limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

誤認

2017年01月25日 11時00分19秒 | 日記
アメリカ帝国皇帝ジョーカーの「時代錯誤な認識」に、早くも日本の政府・業界が振り回されている。皇帝ジョーカーは「日本でアメリカ帝国製の自動車が売れないのは、不公平な関税障壁があるからだ。日本は、アメリカ帝国内で数十万台の自動車売っている。この様な不利益・不公平は、是正しなくてはならない!!国境税をかけてやる!!」とホワイトハウスで息巻いた。だが、皇帝ジョーカーの日米貿易に関する認識は、35年以上は遅れている。日本でアメリカ帝国製の自動車を輸入する際の関税は「0円」。関税障壁など何も無い。世耕経産相も業界関係者も困惑を隠さなかった。「アメリカ皇帝の認識が・・・」と一様に絶句する異常事態。今から35年以上前の「日米貿易摩擦全盛時代」のまま止まっていることに対して、今後もこうした「時代錯誤クレーム」が飛んでくるのを、またそれに絡めて日本に対して圧力をかけて来る姿勢を恐れていた。昨年、米国フォードの日本法人が日本市場から完全撤退し、115年の歴史に終止符を打った。年間の新車販売台数は5000台前後、日本市場でのシェア0.1%。「今後の成長が見込めない」として、インドネシア事業と合わせての完全撤退に到った。一時はマツダの経営にも関わったフォードの撤退宣言には正直驚いたが、どうやっても販売が上向かねば経営的に退く判断は妥当だ。実際問題としてフォードの車種ラインナップでは、国内メーカーと真っ向勝負に。販売サービス拠点の少なさ、日本の国情に合わない大型の車、右ハンドルの設定がない等ネガティブな部分を挙げればキリがないが、アメリカ帝国製のクルマは「余程の覚悟」を持たないと日本では「維持するだけで大変な苦労」を伴う。都内の狭い住宅街の路地に入り込めば分かることだが、余程の図太い神経の持ち主でなくては、運転は困難かつ至難を極める。税制面でも不利は否めない。GM・フォード・クラスラーのビック3は、日本市場を丹念に調べ上げてクルマを造る事をしていないのだから、販売が伸びないのである。アメリカ帝国仕様をそのまま持込んでも「置く場所すらない」「維持費が高い」「保障に不安がある」の3点で見向きもされない現実をもう一度認識すべきだ。TPP交渉の過程でも「軽自動車の枠」が「不公平だ」と槍玉に挙がったものだが、そもそも「不公平」と言う前に「もう一度日本仕様のクルマを造ってみれば」と言いたい。「もう一度」と言ったのは、過去に「日本向け」と称したクルマがあり、販売もされた実績があるからだ。GMは「キャバリエ」と言う車を「トヨタのバッチをつけて」売り出した事があるし「サターン」シリーズを1997年から2001年まで日本に投入した。クラスラーは、1万ドルを切る価格の「ネオン」を1994年に投入している。いずれも販売面では、一様に「大苦戦」を強いられたが、価格・品質の面で国産車に到底及ばない「低コスト品」だったためで、アメリカ帝国車が「まったく通用しない」訳ではない。クライスラーの「JeeP」シリーズは根強いファンがおり、日本におけるSUVの共通の「ご先祖様」でもあると言ってもいい。1998年まで三菱がライセンス生産したこともあり、「ジムニー」「ランドクルザー」「サファリ」「パジェロ」といった国産クロカン車を生み出すきっかけになった。「チェロキー」「グランドチェロキー」「ラングラー」シリーズの販売は堅調だ。「ラム」を筆頭とするピックアップトラックや「ハマー」「コルベット」「マスタング」「ヴァイパー」「リンカーン」などは、正規ルート以外に並行輸入でも日本に入っている。フォードの「エクスプローラ」は日本において販売の柱であった。まだ全幅が広いが「キャデラック」シリーズも「ATS」「SRX」「エスカレード」を見かけることがある。中古車相場も値崩れを起こす事も無く安定しているし、何よりオーナーが大切に乗る事が多いので、古いモデルでも車両状態がいい個体が数多く流通している。つまり「アメリカ帝国製の車」は、販売台数こそ欧州車には及ばないが、長く大切に乗られているのだ。日本で見向きもされない訳ではなく、アメ車愛好家が1台を大切に乗る事が多いので、存命率は高く買い換えサイクルも長いと言える。理解がある人々にとっては「かけがいの無い愛車」なのだ。こうした「日本に措けるアメリカ帝国車の実態」についての情報は、帝国本国に伝わっていないのだろう。だからこそ「誤解」が生まれ、認識の不足から要らざる「摩擦」の原因となる。ビック3各社は、日本市場をつぶさに調査・分析したのだろうか?必要な要件を満たせば、日本での販売は伸びる可能性はある。フィアット傘下に入ったクライスラーが「右ハンドル」の設定を増やしているのはいい兆候だと思う。「PTクルーザー」の中古車は、サイズも丁度いいせいか今も人気がある。「いいものは売れる」のが日本市場。その「いいもの」をどうやって開発して売っていくか?ビック3各社のマーケティング担当のみなさん「もう一度知恵を絞ってみませんか?」日本は関税障壁など設けておりません。皇帝ジョーカーの側近の方々「皇帝への国際情勢と貿易に関するレクチャーを忘れずにお願いします」徹底して下さい。舌禍で国際紛争・貿易戦争は御免こうむります。北朝鮮の発表に「ツイート」するのは絶対にやめさせて下さい。冗談ではなく本当にICBMの標的にされますよ。