のそのそ日記

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善良な男主人公の話

2020-06-08 14:35:00 | ノンジャンル
 去年のMe too活動が話題になってから、今まで無自覚だった社会にぴっちり織り込まれていた差別ってものが見えるようになりましてん。私は母が知多の出なのでわりとはっきり男尊女卑の土台があるなと自覚はあるつもりだったんだけど、いやいやぜんぜん知らんことまるけだったと思い知りました。

 で、男女差別と一緒にじんわりでてきた男性社会の差別の構造もあったんだと学びましてん。
 小さい頃、どんなに話が面白くても「どらえもん」が苦手だったのってそのホモソーシャルでのキツいマウントとりまくり構造が恐かったんだよ…主人公達の関係は不動のもので、どんなにのび太がずっこい手段(どらえもんの道具)でやり返そうがマドンナしずかちゃんがたしなめようが、あの人間関係は変わらない、地獄のような世界に見えたのよ。子どもが見て怖いと思えるくらい、あの話はリアルだったんだろうけど。

 男性社会の中でマウントとられて逃げ場のなくなった人が、だけど人類の半分(女性)は自分より下だ、と思っていたのに、その価値観がくずれて絶望する。どらえもんの基本設定ってその縮図みたいに見えたのね。

 それでぜんぜん関係ない事を思い出しましてん。
私が個人的にオモロナイと言ってしまってた小説とかアニメで、

 『主人公の男の子は善良で大人しく悪事に手を染めない。だけど周囲の男達は主人公をないがしろにあつかったりやたらと侮蔑する。対して主人公にかかわる女の子はほぼ全員、主人公が好きになったり守ってくれたりする、ツンデレで暴言をはくことがあったり主人公を独占するため乱暴に扱うことはあっても、とにかく「獲得されたい」と強く願っている。』

ってパターン。なんかあまりに女子を人間扱いしてないやろ!?話作るの下手か!と思ってたんです。
 でも話の設定も展開も面白く緻密な作品でも、中心の人間関係だけがそのヘタレ天国っていう話がちょいちょいあって、これは作者がお花畑だから書いてる話なんじゃなくて、こういうニーズに答えるためだったんか!?それにしてもタゲは誰やん!?と謎に思っていたんです。

 ホモソーシャルでないがしろに扱われている人、マウントを取るのが嫌いだけど軽蔑されるのは絶対嫌だと思う人、積極的に暴力をふるわない自分がなぜ評価されないのかって気持ちがくすぶってしまう、だけど好きなものを表現するのは苦手だったり面倒だったりする人。ううーーん、そうやんすごく多いやん。そういう人のための物語か。

のび太、おまえだったのか…なろう小説の遠いさきがけだったのは。


 イヤ途中からのび太は、語れる相手に対しては自分の好きなものや正しいと思う事をちゃんと語るようになってるから、なろう主人公とは違うのかもだけど。あと冒頭はのび太の方が落ち度は大きい鴨ね~。

コメント
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