言い訳、します。
深夜の妄想です。
新曲のカップリングになってる2曲めと3曲めを聴いてるうちに、
浮かんでしまったとあるフレーズを使いたくて、
一晩で一気に書き上げていました。
日をおくと、恥ずかしさに書き直したくなるので、
さしたる手直しもせずに、UPさせます。
こんな恋を、彼が選択するとは思わないけれど、
彼と恋をしたら、こんな夜もあるのかもしれない、と、
思いつつ、
ここで、彼に不器用なほど愛される女性になってみたくて仕方ない私です。
お付き合いくださる方は、続きからお願いします。
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STORY.31 約束
ふたつの鼓動が重なる。
静寂に吐息がこぼれて、鮮やかな華が咲く。
闇が揺れて、軋む。
深く淀んだ澱の中から、這い上がろうとする獣。
吸いつくように形を変える、
白く柔らかなぬくもりの奥に潜む、怯えた獲物。
湿った風が、吹き抜ける。
「イヤ、こんなのは、イヤ・・・」
うわごとのように繰り返しこぼれる言葉とはうらはらに、
次第に熱さを増していく身体が、
俺を受け入れる。
濡れていく、
溢れていく、
互いに抱えた、せつないまでの激流。
わかってる。
わかってんねん。
こんなことに、なんの意味もないってことくらい。
せやけど、
こうすること以外、
彼女に、俺の想いを伝えるすべが見つからんのも、事実やから。
千のプレゼントより、
万の言葉より、
たった一回、肌を合わせることで伝わるもの。
そばにいたい。
そばにおってやりたい。
それが許されるなら、
こんなにも、愚かな炎に身を焼きつくすこともなかったんやな。
身勝手な、
子供じみた、
俺のわがままの果てを、
彼女は、
それでも受け入れてくれた。
俺だけの女性には、なられへん。
たったひとつの、小さな制約。
大きすぎる代償を支払ってまで、俺には溺れられへんという彼女を、
それでも、
こんなにも欲してる自分に、腹がたつ。
女やったら、どこにでもおるのに。
言い寄ってくる、
求められる、
一晩だけの、
欲望を処理するだけの、そんな関係やったら、
ラクやったのに。
どこで間違えた?
どこからやり直したら、ええ?
俺の腕の中で啼く彼女が、こんなにも愛しいのに、
なんで、
泣かすことしか出来へんねん。
間違えたんは、俺か?
彼女か?
その答えは、どこにあるん?
いや・・・
どこにもない答えを、俺はいつまで探して歩くんや?
蒼い炎が、俺の中で、燃え盛る。
冷たくて、
熱い。
熱いほどに、冷たい。
炎にさらされて、硬く己を誇示し始めるモノの行きつく先は、
どこにあんねん。
「きて・・・」
かすかに、でも確かに、
俺自身を呼ぶ声。
満たされぬ思いを、ひとときの快楽で埋めようとする彼女の、
その姿が、いじらしい。
誰かの代わりだと知って、
それでもいいと覚悟して、
俺は彼女を手に入れた。
そうしてまで、この身に欲しいと望んだ女やから。
やがて、いつか、終わりは来るんかもしれん。
彼女が望むものが、彼女の手に戻ることやってあるだろう。
唐突に、俺の気が変わることやって、あるやもしれん。
せやけど、今は、
今、この時間だけは、
ここに彼女を抱きしめて、離したくなくて、
俺だけを見てて欲しくて、
求めて欲しくて。
力まかせに抱く以外の方法があるんやったら、
誰か、俺に、教えてくれ!!
闇が悲鳴をあげる。
彼女の爪が俺の背中に、突き刺さり、
紅くにじんだ痛みが、さらに俺を高みへいざなう。
彼女に訪れる恍惚の刹那。
解き放つように、銀の閃光が俺を突き抜けていく。
この一瞬、
この一瞬だけが、
俺と彼女に与えられた、至福の刻。
ええわ。
ほかに、なんもなくても。
普通の恋人同士やったら、あたりまえの風景、
たとえば、
輝く空も、木々も、
甘い夢も、
限りない時間も、
未来さえも引き換えにしたって、ええ。
ここに、
この腕に彼女を。
この一瞬を、約束させてくれ。
FIN.
