limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

想定外

2017年01月27日 13時11分24秒 | 日記
今年は、西日本の日本海側で「降雪による車の立往生」が起こりましたね。平年の3倍とも伝えられる「想定外の雪」で足元をすくわれた訳ですが、除雪予算とか残ってますか?降雪はある。ある程度の予算付けはしてあった。でも「降り過ぎる」と後々に色々と物議を醸しますから。1番多いのが「役所は何をやっているんだ!」と言う抗議の電話です。自治体のみなさんお疲れ様です。電話の応対だけでも疲れるし、要請・苦情に対して圧倒的に人手が足りない状況で、判断をしなくてはならないのですから心身共にお疲れでしょう。私の居留地である「長野県塩尻市大字山奥」でも、2014年2月15日~16日にかけて南岸低気圧による大雪が降って、自宅前で95cm、市街地でも80cmの降雪を記録しました。高速道路・JR・一般国道は軒並み「通行止・運休」になり、学校も臨時休校。ゴミ収集も不可能になり、生活にかなりの支障をきたしました。到る所で車は雪に埋もれて「立往生」、この時に軽井沢周辺で300台以上の車の立往生が発生して、今回同様に自衛隊に「災害派遣要請」が発せられました。この時の心境は「どうすりゃいいんだ!」しかありませんでした。とにかく、玄関のドアから出られず、勝手口も埋もれて出られず、リビングからしか外部に出るすべがありませんでした。いざ外へ出たところで雪を避ける場所が無いし、車を掘り出すにも悪戦苦闘。生活道路は「獣道状態」になっていて車はとても出せない有様。買物に行くのに子供のソリを使って、食料や灯油のポリタンクを歩きながら引いて運びました。生活道路の除雪が完了したのは、3日後のことでした。長野の周辺地域でも深刻な事態が起こりました。山梨県は「県そのものが孤立」してしまい、ヘリでコンビニの物資輸送が行なわれましたし、東京都の奥多摩地区も積雪と倒木で孤立状態に。鉄道と高速道路の全線開通には、1週間はかかりました。私の居留地である「長野県塩尻市大字山奥」は、長野県の中でも「あまり雪は降らない」地域にあたります。降ったとしても30cmがせいぜいでした。ところが、近所のおじいちゃんも「ここに暮らして83年になるが、こんなに積もったのは初めてだ」と言わしめた豪雪でした。原因は、低気圧の進行スピードが遅く、長時間同じ場所に雪雲がかかり続けたことでした。今回も気象条件は違いますが、パターンとしては同じことですよね。こうなると、困るのが「除雪した雪の捨て場所」の確保です。当時、市が管轄している市有地すべてを開放しましたが、とても受け入れきれず、ヤケクソになった市は重機で踏み固めて「ピラミッド」を造りまして「枠」を確保する手に出ました。その結果、5月になっても溶けずに残雪が土地を占拠するハメになりました。あの時は本当に大変でした。あらゆる面で。自宅のカーポートの屋根が雪の重みで潰れただけでなく、車も巻き込まれ「廃車」の憂き目にあった人も大勢いましたし、潰れたカーポートを撤去するのにも数ヶ月を要しました。業者の手が足りなくなり、休みなしでフル回転しても処理が追いつかなかったのです。行政も「除雪対策・体制の再構築」で叩かれまして、3年間をかけて除雪機械の配備を行なわざるを得ませんでした。市内の建設業者とも提携を結んで、除雪体制を整えなおしました。数十年に1度あるか無いかの事態が実際に降りかかったことで、体制は整いある程度の懸念は払拭されましたが、今もって雪が降るとなると「降るな!」と祈りたくなります。同じ長野県の中でも独自の対応をしている市があります。大町市です。塩尻市の遥か北側ですから降雪量も多いのですが、降った場合の対応はまるで違います。降雪量が10cmを超えると昼夜に関係なく、市内の建設業者と自動車整備業者が一斉に「除雪」に走り始めます。業者は「小型トラックか四輪駆動車に小型の除雪ブレードを装備した車両」を持っていて、積もる前に市内の道路を隅から隅まで除雪していくのです。業者と市は提携を結んでいて、降雪時には初動除雪を担っています。大雪になった場合は県と市も動き始めますが、初動である程度の除雪は出来ているので、立往生が起こることはまずないそうです。大町市と・塩尻市の除雪の状況を比較すると、こちらが除雪に必死になっているのに対して、大町市は余裕で車を走らせることが出来るくらい違うそうです。自治体単独ではなく民間の力も余すことなく生かすこの方法は、大町市が編み出した独自の対策ですが、降雪地域の自治体の除雪対策の参考にはなると思います。今回、大雪で苦労された自治体の方々、一考の価値はあると思いますよ。