
7:20AM アラームで目を覚ます。シャワーを浴び、そっと出かけの準備。もうロシア人二人はいない。他はまだ寝ていた。
外灘(わいたん)に行けば、朝の太極拳でも見えると思い、向かったが、8時過ぎた今ではもう遅すぎたようだ。

昨日見れなかった豫園(よえん)へ。
向かう途中、いい雰囲気の路地があり進入。あまり外国人が歩かない通りで、自分のでかいレンズを備えた一眼カメラは相当に目立つ、多くの視線を感じる。
写真を撮るのが気まずくて、路地を出るときに数枚撮影しただけ。

30元(約390円)払って、豫園(よえん)の中へ。うーん、まあまあ かな。
今日は遠くの「周荘」に行く為、バスターミナルへ行く。メトロ(3元=約39円)に乗ってスポーツ体育館に降りる。
地図を見ると歩いて2,3分のところに そのバスターミナルがあるのでそこに行くが「地球の歩き方」に載っている「游遊4号線」のバスがみつからない。
そこにいる職員にガイドブックの「周荘」の文字を見せ、手帳を渡す。初の筆談だ。しかし、相手が書いてくれる文字が読めない・・・。とりあえず彼女が指差す方向に行くがわからない。
もう一度、別のおばさんに聞くと、わざわざ建物から出て歩いて 遠くの体育館を指差した。「アレの下だ」というジェスチャー。
その地下にあたる地下鉄の事だと思い、路線図を確認しに行くが、路線は近くで終わっている。違う・・・。
あきらめようかと思ったが、ダメ元で体育館に向かってみた。
やっぱりダメ。まあ、飲み物でも買うかと売店に近づくと、バスが沢山停まっている・・・。ここだ!まだ10:30AM。朝、ホテルの従業員に聞いたら、バスで2時間くらいかかると言っていたので、まだ時間的にOKだ。
「游遊4号線」のバスを発見するが、中に入れる雰囲気ではなかった。
すぐ近くにバスのチケット売り場と待合所があった。どうやらここで買うようだ。時刻表を見ると、周荘行きのバスは次が12:00PMになっていた。
案内所のカウンターでガイドブックの「周荘」の文字を見せ、腕時計(はめてないけど)を叩くジェスチャーをする。10:55AMに出発のバスがあるらしい。
売り場でチケットを購入、10:55AMに出発-5:30PMに帰ってくる往復のバスで145元(約1885円)。なぜか妙に高いが、買うことにした。
売店で昼飯用として2.5元(約33円)のパンを買う。言われた場所のゲートの前のベンチにしばらく座っていると、周荘のパンフレットを持っている自分を見て、制服を着た男がコッチだ と案内。もうバスは来ていたんだ。彼に言われなかったら乗れなかったかもしれない。
バスは日本の観光バスのような綺麗なもの。
10:55AM 走り出すと、女のバスガイドが水を配りだした。水のペットボトルの置き場に困っていると、隣のおっちゃんが、目の前のネットに入れたら というジェスチャー。親切やね。しかし、そのネットは穴が空いており、無残にも落ちてしまう・・・。
辺りをみるとヨーロッパ人の女性二人組み以外は中国人。
バスが走り出してから20分くらい、ずっとガイドがしゃべりっぱなし。

12:20PM頃、周荘に到着。
チケット売り場の案内では2時間かかると言っていたのに、意外に早かった。降りたところのレストランに皆ぞろぞろと入っていく。え?ただのランチ休憩?
同じように、戸惑っているヨーロピアン二人に話し掛けると、「Oh!You can speak English!」と喜ばれてしまった。ん?まさかと思って、自分が日本人だと伝えると、外人的な露骨なガッカリジェスチャーをされた。どうやら中国語を通訳できると思ってヌカ喜びさせてしまったようだ。
そんなことをしていると女のバスガイドが話し掛けてきた。実は少しだけ英語が話せる。4:00PMに再びココに集合とのこと。どうやら周荘に着いたことは間違いないようだ。
どこにいったらいいかわからなかったが、とりあえず土産物屋が並ぶ方へ。
大きな門があり、係員がいる。チケットを見せろ とのこと。「無い」と言うと、バス内で渡されていたシールを胸に貼っていたのをみて、バスチケットは?と聞いてくる。見せると、半券を切って中に入れてくれた。どうやらこの高かった145元のバスチケットは入場券も含まれていたようだ。
胸のシールをあらためてみると、「SHANGHAI DAY TOUR」と書いてある。実はバスチケットを買ったつもりがツアーに申し込んでいたということだ。まあ、結果オーライ。
とりあえず歩いていくと、パンフレットにあるような、水路と橋の綺麗な景色が広がっていた。
「イイ!」


写真を撮りまくる。広角レンズが大活躍してくれる。狭い道の両端に店が建ち並ぶ。あまり激しい押し売りはしない。
一通り歩いて満足した頃、時計は1:40PM。4:00PMまでちょっと長すぎる。

