど)、分かりやすい形が取れれば。

 

 『20年後』 で語られてる、死んじゃった人達については、実に興味深いですな。

 みんな口封じに殺されたって事?

 小梅ちゃんとか事件にちょっとずつ関わった人達って、自分が果たした役割が何だったのか、あんまり分かってなかった気がする。

 青柳君も含めた全員が集まって話さない限り、全貌は見えないよね、多分。

 そしてそういう風に計画したんだよね。

 すんげー頭イイなー。

 でも関わる人間が多い分、不測の事態も多いわけで。

 三浦君なんてその最たるモノだよね。

 死んじゃったのは悲しいけど。

 もの凄く異常な事態の中で、連続刺殺犯の彼の方が、まともに見えたなぁ。

 

 

 とにかく、青柳君が逃げ切れたのは良かったです。

 顔も変えて、人生も変わっちゃったけど。

 『痴漢は死ぬ』 ってのは、あのエピソードを知らない人間にとっては、嫌がらせの手紙になるんだね。

 ちょっとニヤリとしてしまったよ。

 

 

 

 

ゴールデンスランバー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社

夜は短し歩けよ乙女<森見 登美彦>

2011-03-01 10:15:53 | 

 再読。

 

 んは~~~、やっぱり好き。サイコー。

 私もオモシロオカシイ事を求めて、夜の先斗町、木屋町辺りを歩きたくなりました。

 割と京都、近いからね。

 昔はよく行ったし。

 そういえば、どうでもイイけど、ワタシ電気ブラン飲んだ事あるぞ。

 という事を思い出したり。

 

 『四畳半神話体系』 にも出てきた、樋口先輩と羽貫さんも大活躍。

 羽貫さんのタダ酒を飲む技、是非私も使ってみたい。

 『四畳半~』とは、映画サークルみそぎとか糺の森とか古本市とか、人も舞台もシンクロしてるのだ。

 同じぐらいの時期なのかなぁ?

 じゃないと、樋口先輩は一体何年大学にいるんだ、って事になりそう。

 

 先輩と黒髪の乙女の一人称で、交互に語られる構造なんですが、これもまたオモチロイ。

 乙女の語り口なんてホント、慎ましやかで可愛らしいのです。

 先輩の時は、ちゃんとちょっと情けないし。

 

 とにかく素敵に楽しい森見ワールド全開で、ウキウキ読める感じです。

 そして読み終わった後、お酒が飲みたくなります。

 てか、読みながら飲んでもイイかも。ウッキー

 

 あ、おともだちパンチは、親指を怪我するから危ないと思うんだけどな…と、これは野暮ですな。ぷぷ

 

 

 

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング

コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング

2011-02-28 12:58:52 | 

 もしドラに引き続き、萌え系ビジネス書第2弾。

 

 もしドラより小説っぽい文体。

 んで、もしドラが 『甲子園』 ていう、ビジネスとは関係ないトコまで落とし込んでたのに対して、こっちは女子高生バンドが成功するまでっていう、ちょっとビジネスの匂いもただよう辺りの設定。

 だもんで、ビジネス書って意味では、こっちのが理解しやすいのかも。

 

 んー、でもこっちはビジネス書を分かりやすくって感じで、もしドラはビジネス書を違う世界に当てはめたって感じか。

 言うなれば、こっちは単なるビジネス書。

 あっちは…なんだろ(分からんのかい)

 

 

コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング
西内啓,福吉潤
ぱる出版

記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?

2011-02-22 16:43:26 | 

 こりゃあもう、タイトルの勝利でしょう!

 え?このタイトルに惹かれるのは飲兵衛だけ?

 そそそ、そんな事ないはず!!

 

 私が外でお酒を飲んで一番記憶が飛ぶのが、お会計と帰り道。

 でも大体払ってるし、家に帰れなかった事もない。

 不っ思議ぃ~~~。

 

 酔っぱらった時の脳の状態はどうなっているのか、失った記憶はどこへ行ってしまったのか、常々不思議に思っておりました。

 そこへもってこの本、このタイトル。

 買うでしょ。

 読むでしょ。

 

 

 ふふふ、謎は解けたよ明智君!(お前誰だ)

 

 二人の脳科学者(川島教授は脳トレでも有名)が、お酒と脳の関係について、真面目に書いてるのが笑えます。

 だって、『ほろよい免許制(?)を導入するとイイ。免許皆伝は飲まなくてもほろ酔いになれる』とか言っちゃって。

 飲んでないのにほろ酔いだったら、それはヤバいのでは。

 

 ホント、学者って楽しそうだよなぁ~。

 

 そして謎が解けてスッキリしたワタシは、心おきなくまた飲みに行くのだ。

 

記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか? (新潮文庫)
川島 隆太,泰羅 雅登
新潮社

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら <岩崎 夏海>

2011-02-21 11:28:36 | 

 遅ればせながら、もしドラです。

 昨今流行りの萌え系ビジネス書です。

 

 これ、本屋に並びだした頃よく手にとってはいたんですが、高いし買ってまで読むものなのかという疑問を払拭できず(買うなら本家を買いたい)、うだうだしてました。

 で、この度目出度くお借りすることができまして、読了。

 