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浮かんでしまったとあるフレーズを使いたくて、
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こんな恋を、彼が選択するとは思わないけれど、
彼と恋をしたら、こんな夜もあるのかもしれない、と、
思いつつ、
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ふたつの鼓動が重なる。
静寂に吐息がこぼれて、鮮やかな華が咲く。
闇が揺れて、軋む。
深く淀んだ澱の中から、這い上がろうとする獣。
吸いつくように形を変える、
白く柔らかなぬくもりの奥に潜む、怯えた獲物。
湿った風が、吹き抜ける。
「イヤ、こんなのは、イヤ・・・」
うわごとのように繰り返しこぼれる言葉とはうらはらに、
次第に熱さを増していく身体が、
俺を受け入れる。
濡れていく、
溢れていく、
互いに抱えた、せつないまでの激流。
わかってる。
わかってんねん。
こんなことに、なんの意味もないってことくらい。
せやけど、
こうすること以外、
彼女に、俺の想いを伝えるすべが見つからんのも、事実やから。
千のプレゼントより、
万の言葉より、
たった一回、肌を合わせることで伝わるもの。
そばにいたい。
そばにおってやりたい。
それが許されるなら、
こんなにも、愚かな炎に身を焼きつくすこともなかったんやな。
身勝手な、
子供じみた、
俺のわがままの果てを、
彼女は、
それでも受け入れてくれた。
俺だけの女性には、なられへん。
たったひとつの、小さな制約。
大きすぎる代償を支払ってまで、俺には溺れられへんという彼女を、
それでも、
こんなにも欲してる自分に、腹がたつ。
女やったら、どこにでもおるのに。
言い寄ってくる、
求められる、
一晩だけの、
欲望を処理するだけの、そんな関係やったら、
ラクやったのに。
どこで間違えた?
どこからやり直したら、ええ?
俺の腕の中で啼く彼女が、こんなにも愛しいのに、
なんで、
泣かすことしか出来へんねん。
間違えたんは、俺か?
彼女か?
その答えは、どこにあるん?
いや・・・
どこにもない答えを、俺はいつまで探して歩くんや?
蒼い炎が、俺の中で、燃え盛る。
冷たくて、
熱い。
熱いほどに、冷たい。
炎にさらされて、硬く己を誇示し始めるモノの行きつく先は、
どこにあんねん。
「きて・・・」
かすかに、でも確かに、
俺自身を呼ぶ声。
満たされぬ思いを、ひとときの快楽で埋めようとする彼女の、
その姿が、いじらしい。
誰かの代わりだと知って、
それでもいいと覚悟して、
俺は彼女を手に入れた。
そうしてまで、この身に欲しいと望んだ女やから。
やがて、いつか、終わりは来るんかもしれん。
彼女が望むものが、彼女の手に戻ることやってあるだろう。
唐突に、俺の気が変わることやって、あるやもしれん。
せやけど、今は、
今、この時間だけは、
ここに彼女を抱きしめて、離したくなくて、
俺だけを見てて欲しくて、
求めて欲しくて。
力まかせに抱く以外の方法があるんやったら、
誰か、俺に、教えてくれ!!
闇が悲鳴をあげる。
彼女の爪が俺の背中に、突き刺さり、
紅くにじんだ痛みが、さらに俺を高みへいざなう。
彼女に訪れる恍惚の刹那。
解き放つように、銀の閃光が俺を突き抜けていく。
この一瞬、
この一瞬だけが、
俺と彼女に与えられた、至福の刻。
ええわ。
ほかに、なんもなくても。
普通の恋人同士やったら、あたりまえの風景、
たとえば、
輝く空も、木々も、
甘い夢も、
限りない時間も、
未来さえも引き換えにしたって、ええ。
ここに、
この腕に彼女を。
この一瞬を、約束させてくれ。
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