のそのそ日記

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月光条例

2020-06-24 21:53:00 | ノンジャンル
 藤田和日郎「月光条例」29巻、履修いたしましたー。
 去年冒頭のシンデレラや赤ずきんちゃんのあたりまで読んで、こういう読みきりシリーズなのかと思って止まっていたのだった。後半のカグヤ話の怒涛の展開はぜんぜん想像がつきませんでした~。

 読みきり話のあたりはなんとなく話がばたばたしてちょっと読みづらかったけど、千夜一夜話の長編に入ると先生得意の逆境アクションが冴えてきて面白かった。

 それで全体イッキ読みして思ったんだけど、これって二次創作じゃな!?

 誰かが描いた物語に強く感情移入した感覚を、登場人物の声を借りて代弁してもらうとか。
 物語の読み方が受け取り手によってちがうとか、書き手が伝えたい事があるから描いた物語を操作することはできないけど、読み手の解釈の違いによる不和が生まれることはあるとか。

 作者が、物語のもつ力に対して熱い愛情と熱意をぶちかましてるところが、この話の面白くて格好いいところだと思うんだけど、同時にそれを物語として描くのなら、作者の主観が染み出しているのが見えてしまうのってどえらいマイナスな気がする、話が盛り上がってる最中はいいんだけど、ラストで「こう描きたかった」って漏らしてしまったのはやっぱり残念かな。だけどそれを語りたくてながながおとぎ話をたくさん並べたのもわかる、

先生、それはオタク語りをしたいマニアの血だよ…すごい共感するけど、はばかってほしいんじゃそれは。


 全然関係ないんだけど、昨日ちゃまが図書館で「残された人々」って本を借りてきたのね。アニメ「未来少年コナン」の原作。
 再放送が始まったので、気になって原作読もうと思ったそうな。
 それで読む前に「あのアニメの設定とか展開はどのくらい原作準拠してるのか?」って話でもりあがったのです。
 ちゃまは、ジムシィやモンスリーはアニオリキャラなんじゃないかつってたけど、私はモンスリーはラナと対の立ち位置キャラだから出るでしょう~ジムシィは判らない派。70年代のアニメって原作からかなり遠い脚本のケースが多かったよね。当時の社会主義批判も入ってたんじゃないかなどとつらつら…

 多分、こういうのが昔のオタク話だったんだと思うのだ。展開を想像したり脚本や監修の力量を想像したり比較や評価してスタッフの腕に萌えたり悔しがったりするの。
 「月光条例」は今世紀の漫画だけど、たぶんこういう語りをしたい!あの話を換骨奪胎したらこうなるかも!こんな展開俺はイヤだ、分岐できる箇所がここにあるのに!っていう、骨の髄のオタク妄想を土台に、その「いじった」キャラの力を借りてオリジナルの戦記ものを描いた話なんだろうな。
 堪能いたしました!




コメント
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