電気羊に旅を

「東南アジア一人旅32日」からブログタイトルを変更。東南アジア・中国・ネパール・インドの旅日記あり。南米ネタを公開中

デスノートの死神界はバチカンにある

2007年02月21日 | 写真でヒトコト
バチカン博物館 球体
なんだか言い出すタイミングが無くて なかなか発表してませんでしたが、
2006年5月4日から8月3日までの3ヶ月間、ヨーロッパを旅してました。

ブログの方は、一年前の中国の旅をまったりと更新していましたので、日本にいなかったと気づいた方は少なかったのではないでしょうか?
前科があって、エイプリルフールにこんな記事(→コチラ)を書いたりしましたが、今回は 普通にサラっと発表です。

ところで、
上の写真は、その旅で撮ったものです。
場所は、イタリアのローマに位置する世界一小さな国ヴァチカン市国(バチカン市国)、そこにある「バチカン博物館」です。

バチカン博物館 球体
大きさが およそ直径4メートルほどある金色のオブジェ・・・

ヴァチカン美術館 球体
ヴァチカン博物館の中庭に ちょっと唐突な感じで置かれています。

バチカン博物館 球体
このように時々、係員が来てこの球体を回したりします。

バチカン博物館 球体
その後は惰性でしばらくゆっくりと回ります。ほらっ動いてるでしょ?

さて、何故突然こんなオブジェを紹介するのかと言いますと・・・
このオブジェをみて何か思い出しませんか??

僕がこの博物館の中庭に入りこのオブジェを見たとき瞬時に頭をよぎったのが、

「あ!これデスノートの死神界にある 人間界をみるときの「穴」じゃん!」

デスノートを読んだ人なら分かるハズです。
「死神界から死神が人間界を覗くための装置」です。
人間の残りの寿命をもらう為、死神がここから人間界を覗き、「死神の目」で名前を見てデスノートを使い殺すわけです。

ヴァチカン博物館 球体
遠くから見るとこんな感じですが、この写真のオブジェ部分をアップすると・・・

バチカン博物館 球体
コミック4巻の27話で、死神ジェラスが人間界を覗いているときの球体と穴の空き方とかヒビの入り方なんかそっくりだと思いませんか?
ぜひ確かめてみてください。

バチカン博物館 球体

ヴァチカン博物館 球体
コミック12巻の108話(最終話)の最初のページの3コマ目を見てもらうと分かるとおり、
内側にもう一つ球体があり、内部は四角い板が重なっている構造になっているのが分かりますが、それもそっくりです。

ここカトリックの総本山ヴァチカンが死神界なのか?死神界からこの球体が落ちてしまったのか?



中国・敦煌 砂漠
↑この敦煌の砂漠で撮ったこの写真と上の写真の2枚ほどをフォトショップで加工して
「コミック12巻の108話(最終話)の1ページの2コマ目」を再現してみました↓
結構そっくりでしょ?



バチカン美術館 球体を使ってデスノート死神界を再現




[バチカン市国・バチカン美術館]


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2007年02月04日 | 写真でヒトコト
ホネ

この物語はフィクションです。


----このノートに名前を書かれた人間は帰国する----


僕は、大阪から船で中国にわたり、東南アジアを旅しているバックパッカーだ。
ユーラシア大陸を陸路で横断するのが僕の目標だ。


名前はライト。
旅先の宿で夜な夜な始まる日本人バックパッカー同士による歴史討論会で
右翼的発言を繰り返すことから付いたあだ名だ。


旅を始めてから数ヶ月、当初 出会う出来事すべてが新鮮であり感動だった。
しかし、長期旅行の宿命が徐々にその感動を奪っていく・・・退屈な旅生活を送っていた。


そんな中
僕は道端に落ちていた薄汚れたノートを拾う。


「TABI NOTE」


それは驚くべきノートだった。
そのノートに名前を書くと、書かれた人間を強制的に出身国に帰国させることができるというのだ。


そう、バックパッカー的な旅をしていると各地で不愉快な旅人に出会うことがある。
人に頼る者、ベテラン風をふかす者、自分の主義主張を押し付ける者・・・。


旅人A「えっ君 地球の歩き方なんか持ってるのぉ?、ププッ、ダセー!」
旅人B「マクドナルドなんて行ったの?おれは屋台メシしかくわねーぜ、お前ペーペーだな」
旅人C「アジアに来たら料理は手で食べるべきなんだよ、スプーン使うなんてバッカじゃねぇ」


旅人界は腐ってる・・・


ガリガリ・・・削除・・・ガリガリ・・・削除・・・


(旅人A バックパックを盗まれて帰国)
(旅人B 原因不明の腹痛に悩まされ帰国)
(旅人C 野犬にかまれ狂犬病にかかり緊急帰国)


ふふふっ・・・これで世の中は、徐々にやさしい旅人だけの世界になっていくはずだ。
僕ならできる、いや僕にしか出来ないんだ。


僕は旅人界の神になる!!


