29 日米関係 -18-
ⅲ ペリー来航・不平等条約・攘夷 -10- (ⅲ:完)
■まとめと考察 2/2-② ~まとめ表再掲~
1 「安政の大獄、攘夷運動の高まり」の描き方
・各社ほぼ同じ。「公武合体(論・活動)の始まり」についていくらか違うが、歴史事象の解釈などの違いによるものらしい。
2 「吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作など」の描き方
・各社の「価値づけ」などの違いが反映されているようだ。ただし、坂本龍馬については、最近「欧州の武器商人の影響下にあったのではないか?」との(かなり説得力がありそうな)主張が目につくので、将来も教科書に載るかどうか分からなくなりつつあるのかもしれない。
3 「対馬事件、薩英戦争、下関戦争」の描き方
●薩英戦争という、《歴史の転換期における重大事件》を書いていない。 → △ 清水書院。
※それによって薩摩藩の方針が変わった(らしい)ので、薩英戦争は落とせないのではないだろうか。
4 「薩長両藩の動き」の描き方
・「開国 → 文明開化」の流れを重視するグループと、「国防のため → 倒幕」の流れを重視するグループがあるようだ。
5 「経済関係(貿易)」の描き方
・「金の流失」・・・その量の推測のちがいで、歴史的重み(の評価)がちがうようだ。
・「民衆の反乱(?)」・・・書いているのは、東京書籍、日本文教、清水書院、学び舎の4社。 (編集者あるいは著者の好みの問題か?)
※戦後日本の公教育の内容に欠けているもの・・・現役(小学校勤務)のころから、《「社会科」の教科書に決定的に欠けているのが、「国際政治・軍事的教養」と「実体経済的教養」だ》と強く思っていました。恐ろしいことに、どちらも《日本が世界と競争しながら、将来に向けて生きぬいていくための”基本的知識”》です。戦後日本の社会科教科書は、本当は子供たちに「シビアな現実の社会」を理解させなければいけないのに、実際は《現実味のないキレイゴトがかなり詰まっている》と思ってください。
~次回から、ⅳ(明治維新-日露戦争以前)~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
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