電気羊に旅を

「東南アジア一人旅32日」からブログタイトルを変更。東南アジア・中国・ネパール・インドの旅日記あり。南米ネタを公開中

街角のミイラ

2009年03月27日 | 写真でヒトコト
ボリビア ラパス リャマのミイラ
ボリビアの首都ラパス。
このような普通の街角でリャマの子供のミイラが売られているのを目にした。

ボリビア ラパス リャマのミイラ
日本に帰って調べてみると、

「リャマの胎児をミイラにしたものがラパス市などのアンデス地方の町で売られている。これは、家を新築する際に家の下に埋めて家内安全を願うために用いられている。ミイラの代わりに、リャマの形をした土偶を埋めることも多い。これらはいずれもインカ時代の生贄の風習の名残であると思われる。」
リャマ(Wikipedia)

・・・とのこと。

ボリビア ラパス リャマのミイラ
それにしても、いくらボリビア人には なじみのある物だとしても、よくもまあ無造作に置くもんだ。

ボリビア ラパス リャマのミイラ
写真では分からないでしょうが、結構 まわりは異様な臭いがします。
なんらかの成分が大気中に出ていて怖いので息を止めながら店の前を通り過ぎる・・・。

ボリビア ラパス リャマのミイラ
この写真、おばあちゃんと一緒のフレーミングだが、深い意味は無い。




・・・肌ツヤツヤだし


[ボリビア・ラパス]

僕らの手のひらにハートを

2009年03月15日 | 写真でヒトコト
エルサレム旧市街
今年に入って、イスラエルのガザ地区への爆撃被害のニュース、村上春樹さんのイスラエル賞受賞時の「壁と卵」スピーチなどイスラエル関連のニュースがありました。

その流れもあって今回は、
僕が中東での旅で遭遇した、イスラエル・ヨルダン川西岸地区とエジプト・ナイル川の二つの地域を結ぶ出会いの話をしたいと思います。



僕がイスラエルのエルサレムに行ったのは2007年11月。その4日目のこと・・・。
エルサレム旧市街の主な観光スポットは行きつくし、当初行きたいと思っていた残りの場所は、エルサレムから数十キロ離れたキリスト生誕教会があるベツレヘム。
しかしそこはパレスチナ自治区(※注)だ。僕は行くことをためらっていた。

前日まで、宿の旅人の何人かに聞くと、ベツレヘムを訪れている人は多かったが、やはり不安だった。
この数日前に訪れていたヨルダンの宿では、例の香田さん(イラクに行き殺された若者)がイラクINする直前に泊まった宿の情報ノートに書かれた多くの情報やエピソードなどに触れていて、少しでも「危険な場所」に行くことに心が揺れていた。

ここで賭けをした。バス停に行きベツレヘム行きのバスが無ければ行くことを辞めようと。

そう思い向かったバス停に到着すると、バスが発車するちょうど寸前だった。

「これは行けということか」

勝手にそう判断し乗り込み、向かうことになった。
結局、目的のベツレヘムのキリストの生誕教会に行った時にはヨーロッパのツアー観光客がワラワラいて安心したけど・・・。

詳しい話をしたいのですが、このときの日記はあまりにも強行スケジュールだったので書いていません。
(※2008年12月と1月に紛争があった場所はエジプト側のパレスチナ自治区ガザ、そことは別のエルサレムに近いいわゆるヨルダン川西岸地区の話です)

ベツレヘム 分離壁
さて、一般の人がどこまで知っているかは分かりませんが、現在ヨルダン川西岸地区との境界には「分離壁」と呼ばれる壁が作られていっています。
表向きは、テロリストがイスラエルに侵攻することを防ぐものとされているが、本来の目的はパレスチナ人をヨルダン川西岸へ封じ込めようとするもの(しかも、壁自体がパレスチナ側に食い込むように建設されている)。


ベツレヘム 分離壁

ベツレヘム 分離壁

ベツレヘム 分離壁

ベツレヘム 分離壁
観光客は自治区に入るときにあたかも国境をこえるかのように、パスポート提出や簡単な荷物検査があります。
写真は、キリスト生誕教会からの帰り、タクシーで分離壁へと向かう途中に撮ったものです。

壁に近づくことは危険だといわれていたが、意外に落書きやらアート作品が描かれていることに驚いた。
もっとも印象的だったのが、自治区のチェックポイント(出入口付近)に描かれていたこのアート(↓)。


ベツレヘム Five Fingers of The Same Hand

ベツレヘム Five Fingers of The Same Hand
壁に白く下地を塗り、そこに手のひらのイラスト。
5本の指の先端には「Buddhist(仏教)」「Hindu(ヒンドゥー教)」「Muslim(イスラム教)」「Jewish(ユダヤ教)」「Christian(キリスト教)」という文字とそれぞれの宗教のシンボリックなイラスト、手のひらの真ん中にはハートマーク。
タイトルは「Five Fingers of The Same Hand」。
このイラストの願いは、僕が書かなくても伝わると思います。

てっきり僕はこのとき、もう何年も前からここに描かれているイラストだと思い込んでいた。


エジプト・ルクソール・ハトシェプスト女王葬祭殿
さて、時と場所は飛んで、その11日後、エジプトのハトシェプスト女王葬祭殿。
ここは数年前にテロがあり日本人を含む多くの観光客がライフルなどで殺された悲しい場所・・・。
そこを観光し、遺跡から出ようとしたとき、目の前の外人のTシャツに目がとまり思わず指をさして叫んでしまった。

エジプト・ルクソール・ハトシェプスト女王葬祭殿 Five Fingers of The Same Hand
英語で「このイラスト、二週間ほど前にベツレヘムの分離壁でみたよ!」と話しかけると、
なんとその外人は「俺が描いた」と言う。

エジプト・ルクソール・ハトシェプスト女王葬祭殿 Five Fingers of The Same Hand
感動する僕を見て、デジカメを出しその作業中の写真を僕に見せてくれた。しかもその絵が描かれたのは僕がベツレヘムに行った一日か二日前の出来事だった。
話を聞くと、このイラストの元はインドネシアで行ったボランティア活動の一貫だそうだ(バリ島の爆弾テロ関係で)。

エジプト・ルクソール・ハトシェプスト女王葬祭殿 Five Fingers of The Same Hand
ミーハー心を発揮しサインをもらってしまった・・・。

彼の名前は、NASH。
日本に帰り彼と連絡を取りたくてネットで探しても見つからずメールアドレスを交換しなかったことを後悔したが、先日ひょんなことから「Five Fingers of The Same Hand」で検索してみたら、「Flicker」経由で彼のHPに辿り着くことができた。


Philip Nashのホームページ


こういう出会いがあるから旅は楽しい。




※このエピソードと彼の写真を公開するのを迷いましたが、彼のHPに顔写真出してるしグラサンかけてるのでUPすることにしました。
もし機会があれば彼のページを翻訳したものをUPできたらと考えてます。

If Nash see this article, could you contact me,please.

[写真 前半;イスラエル ベツレヘム  後半;エジプト ルクソール]


<関連HP>
ある村上春樹ファンによる、エルサレム賞受賞スピーチ全文和訳(琥珀色の戯言さん)

イスラエル 外務省海外安全ホームページ