 当たり前ですが、これってやっぱり小説じゃなくてビジナス書だよね。

 小説とするには、なんというか文章が硬いというか、流れてないというか。

 でもビジネス書とするには、展開がドラマチックだったりして。。。。小説愛好家(偉そうだな)としては惜しい!って感じ。

 

 でもでも。

 まぁこれはビジネス書なんだし、コレでイイんだろうな、きっと。

 

 本家ドラッカーを読んだことがないから、もとがどれ程難解なのか分かりませんが。

 ドラッカー(あるいはビジネス書)という存在を幅広い層に知らしめ身近にしたこと、ビジネス書を自分の立場に落とし込んで読むという方法を流布したこと。

 この2つが、この本の最大の特長なんじゃないかなー。

 マネジメントの何たるかは、結局この本だけじゃなくても得られるわけだし。

 やっぱ若いコの入りとして、こういうのイイんかなー、と思ったり。

 

 ところで、ワタシ的にはコレを読んで、改めて自分にとっての顧客って何かを考えたわけですが。(会社員だけど、入り方と仕事が皆と違うので、未だに立ち位置を掴みあぐねている私)

 とりあえず一番の顧客は、社内の営業マンなのかな。

 もちろんその営業マンの先に会社としての顧客である得意先がある事も計算に入れて、てのは必須なんですが。

 会社としての顧客があるのは当然ながら、各部署や個人レベルでの顧客を考えると、職務分掌とかそういうのに繋がっていくのかもしれませんな。

 

 てか、そういうのってちゃんとした会社なら、既にできてるのかちらん。

 

 

 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海
ダイヤモンド社

 


テッカ場 <北尾 トロ>

2011-02-15 12:42:55 | 

 なんだろなー、北尾氏の本ってそそるよなぁ。

 でもちっとも役に立たないんだよな。

 鼻毛の時もそうだったけど、まぁくだらん。

 でもオモロイ。

 サイコーっす。

 

 今回は、人々の欲望渦巻く様々な場面のレポです。

 オークションとかコミケとか。

 んで北尾氏オモロイのが、いちいち何かをゲットしたくなってるんだよね。

 まぁそういう人だから、こんだけオモロイ読み物を書けるのかもしれませんな。

 

 それにしてもやっぱり、マニアな人達は楽しそうだなー。

 イベントって、中途半端に参加しても、あんまり楽しめないんだよね。

 本気で心の底からのめり込めるものがあるって、それが何であれ、絶対楽しいと思う。

 イイなぁー。

 

 

 

 

 

 

テッカ場 (講談社文庫)
北尾 トロ
講談社

シアター!2 <有川 浩>

2011-02-10 08:32:56 | 

 えぇぇぇぇ、そこで、そこで続くのぉぉぉぉ???!!!

 このこのぉ~、やってくれるぜ、ニクいぜ有川浩!ニヤニヤ

 

 という感じの 『シアター!2』 です。

 そういえば 『シアター!』 の最後も、確かちょっと物足りないというか、中途半端ではないけれど彼らの未来が気になるぅ、という感じだったなぁ。

 でもまさか続きが出るとは!

 で、嬉しい『2』だったわけですが、まさか更に続くとは!!

 彼らの物語をまだ楽しめるのは嬉しいけど、待ちきれないぃ~ キャッ

 

 やっぱ鉄血宰相司、好きだなぁ。

 こういう計算できる人、イイよねぇ。むふ

 ま、全然鉄血じゃなくなってきてるけど。

 ほだされまくりだし。

 そこもまたイイ。

 あと脅し文句もイイ。

 

 以下、ネタばれあり!!

 

 

 

 

 

 

 

 今回、色々進展があります。

 シアターフラッグの存続についてはもちろんですが、劇団内の人間関係諸々が。

 

 一番ニヤニヤしちゃったのは、ゆかりと小宮山の下りですな。

 なんだろ会話がイイのかなぁ、さすがラブコメの女王って呼ばれるよなぁって感じで。

 

 石丸君も振られちゃったけど頑張ったし、巧もとうとう牧子の気持ちを知ったわけだし、もう目が離せないったら。

 ちょっと、劇団内恋愛度が上がりすぎな気もするけど(笑)

 

 あと、有川さんのお話でイイのは、頑張る女の子だよね、やっぱり。

 ゆかり、カッコ良かったぞ。

 あのオーディションの時なんて、サイコー。

 ドジっ娘スズちゃんも、ちゃんと立ちあがってカッコイイじゃないか。

 牧子もデキる女なりの葛藤とかあってイイんだけど、今回はキレて、でもそこも良かった。

 千歳は言うに及ばず。

 

 女の子たちがみんな一生懸命頑張ってて、ちょっと意地っ張りで、でもその意地が張り切れなくなった時に受け止めてくれる男の子がいて。

 おぉ、これぞラブコメの王道なのか?!

 

 いずれにせよ、早く続きをだしてクダサイ!!

 切に切に、お願いいたします。。。

 

 

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
有川 浩
アスキーメディアワークス