のそのそ日記

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成長記=賞

2017-08-19 23:36:00 | ノンジャンル
 先日、家人に訊かれたんだけど「芥川賞と直木賞ってナニが違うの?」って話。

 芥川賞はそれまでの文学作品になかったような新規開拓表現な作品、直木賞はコレはおもろい、売れるぜ!っていう普通にパネえ作品。だと私は思ってるんだけど、ちょっと自信ない…よく直木賞作家は受賞後さくさくヒット作とばし続けるけど、芥川賞作家って受賞後食べてくのがけっこう大変、と聞いてるからそう思っただけなのかも。

 でもちょっと前にSNSで大友克洋の話が出た時に思ったんだ、この人タイプで言ったら芥川賞系だ!

「最近初めて「童夢」を読んだけど、話は薄いしアクションシーンもそのへんで見かけるありふれた表現で、ナニがすごいのかさっぱりわからない。こんなのにびっくりするぐらい当時の漫画は底が浅かったのか?」

って若い世代の意見に、年寄りオタクが「バカヤロー!ドラゴンボールも今のカドカワアニメも、最初のこの大友アクションからサイキックバトルを学んだんだよ!誰かが最初にスイッチを入れないと通電されないままなんだよ、今が明るいからって最初に照らしてくれた作品をないがしろにすんなー!」と反駁してたのね。

みんながなるほどわかりやすい!とかかっこいいとか、伝わり易いいい表現っていうのは、リスペクトされて広がっていくものなんだよなあ。大友先生がやらなくても、いつか誰かが描いた表現かもしれないけれど、あの当時の映像表現で(TVも広告も写真も文学も)追いつかなかったあの描写を、セリフも添えずに使いこなしたのはやっぱりスゴい。

 それが普遍化しちゃったから、最初の言いだしっぺをくさす人も出てくるのね…ってのに物申したくて文学畑で打ちたてられたのが芥川賞なのかもな、と思った次第。
 文学にしても漫画にしても、表現ってのは成長していくもんなんだYO!って気概を感じるから、こういう成長過程=歴史をちゃんと押さえていこうっていう意識は好きだなー。



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2 コメント

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Unknown (さゆり)
2017-08-20 20:04:02
猿の惑星のラストシーンも、今の子達が見ると、
もう使い尽くされて、陳腐に見えちゃうけど、
当時は衝撃的だったもんな~

子供たちは、「何が面白いのかわからない」ってさ。

AKIRAは今でも面白いみたいだけど、
同じような表現があちこちでパクられすぎてて…
そういう作品は陳腐に見えちゃうよねぇ。

回りまわって、本家本元まで陳腐に見られちゃうのは残念すぎる。

そういえば、うちのAKIRA、どこいったっけな…?
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Unknown (ricco)
2017-08-20 21:35:47
陳腐っていうか、すごくデフォな表現なんだと思うんだ。

PKの衝撃で壁ごと丸くめり込むとか、立っている人の足元から
丸く砂埃が立ち上がる(→空気が上に立ちのぼる)の描写は
今となっては、それを描かないと「見えない攻撃」の表現って不可能なくらいフツーな描写じゃないっすか。

古臭いというよりは、あまりに当たり前になっちゃって、
それを初めて使った人の表現力が想像できないだけだと思うんだけど。

またパソコンの普及して容量が増えてCGが描けるようになるちょっと前に
こういう表現方法を、日本のまんがコンテンツが手に入れられたのって
すごい僥倖だと思うんだ。
イメージがなければ、たとえCG技術ができたとしても描く事はできないもんね。
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