limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

EMで学ぶ「写真の基本」

2017年01月10日 21時32分52秒 | 日記
最近、写真が分からなくなってしまった。唯一の趣味であり、ライフワークとも言えるものなのだが、どうもしっくり来る写真が撮れない。散々、考えたし色々と試行錯誤もやっては見た。でも、納得のいく結論が出てこない。「なぜだー!!」と叫んだら、一つだけ思いつくモノが見えた。「全部デジカメじゃん!」一眼レフもコンパクトもみんなデジタル。己の「基本」を疎かにして、納得のいく写真が撮れるわけがない。フィルムカメラなら魔窟の中に何台かあったはずだと、久々にバックを引っ張り出して見ると、一昨年に手に入れた「ニコンEM」が出てきた。MFレンズも3本見つかった。ニコンF4も2台あった。でも、AFが使えるF4は次の機会に回すとして、EMで「基本」を覚えているかの試験をすることにした。では、まずニコンEMと言うカメラの紹介から。

1980年3月「リトルニコン」と言う愛称を付けて発売されたニコンEMは、絞り優先AEのみと言う軽量小型一眼レフ。当時の最上位機種F3と同じく、イタリアのデザイナー「ジウジアーロ氏(車のデザイナーとしても有名)」によるボディデザインは、F3とはまた違った意味で秀逸なもの。本体のみの重さが460gだから、ニコンMF一眼レフの中では、もっとも軽い部類に入る。手の中にすっぽりと収まるような小さいボディとバランスのとれたデザインは、決して持ちにくいことはなく、誰の手にも心地よくフィットする。AE専用機なのに、AEロックがなかったり、露出補正機能が簡素化されていると言った欠点もあるのだが、今の時代になって改めて使ってみると「やっぱりニコンだ」と言わしめる実力をちゃんと持っている。

1980年発売と言うことは、言うまでもなく「フィルムカメラ」である。撮影をするにはフィルムを「装填」しなくてはならない。巻き上げも手動、フィルム感度も手動設定、フォーカスはレンズのピントリングを手動で回し、ファインダー内の水平スプリットスクリーンを見ながら調整。絞りだって露出計を見ながら絞りリングを回す。すべての操作は「人の手」で行う必要がある。しかし、久しぶりにこうした事をやるとなると、案外楽しい。今は、何でも自動でタッチパネルが当たり前だが、手作業で撮影すると言うのも中々味があると思った。しかも、撮影した写真は「現像してプリントするまで分からない」のだから、ある意味「失敗もあり」なのだ。デジタルならその場で見えて消せると言う利点があるが、1枚1枚を真剣に撮った上でのミスショットなら、何となく許せる気持ちになる。もっも、フィルムを「装填」に失敗したら台無しだけれど、自分はこうしたカメラで写真を覚えたのだから、何年かぶりの里帰りではある。多機能で便利の限りを尽くしたデジカメから、フィルムへの再回帰。以外に体は素直に反応してくれた。まだまだボケてはいないらしい。

ニコンEMボディ+Ai43-86 F3.5
他に、シリーズE36-72 F3.5とAi50-135 F3.5の計3本があります。年代物ではありますが、使ってみるとその「シンプル イズ ベスト」に驚きます。