自分は基本的にお土産物屋には興味がないが、時間が余っているので冷やかしに幾つか覗いてみることにした。
そんな時、半透明の便の中に絵を描く実践をしている店が目に入った。初めは中国語で売り込みをされたが、Japaneseだと言うと、急にその子とは別の店員が日本語で話し出した。
通常、アジアで日本語を使う現地人は、大抵は騙す目的で近づいてくるので、信用せず相手にしないが、今回のこの子は、どこか品の良さがあり雰囲気も良かったので素直に話を聞くことに。
ある気に入った小瓶を幾らか聞くと35元(約455円)とのこと。いろいろ他に(高いものを)進められたが「最初のがいいなぁ」って言ったら、交渉もしていないのに25元(約325円)に安くしてくれた。うーん、安いなぁ(注:この時、中国の物価が分からないので安いと感じたが、旅を終えた今 考えると、交渉すれば もう少し安くなるハズ)。
名前を入れてくれるということでお願いするが、自分の名前が完全に浮いている・・・。入れなきゃ良かった・・・。めずらしく買い物をしてしまった。
隣の扇子屋を覗いたあと、またその隣の絵と写真を売っている店で、ここの周荘の町をプロの写真家がどうやって撮っているか参考にする為、写真集をペラペラ眺めていた。やたら店の主人が熱心に売り込みを始める。
するとさっきの店の日本語を話せる女の子がまたいろいろと説明してくれた。
ある写真で「ここ行きましたか?」と聞いて来たので、行ってないと答えると、自分の胸のツアーシールを見て「そのツアーの人は必ず行きますよ」とのこと。よくチケットをみると何かいくつかの名所が書いてある。どうやらこの周荘のなかでチケットが必要な観光スポットがあるようだ。時間が余っていたのはそのせいだ。
すると「今から 私が案内してあげますよ」と言う。「行きましょう」といわれるがまま、そのピンクのワンピースの女の子について行く。

道中 ずっと橋の名前とか由来などを解説してくれる。
まず「張さんの家」という大富豪の家に行く。そこでも丁寧な説明をしてくれる。
彼女は3ヶ月くらい日本人に日本語を教えてもらった経験があるらしい、そして何年かここ周荘の日本人対象のツアーガイドもやっていた経験があるらしい。彼女もだんだん日本語が流暢になっていく。冬に日本人旅行者が多いらしいが、今は少ないという。というか今日 一人も日本人を見ていないぞ。
もう一件 案内してお別れ。「記念に写真を撮らせて」言ったら、恥ずかしがって逃げていってしまった。たった25元の買い物でここまでしてくれるなんて。


チケットに書いてある他の観光スポット(南にあるお寺)などを見て周る。

3:30PM頃 になったので、最後にワンピースの女の子のお店に立ち寄り挨拶。彼女がカメラのフレームから出ようとしたところ強引にパシャッ。
周荘の町並みを出たが、集合場所が分からない。きょろきょろしていると、人力車のおっさんが売り込みにくる。なぜかベタベタに濡れた地図を出してきて「NEW BUS TERMINAL」を指差す。自分が行くところはそこではないが、おっさんに尋ね さりげなく自分の現在位置を確認することに成功。そのおっさんを振り切る。
2,3分歩いて、最初のバスを降りたところに到着。既に数人が待っていた。10分程でバスがきて皆乗り込む。
バスが発車して、5分くらいすると、あるところにバスが停まる。
皆降りて、ある建物に入っていく。見ると ここは蚕の綿でつくった製品の販売所だった。どうやら ツアーの定番、何か買わせるようだ。
ガイドの案内で奥の部屋に連れて行かれ、ドアを閉められる。そこには大きなステージが迫り出している。
すぐに音楽がなり、ファッションショーの始まり。女の子がシルクの中国風の服を着て、次々と出てくる。よくテレビで見るファッションショーはキリッとした表情で、さっそうと歩くのが普通だが、なぜか約1名 すごく愛想の無い女性がいる。もうあきらかにルーティンワークと化しているのだろう。無愛想のファッションショー歩きは非常にシュールだ。
5人の女性が次々と衣装を換え出てくるが、毎回その女性がどうしても気になって集中できない。10分くらいで曲が終わるとともに終了。
その後、蚕の説明や布団の製作などを見せられる。奥にシルクの洋服売場があった。適当に見てバスに戻る。一人 布団を買っていた中国人がいた・・・。
それからは、上海に直行。

6:00PM頃、上海に到着。地下鉄で宿に戻り、昨日の昼食をとった店で夕食。うまいなぁ。日本に入ってくる中華料理と呼ばれる物は、ほんの僅かなんだろう。見たこともない料理が多い。ちょうど外国でみかける日本料理というものが、すし・そば・丼物くらいしか見かけないのと同じかな。
宿に戻る。疲れたので部屋でしばらく休んだ後、外灘の夜景を撮りに行く。
10:00PM頃なのにたくさんの人がいる。外国人も何人かいるが、多くは中国人。地方からの観光客だろうか、やたらと記念写真を撮っている人が多い。ほとんど日本製デジカメを持っている(キヤノン率が高い)。大きな三脚の上にコンデジを付けて撮っていたり、中途半端にこだわりがある。


1ヶ月程前、日本の料理店を破壊したり、日本製不買運動などをしていたデモ参加者と同じ中国人とは思えない。ああいう報道は出来事をトリミングするので、見ている側は錯覚しやすく、事実とはかけ離れている場合が多い。
今日、中国人から受けた親切は金銭的なものとは無縁な損得ない純粋なものだ。こういう受けた行為は大切にしたい。

宿に帰り、ヒデキがいたので、彼にデジカメのデータをCD-Rに焼いてもらう。ありがたい。
日記を書いているとサミュエル達が帰ってきた。今日あったことを報告しあった。
ロシア人カップル(?)も帰ってきた。彼らは蘇州に日帰りで行って来たとのこと。全然良くなかったと言っていた。そして入場料が結構高い。6月1日からシーズンオフで安くなるとのことだが、明日は5月31日・・・。
蘇州に行く気満々だった気持ちが揺らぐ。しかし、中国にくる直前に、NHKの世界遺産の番組で特集されていたのを見ていたので、自分の目で確かめたかった。
結局、ドミトリーのメンバーで2時間くらい話しただろうか。こういう時間は凄く好きだ。いつも、あー 旅に出て良かったなぁと思う。2:00AM頃、就寝。
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