僕の旅は、旅人界の掃除とともに順調に進んでいた。
しかし、カンボジアのプノンペンで、ある男に出会ってから状況が一変する。


「君、日本人?」
「は・・・はい、そうですけど」
「次 どこにいくの?」
「僕は明日ベトナムのホーチミンに行こうと思ってます」
「オレもちょうどそこに行こうと思ってたところなんだよねぇ、一緒に行ってあげるよ」


そんな調子で
この変なおっさんと一緒に旅をするはめになった。
初めは、ベトナムだけかと思ったのだが、当然のように僕の行く先をついてくるのだ。


ある時、ベテランバックパッカーにこういわれた。
「今度は君か・・・また被害者が・・・」


聞くと彼は旅人界では有名であるらしい。
彼は こう呼ばれている・・・「デューク西郷」。
人の背中ばかりを追っかけたあげく、
その旅人の旅する意欲を失わせ次々と帰国させてしまうことから付いたあだ名だ。


彼は僕に着いてくるだけではない。
宿の値段交渉、バスや列車のチケット購入など・・・なにもかも僕にやらせるのだ。


「オレは何もしない、ただ旅友として口出しはするがな」


いい迷惑だ。


なんとかして彼を帰国させたい。そう、僕にはタビノートがあるんだ!
だが彼は決して本名を教えてくれない。
かなり、あだ名が気に入っているとみえる。
何度もチャレンジしたが徒労に終わった。


「デュークさん、いいかげん僕だけには本名教えてくださいよぉ」
「オレの名はデューク西郷。オレの後ろに立つんじゃねぇ」


くそ!こればっかりだ。


だが彼を帰国させる方法がただ一つ存在する。


ーーー僕に恋をさせること・・・


告白し、日本行きのチケットを受け取ってもらえればキスして帰国となる。
しかし、これは論外だ。
美女ならともかく、なんでこんなおっさんと・・・それに僕はまだ旅をしたいんだ。


そんな状況に耐えながらも、しかたなく旅を続けるしかなかった。


ある日、インドの聖地バラナシで極度の腹痛と下痢におそわれてしまう。
何がいけなかったのか?
昨日食べたモナリザの「とろとろチーズスパゲティ」か?
ベンガリートラ沿いの店で食べた「てんぷらうどん」なのか??


そうだ下痢止めだ。中国で買った効果抜群の薬がある。
計画通り!!
こういうこともあろうと、余分に買っておいた僕の勝ちだ。


だが、腹痛は一向におさまらない。
し・・・しかし・・・こんなはずは・・・・・・どういう事だ・・・


そこに、悪びれることもなくデュークが信じられないことを言う。
「昨日の晩、お前の下痢止めをバファリンと摩り替えさせてもらった」
「な・・・なぜだ!!?なぜそんなことをする!」
「いやぁ、バファリンの半分はやさしさで出来てるって聞いたから、試してみたくて」


下痢にはきかねぇよ!


もがき、のた打ち回る僕を見てデュークは こう言い放つ。
「お前にはもう少し期待していたんだが、終わりだ。帰国しろ」


嫌だ!帰りたくない!!
帰りたくないーーー!!


下腹部の激しい痛みに苦しみながら、目の前が真っ暗になっていく・・・





うすれていく意識の中、中学時代の恩師の言葉が頭をよぎる。




安西先生AA

「あきらめたら そこで旅は終了だよ」


あ・・・安西先生・・・!!


僕の瞳に涙が溢れてきた


「旅がしたいです・・・・・・」


そして激しい下痢に見舞われながらも3ヶ月間なんとかインド一周の旅をすることになる。
しかし、きついインドの旅で燃え尽きた僕は
あっさり次のパキスタンで帰国してしまう。


下痢の原因は赤痢だった。


ーーーエピローグ

舞台は日本の浜辺。
療養中のライトがランニングシャツを着て腰を下ろして何かを読んでいる。
伸びた髪は短髪に、汚い不精ひげは無くなり、かつてのヒッピー風の風貌は見る影も無い
彼の手にはインドで出会った日本人女性からの手紙。


(ライト君、デュークさんは 新しい旅友みつけて、まだ旅してるみたいヨ)


「また被害者が・・・」


そこに近寄る初老の看護婦「さぁ、今から治療よ、厳しいわよ」
「ははっ、愚問を」
さわやかな顔で振り返り、こうつぶやく・・・


「旅人ですから」